2017年04月23日

[東京新聞] 週のはじめに考える 「爆買い」のあとにこそ (2017年04月23日)

今年は日中が国交を正常化させて四十五年の節目です。政治関係改善が道半ばだけに、国民同士が相手の良い面を見つめ誤解を解く努力が欠かせません。

円安を追い風に中国人観光客が日本を訪れ大量に商品を購入する「爆買い」は二〇一五年をピークに下火になりつつあるようです。

観光庁などによると、一六年七〜九月の中国人客一人当たりの買い物代は十万一千九百六十四円で、三・四半期連続で減少しました。ピークの一五年一〜三月は十七万六千九百七十五円でした。

一方、一六年一〜九月の訪日中国人旅行者は約五百万人と前年同期比30・5%の増。購買意欲は衰えても、日本社会や文化を自ら体験する人は増えているのです。


◆「関係重要」7割超
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四十五周年を迎える日中関係について、程永華駐日大使は四月の記者会見で「改善のプロセスに入った」と述べ「関係改善の方向で一致した首脳の認識を行動に移す時です」と期待感を示しました。

その現状認識には同感です。ただ、「行動」の具体的な姿が見えてこないのも実情です。昨年秋の日中首脳会談では「両国の国民感情を改善していくこと」で合意しましたが足踏みが続きます。

それだけに、民間レベルで相手の良い面を見つめ誤解を解きほぐすことが、日中関係を支えるすそ野を広くし土台を強くすることにつながると期待します。

日本の民間団体「言論NPO」の昨年秋の調査によると、日中関係を「悪い」と感じる日本人は七割を超え、中国人は八割近くに上りました。ただ、日中関係を「重要」と考える割合は双方とも七割を超えています。政治がぎくしゃくすることで顔を背けてしまうのではなく、誠実に相手を見つめようと考える人が多いことに、希望を見いだします。


◆また会いたい人
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意義深い活動も根づいています。日本留学経験のない中国人学生を対象にした日本語作文コンクール(日本僑報社など主催)が〇五年にスタートしました。一六年のテーマはまさに「訪日中国人『爆買い』以外にできること」など。

一等賞の中国人民大学、郭可純さんは両親や自身の日本旅行を通じ「生きた体験や交流によって心に生まれる『また行きたい場所、また会いたい人』こそが旅の最上のお土産」と書きました。爆買いツアーでは得られぬ人と人との心の触れ合いに光を当てたのです。

嘉興学院の朱杭珈さんは日本語を指導してくれた日本人の先生との思い出をつづりました。最初は「太めの変なおばあさん」と悪印象を抱いた先生が家庭のトラブルまで親身に相談に乗り指導してくれたことで、前向きになれた自身の心の変化を描きました。

大学を卒業し現在は上海の日系企業で働く朱さんは「学生時代は中日交流は政府の仕事だと思っていた。今は自分たちが感じたことをお互いに伝え、誤解を解消し、信頼関係を築いてつきあっていくことだと思う」と話します。

あの「爆買い」ブームが去った後、中国の若い世代にこのような相互理解を求める気持ちが芽生えていることに心強さを感じます。


◆良いところ見よう
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日本の対中理解はどうでしょうか。一〇年の上海万博で全会期の百八十四日間通い詰め、中国で「世博〓〓(ナイナイ)(万博おばあちゃん)」として有名になった愛知県瀬戸市の山田外美代さん(68)も「最初に訪れた北京では置引にあい、中国に良い印象はありませんでした」と振り返ります。

万博開幕前に「庶民の生活を見てみよう」と上海の下町を訪れ、見知らぬ八十二歳の女性から白がゆをふるまわれたそうです。「日本人が私の作ったモノを食べてくれるとは思わなかった」と言われ、今も残る戦争の傷や意識の溝に「ハッとした」といいます。

万博期間中、「世博〓〓も〇・五元(約八円)のバスに乗って会場に来る」と評判になり、バス会社の二階で地元の人たちと交流会を開きました。山田さんの持参した巻きずしと中国の人たちが持ち寄ったちまきを交換し、双方の心の垣根は一気に低くなりました。

山田さんは「日本の良いところを見てほしいと思うなら、まずは中国の良いところにも目を凝らすべきです」と力を込めます。

日本を訪れた中国人は秩序ある社会や礼儀正しさなどに感心して帰国し再訪する人も目立ちます。山田さんは「中国人は人懐っこく情が深いですね」と、自身の体験から相手の良い面を強調します。

