2017年05月22日

[産経新聞] 【主張】「ロシア疑惑」捜査 公正な手続きで真相探れ (2017年05月22日)

トランプ米政権に、発足前からロシアとの癒着関係がなかったかという「ロシアゲート」疑惑が、米国内外に大きな波紋を広げている。

独立して捜査する特別検察官を司法省が任命したことから、この問題は新たな局面を迎えた。

疑惑の真偽は不明だが、この問題を抱えたままでは、米国が対露外交を強力かつ安定的に展開することは難しかろう。それは国際秩序にも影響なしとしない。

捜査の行方は予断を許さないが、正当な手続きの下で公正な捜査が行われ、早期に真相解明が果たされることを期待したい。

疑惑の本質は、ロシアがサイバー攻撃などで昨年の米大統領選挙に干渉したことに、トランプ陣営の関係者が何らかの形で関与していたか否かにある。

特別検察官を置く事態に至ったのは、トランプ大統領がこの問題の捜査を進めていたコミー前連邦捜査局(FBI)長官を電撃的に解任したためだ。

トランプ氏は、ロシアとの癒着が取り沙汰されたフリン前大統領補佐官を更迭したが、コミー氏に捜査中止を求めたのではないかとも指摘される。捜査妨害を意図した行為なら極めて不当だ。

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特別検察官には、政治の影響を受けぬよう捜査の独立性が担保され、起訴権限も与えられている。その任命は、民主主義の根幹である三権分立にのっとった措置と位置付けられている。

捜査の指揮を執るモラー元FBI長官は、ブッシュ、オバマ両政権を通じて12年間にわたり長官の任にあった。共和、民主両党ともに信頼を寄せる人物で、適切な人選だろう。

トランプ氏は疑惑を否定し、特別検察官による捜査について「魔女狩りだ」と反発している。潔白を証明し、政権運営を安定させたいなら、みずから捜査に協力する姿勢が欠かせないだろう。

疑惑への対応に追われ、最高指導者としての職務に空白を生じさせることは許されない。国際社会も、捜査は捜査として、その行方を冷静に見守るしかない。

トランプ政権が主導する、国際社会を巻き込んで北朝鮮への圧力を強化する政策は正しい。挑発をやめない北朝鮮に対し、不断の備えが重要である。日本がより米国との連携強化を図るべきときであることも、言うまでもない。
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[東京新聞] イラン大統領 対外融和路線を続けよ (2017年05月22日)

イラン大統領選で保守穏健派の現職ロウハニ師が再選された。イランが米欧などと結んだ核開発を制限する合意を守り、対外融和路線を続けるよう望む。中東の緊張緩和のためにも必要なことだ。

大統領選は事実上の一騎打ちとなり、ロウハニ師は保守強硬派が一本化して擁立したライシ前検事総長を破った。穏健派の勝利で、国際協調路線が崩れる危機はひとまず回避された。

イランが核兵器製造につながる活動を制限する見返りとして、二〇一六年一月に経済制裁が解除された。原油輸出が回復し、外資誘致も動き始めたが、物価高や若者の失業増加が続く。それでも、国民の多くは開放路線を続ければやがて経済が好転し、国際的孤立から脱却できると期待して、現職支持に回ったとみられる。

政教一致を掲げるイランでは、最高指導者ハメネイ師が大統領の上に君臨する。保守派の聖職者や、軍産複合体に成長した革命防衛隊は軍縮、米欧への大幅な譲歩を望んでいない。核活動を制限しながら、弾道ミサイルの実験を続けるのはそのためだ。

イランはイスラム教シーア派の盟主を自任し、シリアのアサド政権を支援し、イエメン内戦にも介入している。

ロウハニ師が再選され、貿易拡大や外資導入など経済面での国際協調は続くが、近隣諸国との関係など安全保障面では当面、現状維持が続くとみるべきだろう。

トランプ米政権の政策もかぎを握る。大統領は最初の外遊先として、イランの勢力拡大を警戒し対立するサウジアラビアを選び、次にイスラエルに向かう。米国は同盟国との安保協力を強める考えだが、核合意の見直しを示唆したり、イランを再び孤立させる政策を取れば、中東全体が不安定になろう。

イランは石油、天然ガスが豊富なうえ、人口約八千万人で若年層が多く、工場建設や市場としても魅力がある。

既に欧州連合(EU)諸国は投資を拡大している。もしロウハニ大統領が融和路線を続けるのなら、米国も段階的に制裁を緩和し、イランを国際社会の責任ある一員として導き入れる努力が必要ではないか。

日本は昨年、イランへの制裁を解除し、投資協定にも署名した。経済協力の拡大を図りながら、イランに対し、原子力の平和利用に徹し軍事的な緊張を高めないよう強く促す責務がある。
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[産経新聞] 【主張】テニスの八百長 日本は「高潔」誇れるのか (2017年05月22日)

多くのファンが「まさか日本の選手が」と衝撃を受けたのではないか。男子テニスで八百長行為を働くなどしたとして、日本の元選手が永久資格停止と罰金5万ドル(約560万円)の処分を科された問題である。

テニスの不正監視団体によると、元選手は2015年11月に南アフリカで行われた下部ツアーで、元教え子の選手を通じて金額を示し、敗退行為をするよう他の選手に持ち掛けるなどしたとされる。元選手は、禁止されているテニスの試合への賭けも76件行っていた。

スポーツの魅力は、「公正・公平」な条件の下で真剣勝負が行われることにあり、スポーツの生命線もそこにある。

八百長は選手自身の価値を否定する犯罪行為に等しく、日本のスポーツ界が誇ってきた「高潔」な姿勢にも唾を吐く行為である。スポーツを愛する者として、同じ日本人として憤りを禁じ得ない。

八百長防止を目的とするNPO組織、国際スポーツ安全センター(ICSS)が3年前に発表した調査結果では、公の賭けの対象になっている世界のスポーツの約8割で、勝敗操作の疑いが見られたという。賭けの成立するところには、常に八百長の影がある。

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昨年1月に英BBC放送などがテニス界での八百長の横行を報じた際、錦織圭選手は「やろうと思うこと自体、理解できない」と語った。これが当たり前の反応だろう。元選手が八百長の誘惑に屈したならば、はなから競技者としての資質を欠いており、同情の余地は全くない。

昨年には、バドミントン男子のトップ選手らによる賭博問題が発覚した。巨人軍の投手らが野球賭博に手を染めた事件もあった。選手や強化現場は金銭がらみの黒い誘惑と隣り合わせている。この現実を軽視してはならない。

誘惑という点では、ドーピングも同じ根を持つ問題であることを再確認したい。

ドーピングも八百長も、「まさか、日本の選手が」と言える時代ではなくなった。胸を張って高潔を誇ることもできない。

2020年東京五輪・パラリンピックをクリーンな大会とするためにも、先入観を捨てて防止策を徹底したい。

ほかの競技団体が「遠い向こう岸の火事」だと思っているなら、大きな誤りである。
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[日経新聞] 日本のエレクトロニクスは復活するか (2017年05月22日)

自動車と並んで産業界の2本柱だった電機産業だが、昨年はシャープが台湾の鴻海精密工業の傘下に入り、今は東芝が巨額の赤字に苦しんでいる。日本の電機は復活できるだろうか。

こうした厳しいニュースが前面に出る中で意外かもしれないが、実は電機全般の業績はまずまずだ。正式の決算発表ができていない東芝を除いたベースで、上場電機メーカーの2017年3月期の合算純利益はその前の期に比べ1千億円以上の増益になった。

円高が進む逆風のもとでの増益達成であり、コスト削減や事業の絞り込みなど経営努力の成果として一定の評価ができるだろう。

いま有力メーカーの多くが力を入れるのは部品や製造設備のような中間財・生産財だ。

キヤノンで最も伸びの目立つ事業は韓国サムスン電子を主力顧客とする有機ELパネルの製造装置だ。パナソニックは車載部品を成長戦略の柱として位置づけ、米テスラなどに供給する電気自動車(EV)搭載用の2次電池で大型投資を展開する。

海外の戦略的顧客と太いパイプを築き、彼らが必要とする技術を供給する、いわば「裏方」役に徹する事業モデルである。

逆にかつて日本勢が得意とした自ら最終製品を企画・生産し、世界の消費者に売り込むビジネスはすっかり影が薄くなった。米国で人気の「スマートスピーカー」の主役はアマゾン・ドット・コムやグーグルなどのITの巨人であり、日本企業の名前が見当たらないのはやはりさみしい。

「裏方」モデルも悪くないが、それと同時に「ウォークマン」やVHS型VTRのような世界的ヒット商品の再来を期待するのは無いものねだりなのだろうか。

失敗に学ぶことも重要だ。東芝の今の経営トップは医療機器事業の出身であり、規模も時間軸も違う原子力発電事業について十分な知見があるとは見えない。広げすぎた事業範囲を絞り込み、焦点を絞った専業企業として再出発するという選択肢もある。

「日の丸」への過度のこだわりもよくない。鴻海傘下のシャープが復調の手掛かりをつかんだのに対し、政府系ファンドの主導で発足したジャパンディスプレイは経営の混乱が長引いている。事態が行き詰まったときには、自前主義を捨て、外部の資本や人材を受け入れるのも一つの方策である。
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[毎日新聞] 「点字毎日」創刊95年 確かな情報提供続けたい (2017年05月22日)

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週刊の点字新聞「点字毎日」が創刊から95年を迎えた。高度で複雑な情報ツールが生まれても、視覚障害者の社会参加に点字の果たす役割の重さは変わらない。

毎日新聞社が1922年5月に創刊した当時、英国では一般ニュースを点訳した新聞が発行されていた。

しかし点字毎日は独立した編集室を持ち、視覚障害者向けのニュースを自主取材して編集した。戦時中や大震災の発生でも休刊しなかった。

点字毎日の発刊はユニバーサル社会への社会的関心を高めさせた。創刊後まもなく点字教科書を作製し、創刊から3年後に公布された普通選挙法で点字投票が認められた。

視覚障害者が点字で情報を得て、考え、行動する。点字毎日はそういう点字文化を普及させる役割を担ってきたとも言えよう。

それが今、点字離れを指摘する声が出ている。

全国視覚障害者情報提供施設協会の調査では、全国の点字図書館などでの点字図書の貸出数は30年前の約4割に落ち込んだ。一方で音声図書の貸し出しは3倍以上に増えた。

情報技術(IT)の発達で、市販のスマートフォンで専用アプリを使えばメール内容を音声で聞くことができる。活字にかざすだけで音声に変換するソフトも開発されている。

音声機器は日常生活を送るうえで便利である。それでも、専門的な文献を理解するためには点字を学ぶ必要がある。要点を把握して自分の考えや主張をまとめるのは点字でなければ難しい。

大学や国家資格では点字による受験もできる。点字を使うことで仕事の職種を広げたり業務内容を深めたりすることができる。社会活動の範囲は格段に広がる。

支援活動をする人たちは「正確な情報を受け取り、読み解くには点字が必要だ」と語る。点字を巡る環境は厳しいとはいえ、点字への信頼や期待は依然として高い。

公共空間のバリアフリー化は今では当然の施策になった。視覚障害者が安全に暮らし、安心して社会活動を送るには、確実な情報を提供することが欠かせない。

5年後の創刊100年に向けて、点字の持つ可能性をさらに広める努力を積み重ねていきたい。
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[日経新聞] 改善が必要な高齢者がん治療 (2017年05月22日)

厚生労働省は高齢がん患者の診療指針づくりに乗り出す。がん患者は高齢化が進み、約4割が75歳以上だ。薬の効果がはっきりしないまま、副作用に悩みながら治療を受け続ける例も多い。医療費が増える一因ともなっており、指針の作成は意義があろう。

同省は今年度から6年間のがん対策の方向を示す「第3期がん対策推進基本計画」に、指針づくりを盛り込む方針だ。

がんは種類や進み具合の診断結果に応じて最適と考えられる「標準治療」をまず実施するのが一般的だ。しかし、根拠となる臨床研究の多くは若い患者が対象だ。

高齢患者にとって標準治療はリスクが大きい場合もある。生活の質(QOL)を考えて積極的に治療しない選択肢もありうる。

経験豊富な医師は患者の表情によって治療内容を変えるというが、限界がある。科学的に根拠のある判断基準を設ければ、診断や治療の質の底上げにもつながる。

それには国立がん研究センターや学会の協力を得て治療データを集め、副作用や効果を丁寧に調べる必要がある。

ただ、結果をがん治療の現場にそのまま当てはめられるとは限らない。余命を延ばしたりQOLを高めたりできる可能性が低い治療法を、医療保険でどう扱うかなど慎重な議論がいる。

がんの症状の表れ方は千差万別だ。治療を続けるか否かには一人ひとりの死生観も絡む。医師は指針をもとに、体の状態に応じた選択肢を十分に説明し、患者や家族の納得を得なければならない。

がんは通院などの都合から、住まいの近くで治療を受ける場合が多い。中小の病院が、がん治療に重点を置く拠点病院と緊密に連携する仕組みも整える必要がある。

将来的にがんの性質や薬への反応を判定できる遺伝子解析技術が進めば、年齢と無関係に患者にもっとも適した治療を提案できるようになるだろう。日本の取り組みは、これから高齢がん患者が増える他国のモデルにもなるはずだ。
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[毎日新聞] 自民憲法本部の体制刷新 首相の政略ばかり目立つ (2017年05月22日)

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安倍晋三首相(自民党総裁)の指示を受けて、自民党が党憲法改正推進本部の体制刷新に動き出した。

幹事長や政調会長ら党四役も推進本部の役員に加わり、年内の改憲案作りを目指して作業を急ぐという。

そこから浮かぶのは、人事権を行使してでも党内の憲法観を一色に染め上げようとする首相の意図だ。

党憲法改正推進本部は、衆参両院の憲法審査会で幹事などを務める議員が主要メンバーになってきた。船田元氏や中谷元氏らである。

「憲法族」と呼ばれる彼らは、前身である憲法調査会以来の伝統で与野党の協調を旨としてきた。

ところが、安倍首相が党内論議を飛び越して「憲法9条への自衛隊明文化」や「2020年までの施行」を提起したため、推進本部の幹部らからは「熟議を積み重ねるべきだ」といった不満がくすぶっていた。

したがって、今回の体制刷新は、「挙党態勢作り」を名目にした憲法族の封じ込めと見るべきだろう。

この手法は、集団的自衛権行使をめぐる憲法解釈の全面変更に際し、首相が内閣法制局長官の首をすげ替えた一件を思い起こさせる。

しかも、憲法族の封じ込めは、自民党が与野党協調路線から一方的に離脱することを意味する。

首相が連携相手として意識しているのは、「加憲」を模索してきた公明党と、教育無償化を改憲の柱とする日本維新の会だけだ。議論は自公維3党で十分ということだろう。

首相としては、せっかく衆参両院で改憲に前向きな勢力が3分の2以上を占めているのに、野党にひきずられて改憲項目の絞り込みが進まないと「宝の持ち腐れ」になると考えているのかもしれない。

党内のまとまりに欠ける民進党にはもちろん問題がある。しかし、2大政党制が前提の小選挙区制を採用していながら、野党第1党を最初から度外視するかのような姿勢は、憲法の平穏な運用を妨げる。

すでに首相に近い議員からは、9条改正を来年の自民党総裁選や次期衆院選に絡める声が出ている。憲法を首相の政略に利用する発想だ。

自分の思いを遂げることにのみ熱心なようだと、憲法は決して定着しない。長期政権のリーダーにふさわしい賢慮を、首相に求める。
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[朝日新聞] 安倍政権 知る権利に応えよ (2017年05月22日)

疑惑がもたれれば、必要な文書を公開し、国民に丁寧に説明する。政府として当然の責務を果たす気があるのだろうか。

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画に関する文書について、松野博一・文部科学相は「存在を確認できなかった」との調査結果を発表した。職員への聞き取りや、担当課の共有フォルダーなどを調べた結論だという。

調査は実質半日で終了した。個人のパソコンは確認せず、「必要もないと考えている」とし、追加調査もしないという。あまりにも不十分で、問題の沈静化を図ったとしか見えない。

焦点の一つは、学部新設で「総理の意向」があったかどうかだ。意思決定までの過程を文書で残すことが、文科省の行政文書管理規則で定められている。しかし同省は報道等で出た該当文書を探しただけという。これで調査といえるのか。再調査をすると同時に、事実関係の確認も徹底すべきだ。

今回の政府の対応に、多くの国民が「またか」と感じているのではないか。学校法人・森友学園問題でも、情報公開への後ろ向きな姿勢が際立った。

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」は19日、学園との交渉記録を公開するよう国に求め、東京地裁に提訴した。財務省に残っているはずの電子データの証拠保全も申し立てた。

三木由希子理事長は「国の姿勢を見過ごせば、これからも国民に必要な情報が次々と廃棄され、情報公開制度は成り立たなくなる。私たちの権利に対する重大な挑戦だ」と指摘する。

別の市民団体も、財務省が面会記録などを廃棄したのは公用文書等毀棄(きき)罪にあたるとして幹部らを刑事告発した。

多くの人が怒り、疑問を抱き、もどかしく感じている。

そもそも森友問題が浮上した発端は、地元の大阪府豊中市議が、国有地の売却価格の公開を求めたのに、国が黒塗りにして隠したことだ。市議が公開を求めた裁判で、国は今も「開示すれば不当に低廉な金額で取得したような印象を与え、学園の信用、名誉を失墜させる」と主張する。国有地は「国民共有の財産」であることを忘れたのか。

国民主権は、政府が国民に情報を公開し、施策を検証できてこそ実のあるものになる。情報公開に対する国の後ろ向きな態度は、国民主権を支える「知る権利」を脅かすものだ。

「公正で民主的な行政の推進」を掲げた情報公開法の理念に、政府は立ち戻るべきだ。
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[朝日新聞] イランの選択 対外融和の流れ加速を (2017年05月22日)

せっかく改善した国際社会との関係を逆戻りさせたくない。そんな国民の思いがまさったのだろう。イランの大統領選挙で、対外融和を進めてきた現職のロハニ大統領が再選した。

核開発をめぐる2年前の国際合意により、米欧による制裁は緩められ、イランの孤立的立場はわずかずつ変わりつつある。その流れが加速するよう、国民は期待を寄せたのだ。

大統領は選挙後のテレビ演説で「イランは世界と協調する道を選んだ」と述べた。その言葉どおり、今後4年間、緊張緩和の努力を重ねてほしい。

選挙は、保守穏健派の現職大統領に、保守強硬派のライシ前検事総長が挑む構図だった。

核合意は、国連安保理常任理事国とドイツの6カ国にウラン濃縮などの縮小を約束したが、ライシ師はそうした米欧との妥協を嫌う姿勢を示した。

そのライシ師が4割近くの票を集めたのは、国民の間に核合意の「果実」が浸透していない現実への不満があるからだ。

合意後、石油生産は回復し、インフレも収まったが、失業率は依然高い。世論調査では国民の7割が「暮らしは上向いていない」と答えている。

イランの体制では、最高指導者ハメネイ師が最終決定権をもち、大統領の権限は限られる。国民の不満が高まれば、「外国に譲歩しても利益はない」と説く強硬派が伸長し、ロハニ政権は苦境に陥りかねない。

中東では、同じイスラム教の中でシーア派のイランとスンニ派の国々の間で緊張が続く。スンニ派の盟主サウジアラビアとイランは昨年国交を断った。

イランの軍部はミサイル開発を続け、シリアやイエメンの内戦などに深く介入している。

イランの動向は、中東だけでなく国際情勢の安定にも影響する。強硬派や軍部の独走を抑え、穏健派が政権を着実に運営していくには、国際社会からの支援も必要だ。

その意味で、事態をこじらせるような無責任さが目立つのが米国である。オバマ前政権が核合意づくりを率先したものの、米議会はイランへの強硬姿勢を崩さず、トランプ大統領もイランへの敵視を隠さない。

トランプ氏はサウジ訪問で、イラン以外のイスラム諸国との首脳会議を開き、「イラン包囲網」とも映る動きを見せた。

中東の和平を実現するには、米国とイランの関係改善は必須条件である。イラン国民が示した融和の意思にこたえるためにも、トランプ政権はロハニ政権との歩み寄りを探るべきだ。
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[読売新聞] TPP閣僚会合 11か国で早期発効へ歩み寄れ (2017年05月22日)

米国の離脱で暗礁に乗り上げている環太平洋経済連携協定(TPP)が何とか命脈を保ったと言えよう。

米国を除く参加11か国によるTPP閣僚会合が開かれた。「TPPの戦略的・経済的意義を再確認した」との共同声明を採択し、11か国が結束していくことで一致した。

米国が抜けて初の閣僚会合で、11か国が協定実現への意欲を共有できたのは一定の成果だ。

協定は、米国の離脱で発効できなくなっている。声明は「早期発効のための選択肢」を11月の次回会合までに詰めるとした。

期限を区切り、議論の停滞を防ぐという狙いだろう。今秋までの協議が極めて重い意味を持つ。

日本が提案した7月の高級事務レベル会合の開催も歓迎された。経済規模が突出する日本のリーダーシップの発揮が欠かせまい。

米国を中心とする保護主義の台頭に対抗し、世界の自由貿易体制を守る。高い水準の貿易・投資ルールを定め、他の経済連携協定でも質の向上を促す。11か国でのTPPの着実な推進が、日本の通商戦略上も極めて重要である。

今後の協議は予断を許さない。米国抜きの枠組みを巡っては、各国の思惑が交錯している。

対日輸出の増加をにらむ豪州やニュージーランドは積極的だ。米市場を重視するベトナムやマレーシアは慎重姿勢を崩さない。

11か国での発効を目指す協議が本格化すれば、ベトナムなどが現在の協定内容の大幅な変更を求めかねない。その場合、協定が漂流する恐れが大きくなる。

現実的な対応として、日豪など5か国程度で、既に合意済みの内容を踏襲する形で先行発効させる案も取りざたされている。

ただし、枠組みが縮小していけば、巨大経済圏を構築するTPPの意義が減じるのも事実だ。

協定内容の大幅な変更を避けつつ、いかに意見の相違点を克服できるか。そこが問われる。

日本は今回の声明を踏まえ、各国にTPPの戦略的メリットを粘り強く訴え続けねばなるまい。

同時に、米国をTPP体制に引き戻す努力も欠かせない。

声明は「原署名国の参加を促進する方策」を講じると明記した。米国を念頭に、新たな参加希望国よりも加盟手続きを簡略化する方法などを想定している。

米国が直ちに離脱方針を変える可能性は低いとしても、合流への扉を常に開いておくことが、11か国の結束にも有益だろう。
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[読売新聞] ゲノム編集技術 適正な活用にルール備えたい (2017年05月22日)

遺伝子を効率良く改変するゲノム編集技術を、どこまで活用すべきか。政府によるルール作りと環境整備が大切だ。

ゲノム編集技術で人の受精卵の遺伝子を操作する研究について、内閣府の生命倫理専門調査会が、ルールの在り方に関する検討を始めた。

日本は、海外に比べて取り組みの遅れが指摘されている。

技術の進展に即したルールの不備が大きな要因だ。研究者の多くが、人の受精卵を用いた研究を自粛している。政府として早急に対策を講じることが求められる。

生命の根幹を操作できるゲノム編集技術は、各種の細胞に応用できる。中でも、調査会が検討対象とした受精卵の遺伝子操作は、最も注目される分野である。

遺伝子変異による疾患は、成長した細胞の遺伝子を改変しても、根治につながりにくい。受精卵の段階で原因となる遺伝子を改変・除去できれば、発症しない。

不妊治療でも、受精卵の遺伝子を操作して、着床しやすくする手法などが模索されている。実現すれば、不妊に悩むカップルにとって朗報となるだろう。

世界的には、臨床への応用が現実味を帯びている。

英国や中国などでは、基礎研究が国の指針などで認められ、受精卵での研究が実施されている。米国の専門家会議は2月に、ゲノム編集技術で受精卵の遺伝子を操作する治療を、条件付きで容認する報告書をまとめた。

忘れてはならないのが、負の側面だ。遺伝子操作で子供の能力向上を目指す「デザイナーベビー」につながらないか。遺伝子改変が健康に悪影響をもたらし、次世代に拡大するリスクはないか。

不妊治療施設などが危険な応用を試みる恐れがある、と警鐘を鳴らす生命倫理の専門家もいる。

適正な研究は認めつつ、懸念に応えるルールとすべきだ。

受精卵の扱いを巡っては、専門調査会が2004年に「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」をまとめ、慎重な対応を求めた。これに基づき、厚生労働省や文部科学省が関連指針を設けて、個別の研究の是非を審査している。

生殖技術は、さらに先を行き、この指針は実態にそぐわなくなった。海外では、受精卵や卵子そのものを改変する「核移植」で、子供が誕生したとされる。

技術の進展に対応できるよう、受精卵だけでなく、卵子・精子など生殖細胞の扱いについても、抜本的に見直す必要がある。
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2017年05月21日

[産経新聞] 【主張】蔡政権1年 民主主義の成熟を強みに (2017年05月21日)

台湾の蔡英文政権が発足1年を迎えた。

政権交代時の興奮は冷め、一転して政権の支持率は伸び悩んでおり、蔡総統は「夜明け前の闇だ」として、低迷脱出に奮起を誓っている。

支持率の波は民主社会の常だ。蔡氏には、就任演説で掲げた台湾の平和と安定などの公約実現に全力を尽くしてもらいたい。

海峡対岸の中国は、「一つの中国」をめぐり、蔡政権に圧力を強める。世界保健機関(WHO)の総会から台湾を排除した。南太平洋フィジーの在台事務所が閉鎖されたのも、中国の働きかけとみられる。

訪中した与党・民主進歩党(民進党)の元職員が、中国の治安機関に身柄を拘束される事件も起きた。これまで複数の日本人訪中者も拘束され、帰国が実現していない。とても人ごとではない。

露骨な圧力を受けながらも、蔡政権は両岸(中台)関係の「現状維持」を掲げている。恫喝(どうかつ)的な行為に屈せず、頑張り抜けるかどうかの大事な時期だろう。

政党別の好感度では、民進党と新興政党の時代力量が上位を占める。いずれも中国が台湾独立派として警戒する政党である。

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統一への圧力を強めることによって、台湾の民意を中国になびかせるのは難しいということだろう。中国は蔡政権との建設的な対話に方針転換すべきである。

台湾の安全を確保するため、蔡政権が日米との関係強化を求めたのも当然だ。

米国とは大統領選当選後のトランプ氏と蔡氏の電話会談が、1979年の米台断交後初めて行われた。日本との間では、高官交流の副大臣級への格上げや、「日台」の呼称を織り込んだ窓口機関の名称も実現している。

外交関係はなくとも、日米台は法の支配や民主主義の理念を共有している。実務的な台湾との関係強化に知恵を絞りたい。

折しも、今年は台湾で世界最長といわれた戒厳令が解除されて30年となる。台湾では中国国民党の一党独裁が終わり、複数政党制による民主政治が定着した。

共産党独裁が続く中国にとって最も目障りなのが台湾の民主主義ではないか。

再び独裁体制に陥るようなことになってはなるまい。そのためにも、民主主義の成熟に向けた不断の努力が望まれる。
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