2017年03月18日

[産経新聞] 【主張】対北朝鮮政策 新アプローチへ共闘せよ (2017年03月18日)

「新たな脅威」となった北朝鮮にどう対処するかは切迫した課題だ。

来日したティラーソン米国務長官と安倍晋三首相、岸田文雄外相との会談で、対北朝鮮政策について日米が綿密にすり合わせ、戦略目標を共有することで合意した。

北朝鮮が核・ミサイル開発を強行することへの対抗措置を具体的に講じていく上で、大きな意義がある。

ティラーソン氏は米国の対北朝鮮政策について「過去20年間、北朝鮮を非核化する努力は失敗した」と断じ、新たなアプローチにかじを切る方針も表明した。

1994年の米朝枠組み合意は破綻し、長年にわたる経済制裁圧力も十分に機能していない。オバマ前政権の「戦略的忍耐」政策もしかりである。多角的な戦略で圧力を高める必要がある。

トランプ政権が検討の俎上(そじょう)に載せている「あらゆる選択肢」には、自衛権に基づく先制攻撃や韓国への戦術核再配備、北朝鮮の体制転換が含まれるという。

北朝鮮の動向は予測不能な面が大きい。抑止力を高め、急迫不正の侵害に対処するには、日米韓が連携を強め、より多くの手段を備えておくことが重要だ。

日本海に向けた相次ぐ弾道ミサイル発射だけではない。北東部豊渓里では、坑道の掘削など新たな核実験の準備が進められているとの情報もある。さらなる暴挙を許してはならない。

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トランプ政権が発足して約2カ月になる。北朝鮮に対する「あらゆる選択肢」も、今は目次が並んでいるにすぎない。米国本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を北朝鮮がいずれ手にするという時間軸を考えるべきだ。

トランプ政権が真に危機感を抱いているなら、新たなアプローチの具体的措置を策定するため、日米、さらに韓国を加えた協議を早急に実施する必要がある。

日本が自ら敵基地攻撃能力を保有することも、抑止力向上の観点から決断すべきだ。それが日米共同防衛にも資する方法を考えてほしい。ミサイル防衛(MD)や警戒監視活動、訓練の強化も着実に推進したい。

ティラーソン氏は、日韓に続き中国を訪問する。韓国に配備する最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)に関して対立が予想されるが、北朝鮮制裁をめぐる協調も求められる。
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[日経新聞] 原発事故の過失認めた重み (2017年03月18日)

東京電力福島第1原発の事故で、福島県から群馬県に避難した住民らが「生活基盤を失い、精神的苦痛を受けた」などとして国と東京電力を相手に損害賠償を求めていた集団訴訟の判決が、前橋地裁であった。

地裁は「国や東電は巨大津波の到来を予見することができ、事故を防げた」と指摘し、両者に賠償を命じた。事故をめぐる一連の裁判のなかで国や東電の過失が認められたのは初めてのことだ。

従来の司法判断の流れからみれば大きく踏み込んでおり、唐突な印象も否めない。だが、つねに万一の事態を想定し、安全を確保するための備えを尽くすべきだとする裁判所の考えが明確に示されたことの意味は、重い。

2002年に巨大地震発生の可能性を示す長期評価が出され、国と東電は津波が来ると想定できた。それを受け国は東電に対策を命じる権限があったのに、怠った。判決はそう結論づけた。

国や電力会社は指摘を真摯に受け止め、原発の周辺住民に対する避難計画の策定といった安全対策に生かしていく必要がある。

原発事故の避難者には、学識経験者らでつくる原子力損害賠償紛争審査会による指針にもとづいて、賠償が行われてきた。

だが事故から6年たったいまもなお、多くの人が福島をはなれて暮らしている。今回の判決は、国や東電の対応に納得しきれないままたくさんの人たちが避難生活を余儀なくされている現状を、改めて示したといえる。

今回の訴訟と同じような形で損害賠償などを求める訴訟は、全国各地で30件ほどが争われているという。強制起訴された東電の旧経営陣らに対する刑事責任の追及も今後、始まる。

各地の原発の再稼働をめぐっても依然、様々な議論が続く。安全性をめぐる国民の不安は払拭されていないままだ。

今回の判決はこうした動きに影響を与えることも考えられる。事態を注視していく必要がある。
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[日経新聞] 着地点みいだした国会の天皇退位論議 (2017年03月18日)

天皇陛下の退位に向けた法整備をめぐり、衆参両院の正副議長が国会としての提言を安倍晋三首相に伝達した。1月以来の各党派の議論を踏まえた内容である。

一代限りの特例法を主張する与党と、皇室典範改正による恒久制度化を求める野党が当初は対立していたが、双方が歩み寄った。退位を特例法で定めたうえで、特例法と典範が「一体をなす」と典範の付則に明記するという。

大きな政治問題としないで国民の多くが納得できそうな着地点を見いだした努力を、評価したい。首相はできるかぎり尊重して法案づくりを進めてほしい。

特例法と典範の付則という枠組みは、国民を代表する国会が退位をそのつど判断できる。それを通じて、象徴天皇制に対する国民の理解と共感が一層ふかまる。

「典範による皇位継承を定めた憲法2条に違反する」との疑いも払拭される。退位は例外的措置としながらも、将来の退位の先例にもなり得ることも明らかにした形で、妥当だろう。

提言はまた、今回の退位論議にいたった事情を特例法に詳細に記すよう求めた。昨夏の陛下の「おことば」への国民の共感など固有の事情を強調することで、今後、恣意的、強制的な退位につながるのを避ける狙いだ。

退位の手続きや退位後の敬称、待遇も規定すべきだと指摘した。ほぼ200年ぶりとなる退位を円滑にすすめるための配慮を重ねており、評価できよう。

「おことば」の末尾で陛下は、皇室の安定的な持続にも強いお気持ちをにじませた。「女性宮家の創設等」について提言は、特例法の施行後に検討すべきだという点で政府と各党派が一致している、と明示した。

ただ、結論を得る時期について思惑の違いは大きい。提言は、付帯決議に盛り込むことも含め合意に向けた努力を各党派に促した。注目していきたい。

政府の有識者会議も近く再開される。大型連休前後とされる法案提出に向け、詰めなければならない点は数多い。特に、暮らしに影響の大きい改元の時期に関してはスピード感が必要だ。

2019年元日の改元が検討されているとされるが、それには様々なシステムやカレンダーなどの手直しがともなう。国会はさらに政府と意思疎通を密にして「国民の総意」づくりに努めてほしい。
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[毎日新聞] 退位の議長見解 政治の土台は固まった (2017年03月18日)

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衆参両院の正副議長が天皇陛下の退位を実現する立法形式の見解を安倍晋三首相に伝えた。今の陛下の退位や皇位継承を特例法で規定し、その根拠を皇室典範に置くのが柱だ。

議長らは約2カ月にわたって法整備を巡り与野党の妥協点を探ってきた。現行法にない退位の法制化という難しい課題について国会が方向性を共有できたことは評価したい。

退位の議論は陛下が昨年8月、高齢に伴い公務への不安を訴えたおことばに始まる。政府は有識者会議を設置したが、早々と政府の方針に沿う「一代限りの特例法」で議論が進み、結論ありきとの批判があった。

そこで衆参議長が議論を預かった。憲法は天皇の地位を「国民の総意」に基づくとしており、国民を代表する国会の責務と考えたからだ。

焦点は憲法との整合性だった。与党は最初、政府と同じ陛下に限る特例法を主張したが、恒久制度化を目指す民進党は皇位継承を「皇室典範の定め」によるとする憲法2条に照らして典範改正を求めた。

与党は憲法上の疑義を排するとして皇室典範改正に同意し、詳細を定める特例法と「一体をなす」との規定を盛り込むことで決着した。

一方、民進党は、時の政治力を背景とする退位を回避するために「天皇の意思」を要件とするよう主張したが、これには与党が憲法4条違反と反対した。

象徴である天皇は「国政に関する権能を有しない」ためだ。そうであっても、天皇の気持ちを確認できないのでは、意思に反して退位を強いられることを排除できない。

今回の経緯を特例法に書き込むことで天皇の気持ちが反映されることを確保し、民進党も受け入れた。今後の退位も否定せず、その都度、国会が判断することで一致した。

安定的な皇位継承のため「女性宮家の創設」の検討も求めた。将来の皇室を真剣に考えよという警鐘だ。政府は、特例法の立法化とともに誠実に検討を進めるべきだ。

今回のように与野党が議長の下で大枠で合意し、それを政府が法案化するというプロセスは異例だ。正副議長は一定の役割を果たしたが、時間の制約の中で合意を急いだことは否めない。

