2020年04月03日

[読売新聞] 専門家会議見解 都市部の医療体制守る対策を (2020年04月03日)

新型コロナウイルスについて、政府の専門家会議が新たな見解をまとめた。都市部を中心に感染者が急増しているという厳しい認識を、重く受け止めねばならない。

見解のポイントは、感染状況に応じて地域を三つに区分し、それぞれの対応策を示したことだ。

東京や大阪のように感染者が増えている「感染拡大警戒地域」では、10人以上が集まるイベントや、家族以外の多人数の会食を控えてもらう。増加が緩やかな「感染確認地域」では、50人以上の屋内の集会を避けるよう求めた。

一方、直近1週間で感染者が確認されていない「感染未確認地域」では、屋外でのスポーツ観戦などについて、感染対策を講じたうえで容認する考えを示した。

流行状況でメリハリをつけたことで、自治体が対策を考えやすくなると期待される。

専門家会議が多人数の集まりを回避するよう再三、求めているのは、感染者の急増による医療崩壊の危機が迫っているためだ。

欧米各国ではすでに本格的な感染爆発が起き、数千人以上の死者が出ている。日本はまだ、こうした状況には至っていないものの、病院のベッドが不足し、治療が必要な患者を受け入れられなくなる事態が危惧されている。

特に注意を要するのが、専門家会議が具体名を挙げた東京、大阪、神奈川、愛知、兵庫の5都府県である。病床が埋まりつつあり、医療体制の整備が急務だ。

域内で病院の役割を分担し、感染者を治療する病院を確保する必要がある。感染者と一般患者の両方を診察する病院では、エリアを区分して感染を防ぐ措置を、早急に講じることが欠かせない。

今後、入院は重症者を中心とし、軽症者や無症状の人には、自宅療養や、病院以外の宿泊施設での待機が求められよう。厚生労働省は切り替えの指針を示すべきだ。

現在、感染者が退院するには2回の検査で陰性になる必要があるため、入院が長引く例が多い。病床数が逼迫(ひっぱく)した場合、この基準を緩和し、回復した患者がより早期に退院できるようにすることも検討課題となろう。

院内感染の対策も怠ってはならない。院内感染で病院全体が閉鎖されれば、地域医療全体に及ぼす影響は計り知れない。

今回のような大規模流行に対処するには、自治体単独では限界がある。政府は、専門家会議の知見を基に自治体と連携して、適切な対策を打ち出してもらいたい。
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[読売新聞] 休校の継続 子供の不安最小限に抑えたい (2020年04月03日)

感染防止を徹底しながら、子供たちの学習環境を整える。教育現場には難しい取り組みが求められていると言えよう。

東京都と大阪府が、高校や中高一貫校などの休校措置を大型連休最終日の5月6日まで延長する。新型コロナウイルスの感染者が連日のように、多数確認されているためだ。

高校に通う生徒は、通学に電車やバスなどの公共交通機関を利用するケースが多い。休校の継続には、感染リスクを少しでも減らしたいという狙いがあろう。

都は公立の小中学校にも同様の対応を求めている。多くの区教育委員会が応じる見通しだ。

一斉休校が始まってから1か月が経過した。子供たちは友人に会えず、遊ぶ機会も減ったことで、ストレスを抱えている。生活のリズムも崩れがちだ。

新学期から学校に通えると期待していただけに、休校継続の決定に少なからぬショックを受けた子供もいるに違いない。

特に新たな年度がスタートする4月は、児童生徒にとって大切な時期だ。新入学の1年生は新しい環境や仲間に慣れる必要がある。クラス替えが行われ、大規模な教員異動の直後でもある。

子供たちの不安を最小限に抑える工夫が欠かせない。

休校を継続する世田谷区の区立小中学校は、3日ごとに学年別の分散登校日を設け、学習指導を行う。登校時間を半日とし、一つのクラスを複数の教室に分けるなどの感染防止策を講じる。

こうした学校生活を維持する試みを通じて、子供たちが少しでもスムーズに新しい学習環境に溶け込めるようにしたい。

休校の継続で授業が遅れるのも気がかりだ。大学受験や高校受験を控える高校や中学の3年生は心配なことだろう。学習目標を示して、課題を与えたり、オンライン教材を活用したりして、家庭学習を支えることが大切だ。

各学校には年間の授業計画の練り直しや、行事日程の組み替えが求められる。夏休みなど長期休暇を削って授業時間を捻出することも選択肢の一つになる。

教委や学校はできる範囲で今後の見通しを示し、保護者や子供を安心させてほしい。

国内の感染状況は地域によって差があり、感染者が少ない自治体では、4月からの学校再開を予定しているところも多い。再開にあたっては、子供たちに毎日の検温や手洗いの励行などをしっかり指導しなければならない。
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[朝日新聞] 休校の継続 学ぶ権利、守る知恵を (2020年04月03日)

憲法が定める「教育を受ける権利」が、新型コロナウイルスによって脅かされている。

萩生田光一文部科学相がおととい、感染が増加傾向にある地域などでは、臨時休校の継続も検討すべきだとの見解を示した。東京都と大阪府は、5月の連休明けまで都立・府立の学校を閉じると決め、市区町村にも協力を求めている。

電車やバス通学の多い高校の休校はやむを得まい。幼小中の通学距離は短いが、子どもの健康を最優先に考えて、安全策に傾く自治体は多いだろう。小さな子を家で一人にしないよう、保護者の在宅勤務の拡大や、学校施設を使った居場所づくりなどの環境整備に、改めて知恵を絞らなければならない。

一方で政府の専門家会議は、「子どもは感染拡大の役割をほとんど果たしていない」とみている。知見を冷静に受け止め、感染者の少ない地域では授業再開に向けた施策を進めてもらいたい。一口に大都市圏といっても、状況は都市部と郊外とで違いがあろう。もちろん踏み切る場合には、分散登校や教室の換気の徹底など、文科省が先月示した対応が前提となる。

この先、休校がさらに長引いたとき、何より心配なのは学びへの影響だ。誰もが思い浮かべるのは、動画やデジタル教材を使った自宅学習の導入だろう。家庭の経済状態などによる格差を広げかねない面もあって注意が必要だが、急場をしのぐには有効な手立てといえる。

ただし昨春の調査では、パソコンなどの端末は全国平均で児童・生徒の5・4人に1台しかゆき渡っていない。政府はまさに今年度から4年間で4千億円余をかけて小中の「1人1台」の実現に乗りだしたところだ。

配備が進めば他の災害時にも役に立つ。メリハリをつけ、休校が長くなる地域を優先することは考えられないか。文科相が会見で言及した通信機器の貸し出しを含め、いまできる方策を急ぎ探ってほしい。

家にこもることに伴うストレスや運動不足は、心身の不調を招く。保護者も余裕を失うなか、虐待や栄養不足の心配が高まっている。家庭訪問や定期的な電話連絡、登校日の設定など、危険信号を見落とさない取り組みが求められる。子どもの居場所や親の相談相手になっている民間団体との連携や、物心両面での支援も大切だ。

遊びも勉強も満足にできず、友人や先生にも会えない。卒業式や入学式は簡略化される。つらい春だが、教室で仲間と学ぶ大切さを肌で感じ取っている子も多いのではないか。この体験が成長の糧となって将来かえってくることを、切に望みたい。
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[朝日新聞] 経産虚偽文書 「森友」の教訓 忘れたか (2020年04月03日)

法律で定められた手続きを忘れたうえ、それを隠すために虚偽の公文書を作成する。行政機関にあるまじき行為である。森友問題での財務省の公文書改ざんなどを受けた再発防止策の実が伴っていないことは明らかで、政府全体として重く受け止める必要がある。

経済産業省は、役員らの金品受領問題で関西電力に業務改善命令を出した際、事前に行わねばならない電力・ガス取引監視等委員会への意見聴取を失念していた。後から気づき、意見を聞いたが、ミスを隠すため、その日付を命令の前日とする虚偽の公文書をつくり、決裁したというのだ。

資源エネルギー庁の担当職員が発案し、上司の課長級の管理職が了承して指示、その上の部長級の幹部も承認していた。

その間、誰も止めなかったとは、組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)と批判されても仕方あるまい。外部からの情報公開請求で発覚しなければ、ほおかむりを続けたに違いない。

「手続き上、不適切な点があった」としながらも、公文書の改ざんには当たらないという梶山弘志経産相の認識は甘過ぎる。監視委は経産省の業務改善命令案に「異存はない」と回答しており、日付は重要ではないというのだろう。

しかし、政府の行動を後から検証するにあたり、日時は最も基礎的なデータのひとつだ。「桜を見る会」をめぐって、招待者名簿の廃棄時期が大きな焦点となったことをお忘れではあるまい。

事の重大性に比べ、関係者の処分も軽いと言わざるを得ない。7人が対象となったが、国家公務員法に基づく処分は、戒告を受けた課長級管理職のみ。担当職員と部長級幹部は内規による訓告どまりだ。森友問題を受け、虚偽の公文書作成は「免職または停職」にあたると改めた人事院の指針にもとるのではないか。

安倍首相は2年前、研修の強化など、公文書をめぐる一連の不祥事の再発防止策を決めた際、関係閣僚会議で「政府職員一人一人がコンプライアンス意識を高めることが何より重要。公務員の文化として根付かせる」と力を込めたが、一向に浸透していないのではないか。桜を見る会をめぐる公文書のずさんな扱いなど、むしろ官僚のモラルはさらに低下しているようにもみえる。

経産省は関電に業務改善命令を出した際、コンプライアンス意識の欠如を厳しく指摘、「抜本的な見直しを早急に図る必要がある」と求めた。この言葉はそのまま経産省、そして安倍政権全体に向けられる。
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2020年04月02日

[東京新聞] 国会とコロナ 行政監視怠ることなく (2020年04月02日)

新型コロナウイルスの感染がさらに拡大しても、国会は休会としない。自民、立憲民主両党が一致した。国会の役割を考えれば当然だ。いかなる状況下でも、行政監視の役割を怠ってはならない。

きのう行われた参院の決算委員会。安倍晋三首相と閣僚らがマスク着用で答弁する姿は今が非常時であることを国民に印象づけた。こうした状況に国会はどう臨むべきか。議会制民主主義の真価が問われる局面である。

自民党の森山裕、立憲民主党の安住淳両国対委員長がきのう、国会を休会にせず、感染防止策を講じた上で審議を続ける方針を確認した。

感染拡大防止策や国民の暮らしを守る緊急経済対策と関連予算、特別措置法に基づく緊急事態宣言発令の是非など国会で議論すべき案件は山積している。休会を回避し、審議を続けることは当然だ。

その上で注文がある。この際、非常時にも耐えうる国会審議の在り方を検討してほしいのだ。

重い身体障害があるれいわ新選組の舩後靖彦参院議員は、感染拡大を受けて、本会議や委員会への出席を一時見合わせた。舩後氏は人工呼吸器を装着しており、生命に関わる感染の可能性をできる限り排除するためである。

しかし、企業などで一般化しているインターネットを使った会議システムを活用すれば、国会審議や採決への遠隔参加は可能だ。これまでは難しかった妊娠や出産、育児に関わる議員の審議参加にも活用できる。これを機に遠隔参加の可能性を探ったらどうか。

憲法には議員の本会議出席を前提にした規定がある。これが国会審議への遠隔参加ができない根拠となってきたが、憲法制定当時、インターネット技術が想定されていなかったのも事実だ。

最も重要なことはいかなる形でも審議や採決に参加することだ。たとえ国会に参集できなくても、国民の代表として意思表示する機会が奪われてはならない。

安倍首相が実現を目指す改憲四項目には、法律と同じ効力を持つ政令制定権を内閣に与える緊急事態条項の創設が含まれる。

全国民の代表で構成する国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関だ。緊急事態発生時に限らず、国会での議論を経ず、行政の裁量に委ねることは、国会の自殺行為にほかならない。

いかなる状況でも、行政監視や国政の調査という国会の役割を果たす。非常時だからこそ、その意味の重さを確認しておきたい。
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[東京新聞] 発送電分離 電力改革はまだ途上だ (2020年04月02日)

昨日スタートした発送電分離。発電と送配電事業を切り分けて、大手電力による独占の壁を取り払う−。電力システム改革の“総仕上げ”とされているのだが、現状では劇的効果は期待できない。

日本の電力供給は長らく、大手十社がそれぞれの“縄張り”で、発電と送配電、小売りを一手に担う「地域独占」だった。

原発のような大規模集中型電源で大量の電気を一気につくり、決められた地域へ送り込むというやり方を続けてきた。

福島第一原発事故で、その弱点があらわになった。他地域からの電力融通が思うように進まず、大消費地の首都圏は、計画停電を余儀なくされた。

そんな地域独占の壁に風穴を開けるべく、政府による電力システム改革が加速した。大手電力会社を発電、送配電、小売りなどに分社化、つまり解体し、「新電力」と呼ばれる中小事業者の参入を図り、大規模集中から小規模分散に移行させる狙いがあった。

二〇一六年、家庭向けも含めた電力小売りが自由化された。改革の「総仕上げ」とされるのが、発送電分離である。

しかし、分離と言っても、送配電網の所有権を大手から切り離す「所有権分離」には踏み込めず、小売り同様、既存の大手が送配電会社を設立し、それぞれ子会社にするだけの「法的分離」にとどまった。送配電は従来通り、大手の支配下に残された。

これまでも、大手が持つ原発の電力が優先的に接続されてきたように、「新電力」からの接続が、理由を付けて抑制される懸念はぬぐえない。分離による効果は恐らく限定的だ。「新電力」には、風力や太陽光を扱う事業者が多い。政府がエネルギー基本計画にうたう、再生可能エネルギーの主力電源化にも支障を来す恐れは強い。

地域ごとに送配電子会社が残るのも非効率。欧米では、送配電網の運用そのものを電力会社から切り離し、「独立系統運用機関」(ISO)に委ねるシステムが主流という。そうなれば、全国規模での電力融通もスムーズになるだろう。接続の公平性が保たれて、再生エネの普及にとっても、強い追い風になるはずだ。

発電量が天候に左右されやすいという再生エネの弱点を、例えば日照が豊富な九州と、風力の適地が多い東北・北海道などが、補完し合えるようにもなるだろう。

送配電網の中立性が保証されるまで、電力改革は終われない。
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[産経新聞] 【主張】ウイルスと北朝鮮 軍事挑発している場合か (2020年04月02日)

北朝鮮が3月、4度にわたり短距離弾道ミサイルを発射した。軍事挑発を再開させたようだ。

世界が新型コロナウイルスと戦っている今、なぜ東アジアの平和と安全を脅かそうとするのか。強い憤りを覚える。

北朝鮮による弾道ミサイル発射は、国連安全保障理事会の決議違反であり、絶対に容認できない。

安保理は31日も緊急会合をテレビ形式で開いたが、欧州6カ国が非難声明を出すにとどまったのは残念だ。米国を含む15カ国が一致して厳しい態度を示さなければ、北朝鮮が意に介さないのは過去の例からみて明らかである。

新型ウイルスについて、北朝鮮は感染者は一人もないと主張しているが、果たして本当なのか。

中国とは長い国境で接し、対中貿易は9割を占める。中国依存度は他国の比ではない。早々と往来を絶ったというが、その後、接点なしとは到底考えられない。

必要な検査が実施されているのか。医療の準備はあるのか。関連の国際機関や人道支援団体はむしろ、「感染ゼロ」を疑い、懸念を深めている。金正恩政権は外部から医療の専門家を受け入れ、実情を世界に明らかにすべきだ。

ウイルスが北朝鮮発で再拡散する恐れもある。国境を越えて広がる感染症の克服は、国際協調なくしてありえない。

在韓米軍司令官は3月13日、北朝鮮軍が30日間訓練を行っていないとして「感染者が出ていると確信している」と述べた。北朝鮮メディアの報道からは、マスク着用を国民に指示するなど、神経質になっている様子もうかがえる。

新型ウイルスへの対応で、北朝鮮軍や国民に動揺が広がっているのだろう。度重なるミサイル発射には国内を引き締める狙いがあるとみるべきだ。新型ミサイルの実戦配備への意図もみえ、この点の警戒強化も欠かせない。

国連や先進7カ国(G7)は感染拡大阻止のため医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な途上国支援に動き始めた。「感染ゼロ」は、こうした支援を遠ざけるものであり、体制維持のための重大な人権弾圧といえる。

北朝鮮が国際社会の支援を仰ぐならば、それが真に感染防止に使われることを明示しなければならない。一方で核・弾道ミサイルを廃棄するまで安保理制裁が維持されるのは当然だ。この点を関係国間で確認しておく必要がある。
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[産経新聞] 【主張】東京五輪 総力挙げ来夏へ再始動を (2020年04月02日)

新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった東京五輪が、来年7月23日開幕、8月8日閉幕に決まった。パラリンピックは8月24日から9月5日まで行われる。当初の計画からほぼ1年後にスライドさせた形だ。

暑さ対策として、春開幕の「サクラ五輪」を推す声もあった。しかし、世界的なウイルス禍の収束は、まだ見通せない。夏開催としたのは冷静な判断だろう。

観客の動員、学生の参加が見込めるボランティアの確保、輸送計画など、これまでの開催準備をほぼそのまま生かせる。現時点で取り得る最善の策といえる。

アスリートの間には「課題克服の時間が得られた」といった、好意的な反応が広がっている。汗を流す目的が明確になったことは、スポーツ界にも、社会にも大きな意味がある。ウイルス禍を抑え込むという意識を、国民一人一人が共有する契機としたい。

43ある競技会場のうち既存施設を使う25会場は、来夏の予約が入っているところが多い。東京五輪のために再び確保するため、補償金の発生も懸念される。

しかし、「1年延期」の最大の障害とみられた陸上と水泳の世界選手権について、世界陸連はいち早く日程変更の姿勢を打ち出し、国際水泳連盟も東京五輪優先の考えを示している。

国を挙げた五輪として、施設の管理者や関係機関は、前向きな対応をみせてほしい。国際オリンピック委員会(IOC)との費用分担について、大会組織委員会も強い姿勢で交渉に臨むべきだ。

五輪開催の大前提は、ウイルスの感染が世界的に収束していることだ。聖火リレーが来春にスタートすることを考えれば、国内の感染状況はその頃までに沈静化させなければならない。

ワクチンや治療薬の開発で、日本が世界を先導する責任を担っているのはもちろんだが、国民一人一人の協力も欠かせない。外出自粛要請などをめぐる対応では、広く理解が得られているとは言い難い。アスリートたちは感染防止の模範を示し、それぞれの言葉で協力を呼び掛けてほしい。

IOCのバッハ会長は「東京大会はトンネルの終わりを告げる光となるだろう」と語った。出口は必ずある。いまは日本の総力を傾け、その先に待つ光を目指すときではないか。
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[毎日新聞] 景況感大幅マイナス 対策が追い付いていない (2020年04月02日)

コロナショックで企業の景況感が急激に悪化している。日銀が公表した3月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数が7年ぶりのマイナスとなった。

指数は景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出する。今回はマイナス8と、アベノミクスや日銀の大規模緩和前の水準となった。

堅調だった大企業・非製造業の指数も前回の昨年12月調査から12ポイントも悪化した。リーマン・ショック後の2009年3月調査以来の悪化幅だ。中小企業の指数は製造業、非製造業ともマイナスだ。

今回の短観は中国からの訪日客激減などコロナショックの一部しか反映していないことに留意が必要だ。企業の約7割が3月前半までに回答し、その後の事態の悪化が織り込まれていない。

3月中旬以降、国内のイベントや外出自粛の拡大で宿泊・飲食業の経営は一段と悪化した。自動車をはじめ製造業は欧米各国の都市封鎖で現地生産・販売の停止を余儀なくされている。

今夏に予定された東京オリンピックも延期され、企業の景況感は悪化するばかりだ。感染収束が見えない中、約6兆円の手元資金があるトヨタ自動車でさえメガバンクに1兆円の融資枠を要請するほど、先行き懸念が強まっている。

政府は企業の資金繰り支援や雇用維持を促す助成金の給付を行っている。だが、かつてない需要の落ち込みに、中小企業では廃業するところも出ている。非正規社員の雇い止めが広がるなど、雇用も失われ始めている。

にもかかわらず、政府の対応はスピードが遅く、きめ細かさを欠いている。

安倍晋三首相は「リーマン・ショックを上回るかつてない大型経済対策」を策定するという。だが、今は経済活動より感染拡大防止が最優先される局面だ。需要喚起策を詰め込んで対策の規模を膨らませても効果は期待できない。

欧州では中小企業やその従業員を対象に一定の収入補償を行う国もある。日本も企業や働き手の事業・生活基盤を守る施策が急務だ。政府はこの基盤が壊れれば、コロナ不況からの回復が望めなくなることを認識する必要がある。
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[毎日新聞] 大都市圏の休校措置 長期化見据えた対応策を (2020年04月02日)

政府の専門家会議がきのう、大都市圏で学校の一斉休校を選択肢とする提言をまとめた。新型コロナウイルスの感染者が急激な拡大傾向を見せているためだ。

拡大傾向にあるかどうかは、新規の感染者数や感染源が不明な例の数などを指標として、総合的に判断するよう求めた。

文部科学省は先週、一律の休校要請を打ち切り、全国の学校が新学期から再開することを前提に、感染防止の留意点などをガイドラインにまとめていた。専門家会議の意見を踏まえ、一斉休校も選択肢とする改定を行った。

これまでの学校の休校をめぐる政府の方針は、専門家会議との調整が不足していた。

そもそも一斉休校の要請は安倍晋三首相の政治判断によるものだ。その後、要請は解除されたが、専門家会議が明確に学校再開を認めたわけではなかった。

今回、専門家会議は、子どもが感染を広げている状況はほとんどないとみて、地域のまん延の状況を踏まえて休校や再開を判断することが重要とも指摘している。

感染拡大がいつ収束するかの見通しはついていない。感染者が急増している東京都は都立学校の休校を5月上旬まで延長することを決めたが、その後に再開できるとは限らない。

休校の長期化が与える影響は大きい。

まず、働く保護者の負担の問題がある。政府は、子どもに合わせて休まざるを得ない保護者への休業補償の期限を6月まで延長すると発表した。だが、会社の事情などで休みにくい保護者もいる。いっそうの手当てが必要だ。

また、子どものストレスに対するケアも大切だ。子どもが密集しないように、分散して登校する日を設けるなどして、子どもの様子を家庭と協力して見守っていく必要がある。

学習の遅れも心配となる。学校と家庭をオンラインで結んで家庭学習を行うのも一つの手立てだ。しかし、そのための機器を備えていない学校や家庭も少なくない。

長期化を見据え、政府と専門家、自治体がいっそう連携を深める必要がある。そのうえで、子どもや家庭の不安を軽減する対応策を講じていかなければならない。
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[読売新聞] 日銀3月短観 さらなる悪化に備えた対策を (2020年04月02日)

企業心理が急速に冷え込んでいる。雇用の維持を最優先に、官民が協力して、この非常時を乗り切りたい。

日本銀行は3月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、企業の景況感を示す業況判断指数は、大企業、中小企業ともに落ち込んだ。

大企業では、製造業が前回より8ポイント低いマイナス8と、7年ぶりの低水準となった。非製造業は12ポイント悪化の8で、下落幅はリーマン・ショック後の2009年3月調査(22ポイント)以来の大きさだ。

今回の短観は3月11日までに7割の企業が回答している。その後、欧米で生産停止や外出制限が相次いだ影響が十分織り込まれていない可能性がある。今後、企業心理の一段の悪化は避けられまい。

業種別では、「宿泊・飲食サービス」が70ポイント急落し、マイナス59と最悪の水準になった。

外出自粛の広がりや訪日客激減による影響の大きさが、数字からも裏付けられたと言えよう。

娯楽施設や旅行会社などが含まれる「対個人サービス」は31ポイント、航空会社などの「運輸・郵便」も24ポイントそれぞれ悪化した。

宿泊・飲食業では、非正規従業員が全体の4分の3を占める。企業が目先のコスト削減に走り、非正規の雇い止めが広がれば、社会不安が高まりかねない。

政府や金融機関は、収入が急減した企業や個人事業者の資金繰りなどを支援し、倒産と失業者の増加防止に努めねばならない。

心配なのは、欧米経済が停滞を余儀なくされていることだ。自動車など輸出企業への打撃はこれから本格化するのではないか。

例えば、国内の主要自動車メーカー7社の取引企業は、下請けや孫請けを含め3万社近くに上る。企業心理が一段と冷え込めば、幅広い企業の設備投資や採用の計画にマイナスに作用しよう。

まずは20年度補正予算案の取りまとめと成立が急がれる。事態の収束までにどれだけ時間がかかるのか見通せない。政府は長期戦を覚悟し、必要に応じて追加措置を的確に講じるべきである。

経団連は経済対策に関する緊急提言で、企業側も雇用維持に努める方針を強調した。特に、新卒採用については「第二の就職氷河期世代を作らないよう、全力を尽くす」と明記した。

採用や内定を取り消す動きが出ている。経営体力のある企業は可能な限り、提言の内容を着実に実行してもらいたい。
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[読売新聞] 地方議員の確保 地域事情踏まえ手立て講じよ (2020年04月02日)

地方議員を志す人が不足しているのは、深刻な問題だ。多様な人材を幅広く議会に呼び込む方策を講じねばならない。

市町村議員のなり手不足の解消を検討してきた総務省の研究会が、論点整理をまとめた。議員の兼業制限の緩和を打ち出したのが特徴だ。

地方自治法は、自治体の業務を請け負う個人事業主や法人の役員が議員になることを禁じている。利益誘導を防ぐ狙いである。

過疎化の進む村などでは、公共事業や資材調達で自治体と契約を交わす人が多いのも事実だ。

論点整理を踏まえ、首相の諮問機関である地方制度調査会は、自治体との取引が少ない法人役員などについては、立候補を認める方向で検討しているという。

自治体との取引に関する適切な情報公開など、行政の事務執行の公正さを担保する仕組みが欠かせない。政府は、具体的な制度設計を丁寧に進める必要がある。

研究会は、会社員が出馬する際に、解雇や配置転換などの不利益を被らないよう、労働法制を見直すことを求めた。落選しても元の職場に戻れるのなら、出馬を決断しやすくなるだろう。

自民党では、町村議選の選挙運動の一部を公費で負担する案が出ている。候補者が選挙カーやポスターの費用を負担している現状を改める。立候補しやすい環境を整えることは検討に値しよう。

地方議会の運用を見直していくことも重要である。

育児休暇や託児所の整備を進め、議員活動と家庭を両立できるようにすることが大切だ。夜間・休日の議会開催といった柔軟な運営も広げたい。地域の実情を踏まえて検討を急ぐべきだ。

市議会議員の平均報酬月額が約40万円なのに対し、町村議員は20万円ほどだ。これで生計を立てるのは容易ではなかろう。町村議会は、住民の理解を得ながら待遇改善の議論を進めねばならない。

人口減少や高齢化が進む中、地域の特性を生かした街づくりが求められている。地方議員には、行政を監視し、政策の優先順位を判断していく重要な役割がある。

昨春の統一地方選では、約4分の1の町村議選が無投票となった。今年に入っても、全国各地の地方選で無投票が相次いでいる。地方政治を志す人材が減れば、議員の質の低下を招こう。

自治体ごとに、適正な議員定数は異なる。人口規模や政策課題を勘案し、実情に合った地方議会の姿を模索していくべきだ。
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