2017年04月20日

[東京新聞] 米の温暖化対策 時流に逆行する気か (2017年04月20日)

脱炭素社会の時流に本気で逆行するつもりか。トランプ米大統領が地球温暖化対策を全面的に見直し、温室効果ガスの排出規制を緩める命令を出した。これでは米国が世界から取り残されるだけだ。

大統領令の狙いは斜陽の石炭産業の復興だ。米国の炭鉱労働者は二〇一五年で約六万六千人。五年前より約二万人減った。昨年は石炭採掘最大手のピーボディ・エナジー社が会社更生手続きの適用を申請して破産した。

だが、大統領令で石炭産業が息を吹き返す見込みは薄い。衰退の主な要因は機械化に加え、石炭に代わり発電燃料の主役に躍り出た天然ガスの価格低下だからだ。

石炭産業を抱える中西部はトランプ氏を大統領の座に押し上げた。規制緩和にはその支持をつなぎとめたい思惑の方がちらつく。

脱炭素社会への移行機運に乗って、世界の主要機関投資家が化石燃料分野から投資を引き揚げる動き(ダイベストメント)が広がっている。

米国でも屈指の財閥ロックフェラー家がかかわる基金ロックフェラー・ファミリー・ファンドは昨年、石油メジャーのエクソンモービルの株式売却をはじめ化石燃料関連投資をできるだけ早く打ち切ると発表した。

このファンドは声明で、その理由を「国際社会が化石燃料使用削減に向かっている時に投資を続けるのは、資金的にも倫理的にも道理に合わない」と説明した。

ロックフェラー家は石油事業で財を成した経緯があるだけに、大きな反響を呼んだ。

トランプ氏が重視する国内雇用でも、急速に伸びているのが太陽光発電だ。非営利団体のソーラー財団によると、太陽光発電産業に従事する労働者は一六年に25%増えて二十六万人を超えた。

米国は二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量が中国に次いで二番目に多い。それだけ削減には大きな責任がある。

ところが、トランプ政権の政策転換は温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定を骨抜きにしかねない。パリ協定は米中両国が主導してまとめたものだ。「米国第一主義」の身勝手ぶりが目に余る。

日本は三〇年までに一三年度比で温室効果ガスを26%削減し、五〇年には80%削減する目標を掲げている。

だが、歩みは遅い。政府は温暖化対策に本腰を入れるべきだし、米政権には再考を促してほしい。
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[産経新聞] 【主張】全国学力テスト 授業の改善へもっと競え (2017年04月20日)

小学6年と中学3年対象の全国学力テストは今年で10回目を数える。

順位を知ることで、成績上位県に学び、学力の底上げを図るという成果が出ている。さらに活用し、より良い授業につなげてもらいたい。

全員参加の学力テストは、全国平均などと比べてどこに弱点があるか、学校別や児童生徒それぞれの課題が分かる。

授業で学んだことが身についているか、実生活で生かせるか。新聞(19日付)に掲載された問題を眺めれば、そうした工夫がこらされていることが分かるだろう。

成績が振るわなければ、授業のやり方に改善点はないかを見直す貴重な機会となる。ところが、いまだに「競争をあおる」「学校の序列化を招く」との反発から、活用しきれていないのは残念だ。

全員参加の方式は、昭和30年代に日教組の激しい反対運動に遭って中止され、学習量を減らした「ゆとり教育」への批判のなか、平成19年度に復活した。

この10年をみれば、過度の「競争」「序列化」は杞憂(きゆう)だった。その効用は明らかである。

都道府県別で成績上位の秋田県や福井県などに、指導法などを学ぶ自治体は少なくない。

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実施当初、ほぼ最下位だった沖縄県は昨年、小学校の基礎問題の算数Aで上位になるなど成績向上が顕著だ。秋田と教員人事交流を行うなどの取り組みの結果だ。

その秋田が現在、好成績にあるのも、かつての学力テストの成績不振により、指導改善を進めた努力の結果である。

競い合う効果をより説くべきなのに、成績公表について文部科学省は腰が引けている。

平均正答率を発表するのに、これまでの小数点以下は四捨五入して、整数値を使う。「競争」をあおらないためだというが、どれほどの意味があるのか。

学力向上には家庭との連携が欠かせない。保護者からは、市町村別や学校別など詳しい成績が知りたいとの要望も多い。

学校によっては、成績不振でも隠さず保護者に公表し、協力を求める取り組みもある。

競争や順位から目を背けていたのでは、改善や向上は望めまい。競争を嫌うことは、結果の責任をあいまいにするのと裏表である。文科省を含めた教育界の意識こそ、変えるときだ。
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[日経新聞] 衆院選の区割り改定だけでは不十分だ (2017年04月20日)

衆院選挙区画定審議会が19日、小選挙区の「0増6減」などを反映した区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。関連法が成立すれば「1票の格差」は2倍未満に是正される見通しだ。だが今回の見直しも、格差を一時的に縮める効果しか期待できず、各党は衆参の役割分担や選挙制度の抜本改革に向けた議論を急ぐべきだ。

区割り審は昨年5月に成立した改正公職選挙法に沿って具体的な区割り案を検討してきた。青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県は定数を1減らし、19都道府県の97選挙区で区割りを変更した。2015年の人口に当てはめた格差は1.956倍となる。

政府は勧告を反映した公選法改正案を提出し、今国会で成立する運びだ。周知期間を経て、夏以降には新たな区割りで衆院選ができるようになる。比例代表も東北、北関東、近畿、九州の4ブロックで定数を1ずつ減らし、衆院定数は465議席と戦後最少になる。

近年は衆院選や参院選があるたびに全国で1票の格差をめぐる訴訟が起きている。最高裁は14年衆院選の最大格差2.13倍を「違憲状態」とした。16年参院選の3.08倍も「違憲状態」との高裁判決が相次ぎ、最高裁が年内にも最終判断を示す方向だ。

国政選挙のたびに司法が違憲性に触れた判決を下し、立法府が後追いで選挙制度を小幅改正する展開は望ましくない。衆院選は人口比に近い配分が可能な「アダムズ方式」の導入が決まっているが、次の改正は5年後だ。格差が安定的に2倍未満になるような制度と運用方法の検討が必要だろう。

参院選は都道府県が選挙区の単位で、格差の是正がさらにむずかしい。昨年は鳥取・島根、徳島・高知を初めて合区した。現行制度のままなら合区がどんどん増える見通しだ。各党では「選挙区を地域ごとのブロック制に改める」「参院を地域代表だと位置づけて格差論争から切り離す」といった案が浮上しているが、憲法改正も絡むため議論は難航しそうだ。

日本は衆参両院ともに選挙区と比例代表を組み合わせた選挙制度を採っている。法案審議や国会同意人事の権限もほぼ同じだ。二院制の国々の中でも例外的な制度といえ、立法府のあり方について根本から議論する必要がある。1票の格差を是正する対症療法的な発想だけではイタチごっこのような制度改正からぬけだせない。
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[毎日新聞] 97小選挙区の区割りが変更 有権者への周知徹底を (2017年04月20日)

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大幅な区割り変更に驚いた人は多いだろう。政府の衆院議員選挙区画定審議会が、衆院小選挙区の区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。

見直されたのは定数を減らす6県を含む19都道府県で、変更は97選挙区に及ぶ。とりわけ東京都をはじめ、区や市が分割される選挙区が大きく増えたのが目を引く。

行政区分と小選挙区とで区域が異なることに戸惑う有権者も多いはずだ。だが民意の反映が厳密に求められる衆院選で、「1票の格差」を2倍未満にするためにはやむを得ない措置だ。むしろ、今後大切なのは有権者への周知徹底である。

2014年の前回衆院選で生じた「1票の格差」に対し最高裁は「違憲状態」と判断した。今回の改定は、これを受けて昨年、小選挙区の「0増6減」を盛り込んだ選挙制度改革関連法が成立したことに伴う。

忘れてならないのは、与党は関連法の議論の際に、議席配分に人口比をより反映させる仕組みとして衆院議長の諮問機関が答申したアダムズ方式の導入を先送りしたことだ。

民進党は直ちにこの方式を採用して「7増13減」する案を提案したが、自民党は定数増減の影響を受ける現職議員を少なくしたいとの事情から反対し、「0増6減」となった。

関係者によれば、東京都などの場合、定数を増やさない条件の下での是正にはおのずと限界があり、分割区が増えざるを得なかったという。

アダムズ方式を用いれば大都市圏は定数が増え、分割が解消される選挙区も出てくる可能性がある。同方式は20年の国勢調査に基づいて導入することになっているが、さらなる先送りはしてはならないと改めて注文しておきたい。

政府は区割り改定法案の今国会成立を目指すという。成立後、有権者のために1カ月程度の周知期間が必要とされ、新区割りが適用可能になるのは、今夏以降になる見通しだ。

抜本是正には程遠いとはいえ、自民党は相当数の候補者調整が必要となる。このため党内には「区割り改定で首相の衆院解散権は縛られない」と、現行のままで解散・総選挙を行うよう期待する声があった。

しかし新たな区割りが出た以上、もはやそれは許されない。政府も区割りの広報に重きを置くべきだ。
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[日経新聞] 英総選挙で霧は晴れるか (2017年04月20日)

英国の欧州連合(EU)離脱に向けた道筋は見えやすくなるだろうか。メイ英首相が下院を解散し6月8日に総選挙を実施する方針を明らかにした。

離脱の条件を巡る英国とEUの交渉は難航が予想されている。総選挙を経て、国民の信任を得た強いリーダーシップのもとで英国は交渉を着実に進め、EUからの離脱を円滑に実施してもらいたい。

メイ首相は総選挙に踏み切る理由として、EU離脱への立場で議会が割れている点をあげた。EUの単一市場から完全撤退するなど「強硬離脱」の政府方針に、野党・労働党などには反対も多い。

キャメロン前首相の辞任を受けて昨年就任したメイ氏は、今回が首相として初めての総選挙となる。首相の与党、保守党の議席数は下院で半分強にとどまるが、最近の世論調査では支持率で野党に大差をつけている。いまなら与党議席を増やして政権基盤を固め、EU離脱交渉を進めやすくできるとメイ首相は読んだようだ。

勝てば党内での首相の求心力が強まり、極端な強硬離脱派をおさえて、離脱交渉に柔軟に臨む余地も生まれるかもしれない。

早期の総選挙にはリスクも伴う。首相の思惑に反して保守党が議席を減らせば、政権は不安定になり、離脱交渉も停滞しかねない。過半数を割り込めば、取って代わる有力な野党が不在のまま政局が混乱する可能性もある。

保守党が大勝した場合でも、仮にメイ首相が勝利を背景に強気一辺倒の姿勢で交渉に臨めばEU側が態度を硬化させる恐れがある。英北部のスコットランドでは強硬離脱路線への反対が根強く、独立を問う住民投票の再実施を求める動きが強まることも考えられる。 英政府に求められるのは現実的で柔軟な姿勢だ。3月末に離脱をEUに通知した英国は、原則2年後の2019年春に離脱する。EUとの交渉時間は限られている。与野党ともにEU離脱が世界に及ぼす影響を十分に踏まえ、建設的に政策論争を深めてほしい。
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[毎日新聞] 英下院の解散・総選挙 民意の熟成を図る機会に (2017年04月20日)

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英国のメイ首相が議会下院を解散する方針を打ち出し、6月8日に総選挙を実施することが決まった。

解散を否定してきた首相が突然、方針転換したのは、野党の「政治ゲーム」が欧州連合(EU)との離脱交渉を妨げているからだという。

英国は昨年6月の国民投票でEUからの離脱を決めた。だが、離脱の意味や影響について事前の吟味が乏しく、禍根を残した。

「英国の主権回復」「職を奪う移民労働者の追放」といった大衆受けする離脱派の訴えが支持を集めたが、根拠のない主張もあり、やり直しを求める声が出た。

外国企業が撤退の検討を始めるなど離脱後の経済への影響が懸念されている。移民への暴力が頻発して社会の分断も生んだ。

このため冷静に国の行方を考える機会が必要だった。総選挙が民意の熟成を図る機会になるのであれば、意味を持つ。

メイ首相は、国民投票でEU残留を訴えて敗れたキャメロン前首相の辞任を受けて就任した。ただし、議院内閣制の首相として、総選挙の洗礼を受けていないことへの批判もあった。

世論の動向から今選挙をすれば与党が議席を増やし、政権基盤を強化できるという計算も働いただろう。

英国では、総選挙は原則5年に1回と定められ、次は2020年5月の予定だった。メイ首相は19年3月のEU離脱後も「移行期間」を設けて交渉を続けたいと考えており、総選挙が予定通りならばEU側との条件闘争が続く中で政権与党には厳しい選挙戦になるとみられていた。

メイ首相は、欧州単一市場から完全撤退する「強硬離脱」を選択したが、議会にはこれに反対する勢力や、離脱すればスコットランドの独立を求めるという勢力もある。

こうした政治闘争に決着をつけ、交渉開始前に国民の支持を得ることで、強い立場で交渉に臨みたいと考えたのだろう。

しかし、与党・保守党が勝利を収めたとしても、逆に交渉方針の硬直化につながる懸念もある。EU側との交渉には決定的な対立を避ける柔軟さが求められる。総選挙でメイ首相は、EUとの関係構築に向けた冷静な議論を喚起してほしい。
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[読売新聞] 学術会議声明 「研究の自由」をはき違えるな (2017年04月20日)

研究者の自由な発想を縛り、日本の科学を一層低迷させかねない。

学者の代表機関とされる日本学術会議が、軍事利用される恐れがある研究を規制するよう、大学などに求める声明・報告書を決めた。

学術会議として、「学術と軍事が接近しつつある」との懸念を表明している。その上で、「自由な研究・教育環境を維持する」ために、研究の是非を判断する制度の新設を大学などに要請した。

大学は、研究資金が軍事機関からかどうかをチェックする。軍事的と見なされる可能性があれば、技術的・倫理的に審査する。

研究に新たな制約を課すことになる。それがなぜ「自由な研究」につながるのか。かえって、学問の自由を阻害する。

学術会議の総会で、「社会の声とかけ離れている」「判断の基準がない」などと疑問の声が上がったのも当然だ。

声明・報告書の決定過程にも問題がある。異論があるのに、既に幹事会で決定済みとして、修正などは検討されなかった。

多様な意見を踏まえて、丁寧に議論することは、学問の基本である。学者集団として、禍根を残す意思決定と言わざるを得ない。

学術会議が念頭に置いてきたのは、防衛省が2015年に開始した「安全保障技術研究推進制度」だ。声明は、「政府による研究者の活動への介入が強まる」との認識を示している。

他省庁の研究資金を受ける場合と同様、年に1回、防衛装備庁の担当者が訪れて、研究の進捗(しんちょく)状況を確認するだけだ。「介入」には当たるまい。制度自体も、基礎研究が対象で、成果の公表、製品等への応用は制約されない。

研究現場で、制度の注目度は高い。今年度の公募説明会には、前年の4倍を超える200人以上が参加した。学術会議と現場の認識には、大きなずれがある。

そもそも、声明・報告書が求める「技術的・倫理的な審査」には無理がある。科学技術は本来、軍事と民生の両面で応用し得る「デュアルユース」である。

米軍の軍事技術の中核である全地球測位システム(GPS)は、カーナビに加え、地震火山の観測や自動運転にまで広範に用いられている。軍事に関連するとして、排除するのは、非現実的だ。

日本の研究界の現状は厳しい。論文数が伸び悩み、世界から取り残されている、と指摘される。新たな制約を設けることで、研究現場を萎(い)縮(しゅく)させてはならない。
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[読売新聞] 英総選挙へ メイ首相は足場固めできるか (2017年04月20日)

欧州連合(EU)との離脱交渉に向けて、自らの政権基盤の強化を図る賭けに出たのだろう。

英国のメイ首相が、2020年5月に予定されていた下院の総選挙を6月8日に前倒しする意向を表明した。半数をわずかに上回るに過ぎない与党・保守党の議席を大幅に上積みするのが狙いだ。

メイ氏は昨年7月の就任以来、下院を解散しない、と強調してきた。前言を翻した理由について、「今、総選挙を実施しなければ、対EU交渉の山場を選挙直前に迎えることになる」と説明した。

英政府は3月末、EUに離脱を通知した。EU条約で定められた2年間の離脱交渉期間では決着が難しく、移行措置の取り決めが必要との見方が強まっている。

英国が求める自由貿易協定の交渉は20年以降にずれ込もう。メイ氏は、こうした行程表を念頭に置いて判断したと言える。

4?5月に仏大統領選が、9月には独連邦議会選が行われる。EUが政治決断を伴う本格交渉に入るのは、その後になる。底堅い経済情勢を反映し、保守党の支持率は高い。メイ氏はこのタイミングを捉えたのではないか。

懸念されるのは、離脱交渉の不透明な状況が長引き、世界経済に悪影響を及ぼすことである。英国とEUの双方は極力早期に、交渉の道筋をつけねばなるまい。

総選挙の焦点は、英国が目指すべき将来の対EU関係だ。

メイ政権は、英独自の移民規制を優先し、EU単一市場から撤退する「強硬離脱」の方針を公表している。保守党が勝利すれば、これを実現する足場が固まろう。

内紛が相次ぎ、党勢が低迷する最大野党・労働党は、「強硬離脱」に反対している。コービン党首は選挙前倒しに賛成した。前首相の辞任により就任したメイ氏について、選挙で信任を得ていないと批判してきた経緯からだ。

単一市場から脱退すれば、英国進出企業の負担が増し、教育・研究などの国際協力にも支障が出かねない。労働党などがメイ政権の離脱政策への不満の受け皿となり、善戦した場合、路線修正を迫る圧力が高まる可能性もある。

総選挙を機に、スコットランドの独立運動が再燃することも気がかりだ。EU離脱に反発する地域政党は、独立の是非を問う住民投票を行うよう要求している。

メイ氏は、英国の解体を回避するためにも、昨年の国民投票が招いた社会の分断を克服する取り組みを忘れてはならない。
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[朝日新聞] 退位の政府案 国会の軽視が過ぎる (2017年04月20日)

憲法は国会を「国権の最高機関」と定める。その国会の合意をないがしろにする行いだ。

天皇陛下の退位を実現するために、政府が検討している特例法の骨子案が明らかになった。衆参両院の正副議長のもと、各党各会派が議論を重ねて練りあげた「とりまとめ」とは、根底において大きな違いがある。

政府はすみやかに案を撤回して、作り直すべきだ。

まず法律の名称である。「とりまとめ」は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」としたが、骨子案は「天皇陛下の退位に関する…」となっている。一見大きな違いはないが、「陛下」の2文字を加えることで、退位を今の陛下お一人の問題にしようという意図が明白だ。

あわせて、典範を改正して付則に盛りこむことになっていた特例法の趣旨が削られた。「この法律(=典範)の特例として天皇の退位について定める」という文言で、今回の退位が次代以降の先例になる根拠と、野党などは位置づけていた。

改めて経緯を確認したい。

この問題をめぐっては、終身在位の原則にこだわり、退位をあくまでも例外措置としたい与党と、退位のためのルールを設け、将来の天皇にも適用されるようにすべきだという多くの野党との間で、見解がわかれた。

与野党対決法案になれば、憲法が「国民の総意に基(もとづ)く」と定める象徴天皇の地位を不安定にしかねない。危機感をもった正副議長の音頭で、政府案が固まる前に国会が協議を始めるという異例の手続きがとられた。

ぎりぎりの調整を経て、1カ月前に文書化されたのが「とりまとめ」である。朝日新聞の社説も、妥協の産物であることを指摘しつつ、「国民の『総意』が見えてきた」と評価した。

政府の骨子案はこうした努力と工夫を踏みにじるものだ。野党の声に耳を傾けようとせず、国会を軽視する政権の姿勢が、ここでもあらわになった。

安倍首相はかねて「退位問題を政争の具にしてはならない」とし、正副議長から「とりまとめ」を手渡された際は「厳粛に受けとめる」と応じた。あれはいったい何だったのだろう。

自民党の対応にもあきれる。「とりまとめ」について高村正彦副総裁は「党として全く異存はない」、茂木敏充政調会長は「いい形で全体の意見を反映していただいた」と述べていた。立法府の一員として骨子案に異を唱えてしかるべきなのに、このまま押し通すつもりか。

「国権の最高機関」の名が泣いている。
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[朝日新聞] 衆院選区割り 十分な周知が必要だ (2017年04月20日)

政府の衆院選挙区画定審議会が、小選挙区の区割り見直し案を安倍首相に勧告した。

青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県の小選挙区を一つずつ減らすのをはじめ、全国19都道府県の97選挙区の境界線を変える。

問題は多いが、これ以上「違憲状態」を放置できない。政府と与野党は勧告に基づき、関連法案を速やかに成立させなければならない。

区割り改定の勧告は3回目。16年前の20都道府県の計68選挙区、4年前の17都県の計42選挙区より対象が膨らんだ。

2020年の推計人口でも、「一票の格差」を2倍未満にするため、人口の多い都市部の選挙区も数多く見直したからだ。

この結果、最高裁が過去3回の衆院選に対して「違憲状態」と指摘してきた一票の格差は少し縮まり、15年の国勢調査時点で最大1・956倍。20年の推計で1・999倍になる。

格差を是正するために、「市区町村は複数の選挙区に分割しない」という原則が守られない例が続出した。複数の選挙区に分かれる市や区などは、現在の88から105に増えた。

とりわけ東京23区では新たに港、新宿、台東、品川、目黒、中野、杉並、豊島、板橋区が分割される。

同じ自治体でも違う選挙区になる場合が増えることで、地域の一体性が薄れることもあるだろう。だが、ここは投票価値の平等を優先するべきだ。

忘れてならないのは、今回の改定が、都道府県の間の定数配分が抜本改革されないまま行われたことだ。

現職議員が多い自民党の主導で、人口比に応じて定数を増減させる「アダムズ方式」の導入を20年の国勢調査以降に先送りしたためだ。

その意味で今回の改定は、いわば「応急措置」に過ぎない。20年の国勢調査後には、アダムズ方式による大規模な見直しが改めて迫られる。

政党や議員も大変だろうが、元はといえば自民党の党利党略のツケである。

何よりも心配なのは有権者の混乱だ。影響を最小限に抑えるために、十分な周知期間を設けるべきだ。過去の改定では法成立から施行まで1カ月余りだったが、今回は対象が多い点を考慮した方がいい。施行まで衆院の解散・総選挙をすべきでないのは当然だ。

有権者は自分の選挙区がどうなるのか、確認してほしい。目の前の道路の向こうは違う選挙区かもしれない。
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2017年04月19日

[東京新聞] 安倍・ペンス会談 平和解決へ日米連携を (2017年04月19日)

ペンス米副大統領が安倍晋三首相と会談した。北朝鮮情勢が緊迫する中での来日だ。トランプ政権は軍事攻撃を排除していないが、日米両政府は連携して平和的解決の道を探るべきである。

北朝鮮に国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言に違反する核、ミサイル開発をどうやって断念させるのか。日本や周辺国にとって安全保障上の脅威を取り除く上で重要な課題である。

首相は副大統領との会談冒頭、北朝鮮情勢について「外交的に平和的に解決していかねばならないが、対話のための対話になっては意味がない。北朝鮮が対話に応じるように圧力をかけていくことも必要だ」と強調した。

オバマ前政権の「戦略的忍耐」政策を転換して、軍事攻撃を含む「あらゆる選択肢が机上にある」とするトランプ政権は、原子力空母「カール・ビンソン」中心の空母打撃群を派遣するなど、北朝鮮への軍事的圧力を強めている。

首相の発言は北朝鮮に「対話と圧力」で臨む日本政府の姿勢を示したものだが、米国の軍事的圧力を支持し、米軍に積極的に協力する姿勢を示したものでもある。

対話を呼び掛けるだけで北朝鮮が核、ミサイル開発の断念に応じるようなことはないだろう。残念ながら軍事力の存在がなければ、交渉のテーブルに着けることすらできないというのが、国際政治の現実ではある。

とはいえ、相手の挑発に乗って緊張を高めていいものでもない。

不測の事態が、朝鮮半島での本格的な軍事行動に発展すれば、在日米軍基地が多く所在する日本も無傷ではいられまい。

北朝鮮は故金日成主席の生誕百五年に当たる十五日に軍事パレード、翌十六日にミサイル発射実験を行ったものの、懸念されていた通算六度目の核実験は見送った。

先の最高人民会議では「外交委員会」を十九年ぶりに復活させるなど、孤立打開のための外交戦略に乗り出す可能性も指摘される。

二十五日の朝鮮人民軍の創設八十五年を機に新たな挑発行動に出るのか否かは予測がつかないが、北朝鮮側の変化も慎重に読み取る必要がある。

北朝鮮に核、ミサイル開発を平和裏に断念させるためには、中国が果たすべき役割は特に大きい。

日米両政府は日米安全保障条約体制を「北東アジアの礎石」と位置づける。だとしたら、日米両国が連携して、中国の協力を得るために力を惜しむべきではない。
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[東京新聞] 日米経済対話 大きな目標忘れずに (2017年04月19日)

日米経済対話が始まった。自国の利益最優先のトランプ政権との協議で、個別テーマだけでなくグローバリズムの欠陥の是正という大きな課題にどう向き合うのか。安倍政権の力量が問われる。

十八日の麻生太郎副総理・財務相とペンス副大統領との対話では「貿易・投資」「インフラ・エネルギー」「経済政策」の三つのテーマで今後の協議の進め方を確認するにとどまった。

日本側が懸念していた日米自由貿易協定(FTA)について、ペンス副大統領は「二国間の交渉は将来の課題」と述べ、実質的な議論を先送りした。

背景には米政権の閣僚人事の遅れに加え、緊迫した北朝鮮情勢を前に日米の連携を乱したくないという配慮がうかがえる。協議の本格化は秋以降とみられるが、二つの点に注目したい。

貿易自由化では米国の関心は自動車と農業にある。ただ欧州製の高級車が走り回る日本に、米自動車業界が主張するような非関税障壁はない。農業は日本だけでなく多くの国で国土のあり方に深く結び付く難しい分野だ。

日本はそれぞれの分野で環太平洋連携協定(TPP)の合意レベルまでの歩み寄りは可能だろう。米国はそれ以上の強い要求を出してくるのか。

トランプ大統領の政策スタンスには中国の為替操作国認定を一転、見送ったように予測不能な面がある。まずはじっくりと腰を据えて交渉戦略を練る必要があるだろう。

もうひとつ、先進国に広がる貧富の格差と、その背景にあるグローバリズムの問題を忘れないでほしい。

トランプ氏を大統領に押し上げた有権者への公約である雇用や所得の増大、暮らしの安定の実現は喫緊の課題だろう。

ただ、グローバリズムの欠陥である多国籍企業の国際的な税逃れの防止策ひとつをとっても、国際協調なしでは実現できない。

TPPを離脱し、戦後の国際経済システムで最も重要な世界貿易機関(WTO)を軽視するトランプ政権の姿勢に、加盟国は強い懸念を抱いている。

短期だけでなく中長期的に、米国民にとってよりよい選択は何なのか。

安全保障では自国第一主義に変化の見られる米国を、経済分野でも国際協調に引き戻す役割を、大統領と良好な関係を築いたという安倍晋三首相に期待したい。
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