与野党協議は必ずしも透明性が確保されたわけではなく、なお異論もくすぶる。憲法との整合性も引き続き議論を深める必要がある。

再開される有識者会議では退位後の天皇の呼称や新天皇即位後の世継ぎの地位などを検討する。将来にわたり円滑で安定した皇位継承が行われるよう環境整備が必要だ。

こうした点も含め国会での法案審議を通じ、国民の理解を深めることが欠かせない。
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[毎日新聞] 原発賠償判決 国に対する重い警告だ (2017年03月18日)

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原子力政策における国の責任は極めて重い。司法からのそうした警告と受け止めるべきだ。

東京電力福島第1原発事故によって避難した住民が東電と国に損害賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁が両者に、住民62人に3855万円を支払うよう命じた。司法が原発事故で初めて国の過失責任を認定した。

この訴訟は、東電が津波を予測できたのか、国が東電に安全対策を取るよう規制権限を行使すべきだったのかが最大の争点だった。

原告側が津波襲来を予見できた端緒として着目したのは、政府が2002年に公表した長期評価だ。三陸沖北部から房総沖でマグニチュード8クラスの地震が「30年以内に20%程度の確率」で発生するというものだった。

東電は08年、この評価を基に福島第1原発で最大15・7メートルの津波を予測した。11年に実際に襲った津波は15・5メートルだった。長期評価や具体的な予測を踏まえ、東電が津波対策に取り組んでいれば事故は防げたというのが原告の主張だ。

前橋地裁はその訴えをほぼ認め、東電は津波を予見できていたのに対策を怠り、安全性よりコストを優先したと厳しく批判した。

国に対しても東電と同様に厳しい目を向けた。原発事故は取り返しのつかない被害を広域で生じさせる。東電の津波対策が十分に行われない状況だったのに規制権限を行使しなかったことは、原子炉等規制法などの趣旨に照らして著しく合理性を欠くとした。国の責任が東電と比べ劣らないとして、賠償額を同等と算定した意味も大きい。

一方で判決は、個々の避難者への賠償については総じて厳しく認定した。東電から既に支払われた賠償金を差し引いたため、認容額は請求を大幅に下回った。

原告は福島県から群馬県に避難した住民たちだ。「ふるさとや仕事を失うなど、甚大な精神的苦痛を受けた」として、自主避難者も含め慰謝料など一律1100万円の賠償を求めていた。多くの原告住民にとっては不満が残る内容だろう。

同様の訴訟は全国で約30件あり、原告住民は約1万2000人に上る。今後も各地で判決が言い渡される。

なぜ事故を防げなかったのか。責任はどこにあるのか。今も多くの国民が疑問に思っていることだろう。

だが、政府や国会の事故調査委員会は解散し、事故原因の究明作業は止まっている。原子力災害の総括は不十分なままだ。

原発事故がひとたび起これば、その影響は重大、過酷なものになるからこそ、原因究明をないがしろにしてはならない。
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[朝日新聞] 籠池氏喚問へ 真相究明への一歩に (2017年03月18日)

学校法人「森友学園」の理事長退任を表明した籠池(かごいけ)泰典氏の証人喚問が、23日に衆参両院の予算委員会で開かれる。

国有地売却問題が発覚して1カ月余。この間、事実解明が進むどころか、疑惑は拡大の一途をたどってきた。国会は証人喚問を、真相究明への一歩にしなければならない。

自公両党は国民の声に背を向け、籠池氏や財務省幹部らの参考人招致を拒み続けてきた。

だが、籠池氏が「安倍首相から、昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けた」と、16日に参院予算委員会のメンバーに語ったことで、対応せざるをえなくなったのだろう。事実なら、籠池氏との個人的な関係を否定してきた首相の答弁の信用性も根本から問われよう。

首相側は全否定している。きのうの衆院外務委員会でも首相は「籠池氏とは一対一で会ったことがなく、多額の寄付を私自身がすることはあり得ない。妻や事務所など、第三者を通じてもない」と言い切った。

言い分が異なる以上、公の場ではっきりさせるしかない。

証人喚問で虚偽の陳述をすれば、偽証罪に問われる。籠池氏は発言の重みを認識し、真実を包み隠さず語ってほしい。

見過ごせないのは、自民党の竹下亘国会対策委員長が「首相に対する侮辱だ」と、喚問に懲罰的な意味合いがあるかのような発言をしたことだ。国会はつるし上げやうっぷん晴らしの場ではない。真実解明という目的をはき違えてはならない。

そのうえで、籠池氏には尋ねたいことが山ほどある。

最大の焦点は、政治家の関与はあったのかということだ。

問題となった国有地は、鑑定価格より約8億円安く売却された。不自然な取引の背景に口利きなどはなかったのか。

学園が4月開校をめざしていた小学校の名誉校長就任を昭恵氏が引き受けた経緯や、「顧問弁護士だった」と籠池氏がいう稲田防衛相夫妻との関係も十分解明されたとはいえない。

さらに小学校建築費を巡り、補助金を不正受給していたのではないかと疑われてもいる。傘下の幼稚園での教育勅語の暗唱や、虐待の指摘などについても、問われねばならない。

大切なのは23日の証人喚問が終わりではないということだ。売却交渉をしていた時期に財務省理財局長だった迫田英典・国税庁長官ら、国会で証言すべき人物はほかにもいる。与野党ともにこの問題を早く終わらせるのではなく、国民が納得するまで真相究明に努めるべきだ。
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[読売新聞] 「退位」特例法案 一本化を促した「国民の総意」 (2017年03月18日)

各党・会派が、主張の違いを乗り越えて、成案を得た意義は大きい。

天皇陛下の退位問題に関し、衆参両院の正副議長が国会としての意見をまとめた。特例法で退位を認めるという内容だ。大島衆院議長が、安倍首相に提示した。

憲法1条は「天皇の地位は、国民の総意に基づく」と定める。国民の代表機関である国会の見解は、最大限尊重されるべきだ。

首相は「厳粛に受け止め、直ちに法案の立案に取りかかりたい」と述べた。政府は、大型連休後に特例法案を国会に提出する方針だ。退位問題は、一定の道筋がついたと言えよう。

自民、公明両党は一貫して、一代限りの特例法制定を主張した。将来の天皇にも適用される制度では、退位要件を定めるのが困難だとの理由からだ。

民進党は、皇室典範を改正して、「天皇の意思」などを退位の要件として盛り込み、恒久的な退位制度を設けるよう求めた。

皇室典範の付則に、特例法は典範と「一体をなす」と明記する。陛下が退位の意向を示されたお言葉が、国民に広く理解されていることを特例法案に書き込む。

自民党が示した折衷案が国会の見解となったのは、正副議長の調整によるところが大きい。

憲法2条は「皇位は皇室典範の定めにより継承する」と規定している。特例法と皇室典範が一体だとみなしたことには、憲法への配慮がにじむ。民進党も「主張が一定程度入った」と歩み寄った。

国民の受け止め方を踏まえ、退位の是非をその都度判断する仕組みであれば、恣意(しい)的な退位や強制的な退位は防げる。国会は、こうした見解を示している。

特例法の制定に際しても、留意せねばならない重要な問題だ。

ご高齢の陛下の退位を早急に実現させるために、国会が、天皇制の本質にかかわる論点を先送りした感は否めない。

終身在位の原則が、なし崩しになる恐れはないのか。天皇陛下の退位後、皇太子が不在となる状況にどう対処するのか。退位した陛下の呼称や待遇の問題もある。

政府は、法案作成に万全を期してもらいたい。

国会は政府に対し、安定的な皇位継承のために、女性宮家創設などを検討することも求めた。

未婚の女性皇族7人のうち6人は成人で、結婚すれば皇籍を離れる。女性宮家の創設は、女性天皇が可能になった場合に備える意味も持つ。今後の重要な課題だ。
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[読売新聞] 籠池氏喚問へ 真実解明して混乱を収拾せよ (2017年03月18日)

一民間人の真偽不明の発言に与野党が振り回される茶番劇を、これ以上続けてはなるまい。国会で真実を明らかにし、混乱を収拾すべきだ。

衆参両院の予算委員会が、学校法人「森友学園」の理事長を退任表明した籠池泰典氏の証人喚問を23日に行うことを決めた。籠池氏は出頭が義務づけられ、虚偽証言をすれば、偽証罪に問われる。

籠池氏は参院予算委の理事らに対し、開校予定だった小学校の建設を巡り、「安倍首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けた」と語った。2015年9月に昭恵氏が学園の幼稚園で講演した際に受け取ったという。

首相は17日の衆院外務委員会で「これだけ多額の寄付を私が行うことはあり得ない。妻や事務所を通じてもない」と否定した。昭恵氏の寄付もないと明言した。

従来の国会答弁でも、「妻も私も、寄付金集めに全く関わっていない」と強調してきた。

双方の主張は完全に食い違っている。仮に寄付が事実でも、選挙区外のため、違法性はない。だが、籠池氏の発言は首相答弁の信頼性を大きく傷つけるものだ。自民党が「首相に対する侮辱だ」と反発するのは、もっともである。

与党は当初、国有地売却などに違法性が認められず、籠池氏が私人であることに配慮して、籠池氏の国会招致に否定的だった。

今回、その方針を転換したうえ、強制力のない参考人招致でなく、証人喚問に同意したのは、籠池氏に事実を語るよう迫り、首相への疑念を払拭する狙いだろう。

籠池氏は連日、根拠が曖昧で自分勝手な情報を一方的に発信し、騒動を大きくしている。国会審議でも、森友学園問題ばかりに焦点が当たり、内政・外交の重要な議論が後回しになっている。極めて異常な事態で、看過できない。

籠池氏は従来、「首相、昭恵夫人からしていただいたことは何もない」と繰り返していた。「寄付を受けた」という主張と整合性が取れない。学園の帳簿には記載しなかったのか。証人喚問では、詳細な説明が求められよう。

森友学園は、金額だけが異なる3通の校舎建築工事契約書を作成し、大阪府、国土交通省などに提出していた。補助金の不正受給を図った疑いが指摘されている。

国有地が評価額より約8億円安い価格で売却された経緯についても、依然、不明な点が残る。

証人喚問で籠池氏は、事実関係を誠実に語り、一連の疑惑の解明に協力する責任がある。
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[朝日新聞] 天皇退位 「総意」が見えてきた (2017年03月18日)

衆参両院の正副議長が天皇退位をめぐる各党・会派の議論をとりまとめ、「立法府の総意」として安倍首相に伝えた。

この問題で与野党が対立し、多数決で決着をつける事態は好ましくない。何より「天皇の地位は国民の総意に基づく」という憲法の趣旨に反する。年明けから調整に乗りだし、協議の過程の公開にも心を砕いた正副議長の努力を評価したい。

「とりまとめ」は、退位のための特例法を制定する▽皇室典範を改め、その付則に、特例法は典範と一体をなすものである旨の規定をおく▽特例法に退位に至る事情を書きこむ▽退位の時期を決める手続きに、皇室会議がどう関与するか、各党・会派で協議する▽法施行後、政府に「女性宮家」の創設などを検討する場を速やかに設ける――といった内容からなる。

退位を今の陛下限りにすべきだとする与党と、制度化を求める民進など野党双方の主張を採り入れた、妥協の産物であることは否めない。退位を「例外的措置」としつつ「将来の退位の先例となり得る」と書くなど、一見矛盾する記載もある。

朝日新聞の社説は、将来に通じる退位のルールを定めることが大事だと訴えてきた。その観点に立つと、「とりまとめ」は明確さに欠ける面はある。だが高齢の陛下の問題提起を受け、国会が象徴天皇の姿を真摯(しんし)に検討した結果として、次代以降の退位もあり得るとの立場をはっきり示した意義は大きい。

