2017年03月19日

[東京新聞] 週のはじめに考える 辺野古に代わる選択肢 (2017年03月19日)

政府は沖縄県名護市辺野古への新基地建設を再開しました。政府と沖縄が鋭く対立する新基地問題をめぐり、民間から新たな選択肢が提唱されています。

日本のシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」が先月、那覇市で開いたシンポジウム「今こそ辺野古に代わる選択を」は満員の盛況ぶり。三年間の検討を経て安全保障の専門家らがまとめた辺野古新基地の代替案が発表されました。

代替案をみる前に辺野古新基地とは何か、振り返りましょう。


◆海兵実戦部隊を国外へ
-----------

一九九五年の米兵による少女暴行事件をきっかけに、日米両政府は沖縄県にある米軍基地の整理・統合・縮小で合意。海兵隊が使う普天間飛行場の移設先は「沖縄本島の東海岸沖」、つまり辺野古とされ、撤去可能な海上施設に決まりました。

工法は埋め立てに変わり、さらに二〇〇六年の米軍再編でキャンプ・シュワブの一部埋め立てに再変更され、現在に至っています。

普天間飛行場で一本だった滑走路は二本となり、強襲揚陸艦が着ける岸壁や航空機への弾薬搭載エリアが新設されます。格段に機能強化されるので移設ではなく、新たな基地の提供ではないかと強い反対の声が上がっているのです。

シンポジウムで元沖縄タイムス論説委員の屋良朝博氏は「基地問題は施設を中心に考えてきた。視点を変えて海兵隊の運用に目を向けることで解決できるのではないか」と解説しました。

要約すると、米軍再編の終了後、残る実戦部隊は第31海兵遠征隊(31MEU)の二千人のみ。彼らは長崎県配備の揚陸艦に乗ってアジア太平洋を巡回していて沖縄には半年程度しかいない。揚陸艦に乗り込むのはハワイでもオーストラリアでもよいので、31MEUの拠点を沖縄以外に移転する。


◆不要となる新基地
---------

平時において海兵隊は自衛隊と同様に救援活動をしている点に着目し、人道支援・災害救援に特化した日米協同の新部隊をつくり、その活動を支えるために日本政府は高速輸送船を提供するなどの関連経費を負担してはどうか−というのです。

確かに31MEUが国外移転すれば、彼らを運ぶ垂直離着陸機「オスプレイ」が発着する辺野古新基地は不要となります。建設費の一部を米軍のために使い、貧困と格差をなくす活動として米軍が取り組む人道支援・災害救援に自衛隊がより積極的に参加することになれば、日本、沖縄、米国の三者にとって共通の利益になるというのです。米軍に縮小を求める一方、日本政府や沖縄県も協力するのが特徴です。

「海兵隊撤退は中国に誤ったメッセージを与える」との説があります。とはいえ、大半の実戦部隊を撤退させる案は米政府が提案し、日本政府が同意しました。日米が中国を意識しないはずがありません。抑止力は低下しないと判断したか、日本政府が繰り返す抑止力という言葉は当初、実戦部隊を残そうとした米政府に合わせただけの理屈なのかもしれません。

防衛省は一年後には自衛隊版海兵隊といわれる離島防衛を専門とする「水陸機動団」を長崎県で新規編成します。31MEUを上回る三千人規模となり、「日本は自衛隊が守る」という当たり前の姿となって、31MEU撤退の環境が整います。

シンポジウム終了後、辺野古移転に反対する稲嶺進名護市長はNDメンバーらに握手を求めました。ただ、辺野古新基地をめぐる政府と沖縄の対立は激しさを増し、「安倍晋三首相、翁長雄志沖縄県知事とも感情的になっている」と話す元沖縄県議もいました。代替案を受け入れる余地は小さいようにもみえます。