四十五年前を振り返れば日中間を往来する人は年間約一万人でした。今はその九百倍です。膨大な隣人の良き相互理解の積み重ねこそが、引っ越しできない隣国の政治関係を好転させる原動力になるはずだと確信します。

※〓は女へんに及
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[産経新聞] 【主張】「民泊」事業法案 住民の安心安全が第一だ (2017年04月23日)

自宅の空き部屋などに旅行者を有料で宿泊させる「民泊」を解禁する住宅宿泊事業法案が、国会に提出されている。

外国人旅行者の急増に伴い、都市部ではホテル不足が深刻化している。民泊を認め、宿泊施設を増やすのが法案の目的だが、近隣住民とのトラブル防止など抱えている課題は多い。

民泊とは本来、一般住宅での普通の暮らしなどを体験したい旅行者を、家主がもてなす仕組みである。それを業とする民泊の解禁により、賃貸住宅の空き部屋などを貸し出す事業者の大量参入が見込まれている。

ホテル不足を補う当初の目的を離れ、新たな不動産対策にしたいという側面が見えてきた。

法案は、地域環境の悪化を防ぐため、自治体が民泊の営業日数を規制することを認めている。学校周辺や住宅地などでの営業について、より厳しい制限を設けることなどは妥当だろう。

民泊事業者は、都道府県知事への届け出が義務づけられる。家主が不在の物件では、政府の認可を得た専門業者に対する管理委託も必要となる。宿泊日数は年180日を上限とし、仲介サイトも登録制となる。

宿泊施設が不足する都市部では、すでにマンションの空き部屋を旅行者向けに貸し出す無届けの民泊が広がり、近隣住民からの苦情も急増している。法案が成立すれば、自治体が事業者を把握することができるようになる。

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しかし、営業日数などの規制が守られているかなどは、自治体任せで、どのような実態になるか懸念は小さくない。深夜の騒音、ゴミ出しをめぐるトラブルなどの苦情窓口の整備も重要となろう。

不動産業界などは、人口減少で需要減が見込まれるマンションの空き部屋を民泊向けに貸し出し、新たな需要を開拓することを目指している。

ただ、こうした施設は家主が不在のまま旅行者に貸し出されるため、治安の悪化を招くし、資産価値の低下も起こしかねない。都市部のタワーマンションなどでは、民泊利用を独自に禁止する動きもみられる。

日本ファンを増やす取り組みとしては、政府も民泊を後押しすべきだろう。ただし、毎日そこで生活する住民の安心安全を守ることを、忘れてはなるまい。
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[毎日新聞] 日本郵政が巨額損失計上へ 復興への影響はないのか (2017年04月23日)

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日本郵政が2017年3月期決算で最大4000億円規模の損失を計上する見通しとなった。買収したオーストラリア企業の不振が原因だ。

政府は、保有する日本郵政株を売却して、利益を東日本大震災の復興財源に充てることにしている。巨額損失で株価が低迷し、復興事業に悪影響を及ぼさないかが心配だ。

国際物流網を展開する豪トール・ホールディングスを、日本郵政が約6200億円で買収したのは15年5月だ。秋に上場を控え、成長戦略を示す必要に迫られていた。

子会社の日本郵便は、電子メールの普及で苦戦が続く。人口減で国内市場の成長は期待しにくい。拡大が見込めるアジア太平洋地域の物流事業に活路を見いだす狙いだった。

当時、日本郵政社長だった西室泰三氏は「グローバル化への第一歩」と自賛した。高市早苗総務相も「野心的な挑戦」と評価した。

だが、石炭などの資源価格が下落し、資源輸出が主力の豪経済が低迷して、トール社の収益も悪化した。買収戦略が裏目に出た形だ。

国内市場が縮小する中、海外進出する日本企業が相次ぐが、失敗も目立つ。東芝の経営危機は、買収した米原子力会社の損失が引き金だ。

一般の企業なら、自らリスクを負って新しい事業に進出すること自体は経営者の判断の問題だ。一方、政府が民営化を進めているとはいえ、日本郵政は公的な影響力が大きい。同列には論じられない。

政府は、日本郵政株の売却益で復興財源4兆円程度を確保する計画を立てている。上場時には1・4兆円の収入があった。今夏以降に2回目の売却を行い、今年度に1・4兆円を得る方針を示している。

巨額損失の可能性が伝えられると、日本郵政株は一時急落した。予定通りの利益を得られないと判断すれば、政府が売却を延期する可能性がある。売却が遠のけば、復興事業も遅れる恐れがある。

また、日本郵政は、日本郵便のほか、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を傘下に持つ。社会的なインフラを担い、多くの国民が利用する。

買収から巨額損失に追い込まれるまでわずか2年だ。判断に甘さはなかったか。経営陣は原因をきちんと説明し、責任を明確にすべきだ。
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[毎日新聞] 深刻さ増す人手不足 政府の危機感が足りない (2017年04月23日)

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人手不足が深刻化し、日本経済の成長を阻む壁になっている。

今月初め、日銀が発表した短観では、不足感を示す指数が、1990年代初めのバブル末期以来の水準まで悪化した。特に非製造業、中小企業で顕著となっている。

景気過熱時の人手不足と異なり、働き手となる人口そのものが急速に縮小しているところに今回の特徴はある。つまり、問題はこの先も当分持続し、より深刻化する恐れさえあるということだ。

仕事を探している人1人に対し、何件の求人があるかを示す有効求人倍率は25年ぶりとも言われる高水準で推移している。運転手や介護職など、職種によっては全体の平均を大きく上回るものもある。

それにもかかわらず政府や日銀から危機感は伝わってこない。最大の経営課題に人手不足を挙げる経営者も多い中、「まだ賃金や物価の上昇にはつながっておらず企業活動の制約になっていない」(日銀名古屋支店長)などと意識に開きがある。

物価上昇率が目標にほど遠い中、有効求人倍率の上昇は、政府がアベノミクスの成功例として最も胸を張ってきたものだ。急に懸念材料だとは言えないのかもしれない。

政府の政策が皮肉にも人手不足を悪化させている面もあるようだ。外国人旅行者の増加は、経済成長に貢献する半面、主にサービス業界での人手不足に拍車をかけている。

長時間労働の是正など「働き方改革」も、それ自体望ましいとはいえ、労働力の減少要因となる。今後は五輪関連の経済活動も労働市場を一層、逼迫(ひっぱく)させかねない。

企業は当然ながらロボットの導入や作業の自動化で補おうと努めているが、追いつかない。人の手でなければできない仕事も多い。女性や高齢者が今以上に働きやすくなるための努力がもっと必要だ。

今後は国外の人材も本格的に受け入れなくてはなるまい。留学生や技能実習生をその場しのぎの労働力として利用するのは問題だ。本人の希望に応じ、長期的に住んで働いてもらうため、子どもの学校や家族への支援体制など、環境整備に急ぎとりかかる必要がある。

それには、人手不足に対する当局者の強い危機感が不可欠だ。
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[日経新聞] IT企業が変える自動車開発 (2017年04月23日)

中国のネット検索大手、百度(バイドゥ)が、自動運転車を制御するソフトを外部企業に無償で公開することを決めた。開発力が低い自動車メーカーなども百度のソフトを使い、自動運転車を早期に生産できるようになる。

ソフトを公開して誰でも利用や改良ができるようにする手法は、IT(情報技術)分野で普及している。百度の取り組みは、IT業界の経験を自動車の開発に応用する新たな試みといえる。

自動運転車の開発は自動車メーカーに加えて、グーグルやアップルといった米国のIT企業が力を入れている。百度も2015年に着手し、公道で実証実験もした。障害物の検知や経路の設定などに使うソフトを今年7月から段階的に公開し、20年までに完全自動運転を可能にするという。

これまで企業の間では多額の資金や人材を投じて開発した技術を囲い込み、自社だけが使える期間を長くする動きが目立っていた。だが、IT企業の一部はこうした流れと一線を画し、成果をあげている。

グーグルは基本ソフト(OS)「アンドロイド」を無償で外部に提供し、このソフトで動くスマートフォンは世界販売が年間10億台を超えるまでに成長した。ソフトそのものでは対価を得ず、広告配信などを収益源としている。

広くソフトを公開すれば普及の速度が増す。世界各地の技術者が改良に取り組むことにより、完成度を高めやすい。百度もこうした効果を狙っている。

ただ、誰でも詳細を見たり、手を加えたりできるソフトに対しては、一部で安全性を懸念する声が上がっている。

自動車は人命を左右するため慎重に開発すべきだとの考え方も根強いが、IT化の流れは着実に強まっている。日本の自動車メーカーには安全性や製品の個性を高めるために技術を囲い込む分野と、他社と協力する分野を明確に分け、バランスを保つ経営戦略を求めたい。
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[日経新聞] G20首脳が保護主義の自制へ先頭に立て (2017年04月23日)

世界経済は足元で回復基調を強めているものの、下振れリスクは大きい。その最たるものが保護主義である。20カ国・地域(G20)の首脳こそが先頭に立って自由貿易の意義を説き、保護主義を自制しなければならない。

ワシントンで開いていたG20財務相・中央銀行総裁会議は、通貨安競争を回避するなどの原則を確認して閉幕した。

国際通貨基金(IMF)の見通しによると、世界経済の成長率は2016年の3.1%から17年に3.5%まで高まる。先進国、新興国ともに全体として着実に回復していると評価できる。

先行きの懸念は、米国の政策や政治の不確実性が強いことだ。「米国第一」を掲げるトランプ米政権の政策は保護主義の色彩が濃く、米国の主張をうけ前回のG20会議は声明に「保護主義に対抗」との文言を明記できなかった。

今回は声明をとりまとめなかったが、G20議長国ドイツのワイトマン連邦銀行総裁は「ほぼ全員が開かれた市場や自由な市場アクセスの重要性を強調した」と明らかにした。

問われているのは、各国・地域の行動だ。たとえば、米政府は日本などの鉄鋼製品に反ダンピング(不当廉売)関税を適用する方針を決めたほか、鉄鋼の輸入規制にのりだそうとしている。

反ダンピング関税そのものは世界貿易機関(WTO)協定で認められている。ただ貿易相手国が関税上げという報復を繰り返す事態になれば、貿易減少を通じ世界経済の足を引っ張りかねない。

WTOによると、G20が導入した貿易制限措置はかなり残っている。世界経済の成長を後押しするため、G20は関税上げといった自由貿易をゆがめる政策を厳に控えねばならない。

通商政策を担っていない財務相・中銀総裁にこれ以上の議論を委ねるのは適切ではない。首脳こそが7月の会議の際に反保護主義で結束し、行動する必要がある。

自由貿易に背を向けて国や地域が豊かになれるわけではない。一方で急速な技術の変化に追いつけず、経済のグローバル化から取り残された層がいるのも事実だ。

自由貿易の利点を最大限生かしつつ、失業者にはきめ細かな職業訓練や再教育といった支援をする。そんな地道な取り組みが均衡のとれた成長につながる点をG20首脳は再確認してほしい。
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[朝日新聞] 北朝鮮とテロ 人権無視を看過できぬ (2017年04月23日)

北朝鮮による人権無視が続いている。テロ国家呼ばわりされるのも自業自得だろう。

ティラーソン米国務長官が、北朝鮮について、テロ支援国家の再指定を検討していることを明らかにした。

米政府は北朝鮮を約30年前から指定してきた。核問題をめぐる6者協議の進展を受けてブッシュ政権が08年に解除したが、それ以降、北朝鮮の行動は改まるどころか悪化した。

日本人拉致問題などをめぐる協議で、北朝鮮は3年前、包括的な調査を約束しながら、その後、全面的に中止した。最近も北朝鮮の担当大使が、訪朝した記者団に、拉致問題には「誰も関心がない」と切り捨てた。

2月にマレーシアで起きた、金正恩(キムジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏の殺害事件は、北朝鮮当局が関与した可能性が極めて高い。

化学兵器が使われたとされるが、現地警察の捜査にまともに応じようともせず、不誠実な対応に終始している。こうした態度を国際社会は見過ごすべきではない。米下院は今月、国務省にテロ支援国家の再指定を求める法案を可決した。

再指定になれば、北朝鮮には様々な制裁が科され、アジア開銀など国際機関からの融資の道も断たれる。だが、すでに核・ミサイル問題での国連制裁があるため実質的な変化はない。

むしろ再指定は、北朝鮮が重視する国際的な体面を失わせる象徴的な意味が強い。だとしても、テロや大量破壊兵器の拡散を許さない国際社会の警告を発することにはなる。

トランプ米政権は、北朝鮮に対し、軍事面を含めた「最大限の圧力」をかける方針という。同時に「我々の目的は非核化であり、北朝鮮の体制転換ではない」(ティラーソン氏)とし、北朝鮮に自制を求めている。

朝鮮半島問題は武力では解決できないし、軍事紛争になれば日本、韓国など各国が重大な影響を被る。トランプ政権も安倍政権も、圧力の強化はあくまでも平和的解決をはかる手段であることを忘れてはなるまい。

もしテロ支援国家の再指定となれば、北朝鮮の激しい反発が予想される。だが、そんな状況を招いたのは他の誰でもない。北朝鮮自身である。

国内向けには「百戦百勝」などと常に体制を礼賛するが、無法なふるまいの結果、国際的な包囲網は確実に狭まっている。

国際社会の中で、不名誉なレッテルを再び貼られたくないのなら、人権を尊重し、核を放棄するしか道がないことを悟るべきである。
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[読売新聞] 日米財務相会談 為替安定へ意思疎通を深めよ (2017年04月23日)

米国が日本に円安批判を強める事態はひとまず回避された。両国は意思疎通を深め、為替の乱高下を防ぐ必要がある。

麻生財務相がワシントンで、ムニューシン米財務長官と会談した。焦点の為替政策について、財務当局で議論していく方針を確認した。今月始まった日米経済対話では、為替を議題にしないことを明確にした。

トランプ米大統領は最近、「ドルが強くなりすぎている」と述べ、米国の輸出に不利なドル高を問題視した。一方、ムニューシン氏は「長期的には強いドルは望ましい」として、米国のドル安誘導観測を打ち消していた。

麻生氏は会談後、トランプ発言について「問題にならない」と強調した。米国が今後、対日貿易赤字に絡めて円安・ドル高を必要以上に争点としない、という自信を持ったのだろう。

政策責任者が為替に関して場当たり的な発言を続けると、市場関係者が疑心暗鬼に陥り、相場の混乱を招く。日米当局は密接な情報交換を図り、為替市場の安定を目指すことが求められる。

会談に続いて開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、経済の安定を脅かすような過度の為替変動を避ける必要性で一致した。

世界経済の成長維持に向け、金融政策、財政政策、構造改革を総動員することでも合意した。

日本の金融緩和について、トランプ氏は円安批判の中で言及したが、日本はデフレ脱却のためだと説明していた。そうした主張が各国の理解を得たと言えよう。

世界経済は回復基調にあるものの、盤石ではない。仏大統領選を始めとする欧州の政治日程、中国の不良債権、保護主義の台頭などの下振れリスクが残っている。

会議では、「米国第一」を掲げるトランプ氏の言動を受け、自由貿易の重要性を指摘する声が相次いだ。議長のショイブレ独財務相は「自由貿易が、どの国の経済にとっても好ましいということで基本的に一致した」と総括した。

麻生氏は、G20後の記者会見で「米国の国益を考えても自由貿易は良い話だ」と述べ、ムニューシン氏が保護主義の不合理さを理解しているとの見方を示した。

日本は、米国を除く11か国で環太平洋経済連携協定(TPP)の発効を目指す。米国を孤立させず、多国間の枠組みへの回帰を促すことが大切だ。自由貿易を推進するため、日米政府間の様々なルートで信頼醸成を図りたい。
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[朝日新聞] 遺留金 地域に生かす仕組みを (2017年04月23日)

眠らせたままにせず、地域社会のために生かす方策を考えたい。身寄りのない人が他界した時に所持していたが、引き取り手がなく、自治体が保管している現金のことだ。

こうした遺留金について朝日新聞が政令指定都市と東京23区に尋ねると、大阪市の約7億2200万円を筆頭に、39自治体で計約11億4200万円になることが分かった。1人当たりの額は多くて数十万円に満たないが、北九州市は5年で倍以上の約6350万円になるなど膨らむ傾向にある。

背景には高齢の単身者の増加がある。一人暮らしの人が亡くなると、自治体は相続人となる遺族を捜すが、連絡に応答がなかったり、「縁を切った」などと受け取りを拒まれたりする場合が少なくないという。

遺族が「相続放棄」の手続きを取らない限り、自治体は手をつけづらいのが現状だ。

相続人が見つからなければ、自治体の申し立てで家庭裁判所が弁護士らを「相続財産管理人」に選任し、債務整理などを経て残った分は国庫に入る。ただ、手続きで自治体が新たな公費負担を強いられることになるため、遺留金が少額の場合、そのままにしてあるのだ。

自治体からは国の対応を求める声が相次いだ。

累積が4400万円を超し、大阪市、北九州市に次いで多い神戸市の久元喜造市長は、定例会見で「自治体の手元に法令上根拠のないお金が残っているが、現行では制度が追いついていない」と語り、国に制度改正を求める方針を示した。

高齢化や非婚率の上昇、家族関係の希薄化を背景に、遺留金は今後も増えるおそれがある。国は自治体任せにせず、早急に対策を講じるべきだ。引き取り手が一定期間を過ぎても現れなければ、自治体が活用できるような法整備を求めたい。

10年以上出し入れがない預金口座については、NPOや自治会の公益活動に活用する「休眠預金活用法」が昨年、成立した。遺留金も同じ考え方で、自治体の「歳入」に組み入れ、NPOが運営する子ども食堂やフリースクールの支援に回すなど、次世代にいかす仕組みを検討できないだろうか。

高齢者の孤立化を防ぐ努力も尽くしたい。お年寄りが人生で身につけた知恵や技を子どもらに伝授できるような居場所が身近にできれば、わずかな財産でも地域社会に生かしたいという人が増えてくるのではないか。そうすれば、塩漬けの遺留金もおのずと減るはずだ。
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[読売新聞] M&A損失 買収後の管理が成否を分ける (2017年04月23日)

将来の成長を見込んだ巨額投資が一転、経営の足かせになりかねない。企業は買収戦略の巧拙を一段と問われよう。

過去のM&A(合併・買収)に伴う損失を計上する企業が増えている。特に海外案件で思うような成果を上げられず、「負の遺産」となる事例が目立つ。

日本郵政は、2015年に6200億円で買収した豪物流会社の業績不振で、17年3月期に数千億円の損失を計上する見通しだ。

東芝の経営危機も、米原発子会社の巨額損失が引き金となった。楽天は米動画配信会社が不振で、キリンホールディングスはブラジル企業の買収が裏目に出た。

注目されるのは、買収時に企業が計上する「のれん」と呼ばれる無形資産の急増だ。証券界の試算では、東証1部上場企業の総額は20兆円超まで膨らんでいる。

のれんは、買収相手の純資産と買収価格の差額で、ブランド力や技術力など目に見えない企業価値に当たる。買収価格が高くなるほど、のれんの金額は増大する。

買収先の業績が悪化すれば、企業は、のれんの評価を引き下げ、その分を損失として計上しなければならない。巨額なのれんは、それだけ潜在的なリスクを抱えているということでもある。

日本企業が手掛けるM&Aは近年、10兆円規模にのぼり、大半は海外企業が対象という。のれんの増加は、経営戦略としてM&Aが多くの企業に定着した傍証だ。

人口減や少子化で国内市場が縮小していく。日本企業が海外に活路を求めようとする姿勢は理解できる。グローバル競争を生き残るには、海外M&Aを使いこなす経営能力が欠かせない。

企業に求められるのは、自らの特徴を生かして成長に資するM&A戦略を構築することである。

ブームに押され、「M&Aありき」で臨むのは危うい。実現を急ぐあまり、相手の事業や人材を精査せず、適正価格を大幅に上回る「高値づかみ」になりがちだ。

本業との相乗効果が見込めないようなら、手を出さない判断があっていい。資産内容や収益性などを見極めるノウハウを蓄積し、人材を確保することが大切だ。

買収企業の経営体制にも、厳しい目を向ける必要がある。現地に任せきりでは、不祥事や損失を見逃し、親会社の業績に直結する傷を広げかねない。軽視されがちな買収後の管理を徹底できるかどうかが、成否を分ける。

「買収したら終わり」では、せっかくのM&Aも意味がない。
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2017年04月22日

[東京新聞] 天皇退位報告書 国民の総意に基づいて (2017年04月22日)

退位した天皇陛下は「上皇」−。有識者会議の最終報告書がまとまった。前提は一代限りの特例法で行うことだ。皇族の減少対策や女性宮家創設など根本問題は残る。もっと深い議論が必要だ。

報告書は退位後の称号や活動の在り方などをまとめたものだ。陛下は昨年八月に高齢に伴う象徴天皇として公務に対する不安を述べられた。それを契機に政府は有識者会議を設けた。退位については皇室典範を改正する方法もあったが、早々と「一代限りの特例法」での議論が進んだ。最初から結論ありきかと思わせた。

一方、陛下が訴えられた退位は決して「一代限り」の問題ではありえない。高齢化は皇族内でも進み、誰でも国事行為のみならず、「象徴としての公的行為」がままならなくなる事態は起こりうる。だから、未来にも通じる天皇の退位のルールをつくることが最も求められていたのではなかったろうか。恒久制度化である。国民の中にもそう望む声は少なくない。

だが、恒久制度化についてはほとんど顧みられることなく、特例法ばかり論じられた。五月の連休明けに退位特例法案が提出される予定になっている。

この点について衆参の正副議長見解では「将来の天皇の退位の先例となり得る」と示していた。制度化につながるものだったが、与党が示した法案骨子ではばっさり削られていた。

憲法一条は象徴天皇制を定めている。その地位は国民の総意に基づくとしている。大事な条文だ。だから、退位については、もっと明確にすべきであると考える。

有識者会議の報告書では、皇族の減少対策について、国民各層で議論の深まりを期待すると言及するにとどまった。あまりに消極的にすぎないか。

陛下の孫の世代にあたる皇族は四人だけで、そのうち三人は女性である。秋篠宮さまを「皇嗣(こうし)殿下」とするが、その次はもう陛下の孫の世代になる。遠い未来の話なのではない。結論を先延ばしにすればするほど、ややこしく難しくなる問題でもある。

旧民主党政権下で論点整理まで行いながら、政権交代によって、この問題は放置されてしまった。安定的に皇位を継承するにはどうしたらいいか。

女性宮家の創設や男系に限られている皇位継承の在り方についても議論を続けねばならないはずだ。国民の総意のかたちで結論を出したいテーマである。
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[産経新聞] 【主張】譲位の最終報告 伝統を大切に法案整えよ (2017年04月22日)

天皇陛下の譲位について政府の有識者会議が、「最終報告」を安倍晋三首相に提出した。今上陛下一代に限り実現する特例法の制定を支持し、称号を「上皇」とするなど譲位後の制度が示されている。

与党や民進党はすでに3月の国会見解を受けて政府がまとめた特例法骨子案について非公式協議を始めている。今回の最終報告と与野党協議を踏まえ、政府は特例法案をまとめる。5月19日に閣議決定して国会へ提出する運びだ。

83歳のご高齢である陛下は、ベトナム・タイご訪問など今年も公務に精励されている。陛下を敬愛する国民の願いは、譲位の実現によって、多年のご心労を少しでも解いて差し上げることだろう。

滞りなく法案準備を進め、今国会で成立させることが最も大切である。

最終報告は譲位後の称号を「上皇」に、皇后陛下は「上皇后」が適当とした。皇位継承第1位となる秋篠宮殿下は、「秋篠宮皇嗣殿下」や「皇嗣秋篠宮殿下」などとお呼びする案を示した。

伝統に基づく皇室の制度は、新しい称号よりも、歴史のつながりを踏まえるのが望ましい。政府はその感覚を大切にしてほしい。

有識者会議のヒアリングで意見が出たように「太上天皇」を正式とし、いつもは略称の「上皇」とするのが自然ではなかったか。同様に「皇太后」「皇太弟」の称号のほうが分かりやすい。「皇太弟」は、皇室典範第8条に書き込めばよいはずだ。

上皇のご活動をめぐり、象徴としてのお務めは全て新天皇に譲られるとしたことはもっともだ。

そのうえで強調したいのは、上皇は新天皇に対する最良の助言者であるという点だ。歴史を振り返れば、上皇が時の天皇や皇太子に対して、徳を積み、学問に励むよう諭されるなどよき導き手の役割を果たされることがあった。

このような助言は院政とは異なるし、全くの私事でもあり得ない。もちろん象徴たる立憲君主は天皇お一方であり、二重権威の懸念は当たらない。

皇族減少への対策を急ぐよう提言したのは評価できる。「女性宮家」は、一つの例外もない皇室の伝統を踏まえ、女系継承はあり得ないことが前提だ。旧宮家の皇籍復帰が、皇位継承の安定化を含め本筋の課題となるべきである。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする