2020年04月04日

[毎日新聞] 失語症への支援 社会復帰の施策が足りぬ (2020年04月04日)

脳卒中などで言語機能に障害のある失語症の人は、国内で30万?50万人に上るとみられる。外見からは分かりにくく「見えない障害」といわれる。

失語症になると、言葉を聞いたり文字を読んだりして理解することがスムーズにできなくなる。重度の人は意思疎通が困難で、日常生活上の支援が必要だ。

しかし、他の障害に比べて公的支援が乏しかった。このため、NPO法人「日本失語症協議会」など関係団体が協力して運動を続け、2018年、脳卒中の後遺症がある人への支援体制の整備などをうたった「脳卒中・循環器病対策基本法」ができた。

患者団体は今年から4月25日を「失語症の日」とし、社会の理解を進める考えだ。

ただ、医療や福祉の現場ではなお課題が山積している。

失語症は長期にわたって適切なリハビリ訓練を受ければ、症状が改善するケースが多いとされる。だが、医療保険が適用される病院でのリハビリは180日までに制限されている。その後、福祉や介護の現場で十分なリハビリを受けられる体制は整っていない。

発症は30?50代の働き盛りの男性に多く、仕事ができなくなれば、家族全体の生活への影響が大きい。リハビリによる機能回復と併せて就労の支援を進め、社会復帰につなげることが重要だ。

受け入れる企業側も、本人の症状を踏まえ、適切な職場環境をつくってほしい。

また、言葉が全く話せず、理解もできない重度の人でも、失語症のみの障害では身体障害者手帳の「3級」までしか認められていないのが現状だ。日常生活の支障が極めて大きい場合は、最も重い障害の認定である「1級」とするのが妥当ではないか。

失語症の人の意思疎通をサポートする体制も欠かせない。各都道府県で始まった人材の養成や派遣事業を充実させる必要がある。

日本は東京パラリンピックの開催を来年に控え、障害のある人との「共生社会」を目指している。失語症への理解を深めることも、その流れに沿うものだろう。

脳卒中・循環器病対策基本法を基に、失語症の人を支える、より具体的な施策が求められる。
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[毎日新聞] ケア施設のコロナ対策 集団感染を生まぬ努力を (2020年04月04日)

障害者や高齢者が入所する福祉施設で、新型コロナウイルスの集団感染が起きている。

千葉県東庄町の知的障害者施設「北総育成園」では、利用者・職員の約6割にあたる約90人が感染した。入所者の平均年齢は60歳に近く、重症化の懸念もある。

入所者は個室で生活しているが、食事や園芸などの作業時はグループで集まっていた。職員は複数の入所者を介助する。共同生活を送る施設の特性として感染リスクは高くならざるを得ない。

感染拡大には、障害の重い入所者が体調変化を十分に伝えられないことも影響したようだ。手洗い、消毒などに努めていても感染を完全に防ぐことは難しい。

感染が確認されると、病床に余裕がある間は軽症でも入院する。だが、知的障害がある人は施設や職員から離れると精神面で不安定になることもある。病院は介助にまでは人手を割けない。

同園では、軽症の入所者は医師や看護師の派遣を受けて施設内で療養するようにした。他の施設でも感染が起きれば、こうした対応をとらざるを得ないだろう。

ただ、更なる感染を防ぐために、感染していない人と利用区域を分けたり、ケアする職員を限定したりすることが欠かせない。

施設職員は感染症の専門的な知識があるわけではない。国が、感染予防の専門家を迅速に派遣することが大切だ。

入院が必要になる重症者については、自治体が受け入れ先を確保しておくべきだ。

職員の感染者が増えれば、日々のケアに支障が生じる。自治体がスタッフ確保策を検討しておくことが求められる。

高齢者の入所施設も同様に集団感染への注意が不可欠だ。特に高齢者が感染した場合の致死率は高く、持病があるとリスクは増す。

福岡県では介護老人保健施設で集団感染が発生した。政府の専門家会議は、感染が流行している地域で利用者の外出、外泊の制限を検討することも呼びかけている。

入所施設は何らかの事情で家庭で暮らせない人が利用している。感染拡大の防止とケア提供の継続を両立させなければならない。感染の発生に即応できるよう、自治体による支援体制構築が急務だ。
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[読売新聞] 緊急事態宣言 「都市封鎖」との誤解をとけ (2020年04月04日)

国が緊急事態を宣言した場合に、どういう措置がとられるのか。政府は事前に分かりやすく説明し、国民の理解を求めていくべきである。

新型コロナウイルスの感染が急拡大すれば、安倍首相は、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、対象区域を定めて緊急事態を宣言する可能性がある。

注意すべきなのは、中国・武漢市のような都市封鎖が想定されているわけではないことだ。欧米などで実施されている外出禁止や店舗の閉鎖も行われない。

緊急事態宣言が発令されると、知事は住民に外出自粛を要請できるが、強制力はない。

学校や大規模な集会場などの使用制限や停止を要請し、応じない場合は指示できる。ただ、罰則はなく、小規模な施設や店は基本的に対象外だ。直ちに鉄道や道路の交通が止まるわけではない。

特措法とは別に、感染症法は、汚染された場所で交通の制限・遮断を可能としているが、あくまで消毒作業のためだ。

多人数の会食や不特定多数が集まるイベントは避けねばならない。とはいえ、日常の買い物や散歩などは差し支えなかろう。

先月は、東京都の小池百合子知事の外出自粛要請を受け、各地で食料品の買いだめが起きた。外出が厳しく制限されるのではないかと不安にかられたとみられる。

政府と自治体は、緊急事態宣言に伴う措置について、あらかじめ周知し、いざという時に混乱を生じさせないことが重要だ。

小売りや物流などの業界とも連携し、食品や日用品の安定供給を維持しなければならない。

一方、宣言で知事に強い権限が認められる部分もある。

例えば、臨時医療施設を開設するため、土地や建物を所有者の同意がなくても使用できる。医薬品などの売り渡しを製造業者らに要請でき、従わない場合は強制収用も可能になる。重症者を救うための緊急措置と言えよう。

緊急事態宣言が出る段階に至れば、医療体制の整備が最優先課題となる。東京都は、病床を確保する努力を続ける必要がある。

厚生労働省は、重症者を治療できなくなるのを防ぐため、軽症者は自宅や宿泊施設で療養する仕組みに切り替える指針を示した。

東京都は、自宅療養が難しい軽症者を受け入れる宿泊施設を準備している。民間ホテルなどを一棟借り上げる方針だ。前例のない措置だけに、関係機関と十分に調整することが求められる。
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[読売新聞] 高松塚壁画修復 教訓を文化財保護に生かせ (2020年04月04日)

かけがえのない遺産が無事、後世へと受け継がれることになった。

奈良県明日香村にある高松塚古墳(7世紀末?8世紀初め)の極彩色壁画(国宝)が、約12年にわたる修復作業を終えた。

カビで黒ずんでいた「飛鳥美人」と呼ばれる女子群像や、輪郭の描線が消えかけた四神の白虎などがよみがえった。発見当時の鮮やかさを完全に取り戻せなかったのは残念だが、ひとまず危機的な状況を脱したことに安堵(あんど)する。

高松塚の壁画は48年前に見つかった。「考古学最大の発見」と言われて、古代史ブームを巻き起こした。だが、2004年にカビなどによる劣化が発覚した。

文化庁は古墳の石室を解体し、1300年間、墳丘内にあった壁画を石壁ごと取り出した。修復施設に移し、紫外線や酵素を使う新技術で汚れを除去した。下地の漆喰(しっくい)層を膠(にかわ)などで補強した。

関係者の技術と根気が、困難な事業を完遂させたと言える。

壁画は当面、新設する専用施設で保管・公開される方向だ。

遺跡には、現地保存の原則がある。高松塚の壁画についても「古墳の墳丘や石室と一体で残すべきだ」という考え方は根強い。

しかし、古墳に戻せば、再びカビなどの生物被害が生じる可能性が否定できない。そうした事態を回避する有効策がない現状では、施設での保管は妥当だろう。

同じく明日香村で見つかったキトラ古墳壁画は、古墳そばの施設に保管され、定期的に公開されている。開館から3年余りで入館者は50万人を超えた。

高松塚の壁画も修復中、作業施設の様子は随時公開され、大勢の歴史ファンらが見学した。新たな保存施設を、国民が文化遺産に触れる貴重な場としたい。

奈良県や明日香村は、二つの古墳壁画など周辺の史跡の世界遺産登録を目指している。政府も地元の意向に耳を傾け、壁画のより良い公開方法を検討してほしい。

忘れてならないのは、高松塚の壁画の劣化が、文化庁の怠慢が招いた人災だったことである。

発見後、修理で使った薬剤や多数の人の出入りの影響で環境が激変し、大量のカビが発生した。

現場では早くからカビや退色に気づきながら、文化庁は十分な対策を講じなかった。点検中に壁画を損傷させる事故が起きた時には隠蔽(いんぺい)まで行った。

文化財保護史に残る失策を教訓とし、新たな壁画が見つかった際の対処に生かさねばならない。
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[朝日新聞] 滋賀再審無罪 司法の改革につなげよ (2020年04月04日)

自白は違法な取り調べによって得られたもので、信用できない。そもそも病死の可能性があり、殺害行為があったということすら証明されていない――。

03年に滋賀県の病院で患者の人工呼吸器の管を故意に外したとして殺人の罪に問われ、懲役12年の判決を受け服役した元看護助手の西山美香さんのやり直し裁判で、大津地裁はそう指摘して無罪を言い渡した。

事件はまさに砂上の楼閣だったことになる。刑事司法に関わるすべての人が、一連の経緯から教訓をくみ取り、過ちを繰り返さないための対策を講じていかなければならない。

裁判では、まず患者の死因が争点になった。判決は、有罪の根拠とされた「管が外れたことによる酸素欠乏」との鑑定結果は、解剖所見や診療の経過、他の看護師の供述などに照らして疑問があると指摘。「管を外した」という西山さんの自白についても、内容がめまぐるしく変わっていて、警察官による誘導があったと結論づけた。

判決によれば、西山さんには軽度の知的障害と発達障害があり、話す相手に迎合する傾向があった。取り調べた警察官に恋愛感情を抱き、優しい言葉をかけられるなどするなかで、捜査当局が描くストーリーに沿う供述調書を何通も作成された。

04年の逮捕から無罪までの年月を考えると、自白に頼る捜査の危うさと罪深さを痛感する。

しかし警察・検察はいまだに謝罪せず、再審公判でも自ら無罪を求めることはしなかった。捜査を断罪する判決が確定したいま、なぜこれほど長きにわたって西山さんを苦しめてしまったのか。徹底的に検証して、結果を公表すべきだ。

過去の冤罪(えんざい)と同じ問題が、この事件でも浮かびあがった。

一つは証拠隠しだ。警察は西山さんを逮捕する前に、「たんを詰まらせた自然死の可能性がある」旨を鑑定医が述べたという捜査報告書も作っていた。だがそれが検察に送られたのは、裁判のやり直しが決まった後の昨夏だった。再審でも争う構えだった検察は、急きょ新たな立証をしない方針に転じた。

起訴の前、当初の裁判中、そして再審請求があった後……。もっと早い時点で開示されていれば、事態は違った展開を見せたのではないか。証拠の取り扱いや審理の進め方について明確な規定がない再審手続きの不備も、改めてあらわになった。

無罪を言い渡した後、裁判長は「問われるべきは捜査のあり方、裁判のあり方、刑事司法のあり方。関係者が自分のこととして考え、改善に結びつけていかねば」と述べた。これを言葉だけに終わらせてはならない。
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[朝日新聞] コロナ医療体制 人・物の確保を早急に (2020年04月04日)

新型コロナウイルス対策として、厚生労働省が新たな指針を公表した。軽症者や無症状の感染者について、医師の判断に基づき、自治体が用意した宿泊施設や自宅で療養させる際の注意点などをまとめたものだ。

入院させずに健康観察をする方針自体は、すでに1カ月前に示されていた。しかし実際に運用するとなると課題が多く、なかなか進展しなかった。

東京などの大都市部で収容可能なベッドが満杯に近づき、ようやく具体的な手順が示された。医療崩壊を招かないよう、切り替えを急がねばならない。

ただ、課題は解消されたわけではない。例えば、宿泊施設には健康管理にあたる保健師や看護師を配置することになる。その要員をどう確保するか。ウイルス検査や感染者の追跡で手いっぱいの保健所の負担を、これ以上増やすわけにはいかない。地域の診療所や医師会などが積極的に支援すべきだ。

施設の従業員らが食事などの生活支援をすることも想定されている。感染防御に欠かせない知識やノウハウについて、研修の機会を確保するなどの対応が不可欠だ。国や自治体は相応の報酬を払い、万一の場合の補償の枠組みも示したうえで、協力を仰ぐ必要がある。

指針には自宅療養の際の留意点も盛り込まれた。だが、感染者のケアを家族に任せることの限界や危うさを指摘する声が、各方面からあがっている。無理のない話だ。状況や希望に応じて、施設に入れるようにする仕組みを整えてほしい。

何より、今回の指針の目標である重症者用のベッド確保は喫緊の課題だ。深刻な院内感染が頻発していて、一般病院の協力を得るのはさらに難しくなることも予想される。ここでも思い切った財政支援や損害補償を打ち出すことが必要だ。

今回のコロナ禍は、重症者を治療する集中治療室(ICU)や人工呼吸器などの備えが十分でない実態を浮き上がらせた。人口比当たりの日本のICUの数は欧州に比べて少なく、患者が急増した場合、早期の体制崩壊が予想されるという。

政府は人工呼吸器や人工肺装置(ECMO)の増産支援に乗り出したが、供給が軌道に乗る時期は見通せない。機器を扱える専門職の確保・養成も同時に進めなければならない。

安倍首相は、感染を防ぐ効果がほとんど期待できない布製マスクを、全世帯に2枚ずつ配布すると表明した。経費は数百億円という。救える命を救い、被害を最小限に抑えるために、いま、どこに、ヒトとモノを投入すべきか。優先順位を間違えずに施策を進めねばならない。
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2020年04月03日

[東京新聞] 医療の現場 安全守る手だて尽くせ (2020年04月03日)

新型コロナウイルスに感染する医療スタッフが欧米で相次いでいる。日本でも今後、深刻な問題になりかねない。重症化した感染者を救うためにも懸命に治療に取り組む人たちも守らねばならない。

感染が急速に拡大したイタリアでは三月下旬段階で、六千人超の医療従事者が感染し、医師や歯科医師ら四十人以上が死亡した。

欧米では治療で疲弊した医師らが感染し、重症化して亡くなる例が後を絶たない。

患者数が医療機関の受け入れ能力を超え十分な治療を施せなくなる医療崩壊は避けねばならない。日本政府の専門家会議は一日、爆発的な感染が起こる前に医療崩壊は起こり得るとあらためて警鐘を鳴らした。特に、東京や愛知など五都府県に早急な対応を求めた。

医療スタッフが感染すると医療現場の人材が減り医療崩壊を加速させる悪循環に陥る。医療態勢を守るためにも医療スタッフの安全は確保せねばならない。

欧米の医療現場からは防護服やマスク、手袋などの不足が指摘されている。医療スタッフが自分の身も守れないのでは、治療に専念できるわけがない。日本政府は医療機関への優先的なマスク供給などを実施するが、防護に必要な物資はより迅速に提供すべきだ。

耳鼻咽喉科など延期や中止ができる手術は減らし、感染リスクを下げる方針を決めた医療機関もある。自宅で受診できるオンライン診療の拡大も医療スタッフの感染リスクを下げられる。取り組みを広げたい。

患者が急増した場合は一般の医療機関でも受け入れが始まる。だが、そこで働く人は感染症の対応に慣れているわけではない。感染者の受け入れは大きな不安を抱える。政府は対処法など専門家のアドバイスを受けられる態勢も整えてほしい。

軽症者は宿泊施設や自宅での療養に切り替える対応も医療現場の負担軽減になる。自宅では家族に感染させないため、家族には宿泊施設に移ってもらうなどの対応も考える必要がある。

政府は公的機関の持つ研修施設など宿泊できる施設を確保すべきだ。自治体は患者の重症度に応じて受け入れ医療機関を振り分ける対応への準備を進めてほしい。

離職中の看護師人材などを活用する必要性も指摘されている。子育てや介護による離職なら、保育所や介護サービスの確保も欠かせない。医療を支えるために社会のあらゆる資源を投入すべきだ。
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[東京新聞] コロナと休校 学びの保障に腰据えて (2020年04月03日)

新型コロナウイルスの感染拡大地域では休校延長を検討するよう政府の専門家会議が提言した。子どもの学びや心への影響は大きい。国は地域の実情に応じ支援に全力を尽くさねばならない。

拡大地域とされた東京都はすでに都立の高校や中高一貫、特別支援学校の休校を五月六日まで延長することを決めている。やむを得ないが、休校期間は二カ月以上に及ぶことになる。

学習の遅れに加え、新学期は、新しい友だちをつくるなど生活面でも大切な時期。通学できない生活の延長は、子どもたちの心への負荷も大きい。各自治体は苦渋の判断を迫られている。

小学校は本年度から、高学年で英語を教科にすることなどを盛り込んだ新学習指導要領が導入される。「主体的・対話的で深い学び」にむけて、授業改革も求められている中で、これまでの休校によって生じた前年度の積み残しも教えなくてはならない。先生たちは頭を抱えているだろう。

夏休みの短縮などが今後検討される可能性があるが、先生の過重労働を解消するための働き方改革も急務とされている。どう両立させるか、学校現場や教育委員会は難しい方程式を解いていくことになる。

全国の学校は三月の一斉休校期間中、学校での預かりや昼食の提供、学習プリントの配布など子どもたちを学習、生活の両面で支えるための取り組みを試行錯誤で進めている。

パソコンなどの配備が進んでいる学校では、健康状態の確認や、個別指導などにインターネットを活用しているところもある。国は情報端末を一人一台配備する方針を昨年打ち出したが、多くの自治体はこれから着手する段階だ。

感染の広がり方による休校期間の長短に加えて、自治体の教育インフラの格差が子どもの学びに影響してくる部分もあるだろう。国は、どこに暮らしていても子どもたちが十分な学びを得られるよう、必要な人員配置や基盤整備など手厚く支援していくべきだ。

休校が長引くことで、家庭内での虐待などが発見されにくくなることなども心配だ。人となるべく接触しないことが求められている状況で、困難を抱えた家庭が孤立してしまう危険性は高くなっている。虐待と同じ家庭でおこりやすいとされるDV(配偶者暴力)も含め、電話やネットでの相談窓口の体制を手厚くしていく必要もあるのではないか。
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[産経新聞] 【主張】医療崩壊の危機 感染症指定病院を潰すな (2020年04月03日)

新型コロナウイルスに感染して重症化した人を救うには専門の医師らスタッフ、医療設備が整った感染症指定病院で治療するのが望ましい。

指定病院の感染症病床には現在、感染しているが重症化には至っていない人も入院させている。このため、感染者が急増している東京都などでは指定病院の受け入れ能力が限界寸前になっている。

指定病院が重症患者の命を救うことが難しくなりかねない深刻な状況で、一日も早い対応が求められる。

政府の専門家会議の1日の提言は、爆発的患者急増(オーバーシュート)が起きる前に医療現場が機能不全に陥りかねないと警鐘を鳴らした。

提言は東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の5都府県を名指しして、特に医療提供体制が切迫し、抜本的な対策が「今日、明日にでも」必要だと訴えた。

指定病院が新たに重症患者を受け入れられない事態は絶対に避けたい。新型ウイルスに感染した人を重症、中等症、軽症に振り分けて、中等症の患者を入院させる、指定病院以外の医療機関や、軽症の人が宿泊する臨時医療施設を早急に用意せねばならない。

日本で感染が広がりだした当初から、指定病院とその他の役割分担の必要性が指摘されてきたのにいまだに実現せず、指定病院に押し付けているのはどういうことなのか。

指定病院は新型ウイルスとの戦いの最後の砦(とりで)であり、医師や看護師らスタッフは全力で務めを果たし疲弊している。疲労によるミスから院内感染が指定病院で発生しても、都道府県レベルで医療体制が崩れてしまう。

指定病院とその他の医療機関、施設の役割分担を整えるべき務めを負う安倍晋三首相や加藤勝信厚生労働相、小池百合子東京都知事、各都道府県、医師会の動きが遅すぎる。

指定病院以外の医療機関には重症ではない患者であっても受け入れへの躊躇(ちゅうちょ)があると聞く。スタッフが厳密な感染管理に慣れていない、医療機器やマスクが足りないなど理由はあろう。政府は自治体任せにせず、患者を受け入れる医療機関へ資金や医療物資を優先的に回すべきだ。軽症者が待機する臨時医療施設も急ぎ用意しないと大変なことになる。
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[産経新聞] 【主張】休校の継続 警戒緩めず学びに知恵を (2020年04月03日)

東京都は都立高校などの休校措置を大型連休最終日の5月6日まで延長することを決めた。都内の小中学校を所管する区市町村教育委員会にも同様の対応をとるよう求めている。

東京では新型コロナウイルスの感染者が急増しており、休校の継続は妥当な対応である。

全国の学校は春休み明けの再開に向け準備してきたが、政府の専門家会議は1日、感染状況を3つに分け、「感染拡大警戒地域」などの対策として、学校の一斉休校を選択肢とした。

大阪府なども休校の継続を決めた。学校をクラスター(集団感染)の場とせぬよう命を守る行動を最優先に考えるべきだ。

安倍晋三首相が全国一斉の休校要請をしたのは2月27日で、ほとんどの学校が春休みが終わるまでの休校措置を取っている。

新年度について政府は全国一律の休校要請を行わない方針だ。文部科学省は1日、臨時休校に関するガイドラインを見直した。各地の状況に応じて、自治体の首長が教育委員会などに休校を要請するほか、時差通学、分散登校などの検討を促した。

新型ウイルスは発症前に他人に感染する危険がある。若年者は発症しにくいとしても、気づかないまま周囲へ感染を広げる恐れはある。学校が温床になっての感染拡大はインフルエンザを例にしても分かる。学校休校には感染拡大を防ぐ上で一定の効果があるとみるべきだ。

来週から学校を再開する道府県でも、感染状況が深刻化すれば休校をためらってはなるまい。

4月は本来、学校生活のスタートを切る重要な時期だ。一部地域の休校長期化はやむを得ないとしても、学力の低下はできるだけ避けたい。各教委や学校は、子供たちの心のケアや学びを工夫してもらいたい。

学校外でのIT(情報技術)機器の活用に関し、日本の生徒はゲームに偏る傾向が指摘されている。オンライン授業などネットを活用したい。感染防止を第一に、中学3年生や高校3年生の進路指導を含め、学年別の分散登校などの工夫もこらしてほしい。

民間の学習塾に通う子供たちも少なくない。そこでのクラスター形成を避けるため、塾などに向けた感染防止のガイドライン作成も検討する必要がある。
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[毎日新聞] 新型コロナの院内感染 情報共有して封じ込めを (2020年04月03日)

新型コロナウイルスの病院内での集団感染が各地で発生している。東京都台東区の永寿総合病院では100人を超えるクラスター(感染者集団)が生じ、他の病院にも飛び火した。

大分県や北九州市の病院でも集団感染が起きた。

院内感染が起きると、免疫力や体力が弱っている多くの患者を危険にさらすことになる。医療従事者の間で感染が広がれば、新型コロナ以外の患者も医療を受けられなくなり、地域の医療崩壊にもつながる。

全国で院内感染の防止と、感染が起きた際の迅速な封じ込めに力を入れなければならない。

今週、政府の専門家会議がまとめた分析・提言も、医療従事者、面会者、患者のいずれもが院内感染の発端となる可能性を指摘し、注意を呼びかけた。

医療従事者は多数の患者に接する機会があり、複数の病院で勤務する人もいる。感染を広げないための十分な注意が必要だ。

体調が悪ければ自宅待機するといった基本動作は当然のことだが、改めて気をつけてほしい。

感染リスクの高い「密閉空間・密集場所・密接場面」を避けることも重要で、日本医師会も不特定多数が集まるイベントへの参加や海外渡航の自粛を呼びかける。

もちろん、感染から医療者を守るための体制は不可欠だ。マスクやフェースシールド、ガウンなど、感染防御の装備が不足するようなことがあってはならない。政府や自治体は供給体制を早急に整備してほしい。感染が疑われる場合の積極的な検査も重要だ。

病院内で集団感染が起きた場合にはクラスターに速やかに対処する必要がある。ところが、そうした対策を担う地域の保健所は相談業務なども抱え過重な負担がかかっている。政府の対策班でも専門家が不足している。

政府はクラスター対策の体制強化を早急に図るべきだ。リタイアした保健師らの協力も検討してもらいたい。

病院も地域や専門家と積極的に情報を共有し、感染の収束に努めなくてはならない。永寿総合病院のケースはその点で情報の透明性が低い。都や台東区とも連携し、情報の公開を進めてほしい。
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[毎日新聞] 発送電分離スタート 消費者本位にはまだ遠い (2020年04月03日)

大手電力会社の送配電部門を切り離す「発送電分離」が1日からスタートした。

2011年の東日本大震災・福島第1原発事故を機に政府が進めてきた電力システム改革の「総仕上げ」という。

だが、海外に比べて割高な電気料金の低減や、温暖化対策に必須の再生可能エネルギーの導入拡大など消費者が実感できる成果に結びつけるにはなお課題が多い。

日本の電力供給体制は、原発など大規模な電源を持つ大手電力会社がエリアごとに発電から送配電、小売りまで一貫して手掛ける「地域独占」が長く続いてきた。

しかし、福島原発事故では、大規模な電源に依存し、エリアで分断されて融通が利かない地域独占の弊害が浮き彫りになった。深刻な電力不足に陥った東京電力は首都圏で各地域の電気を順番に止める計画停電に追い込まれた。

政府はこの反省から地域独占を崩す電力改革を加速させた。16年の家庭向けを含む電力小売りの全面自由化で、異業種の新電力の参入が活発化した。だが、電気を届ける送電網を大手電力が握ったままでは、公平な競争にならない。

実際、大手電力が再稼働に備えて原発のために送電線の空き容量を確保し、再エネ発電事業者の接続を断った例もある。

発送電分離は、送電網を公平中立なインフラとして活用するのが狙いだ。ただ、分離後も送配電会社と親会社との資本関係は残る。役員の兼職禁止などが義務付けられたが、公平な運用の徹底には公的機関の厳しい監視が不可欠だ。

台風などで被災した送電線の迅速な復旧をどう図るかという課題もある。平時は親会社からの経営の独立性を確保する一方、災害時は親会社の発電や小売り部門と連携して復旧対応に当たる綿密な事前計画や訓練が必要だ。

さらに、老朽化した設備の更新費や、九州などに立地が集中する再エネをフル活用するための送電網増強費の手当ても難題だ。

課題の解決には、送配電各社の再編も必要となろう。インフラが一本化されれば、経営効率化が図れる上、発電単価の安い電気や再エネを全国に流す柔軟な体制づくりにも役立つはずだ。電力改革は道半ばだと言える。
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