NDは沖縄、名古屋などの国内に続き、米国の首都ワシントンでもシンポジウムを開き、正式に代替案を発表します。日米両政府を動かすにはまず米政府から、というわけです。

すでにNDの説明を受けた米国の研究者や議員から「現行案と異なる提案は初めてだ」と評価する声が上がり、米軍の準機関紙「星条旗」(ネット版)はND提案を大きく取り上げました。いまは「兆し」でも現実を動かすエネルギーになるかもしれないのです。


◆膨らむ変化の兆し
---------

沖縄県庁で近く新たな人事が発令されます。元金武町長の吉田勝広氏が基地問題を扱う新設の政策調整監に就くのです。

金武町のキャンプ・ハンセンで行われてきた県道越え実弾砲撃訓練は危険極まりない訓練でしたが、その訓練をすべて本土へ移転させたのが吉田氏でした。

革新系の吉田氏が保守系の翁長知事を支える。変化の兆しは膨らんでいます。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 籠池氏証人喚問 国民のため真相究明を (2017年03月19日)

[PR]

国会による国政調査権がきちんと機能するかが試される場となる。

衆参両院の予算委員会は大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長に対する証人喚問を衆参予算委員会で23日に行うことを決めた。

森友学園に国有地が格安で売却された疑惑を解明するためには、国会で直接、籠池氏から話を聞くことが不可欠だった。当事者だけに、事実を責任を持って語る必要がある。

ただし、急転直下、籠池氏の喚問が決まった経緯には疑問もある。

これまで野党は籠池氏を参考人として招致するよう再三求めていた。だが、与党は「民間人の招致は慎重に対応すべきだ」などとして、かたくなに拒んできた。

ところが、籠池氏が「2015年9月5日に首相夫人の安倍昭恵氏を通じて安倍晋三首相から100万円の寄付を受けた」と発言した。首相側はこれを全面否定し、自民党は籠池氏の喚問要求に転じた。

参考人招致とは異なり、証人喚問は出頭を拒否したり、虚偽の答弁を行ったりした場合は、議院証言法に基づき処罰される。喚問を実施するのは当然にしても、安倍内閣に不利な発言が目立ち始めた籠池氏をけん制した面もあるのではないか。

竹下亘自民党国対委員長は「首相に対する侮辱だからしっかり受け止める」と喚問要求に転じた理由を語っている。首相の寄付をめぐる籠池氏の発言の真偽をただすことは確かに重要だが、証人喚問は自党の都合で利用すべきものではない。

大阪府豊中市にある評価額9億5600万円の国有地が8億円以上も安い1億3400万円で売却された問題だ。不適切な売買契約の経緯の解明を放置してはならない。

野党は籠池氏のほか、国有地売却交渉時に財務省の理財局長だった迫田英典国税庁長官や、当時の近畿財務局長らの招致も要求している。私人の籠池氏の喚問を要求する一方で、公人である官僚の招致に応じないというのでは筋が通らない。

昭恵氏にも国民に森友学園との関係を説明する責任がある。

昭恵氏は籠池氏が開設を目指した小学校の名誉校長に就き、学園の経営する幼稚園で講演した。名誉校長を辞任するまで事実上、広告塔の役割を果たしたに等しい。

政府は、昭恵氏の行動を「私人」として説明している。だが、首相夫人の言動は公的な性格を帯びたものだ。単なる「私人」で済まされるものではない。

昭恵氏が100万円の寄付を仲介したとの籠池氏の指摘も首相側は否定している。自らの潔白を証明する意味でも国会や記者会見を通じて森友学園との関係を説明すべきだ。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[日経新聞] 改憲は急がば回れの発想で (2017年03月19日)

衆院憲法審査会が4カ月ぶりに憲法改正の実質審議を再開した。まずは「参政権に関連した諸問題」に重点をおいて討議する。与野党の問題意識には共通点もあり、優先度が高い改憲項目は何かという合意形成に向けて丁寧で建設的な議論を期待したい。

与野党6会派は16日の衆院憲法審査会で、大災害時の国会議員の任期延長、首相の解散権のあり方、衆参両院の選挙制度などについて見解を表明した。

自民党は2011年の東日本大震災後に地方選挙が執行できなかった例をあげて「国会議員の任期延長が必須となる」と訴えた。民進党は首相の解散権を制限すべきだと主張する一方で「緊急事態での衆院議員の任期延長は検討に値する」との認識を示した。

公明党は「危機管理法制は相当整備されている」としてやや慎重、日本維新の会は改憲に積極的な立場から意見を述べた。共産党や社民党は、憲法に規定のある参院の緊急集会や投票日の繰り延べで対応可能などとして改憲に反対だと強調した。

緊急事態条項を巡っては自民党が2012年に公表した憲法改正草案で、武力攻撃や内乱、大規模災害時に内閣に「法律と同一の効力を有する政令」の制定権を与えるといった考え方を示した。

16日の審議では内閣や首相への強い権限付与に慎重意見が多かったが、災害時の議員任期の延長や国と地方の関係などは優先的な検討課題になり得る。

安倍晋三首相は5日の自民党大会で「今年は憲法施行70年の節目の年だ。自民党は憲法改正の発議に向けて、具体的な議論をリードしていく」と語った。

時代に合わせた憲法の議論は大事であり、緊急事態の対応や衆参両院の位置づけ、「1票の格差」の是正などは重要なテーマだ。ただ改憲への立場は与党内にも温度差がある。国民の幅広い理解を得るには、丁寧な議論の積み重ねが前提となる。国会審議も急がば回れの発想で臨んでほしい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[日経新聞] 日本はTPP11カ国の協調を主導せよ (2017年03月19日)

環太平洋経済連携協定(TPP)の署名国は、米国がTPP離脱を正式に決めた後で初めてとなる閣僚級会合を開いた。

TPPは実質的に世界標準となる貿易・投資ルールである。米国を除いた11カ国が、地域の経済統合の原動力としてのTPPの役割を強調したのは当然だ。

TPPの将来像をめぐり、11カ国には温度差がある。

たとえば、オーストラリアやニュージーランドは米国を除いた11カ国での発効を主張したとされる。農業国である両国は米国と競合している。米国が離脱すれば、その分だけアジアや中南米に牛肉などを輸出しやすくなる。

これに対し、日本などは最大の経済大国である米国のTPP参加が重要との立場から、米国抜きの発効に慎重だ。中南米の一部の国には中国や韓国の参加に期待する声もある。三者三様だ。

大事なのは、11カ国の結束を固めることだ。5月下旬の次回会合までに各国は意見の隔たりをできるだけ埋め、合意点を見いだす努力をすべきだ。そのために日本こそ指導力を発揮すべきだ。

米国が加わったTPPが理想型なのはたしかだ。しかし、トランプ米政権が近い将来にTPPに復帰するとは考えにくい。

米国にはいつでもTPPに戻れるように門戸を開けておく。同時に、次善の策として、米国を除く11カ国でTPPを発効できるように、発効条件の変更といった協定内容の部分的な見直しの準備も進める。

また、各国が個別に米国と2国間の自由貿易協定(FTA)を結ぶのも排除しない。そんな3段階の対処方針で11カ国が協調できるように働きかけてはどうか。

「米国抜きのTPP」に米国が難色を示す可能性はあるが、そうした選択肢を考えざるを得ない状況をつくった責任は米国にある。

TPPはモノにかかる関税撤廃だけでなく、知的財産権の保護、電子商取引、環境、労働などの新たなルールも定めている。

米国が約束した関税撤廃が実現しない欠点を割り引いても、透明性の高いルールをアジア太平洋地域に広げていく利点はきわめて大きい。

11カ国によるTPPは、日本が今後の米国との通商協議を優位に進めるためのカードになる可能性も秘める。日本が率先して汗をかく必要がある。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] センバツ開幕 少人数チームも頑張れ (2017年03月19日)

[PR]

第89回選抜高校野球大会は19日、阪神甲子園球場で開幕する。今大会にはベンチ入り選手数の上限18人に満たない2校が出場する。部員不足や厳しい練習環境を乗り越えて甲子園を目指す全国の球児を励ます大会としたい。

不来方(こずかた)(岩手)は昨秋の新チーム結成で10人に減った。実戦形式の練習はできず、練習のほとんどを打撃練習に充てて攻撃力を上げ、昨秋の岩手大会は5試合で26得点を挙げ準優勝した。守備練習では、後逸すると自分で球を拾いにいかなければならないため、集中力が身についた。

中村(高知)は16人。1977年に選手12人でセンバツ準優勝し「二十四の瞳」と呼ばれたチーム以来の出場だ。周辺の高知県西部は過疎化が進み、練習試合のため往復約5時間かけて高知市内に出向いた。移動中は相手校の試合映像を見て戦力分析し、昨秋の高知大会で優勝した。

日本高校野球連盟によると、昨年5月末現在での硬式野球部加盟校は4014校。11年連続で減少した。部員数も減少傾向にある。

部員の少ない学校も複数校でチーム編成すれば公式戦に出られる。そうした連合チームは昨夏の地方大会で49チームに増えた。

不来方、中村の両校は困難克服校や模範校を対象にした21世紀枠で出場する。少人数でも創意工夫を重ねて力を合わせれば夢は実現する。そんなメッセージが込められている。

不来方と同じ初出場の多治見(岐阜)も21世紀枠で選ばれた。狭いグラウンドを他部と共有し、普段は外野ノックができない。長さ約2メートルの塩化ビニール管の素振りなど工夫した練習で力を付けた。

昨年春夏の甲子園優勝校が出場することにも注目が集まる。智弁学園(奈良)は82年のPL学園(大阪)以来3校目の春連覇、作新学院(栃木)は82?83年の池田(徳島)以来5校目の夏春連覇に挑む。

昨年4月、2度の震度7の地震に見舞われた熊本県からは熊本工と秀岳館が出場する。全力プレーで被災地を勇気づけてもらいたい。

少人数校では女子マネジャーは普段の練習でノックを手伝うなど欠かせない存在だ。今大会から甲子園練習に女子部員が参加できるようになった。マネジャーがヘルメットをかぶるなど安全対策を施して甲子園のグラウンドを踏んだ。

センバツ大会は太平洋戦争で5年間中断し、47年に再開してから70年を迎える。選手は野球をできる幸せをかみしめて活躍してほしい。20年東京五輪では野球・ソフトボールが3大会ぶりに復活する。野球のすばらしさを伝えるドラマをこの春も見たい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] オランダ下院選 排外主義勢力の伸長は侮れぬ (2017年03月19日)

排外主義勢力がオランダを席巻する事態は、回避された。だが、影響力の拡大は、欧州連合(EU)にとって不安材料だと言えよう。

オランダ下院選で、ルッテ首相率いる中道右派の自由民主党が議席を減らしながらも、第1党の座を守った。

「反イスラム」と「反EU」を掲げる大衆迎合主義(ポピュリズム)政党、自由党は第2党にとどまった。選挙直前までは支持率でトップに立っていた。

自由党のウィルダース党首は、男女平等など欧州共通の価値観とイスラム教が相いれないことを訴え、オランダの「イスラム化」阻止を唱えた。

イスラム圏からの移民受け入れ停止や、国内モスクの閉鎖などを公約に並べた。ツイッターを多用し、EUとの協調を優先する既成政党の政策を激しく攻撃した。

EU原加盟国であり、ユーロ圏に属するオランダで、自由党が勝利すれば、EUへの深刻な打撃となったのは間違いない。

自由民主党が踏みとどまった意義は大きい。EU重視の他党と連立政権を樹立する見通しだ。ルッテ氏は、「オランダは誤ったポピュリズムに『ノー』をつきつけた」と勝利宣言した。

トランプ米大統領による入国制限など強引な政治手法を巡る混乱や、英国のEU離脱の先行き不透明感が、有権者の安定志向にアピールした側面もある。

欧州統合の推進役であるドイツのメルケル首相は、ルッテ氏に対し、「友人、欧州人として協力していきたい」と祝福した。

留意すべきは、選挙戦でルッテ氏が反イスラム票を取り込むために、移民に厳しい姿勢を打ち出したことである。

新聞広告で「男女平等などの社会規範を尊重できないなら、国から出て行け」と警告した。

トルコに対しても、強い姿勢で臨んでいる。オランダで開かれた政治集会に参加しようとしたトルコ閣僚の入国を拒否した。

もともと国民の間で、トルコなどからのイスラム系移民が仕事を奪い、社会秩序を乱す、という漠然とした不安が膨らんでいることは否定できない。そうした状況を軽視できなかったのだろう。

4?5月の仏大統領選では、国民戦線のルペン党首が、台風の目だ。反イスラムと反EUを強調して支持を広げる。

EUがポピュリズム伸長という試練を克服し、結束を保てるのか。情勢を見極めねばならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 防衛省日報隠し 稲田氏に「統率力」はあるのか (2017年03月19日)

防衛省・自衛隊は、いまだに隠蔽体質を改善できないでいるのか。

南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事する陸上自衛隊部隊の活動に関する日報が、廃棄されたはずの陸自内部に保管されていたことが発覚した。

防衛省は当初、「陸自に日報は存在しない」と説明し、その後、統合幕僚監部で見つかったと公表した。だが、陸自上層部は、陸自にも日報の電子データが残っていることを把握していた。

統幕幹部が、従来の説明と整合性が取れないとして、公表しないよう指示したという。

重大な判断ミスだ。異議をはさむ者はいなかったのか。組織的に不都合な事実を隠そうとした、と受け取られても仕方あるまい。日報に関する防衛省の説明全体の信ぴょう性も疑われかねない。

稲田防衛相は、直属の防衛監察本部に特別監察を指示した。この程度の調査に、自衛隊が自浄能力を発揮できないのは問題だ。

防衛省では、2004年に海上自衛官がいじめで自殺した問題の内部調査結果を遺族に隠すなど、不祥事の隠蔽が続いている。

防衛監察本部のトップは元高検検事長だ。国民の信頼回復に向けて、外部の視点による厳正で迅速な調査を求めたい。

気がかりなのは、「長く保管しても良いことはない」として、公文書を拙速かつ安易に廃棄する風潮があることだ。

今回、日報を保存していたのは、将来の業務の参考になるとの職員の判断があったためという。

電子データ化に伴い、文書保存のコストは大幅に低減された。貴重な情報を有効活用する視点を忘れず、時代に即した文書管理のあり方を検討することが重要だ。

日報問題を通じて、稲田氏の省内統率力に疑問符が付いた。

報道されるまで、陸自内での日報の存在を把握できなかった。昨年12月に統幕内で日報が見つかったことが稲田氏に報告されたのも1か月後だった。稲田氏と事務方の意思疎通の悪さは否めない。

国会での「軽さ」が目立つ。

稲田氏は、学校法人「森友学園」が原告の訴訟に代理人として出廷したことを質(ただ)され、「虚偽」と断定したが、翌日、一転して認め、謝罪に追い込まれた。

即答せず、きちんと調べてから答えれば、避けられる失態だ。

野党は辞任を要求し、与党からも資質を問う声が出ている。稲田氏には、閣僚の国会答弁の重さを自覚してもらいたい。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 北陸新幹線 延伸を無理に進めるな (2017年03月19日)

福井県敦賀市と大阪市を結ぶ北陸新幹線の延伸ルートが決まった。最後に残っていた京都―新大阪間について、与党は京都府京田辺市を経由する「南回り」を選んだ。

朝日新聞は社説で、国の厳しい財政事情を踏まえ、整備新幹線の新規着工は努めて慎重にするよう求めてきた。

国土交通省は、北陸新幹線の大阪延伸には総額2兆1千億円かかると試算している。

新幹線は今、北海道、北陸、九州の3区間が工事中だ。総事業費は3兆円を超え、30年度にすべて完成するまで、大阪延伸に回す財源のあてはない。

北陸や関西の政財界では、国債発行などで財源を確保し、着工を前倒しする推進論が熱を帯びるが、財政規律を安易に緩めれば禍根を残す。大阪延伸をそこまでして急ぐ必要はない。

推進派が主張するように、新幹線は確かに一定の経済効果が望める。北陸新幹線は2年前に長野―金沢間が開業し、首都圏と北陸が直結した。観光ブームは今も続いている。

ただ、過大な期待は危うい。北陸―関西間には北陸―首都圏間と違って航空路線はなく、移動は今もJR西日本の特急が主役だ。新幹線で需要が増える効果は控えめにみるべきだ。

国交省の試算でも、費用対効果の指数は1・05で、効果は投資額をわずかに上回るだけだ。

北陸新幹線の運行を担うJR西は、東海道新幹線がある京都―新大阪間に別の線路を引くよう強く望んだ。建設費が最も安く済む米原(滋賀県)で東海道新幹線と接続する案も拒んだ。

与党はJR西の主張を受け入れる一方、「便益に比べて費用負担が重くなりかねない」と懸念する京都府にも配慮して「南回り」を採用し、京田辺市内に新駅をつくることにした。

しかし、市街地が多く、建設費がかさむことが確実な京都―新大阪間にそもそも新たな新幹線が必要なのか。突っ込んだ議論はなく、疑問がぬぐえない。

新幹線開業後、並行在来線をJRから経営分離し、第三セクターにするルールも火種として残る。大阪延伸では滋賀県の湖西線が主な対象になりそうだが、同県は「新幹線も通らないのに」と断固拒む構えだ。

日本は人口減少時代に入り、社会保障をはじめ、急を要する課題は目白押しだ。鉄道や道路といった公共インフラをどう維持するかも難題となっている。

そうしたなか、新幹線整備に巨費を投じることにどれだけ国民の理解が得られるか。大阪延伸を無理に進めてはならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 原発賠償判決 国と東電への警告だ (2017年03月19日)

東京電力はもちろん、国の原子力行政に厳しく反省を迫り、自覚を促す判決だ。

福島第一原発の事故で避難生活を余儀なくされた住民が、東電と国に賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁は両者の責任を認める判決を言い渡した。

根底に流れるのは、事故が起きれば甚大な被害をもたらす原発を「国策民営」で推進してきた以上、事業者も国もそうした事態を招かないようにする、極めて重い義務を負うという考えだ。うなずく人は多いだろう。

一方で、刑事と民事の違いはあるが、東電の元幹部について検察が2度にわたって不起訴にした末に検察審査会が強制起訴の議決をするなど、事故をめぐる法的評価は定まっていない。

今回と同じような集団訴訟は各地の地裁に起こされている。救済すべき住民の範囲や金額もふくめ、今後の裁判例の集積を注視する必要がある。

判決を聞いて改めて思うのは、3・11前に関係者全体を覆っていた「慢心」である。

地裁は、東電は遅くとも02年には大津波を予測できたのに簡便な対策さえ怠った、そして国は必要な措置をとるよう東電に命じるべきだったと指摘した。判決には「経済合理性を安全性に優先させた」「国の不合理な態度も東電と同様の非難に値する」といった苦言が並ぶ。

これは、事故翌年に国会の事故調査委員会が「東電や国がリスクを認識しながら、対応をとっていなかったことが根源的な原因」と指摘したのと重なる。

にもかかわらず、この津波リスクの扱いについて、東電は今に至るも、きちんとした検証結果を公表していない。

事故を防ぐには、いつ、だれが、どのような判断をすべきだったのか。いかなる組織だったらその判断が通ったのか。こうしたことを調べ、考え、他の事業者にも伝える。事故を起こした当事者が負う当然の責任を、東電は果たさねばならない。

国の姿勢も問われる。

原子力規制委員会ができて、態勢は強化された。だが近年、原発立地近くの活断層の認定や基準地震動の設定をめぐり、電力会社側が抵抗しているようにみえる場面が散見される。

事業者優位といわれ続けてきた関係を脱し、新たな知見に基づき、迅速に対応させる。今回の判決を、規制業務のあり方を点検する機会にしてほしい。

安倍首相はことしの東日本大震災の追悼式の式辞で、「原発事故」の言葉を使わなかった。だが、掘り下げるべき課題は、たくさん残ったままである。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月18日

[東京新聞] オランダ下院選 社会の分断はさせまい (2017年03月18日)

オランダ下院選は与党が第一党の座を守り、欧州連合(EU)との協調路線は維持されることになった。しかし、反EU・反移民を掲げる極右、自由党も議席を伸ばした事実は軽視できない。

自由党は定数一五〇のうち二十議席を獲得。当初予想された倍増までにはならなかったが、現有より八議席増え、第二党になった。ウィルダース党首は「われわれも勝者」と強調した。

予想ほど伸びなかったのは、投票直前に起きたトルコとの対立で、強い姿勢を示した現政権に支持が集まったためと、欧州メディアは指摘する。

自由党は、反ユダヤ主義や復古主義などのネオナチ的主張ではなく、もっぱらイスラムや移民を標的にする。「自由を抑圧するイスラム的価値観とは相いれない」と訴え、年金受給年齢が引き上げられる中、「移民が福祉を食い物にしている」などとあおる。高福祉の国ならではの存在だ。

イスラムを含めた多文化共存を目指すEUを敵視するのも、当然の流れだ。

ただ、別の背景もある。

オランダは小国だがチーズや花など農産物輸出額は世界第二位。EUの原加盟国でもあり欧州共同市場は生命線ともいえる存在だ。

しかし、ナチス時代に自国を占領したドイツが、主導権を強めてEUの政治統合を進めていくことには、口には出されにくいが根強い不満がある。

中央集権的な政治統合への反発が強まっていったのは、英国のEU離脱決定とも同じ構図だ。

四〜五月に大統領選があるフランスでは極右の国民戦線、九月に連邦議会(下院)選があるドイツでは、右派「ドイツのための選択肢」が反EUや移民・難民受け入れ反対を訴え、勢いを増す。欧州のポピュリズム(大衆迎合主義)政党は、イスラム圏からの入国禁止政策に固執するトランプ米大統領とも共鳴し合っている。

戦火を繰り返すまいとのEUの理念は尊い。しかし、共通政策にこだわるあまり、加盟国に一方的に規則や基準を強いる官僚的手法には問題がある。移民・難民問題への対処も含め、EUの指導者らはもっと各国民の意見に耳を傾け、不満解消に心を砕くべきだろう。

イスラムや移民・難民をスケープゴートにするポピュリズムは許されるべきではないが、社会のゆがみや分断への警鐘として重く受け止めたい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 原発避難者訴訟 国・東電の責任は当然だ (2017年03月18日)

原発事故によって平穏に生きる権利を侵された。そう避難者が慰謝料を求めた裁判で前橋地裁判決は国と東京電力の過失を明白に認めた。生活は戻らない。原発の再稼働を急がず立ち止まるべきだ。

どこに住むのか、どんな仕事を選ぶのか、人には自分の人生を決める権利がある。しかし原発事故でもたらされた放射能の恐怖や不安がそれをかなわなくする。

「原発事故のために穏やかに生きることができなくなった」と国と東電の責任を正面から問うた裁判だった。

判決は原発の電源を喪失させる大規模な津波発生など、事故を予見しながら適切な対策を怠った東電と、原発事業に対して適切に規制権限を行使しなかった国の責任を全面的に認めた。各地では約三十の同種の裁判が争われている。

争点の一つは、原発の敷地地盤面を超え、非常用電源を浸水させるほどの巨大津波の発生を予見できたかどうかにあった。

判決は「地震、津波は予見できた」と認めた。被害を防ぐ措置についても「一年でできる電源車の高台配備やケーブルの敷設という暫定的対策さえ行わなかった」と東電の対応のずさんさを断じ、「経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむをえない」などと強い言葉で表した。

原発事業の規制を担う国に対しては「東電に対して技術基準適合命令など規制権限を行使すべきで、権限を行使していれば事故は防げた」と、不適切な行政が事故を招いたことを認めた。

慰謝料の算定で問題になってきたのが国の原子力損害賠償紛争審査会が決めた中間指針である。裁判では指針を上回る賠償が認められるのかどうかが注目された。

判決は国と東電の過失は認めたものの指針の合理性を認めており、賠償額は低い。指針より上積みされた人がいる一方、半数が棄却されたのは残念である。

原発事故がもたらした放射能汚染は甚大で、国が線引きした避難区域の内と外でその被害は本質的に違いはない。

にもかかわらず、区域外の被害者にまともな賠償が行われないのは差別である。指針は是正されるべきである。

原発事故は国策が招いた人災である。政府は原発回帰を強め各地で再稼働を進めているが、事故がひとたび起きればその被害は償い切れない。この判決を重く受けとめ、一刻も早い被害の回復にこそ努めるべきだ。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】天皇陛下の譲位 「見解」踏まえ立法化急げ (2017年03月18日)

天皇陛下の譲位を「一代限り」の特例法制定で実現すべきだとする「国会見解」を、与野党の全体会議がまとめた。安倍晋三首相は厳粛に受け止め、法案の作成を急ぐ考えを示した。

譲位は、立憲君主である天皇の位にかかわる重要事である。国論が大きく割れることなく、立法作業を進めるのが望ましい。衆参正副議長のもと、自由党を除く与野党が「立法府の総意」となる見解をまとめた点を評価したい。

見解は、皇室典範の付則に、典範と特例法の関係を「一体」と位置づける規定を設けるよう求めた。終身在位を原則としつつ、将来の天皇が譲位される先例ともなる。妥当な構成である。

多くの国民は高齢の陛下のご体調を気遣い、譲位をかなえてさしあげたいと願っている。政府と与野党は、特例法を今国会で確実に成立させてほしい。

譲位は江戸時代後期の光格天皇以来、およそ200年ぶりとなり、定めるべき事柄は多い。政府は譲位後の陛下の称号やお立場、譲位に伴う儀式の要否、相続などのあり方を法案に盛り込む。

皇室の長い伝統を踏まえ、制度を整えてもらいたい。君主である天皇にとって、正統性や永続性は極めて大切だからだ。そう考えれば、譲位後の称号は、伝統的な「太上天皇(上皇)」とするのが順当だろう。

続きを読む

国会見解が、政府に「安定的な皇位継承を確保するための方策」の検討を促したことは歓迎する。皇位継承権を持つ皇太子殿下と秋篠宮殿下の次の世代では、男性皇族が悠仁さまお一人だからだ。

ただし、安定継承の方策として女性宮家の創設を例示したのは極めて疑問である。

女性宮家は、民進党の野田佳彦幹事長が首相だった当時に検討された。それは、時とともに減少が見込まれる皇族のお仕事の担い手をどうするかだった。

当時の野田首相も平成24年2月の国会で「皇室活動の安定性の観点で女性宮家を議論する。皇位継承の問題ではない。(天皇が)男系で続いてきた歴史的な重みを受け止める」と答弁している。

125代の天皇すべてが男系で続いてきた。女性宮家は皇位継承の大原則を崩す。

皇室の親族である旧宮家の皇籍復帰を含め、皇室を厚くする検討が自然である。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする