2020年02月27日

[毎日新聞] 新型肺炎の国会答弁 政府の態勢に不安が募る (2020年02月27日)

新型コロナウイルスの感染が広がる中、安倍晋三首相が出席して衆院予算委員会の集中審議が行われた。

立憲民主党の枝野幸男代表は、発熱などの症状が出ても検査を受けられない人がいる状況を取り上げた。

国内のPCR検査(遺伝子検査)の能力は1日3800件程度だが、24日まで1週間の実施件数は1日平均約900件にとどまると加藤勝信厚生労働相が明かした。

感染の不安があってもむやみに医療機関を受診しないように政府から国民に呼びかけてきた経緯がある。加藤氏は柔軟な運用を通知していると答弁した。しかし、実際にそれが徹底されるのか心もとない。

クルーズ船の乗客が感染して亡くなった経過を検証する質問に加藤氏が答えられず、審議が一時止まる場面もあった。国民に向け発信すべき基本的な情報の整理もできていない政府の混乱ぶりを物語る。

地域に感染がどの程度広がっているのか、仮に感染してしまった場合に適切な検査や治療を受けられるのか。政府の答弁はこうした国民の不安を取り除くにはほど遠い。

もはや日本国内で誰が感染してもおかしくない段階だ。政府が25日に決定した基本方針は受診の回避のほか、発熱時の休暇取得や時差通勤、学校の臨時休業など、国民生活に大きな影響を及ぼす内容である。

首相が責任を持って基本方針を発表し、自身の言葉で国民に理解と協力を呼びかけるべきだった。加藤氏が発表したことは厚労省任せの姿勢と危機感の不足を印象づけた。

その翌日になって首相は政府の対策本部で、全国的なスポーツ・文化イベントの2週間自粛を要請することを表明した。なぜそれを基本方針に盛り込まなかったのか。行き当たりばったりの対応に映る。

野党は「桜を見る会」の問題も追及した。前夜祭の会場となったホテル側と首相の説明は食い違ったままで、首相自ら真相を明らかにしようとしないから疑惑が深まる。

検察人事に政治介入した疑惑についても、森雅子法相や人事院が不可解な答弁を繰り返した。

政権への信頼が揺らぐ中での危機対応だ。首相は新型肺炎対策に「内閣一丸となって取り組む」と述べたが、現状の態勢では不安が募る。
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[毎日新聞] 原爆症の最高裁判決 救済の道狭めない対応を (2020年02月27日)

原爆症の認定を巡り、被爆者3人の敗訴が最高裁で確定した。

認定には、原爆の放射線が病気の原因である「放射線起因性」と、現に医療が必要な「要医療性」が認められなければならない。

3人は慢性甲状腺炎や白内障と診断され、経過観察中だった。訴訟では、こうした状態が要医療性に当たるかどうかが争われた。

最高裁判決は、経過観察にこれが認められる条件として「積極的な治療の一環と言えるような特別な事情があること」との初判断を示した。その上で3人には、この条件が当てはまらないと結論づけた。

要医療性について、国の審査方針は「疾病等の状況に基づき、個別に判断する」としか記していない。今回の判決は、審査の厳格化を求めるものと言える。原爆症認定のハードルが高くなる懸念がある。

爆心地から一定の範囲にいた人などには被爆者健康手帳が交付され、医療費の自己負担がなくなる。原爆症と認定されれば、さらに月約14万円の医療特別手当が支給される。

だが、国は認定手続きを限定的、画一的に運用してきた。それを拡大したのは被爆者が起こした訴訟だ。放射線起因性を広く認める判決を相次いで勝ち取り、それに促される形で国は審査方針を緩和した。

それでも昨年3月末時点で被爆者手帳保持者14万5844人のうち、原爆症と認定された人は5%の7269人に過ぎない。2審の被爆者勝訴を覆した今回の判決は、従来の司法判断から後退している。

広島・長崎に投下された原爆の被害実態は占領期に封印され、その後も国は積極的な掘り起こしに及び腰だった。被爆者救済が不十分な中、偏見や差別を避けるために被爆体験を隠した人も少なくない。

今回の判決は「特別な事情」に関し、病気の悪化や再発の可能性などを医学的見地から個別に考慮すべきだとの考え方も示した。補足意見では、経過観察中でも原爆症と認定される余地に言及した。

原爆の放射線被害は今後、解明が進む可能性もある。被爆者の平均年齢は82・65歳になっており、救済は時間との闘いでもある。国には、被爆者救済の道を狭めないような対応が求められる。
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[読売新聞] 衆院集中審議 新型肺炎対策を掘り下げよ (2020年02月27日)

衆院予算委員会で、安倍首相が出席して集中審議が行われた。論戦の焦点となったのは、新型肺炎の対策である。

立憲民主党の枝野代表は、政府の基本方針について「権限や財源をどう利用し、感染拡大を具体的に防止するのかが出てこない」と批判した。

首相は「今後の状況を見据え、各省庁で対策を具体化し、速やかに実行に移す」と語った。

基本方針は、患者の増加に備え、重症者に対する医療提供体制の整備や、マスクの円滑な供給などを盛り込んでいる。各省庁が連携して、必要な措置を躊躇(ちゅうちょ)なく行うことが求められる。

枝野氏は、小泉環境相ら3閣僚が政治活動を理由に政府の対策本部の会合を欠席したことも批判した。首相は「気を引き締めて取り組む」と述べた。緊張感を持って対策にあたらねばならない。

国民民主党の玉木代表は「先を見据えた緊急経済対策を講じてもらいたい」と述べた。首相は「きめ細かく対応する」と応じた。

個人消費の冷え込みや企業収益の悪化は大きな懸念材料だ。訪日中国人客は激減し、イベントの延期が相次ぐ。政府は影響を見極め、中小企業の資金繰り支援の拡充などを検討する必要がある。

新型肺炎の拡大に歯止めをかけることができるか、重要な時期である。与野党は総合的な対策について掘り下げて論じるべきだ。

野党は、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長も取り上げた。検察庁法には規定がないため、政府は国家公務員法を適用し、黒川氏の定年を8月まで延ばした。

政府はかつて、検察官に定年延長の規定は適用されない、とする見解をまとめていた。今回の決定に際し、法解釈を変更したと説明したが、解釈変更に関する文書には日付がない資料もあった。

玉木氏は人事の撤回を求めた。首相は、定年延長は業務遂行上の必要性に基づくと説明したうえで「問題はない」と語った。

現在の検事総長は今夏が交代時期の目安だ。黒川氏は定年延長により、検事総長への道が開けた。首相に近いことから、首相官邸の意向が働いたとの見方がある。

検察は起訴権をほぼ独占し、時に政界捜査も行う。政治権力から不当な影響を受けないよう、一定の独立性が確保されている。

前例のない検察官の定年延長を判断した理由は何か。どのような経緯を経て解釈を変更したのか。政府は疑念を持たれぬように、説明を尽くさねばならない。

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[読売新聞] 違法薬物の密輸 態勢強化で確実に摘発したい (2020年02月27日)

覚醒剤など違法薬物の密輸が、深刻さを増している。人的、物的な態勢を拡充し、摘発を強化しなければならない。

全国の税関で昨年、押収された違法薬物は、約3・3トンで過去最多となった。このうち覚醒剤は約2・5トンで、8566万回分もの使用量に相当する。ゆゆしき事態と言える。

覚醒剤の密輸の典型例が、一度に大量の薬物を洋上で取引する「瀬取り」である。昨年6月には、静岡県南伊豆町に着岸した小型船から約1トン、12月には熊本県天草市にえい航された漁船から約590キロが押収された。

瀬取りの摘発には、不審な船の出入りなどの情報収集が重要だ。税関当局は漁業関係団体と協力して、監視を強めてもらいたい。

近年は、航空機や国際郵便物を利用した小口の密輸も目立つ。

成田空港では、タイからの格安航空会社便を使った密輸が相次いで摘発された。小分けした覚醒剤を複数人で運ぶ手口だ。密輸組織が多数の運び屋を現地で雇い、ツアー客に紛れ込ませて日本に持ち込ませているという。

チューブ型のボディークリームに覚醒剤を練り込んだり、入浴剤やカップ麺の粉末スープに見せかけたりして、国際郵便や航空貨物で送られてくるケースもある。

手口が巧妙化する密輸に対処するためには、水際の検査を徹底することが欠かせない。

税関当局は4月以降、空港や港湾に、高性能の検査機器を増設する。液体に溶けた違法薬物を探知する装置や、手荷物の中身を3D画像で解析できるX線CT検査機器などだ。担当職員の検査能力も向上させる必要がある。

警察庁によると、国内の覚醒剤事件の摘発者数はここ数年、年1万人前後と高止まりしている。

覚醒剤を使用すると心身が蝕(むしば)まれ、さらなる犯罪を引き起こすリスクが高まる。取引の多くに暴力団が関わり、その収益が活動を支える資金源にもなっている。

薬物犯罪を抑止するため、国内外の警察や税関当局が緊密に連携し、密輸による覚醒剤の供給ルートを断つことが大切である。

海外から密輸されるのは、違法薬物だけではない。今夏には、東京五輪・パラリンピックが開催される。テロ防止の観点から、爆発物や武器の持ち込み、不審人物の入国を防ぐことが課題となる。

大量の画像情報をAIに学習させ、疑わしい荷物をX線検査で見分ける実証実験も始まった。新技術を着実な摘発につなげたい。

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2020年02月26日

[東京新聞] 新型肺炎拡大 株価急落 今こそ国際協調の時だ (2020年02月26日)

新型肺炎の影響が国際金融市場を直撃した。日米欧や中国など各国市場の株価は軒並み急落し、パニックの様相を呈している。世界経済の防衛に向けて、主要国が協調行動を起こす時が来ている。

株式市場は先週まで新型肺炎の拡大に大きく反応していなかった。感染が中国や日本などに限定されており、主に欧米市場で楽観論が支配的だったためだ。

しかしイタリアやイランなどで感染が拡大し、「対岸の火事ではない」との空気が市場に一気に広がった。この結果、ニューヨーク、ロンドンの二大株式市場で株価が急落し、その流れは東京、上海などアジア市場に押し寄せた。

新型肺炎拡大に伴い、投資資金は金市場に流れ込んでいる。リスク回避のための安全資産として、金を買う動きが強まったと指摘できるだろう。同様に安全資産とみなされていた円の動きは鈍い。為替市場ではやや円高傾向だが上昇しても幅は限定的だ。

消費税増税などの影響で国内総生産(GDP)が低迷する中、国内感染者は増え続け最大の景気足かせ要因となっている。このため安全資産としての円の信頼が落ちたとの分析も否定できない。

一方、イタリアではベネチアでカーニバルが打ち切りとなるなど暮らしに影響が出た。市民生活の動きが市場にパニック気味の反応を引き起こした可能性もある。

新型肺炎終息の見通しはついていない。巨額投資資金が短期間で動く各金融市場では悪材料が売りの連鎖を招く事態が起こる。

現段階で求められるのは米中や日本、欧米だけでなく各主要国が足並みをそろえ強いメッセージを市場に出すことだ。国際協調型の分かりやすい情報発信は市場の動揺を抑える効果があるはずだ。

だがサウジアラビア開催の中国を含む二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、具体的な行動を盛り込んだ声明が出なかった。米中も新型肺炎報道をめぐり対立。中国が米国記者の資格を取り消し、米側も反発するなど騒ぎに発展している。

現在は覇権争いをしている場合ではない。米中は不安を増幅させるだけの無用な摩擦を直ちにやめるべきだ。同時に日米欧の主要七カ国(G7)だけでも改めて連絡を取り合い緊急声明を出すなど、即効性のある対策を求めたい。
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[産経新聞] 【主張】G20と世界株安 中国は連携強化に責任を (2020年02月26日)

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が世界経済の失速回避に向けた政策総動員を確認する共同声明を採択した。

だが、具体性には乏しく、これを見透かすように世界の株式市場は同時安の様相をみせた。過去3番目の下げ幅を記録した米国に続き、東京市場も一時、1千円超の下落となった。

それほど世界の市場が、新型肺炎を深刻な脅威と受け止めている証左だろう。市場の警句を厳しく受け止めなくてはならない。

日本を含む各国が対策に万全を期すべきはもちろんだ。手を拱(こまね)いていると、事態はますます混迷を深める。G20が足並みをそろえられるかは極めて重要だ。

残念なことに、その中心にいるべき中国は今回のG20で閣僚の派遣を見送った。国内優先なのはわかるが、これではG20の議論が深まらなかったのも当然である。

中国は特に、自国経済の悪化が世界に及ぼす影響の甚大さを重く認識すべきだ。停滞する経済活動の実態を詳(つまび)らかにし、世界に波及しないよう、どんな対策を取るのかを明確に発信する。それが各国の連携を促す前提となる。

G20では新型肺炎についての発言が相次ぎ、共同声明でリスク監視の強化をうたった。財政や金融など全ての政策手段を用いようとする方向性は妥当である。

問題は、どこまで事態が悪化するかを見極めにくく、具体的な対応で共通認識を得られなかったことだ。国際通貨基金(IMF)は今年の中国の成長率予測を1月時点より0.4ポイント下げて5.6%に下方修正したが、さらに悪化する恐れもある。現時点で的確に読むのは困難としても、足元の実態を正確に掴(つか)む作業は欠かせない。

実のところ、中国の生産網はどれほどの打撃を受けているか。企業活動が元に戻り人の移動が本格的に再開したとき、新たに感染が増える懸念はないのか。こうした中国の現状認識を共有できるかどうかが、各国の政策対応の効果を高める重要な布石となる。

リーマン・ショック後、中国の大型景気対策で世界経済が息を吹き返したころと違い、今の中国経済にそれほどの余力はない。ならばなおのこと、G20が政策対応で連携する意義は大きい。この点は感染者が多い日本も銘記しておかなくてはならない。
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[産経新聞] 【主張】肺炎の基本方針 首相が国民に語りかけよ (2020年02月26日)

政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は25日、対策の基本方針をまとめた。

同本部の専門家会議は「これから1?2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となる」と、警鐘を鳴らしている。

感染が急拡大すれば地域の医療提供体制が破綻しかねない。社会や経済の混乱が深刻化する。あらゆる方法で患者増の速度を抑えねばならない。

新型肺炎の流行自体は防げなくなり、その規模をできるだけ抑え、早期に収束させたいとの方針に転じざるを得なくなったということだ。

基本方針は、企業や団体に、時差出勤やテレワークの実施を求め、発熱など風邪症状のある人の休暇取得を促した。患者の集団が発生した自治体の支援や、地域の医療体制の整備を盛り込んだ。

それぞれの項目は急ぎ、確実に実施されるべきだ。関係者・団体の協力が必要である。

だが、政府が今後1?2週間が瀬戸際としている割には、基本方針は不十分である。危機管理で忌むべき「戦力(対策)の逐次投入」の感がぬぐえない。

まず、現状の出入国管理や渡航中止勧告を「引き続き実施する」とした点だ。日本は中国・湖北、浙江両省からの入国制限をしている。中国全土を対象とする国が増え、日本は中国人が14日間あまり過ごしてから海外へ出かける「中継地」になっているとの指摘もある。今のままでいいのか。

検査態勢も不安が募る。医師が病名を判断して投薬したり、患者が他の人にうつさないよう意識付けをしたりする上で、検査は重要だ。しかし検査態勢は整っていない。基本方針は「検査機能の向上を図る」としただけで、目標値や見通しを示さなかった。

イベント開催の是非については基準を示さず、主催者に判断を丸投げした。これでは困惑が広がるばかりだ。学校の臨時休校は、都道府県から学校設置者へ要請するとして国の関与を避け、知事から不満の声が出ている。

政府の対応に統一した強い意思が感じられない。基本方針の記者会見は対策本部副本部長の加藤勝信厚生労働相が行った。だが、本部長の安倍晋三首相も会見し国民に協力を呼びかけたらよかった。それが危機における国政の最高責任者のとるべき行動である。
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[毎日新聞] 新型肺炎の基本方針 「瀬戸際」の危機感見えぬ (2020年02月26日)

国内で新型肺炎が爆発的に増加し医療体制が破綻するか。感染拡大のカーブをなだらかにし流行のピークを低く抑えて医療を維持するか。

「この1、2週間が瀬戸際」との見解を政府の専門家会議が示した。

新型コロナウイルスによる死亡者をどれだけ減らせるかは今の対応の成否にかかっているとの判断だ。感染症や医療の専門家集団が現状分析に基づき危機感を表明したもので、重く受け止めるべきだ。

ところが、安倍晋三首相をトップとする「感染症対策本部」が示した「基本方針」には、その危機感が感じられない。「感染拡大防止」も「医療体制」もこれまで言われてきたことのまとめで、「瀬戸際の対策」が読み取れない。

本来、全閣僚を集めた対策本部の役割は、ここに列挙したことを実現するための具体策や、各方面への支援策を打ち出すことだろう。

たとえば、専門家会議は「人と人の距離が近い会話などの接触が、多人数間で一定時間以上続く環境」は感染拡大リスクが高く、すべての人に避けてほしいと呼びかけた。

立食パーティーや飲み会などが典型例だが、それ以外にもさまざまな状況が当てはまる。集会や行事のあり方、満員電車などの回避にも専門家会議は触れている。

しかし、これだけでは行動自粛したくてもできない人がたくさんいるはずだ。医療崩壊を防ぐという目的がある以上、対策本部はもっと踏み込んだ行動指針を示すべきだ。

医療を守るために「軽症なら自宅で」と呼びかけることは重要だ。軽症の人が「心配だから」と医療機関に押しかければ医療現場を圧迫するだけでなく、感染していない人が感染するリスクがある。

ただ、「37・5度以上の発熱が4日以上続くまで自宅療養」などと言われただけでは、不安に思う人が出てくるのは避けられない。対策本部は、この方針を支える具体策こそを打ち出すべきだ。

検査体制も、なぜ民間の活用をもっと進めないのか、基本方針をみてもわからない。それが人々の不信感や不安感にもつながる。少なくとも肺炎患者はどこでも新型の検査ができるようにすべきだ。保険適用も迅速に進めてほしい。
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[毎日新聞] 世界株安とG20 米中の対応に不安が残る (2020年02月26日)

新型肺炎が世界経済を脅かし、先の見えない不安が広がっている。

日米欧など主要20カ国・地域(G20)の財務相と中央銀行総裁らの会議は、新型肺炎のリスクを懸念する共同声明を採択した。景気を下支えするため、各国が財政政策などを行う用意があることも示唆した。

ただ、焦点だった具体的な連携の議論には踏み込まず、世界経済の安定化に懸念を残した。

感染はイタリアなどアジア以外でも急拡大している。発生源である中国の景気悪化だけでも世界を揺さぶる。まして欧州などで消費や企業活動が制限される事態に陥れば、世界への打撃は一段と大きくなる。

不安の表れがG20後の世界的な株価急落だ。きのうの日経平均株価は一時1000円超も下落した。楽観論が多かった米国でも1000ドル安と史上3番目の下げ幅を記録した。

世界の連鎖的な株安は、各国の景気を悪化させて一段の株安を引き起こす悪循環を招きかねない。グローバル経済の不安を解消するには、国際的な協調が欠かせない。

とりわけ大国である米中の責任は重い。

G20で議論が深まらなかった要因の一つは、中国の財務相と中銀総裁が欠席したためだ。新型肺炎の国内対応に専念するとの理由だ。

G20は、中国が感染状況や対策を説明し、各国と認識を共有する貴重な場だった。中国の政策は透明性を欠くと言われるだけに、国際社会が正確な情報を得る機会にもなったはずである。極めて残念だ。

さらに貿易戦争を繰り広げてきた米中の対立が影を落としている。

特に心配なのは「米国第一」を振りかざすトランプ政権の姿勢だ。対中政策も担当するロス商務長官はG20に先立って「新型肺炎は米国企業が生産と雇用を中国から取り戻すきっかけになる」と述べた。

米国は本来、国際的な危機管理をリードする立場だ。自国利益を露骨に優先するような発言は論外だ。トランプ政権が発足してからG20は空洞化する一方だった。今回も議論を主導した形跡はない。

米中は自らの立場を自覚し、世界経済の安定に向けた責任を果たすべきだ。日本も米中に協調を働きかけていく必要がある。
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[読売新聞] 新型肺炎対策 本格流行を回避する正念場だ (2020年02月26日)

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、社会全体で取り組まなければならない。

政府が、新型肺炎対策の基本方針を決めた。患者が増加するスピードをできるだけ抑制する方針を打ち出した。

国内では、感染経路が明らかでない患者集団が散発している。政府の専門家会議は、感染が急速に拡大するか、終息に向かうか、ここ1?2週間が「瀬戸際となる」と警鐘を鳴らした。

基本方針ではこれまで分かっている病気の特徴を整理した。軽症や治癒する例が多い一方、高齢者や持病のある人は重症化するリスクが高いと指摘した。

患者が急増すれば、医療体制が破綻し、重症者の治療が滞りかねない。政府や自治体、医療関係者は、危機感を共有し、連携して対策に当たらなければならない。

国民に対しては、手洗いや咳(せき)エチケットの励行を促すとともに、風邪の症状があれば外出を控えるよう呼びかけた。

軽い風邪にもかかわらず、不安から受診することは控えるよう、求めている。

自分を感染から守り、感染しても人にうつすことを避けられれば、社会全体として流行のピークを遅らせ、感染者を減らせる。

自治体や企業には、不要不急のイベントを延期することや、時差通勤などを提案している。

通常の社会生活を控えるには及ばないが、多数の人が密集する場所では感染が拡大する恐れが高い。流行を防ぐため、一人ひとりが、できることを考えたい。

政府は、国民に現状を正しく伝え、分かりやすい情報発信で社会不安を防ぐ必要がある。

新型インフルエンザ対策として備蓄されている抗ウイルス薬などが、新型肺炎にも効くのではないかと指摘する専門家もいる。新型肺炎には治療薬がないだけに、副作用に注意しながら、臨床研究を急がねばならない。

政府はマスクや消毒液の増産を業界に要請していくべきだ。

新型肺炎の本格的な流行を見据え、先手先手で対策を検討していくことが重要である。

地域単位で、病院ごとの役割分担をあらかじめ詰め、重症患者の受け皿を整えることが大切だ。

集団感染が各地で広がった場合、これまでの水際対策や感染経路を追跡する調査は縮小し、一般病院での患者受け入れなど、医療体制の拡充に舵(かじ)を切ることになろう。発生状況に応じて、重点を変える柔軟な姿勢が求められる。

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[読売新聞] 中国全人代延期 習氏は危機収拾へ責任果たせ (2020年02月26日)

中国の習近平政権には新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を招いた責任がある。事態収束に向けてあらゆる手段を講じなければならない。

中国が新型肺炎への対応を理由に、3月5日に開幕予定だった全国人民代表大会(全人代=国会)の延期を決めた。全人代は1978年から毎年開かれ、85年以降は3月開幕が定例化していた。日程変更は極めて異例だ。

新たな日程も示されなかった。収束時期が見通せないのだろう。習国家主席は「建国以来、最も制御が難しい公衆衛生事件だ」と述べ、厳しい認識を示した。

全人代は憲法で「最高国家権力機関」と規定され、憲法改正や法律制定、国家主席や首相らを選出する権限を付与されている。

約3000人の代表が北京に集まり、国内総生産(GDP)の成長率目標や予算案を審議する。今年中に「小康社会」(少しゆとりのある社会)を実現し、2010年比でGDPを倍増させるという目標も確認する予定だった。

だが、新型肺炎の流行で経済活動は停滞し、成長の急減速が予想される。公言してきた目標が達成できなければ、政権への打撃は避けられまい。4月の習氏の国賓訪日など今後の外交・内政が滞る可能性がある。

中国はサウジアラビアで開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に財務相と中央銀行総裁を派遣しなかった。批判の矢面に立たされるのを避けたのではないか。無責任な対応と言わざるを得ない。

習氏は状況に即した経済・外交政策を実行し、大国の指導者としての責務を果たすべきだ。

中国には、新型肺炎に関する積極的な情報公開が強く求められている。にもかかわらず、習政権が社会の監視と言論弾圧を強めているのは看過できない。

当局の対応の不備を指摘し、習氏の辞任をネット上で求めた著名な中国人法学者が連行された。封鎖された武漢市から医療現場の実態をSNSで発信していた弁護士らも行方不明となった。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘した識者の評論が当局に問題視され、北京駐在記者3人が事実上の国外退去処分を受けた。

共産党政権は、治安維持や社会の安定を名目に異論を封じ込めてきた。こうした統治手法が迅速な情報公開を阻み、危機を拡大させた。強権統治の綻びを更なる強権で繕う愚策は許されない。

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