首相官邸の意向を踏まえ「一代限り」の方向性を打ちだし、説得力に欠ける議論を展開してきた政府の有識者会議に任せていては、このような結果には到底至らなかっただろう。

もちろんこれで決着したわけではない。今後、政府が具体的にどんな法案を準備するのか。そのプロセスを国民の監視の下におき、条文の内容や構成も改めて精査する必要がある。

この先、退位問題以上に議論が交錯しそうなのは、「とりまとめ」の最後に書かれた安定的な皇位継承のための方策だ。

陛下の孫の世代にあたる皇族は4人だけで、うち3人は女性だ。野田内閣が論点整理までこぎつけながら、政権交代によって放置されてきた女性宮家構想について、まさに「速やかに」議論を始める必要がある。

再びうやむやにしたり結論を先延ばししたりすれば、将来はますます厳しく難しいものになる。皇室制度は大切だと言いつつ、逃げの姿勢をとり続ける安倍政権は、その言行不一致を今度こそ改めなければならない。
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2017年03月17日

[東京新聞] 中国全人代 民生改善にこそ「力」を (2017年03月17日)

閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)では、習近平党総書記(国家主席)が「党の核心」と持ち上げられた。一強時代の中国は格差解消など民生改善に本気で取り組めるのか正念場だ。

全人代の主役であるはずの中国ナンバー2の李克強首相は開幕日の政府活動報告の冒頭、「党の核心」として習氏の地位が明確化されたことを「党と人民の根本的利益を反映したもの」「重要で深遠な意義を持つ」と持ち上げた。

首相が国務院(政府)を代表し政治、外交、経済各分野の施政方針を演説する年一回の舞台が、習氏の「一強」支配を内外に示す政治ショーになったように映る。

全人代期間中の閣僚会見や分科会でも習氏を「核心」とたたえる発言が目立った。最高指導部人事が予定される五年に一度の今秋の党大会を前に、習氏の支配体制固めの全人代との印象が濃厚だ。

中国の現状を観察すれば、拝金主義のまん延に伴う社会的な格差の解消が急務だといえる。上海中心部のマンション建設現場では、2LDK千二百万元(約二億四百万円)の広告チラシが配られている一方、現場で働く出稼ぎ農民工は昼食に一杯六元(約百二円)の汁麺をすするのが現状だ。

李氏は「民生は政府活動の要であり、常に心に留め、しっかりと担わねばならない」と力を込めた。採択された政府活動報告には確かに、農村貧困人口の一千万人以上の減少、低所得者向けの住宅の供給、青い空を守る環境保護対策など、民生に目配りした重点政策が数多く盛り込まれた。

だが、民衆が不満を抱える課題の改善は遅々として進まず、汚職腐敗撲滅を旗印に政敵を葬ってきた習氏の「一強支配」確立ばかり目立つのが実情であるといえる。

民生が改善しない大きな理由は、李氏が指摘したように「行政の法執行での規範、公正、理性の不足や、一部幹部の職務怠慢や責任のなすりつけあい、腐敗」にあることは、その通りであろう。

習氏は自身の政治的な権威強化ではなく、真の民生改善を図るための腐敗役人や既得権益層との闘いに力を発揮してほしい。

強権政治による香港民主の後退も気がかりだ。全人代で「香港独立に前途はない」と強調された。三月下旬の香港行政長官選に向け中国は親中派候補を露骨に支援している。「一国二制度下の香港の高度な自治」の保障が国際公約であったことを忘れてはならない。
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[東京新聞] 米国の利上げ 日銀の「転換」はいつだ (2017年03月17日)

米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを決め、年内の追加利上げも見込む。すでに超金融緩和終了へ動きつつあるのに対し、なぜ日本は異常な緩和政策を止められないのか。

世界金融危機、いわゆるリーマン・ショックから九年だ。震源国である米国はいち早く金融政策の正常化へ歩みを進めている。

物価上昇率が目標の2%に近づき、失業率も5%を下回って、ほぼ完全雇用に達したことが利上げの理由である。

米国の利上げは一昨年十二月に始まり、昨年も十二月に一回、引き上げた。だが今年は今回を含めて年三回程度を見込み、利上げペースは速まりそうだ。

これまで0・25%ずつ、計三回の利上げで短期の政策金利は「0・75〜1・0%」になった。これでトランプ大統領の政策は先行き不透明でも、大幅減税や官民による一兆ドル規模の大規模投資で景気が過熱すれば引き締めを、逆に政策がうまくいかず景気後退となれば緩和もできる。

対照的なのが日銀だ。金融政策の維持を決め、異次元緩和やマイナス金利をするも効果が出ない。この彼我の違いはなぜなのか。

米国は金融緩和をすれば雇用が改善し、労働市場が引き締まってパートタイマーがフルタイムに移行、賃金が上昇していく。マクロ経済の教科書通りだ。

対して日本は緩和で雇用環境が改善しても、非正規と正規の労働市場が分断されているので非正規から正規への移行はほとんどなく、賃金上昇に結びつかない。

また金融緩和は株価上昇を誘発し、株式投資が盛んな米国では株高は広く資産効果から消費拡大につながる。だが日本では「持てる富裕層」が富を増やしただけで消費増は極めて限定的だ。

アベノミクスは、賃金上昇を起点に消費増→生産増→設備投資増という好循環を目標とした。

しかし、いくら金融緩和しても労働市場の制約で非正規の賃金は上がらない。正規社員も、今春闘が示したように賃金上昇は鈍い。好循環どころか逆に、消費減→生産減→設備投資減の悪循環に陥っているためだ。

やるべきことは明白だ。働く人の四割にまで膨張した非正規を縮小すること、消費減の要因である将来不安を和らげるために社会保障を立て直すことだ。米国のノーベル経済学賞学者の意見をいいとこ取りしたり、財界と二人三脚でつくるような政策ではだめだ。
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[産経新聞] 【主張】中国の産経拒否 報道自由は普遍的価値だ (2017年03月17日)

中国の習近平国家主席は2014年、米中首脳会談後の会見で「中国は国民の言論の自由など正当な権利と、報道機関の利益を法規に沿って保護している」と述べた。果たして、そうか。

全国人民代表大会(全人代)閉幕後に行われた李克強首相の内外記者会見で、産経新聞の記者は出席を拒否された。

全人代後の首相会見は外国の記者が中国指導者と直接向き合うほぼ唯一の機会であり、例年、産経記者も出席してきた。全人代当局は「座席数」を理由に出席に必要な「招待状」の交付を拒んだが、複数枚交付された新聞社もあり、会場には空席があった。

会見締め出しの真意が報道規制にあることは疑いようがなく、強く抗議する。言論、報道、取材の自由は国際社会共通の普遍的価値である。「責任ある大国」の措置とは到底、いえまい。

産経新聞は、文化大革命中の1967年9月に当時の柴田穂・北京支局長が中国政府により追放処分を受けた。98年9月に中国総局として再開されるまで、31年にわたり中国に常駐記者を派遣できない状態が続いた。

再開は、日中両国民の相互理解のためである。そこには相互批判も含まれる。

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両国間には歴史認識や安全保障で立場や見解の違いが存在する。産経新聞が日本の国益や価値観に立脚する主張を続けてきたことは、表現の自由が保障される日本の新聞社として当然である。

菅義偉官房長官がこの問題で、表現の自由や基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値について、「いかなる国においても、その保障は重要だ」と述べたのはもっともである。

これまでも中国は査証(ビザ)発給や延長審査を外国人記者の規制に利用してきた。産経新聞は昨年9月まで、中国総局長のビザ発給が3年以上凍結された。中国要人の蓄財問題を報じたニューヨーク・タイムズなどもビザの発給が拒否された。

意に沿わない報道や言論に対する対抗手段として、あまりに露骨ではないか。産経記者に対する首相会見への出席拒否も、同じ文脈にあるのだろう。

日中は今年9月、国交正常化45年を迎える。両国関係の成熟には、普遍的価値をどこまで共有できるかが問われる。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする