2017年02月28日

[産経新聞] 【主張】米政権とメディア 「報道の自由」敵とするな (2017年02月28日)

合衆国憲法修正第1条は、言論・報道の自由を規定している。これにまつわるホワイトハウス記者会主催の夕食会が、約100年にわたり続けられており、歴代大統領は出席してきた。

だが、トランプ氏は欠席を伝えた。今の政権とメディアとの関係を象徴するものだ。

政権に批判的な報道を繰り返すとして、CNNテレビなどの一部メディアがスパイサー大統領報道官への取材から締め出された。

根っこには、自分に都合の悪い報道を「フェイク(偽)ニュース」と呼び、そのメディアを「国民の敵」と決めつけるトランプ氏の誤った判断がある。

政権の立ち上がりで思い通りにいかないことも多かろう。だが、八つ当たりのようなメディア敵視は何の役にも立たない。そのことに早く気付いてほしい。

普遍的な価値である言論・報道の自由を軽視すれば、民主主義を危うくする。

見逃せないのは、トランプ氏が内部情報をリークした情報源を明らかにするようメディアに要求している点だ。情報源の秘匿は報道倫理上の鉄則で、メディアの生命線でもあり、応じられない。

トランプ氏は記者会見を疎んじ、ツイッターから一方的に情報を流す手法も変えていない。

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報道に納得がいかないなら、会見で大いに反論すればよい。指摘された疑問点を的確に説明するのが苦手だというなら、それは指導者としての資質にかかわる。

報道機関は国民の「知る権利」を背に「知らせる義務」を負っている。最も重要な役割は、最高権力者が何をしているのかを監視することにある。いきおい、政権とメディアが衝突する。緊張関係にあること自体は普通だ。

とりわけ米国では、権力側からの圧力を受けながら、言論・報道の自由を守ってきた歴史がある。代表例には、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件が挙げられよう。

権力側にとっては、はなはだ煙たい存在であるに違いない。そうでなくては、メディアも存在意義を失う。対立しながらも透明性を保ち、批判に耐えうる政権であることこそ、民主主義国家としての強いアメリカにふさわしい。

ホワイトハウスの記者会見には日本メディアもアクセスしている。さらに状況を注視したい。
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[産経新聞] 【主張】国有地売却 疑義残す取引は許されぬ (2017年02月28日)

国有地が驚くほどの安値で売却されていたとして、学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校用地をめぐる問題が国会の焦点になっている。

国民の財産である国有地の取引が、不明朗であってよいはずがない。腑(ふ)に落ちる説明がなされていないのは、どうしてなのか。早急な解明が必要である。

平成29年度予算案は審議の場を参院に移すが、注目を集めた国有地売却を国会として見過ごすわけにはいくまい。必要な関係者の招致を含め的確に対応すべきだ。

小学校の開校にあたり、安倍晋三首相や首相夫人の名前も使われていた。首相としても、名誉を傷つけられたままになろう。率先して解明を指示する必要がある。

学園は小学校建設のため、大阪府豊中市の国有地を取得した。当初、将来の売買を前提に賃貸契約を結んだが、くい打ち工事の過程でゴミなどの埋設物が見つかった。国が撤去作業をすると開校が遅れるため、購入した。

その際の評価額は約9億5600万円で、ゴミの撤去費用の約8億2千万円を減額するなどした。売却に伴う国の収入は約200万円にすぎない。

麻生太郎副総理兼財務相は適正な手続きを経たとの認識を示すとともに、「政治家が不当な介入をしたことはない」と述べたが、これで明確な根拠が示されたとはいいがたい。

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8億円余りの撤去費用の積算に第三者の関与はなく、客観性は担保されていなかった。政府側も異例な対応だったことは認めている。埋設物の箇所を特定していなかったともいう。

財務省が学園側との交渉記録を廃棄していたことも発覚した。ずいぶん都合のよい話ではないか。これで適正な取引だと信じろというには無理がある。

国有地を安く売り払っても、役人が自分の懐が痛むわけではないとでもいうのか。無責任などんぶり勘定で対処していたことに驚くばかりだ。

会計検査院が検査するほか、地元の豊中市が調査を始めたのも当然である。

学園理事長は撤去費用に8億円を使っていないとし、政府も金額相当の撤去作業が行われたか承知していないという。実際に費やされた撤去費や工事の実施状況を把握し、詳細に説明すべきだ。
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2017年02月27日

[産経新聞] 【主張】新学習指導要領案 聖徳太子が消え、「厩戸王(うまやどのおう)」と呼ぼう これには首をひねる (2017年02月27日)

小中学校の新学習指導要領案で歴史用語の見直しに批判や戸惑いが出ている。とりわけ、聖徳太子について、なじみの薄い「厩戸王(うまやどのおう)」と呼ぼうというのは首をひねる。

国民が共有する豊かな知識の継承を妨げ、歴史への興味を削(そ)ぐことにならないだろうか。強く再考を求めたい。

聖徳太子は冠位十二階や十七条憲法などにより古代日本の国造りに大きな役割を果たした。歴史学習で最重要人物の一人である。

現行指導要領で「聖徳太子」だが、改定案では小学校で「聖徳太子(厩戸王)」、中学で「厩戸王(聖徳太子)」とされた。

聖徳太子は死後につけられた呼称で、近年の歴史学で厩戸王の表記が一般的だから、というのが見直しの理由とされる。

しかし、国民に親しまれ、浸透している名は聖徳太子である。厩戸王は、学年の理解度により、併せて教えればいい。小中で教え方が異なる理由もよく分からない。聖徳太子が一般的なことを、自ら認めるようなものではないか。

聖徳太子の威徳は早くからさまざまな形に伝説化されていった。一度に10人の訴えを聞き分けたという超人的な説話もある。

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このような話が史実ではないとしても、太子への信仰が広く定着していった事実は疑いようがない。鎌倉時代には太子を日本仏教の祖とあがめる風潮が強まったといわれる。

聖徳太子が建立したとされる四天王寺(大阪)や法隆寺(奈良)は言うに及ばず、多くのゆかりの寺院が現在もなお、太子を信仰したり敬慕したりする善男善女でにぎわっている。それは、日本の仏教史や精神文化史などを顧みる上で極めて重要なことである。

わが国真言宗の開祖は空海であり、弘法大師はその諡(おくりな)とされているが、弘法大師の名を知らなければ、全国各地で盛んな大師信仰を理解することはできない。

同じことが聖徳太子についても言える。

厩戸王を教えるだけでは歴史は細切れの無味乾燥のものとなり、子供は興味を抱くまい。

厩戸王が後に聖徳太子として信仰の対象となり、日本人の心の持ち方に大きな影響を与えた。それを併せて教えればよい。

時代を貫いて流れるダイナミックさを知ることこそ、歴史を学ぶ醍醐味(だいごみ)ではないだろうか。
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[産経新聞] 【主張】人工島のミサイル 「中国の海」にはさせない (2017年02月27日)

中国のあくなき海洋覇権の追求を、抑えていけるか。そこにアジア太平洋地域と世界の平和と繁栄がかかっている。

南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の3つの人工島で、中国が長距離地対空ミサイル用とみられる格納施設を建設している。その数はおよそ20カ所に達し、完成間近だという。

そもそも人工島の造成自体が国際法違反である。中国は撤収すべきであり、地対空ミサイル配備などは到底認められない。

中国外務省は「自らの領土に必要な施設を建設している」と強弁しているが、あきれてはいられない。ミサイル配備が強行されれば、人工島にある機関砲どころではなく、南シナ海上空の多くの航空機に脅威が及ぶからである。

フィリピンのヤサイ外相が「挑発的であり、抗議も辞さない」と批判したのは当然である。

中国は今年1月、中国南部や南シナ海を管轄する南部戦区の司令官に海軍出身の中将を充てた。5つしかない戦区のトップに陸軍以外の将官を起用するのは異例だ。南シナ海の制覇にこだわっていることがうかがえる。

昨年2、3月には、南シナ海の西沙(パラセル)諸島で、地対空ミサイルや対艦巡航ミサイルを配備したことも明らかになった。

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米海軍は南シナ海で今月18日から、空母カール・ビンソンを中心とする艦隊(第1空母打撃群)による定期哨戒(パトロール)を始めた。航行の自由を守る上で適切な行動である。

中国は主権侵害だと反発したが、「力による現状変更」をはかっているのは中国である。それに最も効果的に圧力をかけられるのは、米軍の存在である。

安倍晋三首相とトランプ米大統領は先の首脳会談で、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の開催で合意した。

日米の役割分担の見直しでは、南シナ海での新たな連携を打ち出す好機とすべきである。海上自衛隊の艦船、航空機による哨戒活動の将来的な実施は、検討に値するものだ。

トランプ政権はアジア太平洋での米軍の前方展開を維持する方針だ。それには日本など地域の同盟国、友好国の協力が不可欠だ。

南シナ海での緊密な日米協力が、東シナ海での尖閣諸島防衛に資することも言うまでもない。
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2017年02月26日

[産経新聞] 【主張】北とASEAN 友好から圧力へ転換せよ (2017年02月26日)

北朝鮮の金正男氏暗殺事件は、犯行グループを組織した国家犯罪としての態様が、日ごとに明らかになっている。

猛毒のVXが使われたことも判明した。化学兵器禁止条約の対象である神経剤の使用は、国家テロの証左ともいえよう。入手経路を追及し、凶行の全容解明につなげることが重要である。

一義的には、北朝鮮の妨害を受けながら捜査活動を展開するマレーシア警察当局に、大きな期待がかかる状況に変わりない。

その活動を日本や周辺諸国が強く支援したい。とくに東南アジア諸国連合(ASEAN)の動向はカギを握るものとなろう。

マレーシアの警察当局は、すでに在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官らを重要参考人に挙げ、北朝鮮国籍の男1人を逮捕した。平壌に逃げたとみられる4人の男の身柄引き渡しも求めている。

北朝鮮は捜査への妨害、批判を繰り返し、北朝鮮が暗殺に関与したとの見方について韓国の「陰謀」だと非難している。

こうした主張に対し、ナジブ首相が「無礼」と不快感を表明したのはもっともである。

クアラルンプールの空港で、VXを使い、正男氏を襲撃した実行犯の2人の女は、インドネシア国籍とベトナム国籍だった。

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北朝鮮とビザ(査証)なし渡航が可能なマレーシアはじめ、ASEAN10カ国は北朝鮮と国交があり、友好な関係を維持してきた。このうち3カ国が事件に巻き込まれたのは、偶然ではあるまい。

北朝鮮はASEAN諸国の国境管理の甘さを突き、外貨調達のために合法、非合法の経済活動をしている。工作活動の拠点も置いているようだ。国連安全保障理事会の対北制裁の「抜け穴」になっていることもかねて指摘される。

21日のASEAN外相会議では、正男氏暗殺事件への懸念が表明されたと、フィリピンのヤサイ外相が明らかにした。

暗殺事件を契機に、北朝鮮の異常性、危険性についてASEANが認識を共有すべきだ。同時に、核・ミサイル開発の阻止や拉致問題解決に向けて積極的な役割を果たすことを求めたい。

日米韓や中国などと北朝鮮が顔をそろえる数少ない安保対話の場として、ASEAN地域フォーラム(ARF)もある。北朝鮮への国際圧力を強める場としたい。
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[産経新聞] 【主張】ゴーン社長退任 改革こそ経営者の責務だ (2017年02月26日)

日産自動車を18年にわたって率いてきたカルロス・ゴーン社長が退任し、グループ統括に専念することになった。

経営が悪化した異国の名門企業に乗り込み、世界市場で活躍するグローバル企業として再生させた功績は大きい。

「必達目標」(コミットメント)を掲げ、社内外に説明しながら経営改革を進める。その手法は「ゴーン流経営」と呼ばれた。一方、系列企業との取引など長年のなれ合いを排し、大胆なリストラを断行する姿は「コストカッター」と恐れられ、多くの軋轢(あつれき)も生んだ。

それでも仏ルノーという外資出身の経営者が日本で評価されるのは、改革を自ら主導して確かな実績を残してきたからだ。成長を目指す日本企業が学び取るべき点は今でも多いだろう。

4月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)を退き会長に専念し、後任に共同CEOの西川広人氏が就く。ゴーン氏は日産・ルノー連合などグループ全体の提携戦略の強化などにあたるという。

過剰債務に苦しんでいた当時の日産が、ルノーに救済を要請し、海外経験の豊かなゴーン氏が派遣された。村山工場(東京)などの閉鎖や系列取引の見直しでV字回復を果たした。バブル崩壊に伴う経営難に陥っていた大手企業の再生モデルに値するものだった。

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しがらみのない目で課題を洗い出し、「売上高営業利益率」の改善といった具体的な数値目標を掲げた。その実現は自分たちの責任だとして求心力を高め、早期の再建につなげた手法は有名だ。

株主総会は株主との対話集会と位置づけ、個人株主を大幅に増やした。春闘では業界横並びを脱却し、利益が増えれば着実に社員への還元を図った。今の多くの企業は参考にすべきだ。

むろん課題は残る。燃費不正問題を引き起こした三菱自動車の抜本的な経営改革である。ゴーン氏が主導して日産は昨年10月、三菱自を傘下に収めたものの、法令順守などを含めた意識改革は道半ばである。この取り組みはゴーン氏が引き続き指揮してほしい。

かつてゴーン氏は「日本企業の社員は優秀だ。リーダーがふさわしい資質を身につければ、その企業は生まれ変わることができる」と説いた。

改革に踏み切れない経営者にこそ聞かせたい言葉だ。
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2017年02月25日

[産経新聞] 【主張】米の不法移民対策 軋轢を最小限にとどめよ (2017年02月25日)

トランプ米政権が不法移民対策の実現へ歩を進めた。

国土安全保障省が打ち出した、取り締まりと強制送還を強化する指針に従えば、1100万人に上る不法移民のほとんどが送還されるという。

トランプ大統領は、不法移民の強制送還について「軍事作戦だ」と言い放っている。

こうしたやり方は、メキシコなど関係国との軋轢(あつれき)を激化させ、米国内の大きな混乱をもたらしかねない。トランプ政権にはより現実的な対応を求めたい。

ティラーソン国務長官とケリー国土安全保障長官がメキシコを訪問し、国境に建設される壁などをめぐる交渉に着手した。

ティラーソン氏はメキシコとの関係を修復する考えを示し、ケリー氏は軍事力の行使を明確に否定した。大統領の過激さを抑え、対話できる環境をつくろうとする姿勢は評価できる。

だが、これまでに打ち出した方針は、簡単に修正や妥協を図れるものだろうか。

強制送還の対象には、交通違反などの軽犯罪者が加えられた。不法移民はおびえ、憤りを隠さない。イスラム圏7カ国からの入国停止をめぐる法廷闘争以上に、多くの訴訟が引き起こされる公算も大である。

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強硬な手段による検挙に出れば混乱に拍車がかかる。

メキシコとの緊張も高まるばかりだ。国土安全保障省の指針は、国籍にかかわらずメキシコから入国したすべての不法移民を、メキシコへ送り返すとしたからだ。

メキシコが「一方的な決定だ」と、非難しているのは無理からぬことだ。トランプ政権が、いわゆる「国境税」を導入し、国境の壁の建設費用に充てれば、対立の炎はさらに燃え盛ろう。

国家として入国管理や移民政策の改善を図る。それ自体は当然の責務だが、適切な方法を選ぶことも同じく当たり前である。

米国は移民国家として、不法移民を社会に根付かせてきたという経緯がある。それにより、800万人とみられる不法就労者が、低賃金の職に就き、米経済を支えている現実がある。

また、メキシコからの不法移民はこの十数年で8割程度減少し、過去40年間で最も低い水準にあるという。実態に即した政策なのかも、改めて吟味すべきである。
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[産経新聞] 【主張】東京マラソン 見る側も「安全」の主役に (2017年02月25日)

首都を3万6000人のランナーが駆け抜ける東京マラソンは26日、号砲が鳴る。

東京都庁をスタートして浅草、銀座などの観光名所を巡るコースは、沿道で約160万人が観戦する見込みだ。特に、今年からゴール地点となるJR東京駅前は混雑が予想される。

約6000人の警備体制で臨む今大会は、2020年東京五輪・パラリンピックの予行演習と位置づけてもよい。運営主体の東京マラソン財団や警備に当たる警視庁は、万全の態勢で安全な大会運営に努めてほしい。

各ランナーには今年から、参加認証コードが付いたリストバンドの装着が義務づけられる。替え玉の出走によるトラブルや、テロを防ぐためだ。沿道には監視カメラを増設し、携行型のカメラを付けた警備員も、昨年から倍増の50人となる。

爆弾テロで多くの死傷者が出た2013年4月のボストン・マラソンは、記憶に新しい。五輪招致で東京が掲げた「安全・安心・確実」の公約を守る上でも、安全確保は最優先の課題だ。そのためには、観客や地元住民の協力も欠かせない。

ゴール地点には、約1000席の特別観覧席が設けられる。飲料検査機の導入により、観客が持ち込めるのは安全が確認された飲み物に限られる。沿道では、住民による巡回チームも組織され、安全確保に目を光らせる。

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東京マラソンのセキュリティー策は、今後、東京に誘致する国際イベント全般にも応用できるだろう。安全な大会運営は、国際都市・東京の信用につながり、政府が20年の目標に掲げる、訪日外国人4000万人の実現にも追い風となるはずだ。

東京マラソンはこれまでも、10万円以上の寄付をした人が優先的に出場できる「チャリティーランナー」の文化を広め、大会運営を支えるボランティアの存在を社会に広く浸透させた。

スポーツの主役は「する」側だけでなく、「支える」側にも広がっている。

スポーツイベントは安全が下地にあって初めて、興奮や感動が人々の記憶として残る。安全な大会を創り上げるのは観客一人一人である。今大会を契機に「見る」側も主役としての意識を高め、3年後の五輪を迎えたい。
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2017年02月24日

[産経新聞] 【主張】北方領土と露軍 「共存の島」とは相いれぬ (2017年02月24日)

ロシアのショイグ国防相が下院の演説で、北方領土と千島列島へ新設の1個師団を年内配備する方針を表明した。国後、択捉両島への展開が想定される。

旧ソ連・ロシアは、70年以上にわたって日本固有の領土である北方領土を占領してきた。そのうえ、大規模な部隊の増強を図ろうという暴挙は到底、認められない。

日露間では、北方領土における共同経済活動の協議が3月から本格化しようという矢先だった。直前のこうした言動は、協議の前提を崩すものでしかない。

政府がなすべきは、足元を見られながら協議を始めることではなく、国防相発言の撤回と謝罪要求である。

重要な協議を前に、相手にあいくちを突き付けるのはロシアの常(じょうとう)手段である。そこに信頼関係を築く意思など見当たらない。

相手が態度を改めることもないまま、なし崩しに協議入りするのは愚策であり、日本を見つめる世界の目も変わりかねない。

今回の問題について、菅義偉官房長官は「わが国の立場と相いれず遺憾だ」と述べた。外交ルートで抗議もしたというが、通り一遍の抗議などロシア側は何の痛痒(つうよう)も感じまい。

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日露首脳会談を控えた昨年11月にも、ロシアは新型地対艦ミサイルを北方領土へ配備した。首脳会談で、ミサイル配備についてどれだけ抗議したのかは不明だ。

むしろ、首脳会談の成果として強調されたのが、共同経済活動を始めることの意義だった。

安倍晋三首相は「北方四島の未来図を描き、その中から解決策を探し出す新たなアプローチ」だと説明し、「対立の島」ではなく「共存の島」にできると強調してきた。

ロシアが軍拡をさらに進めようという地域で、なぜ共存が可能なのか。政府は共同経済活動について、日本の法的立場を損なわないのが前提だとしている。言葉遊びをしている間に、ロシアによる実効支配はさらに強まる。

3月には日露の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)も開かれるが、軍備増強を図る相手との間で開催する意味は不明だ。せめて、その場で方針の撤回を確約させるべきである。それをロシアが断るなら、共同経済活動の協議を進めることはできない。
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[産経新聞] 【主張】民進の原発ゼロ 労組は現実的主張を貫け (2017年02月24日)

民進党が衆院選公約で「原発ゼロ」の達成時期を前倒ししようとしているのに対し、支持母体の連合やその傘下の労組が反発している。

公約案は、前倒しに伴う代替電源の確保や電気料金上昇の抑制策など、同時に講ずべき具体的な対策を示していない。

電力が産業や暮らしを支える基盤だという基本認識を欠いた無責任なものである。

その意味で、電力エネルギーの関連労組が反対するのは当然だろう。労組側はそこにとどまらず、政府与党にも、安全性を確認した原発の早期再稼働を求めるべきである。

組合員の雇用を守るため、何が必要か。原発停止が日本の産業競争力を低下させている厳しい現実を直視し、産業の将来を自ら守り抜く姿勢を示すことも、労組が果たすべき役割だろう。

民進党は来月の党大会で「2030年代」としてきた原発ゼロの時期を「30年」にしようとしている。最大9年の前倒しとなる。選挙戦で脱原発の姿勢を強調する狙いがある。

だが、そのために太陽光などの再生可能エネルギーを拡大するには、電気料金の大幅値上げが避けられない。旧民主党政権時に、再エネの固定価格買い取り制度を導入したためにもたらされる弊害である。

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この制度に伴う今年度の国民負担は1・8兆円にのぼり、将来的には最大4兆円に達すると試算される。さらに再エネを拡大すれば、家庭や企業に追加負担を強いることになる。

電力総連や電機連合、基幹労連という有力労組が、民進党に対して責任あるエネルギー政策を求めたのは、安定的で低廉な電力供給に支障が生じているからにほかならない。

原発停止の長期化で電気料金が高止まりしたままでは、鉄鋼や化学などエネルギーを多く消費する産業や中小企業がますます深刻な影響を受ける。こうした現場の窮状を知る組合だからこそ、強い危機感を抱く。

政府は30年度の電源構成について、原発の比率を20?22%とする目標を掲げているが、それに必要な再稼働は大きく遅れている。

エネルギー政策はこうした現実を踏まえて講じるべきものだ。選挙目当ての人気取りで取り上げることは許されない。
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2017年02月23日

[産経新聞] 【主張】竹島の日 政府の返還要求は十分か (2017年02月23日)

「竹島の日」の22日、島根県主催の式典が松江市で開かれた。

竹島(島根県隠岐の島町)は歴史的にも国際法上も日本固有の領土でありながら、韓国に不法占拠されたままだ。

返還を求めるうえで、国民的運動は欠かせない。だが、その前に運動を主導すべき政府の取り組みは十分なのか。改めて問い直す必要がありそうだ。

竹島の日は平成17年に島根県の条例で制定され、翌年から式典が始まった。制定からは干支(えと)が一回りする12年がたつ。

地道に返還運動を続けてきた県など地元関係者には、改めて敬意を表したい。

政府は式典に務台俊介内閣府政務官を派遣した。第2次安倍晋三政権になってから政務官派遣は5年連続だ。

だが、式典に閣僚クラスを出すのを控えること自体、領土主権への侵害に対し、腰を据えた対応になっていない。

竹島は江戸時代から漁業中継基地として日本人に利用されてきた。日本が明治38年に閣議決定で領土編入した当時、どの国からも抗議はなかった。

国際社会は竹島を日本領と認めていたにもかかわらず、戦後、昭和27年1月に韓国の李承晩政権が沿岸水域の主権を示す「李承晩ライン」を一方的に設定し、その中に竹島を含めた。サンフランシスコ平和条約が発効し、日本が主権を回復する直前のことだ。韓国の領土主張に根拠はない。

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北方領土の日(2月7日)は政府が制定し、東京で開かれる北方領土返還要求全国大会には歴代首相や関係閣僚が出席してきた。

竹島の日も政府として制定し、首相や閣僚が出席することになんら遠慮は不要だろう。

首脳会談や外相会談などの機会に、竹島問題をどの程度、韓国側に提起してきただろうか。

竹島をめぐっては、韓国の地方議員が慰安婦像を設置する募金活動を行うなど、あきれた動きも発覚した。国政の混乱から国民の目をそらせたいのだろうか。「反日」を争う姿は情けない。

来年開催の平昌冬季五輪の組織委員会のホームページ(HP)には、竹島が「独島」と表記された。韓国外務省のHPには日本海を「東海」と呼ぶ動画が載る。非常識な行為は、国際社会の信を失うばかりだ。
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[産経新聞] 【主張】文科省の天下り 解明急ぎ官学の癒着断て (2017年02月23日)

文部科学省による組織的な天下り斡旋(あっせん)問題の中間報告で、また新たな不正が明らかになった。

なかでも、大学の設置審査の情報を漏らすという違法行為があったことには驚く。

大学行政の信頼が根底から揺らいでいる。官学の癒着を断ち、再発を防止するには、さらなる徹底した調査が必要である。

中間報告では、既に違法と認定された10件以外に、新たに17件の違法な斡旋事案が確認された。

その中で仲介役の人事課OBが再就職した学校法人系列の大学の設置認可をめぐり、審査段階の情報が担当部署以外に漏れていたことが分かった。

人事課OBが学長予定者として申請されていたが、実績などから学長にふさわしくないといった是正意見について、審議官らが人事課職員に提供していたという。

大学設置の公平性や信頼性を無視し、天下りの仲介役を処遇しようという組織的不正の表れであり看過できない。文科省は、国家公務員法の信用失墜行為にあたると認定したが、重大な情報漏洩(ろうえい)とみるべきだ。

人事課がOBを介在させ、法律の「抜け道」とする斡旋作業を引き継いだメモの存在も判明した。倫理観の欠如は深刻だ。

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国家公務員法では天下りに関し、現職職員による斡旋や利害関係のある企業・団体に求職活動を行うことが禁止されている。

こうした規定は、省庁が補助金や許認可の権限を握っているため、官製談合や官民癒着の温床になることを防ぐ狙いがある。

文科省には、大学の設置認可のほか、国立大の運営費交付金や私学助成金など補助金の配分の権限がある。

少子化で厳しい経営環境にある大学側とすれば、ノウハウに精通する文科省職員を受け入れたい思惑もあるだろう。だが今回発覚した不正は、官学の癒着そのものを疑わせ、法の目的を無視した悪質なものだと言わざるを得ない。

癒着は大学の独自性を損なうものでもあろう。官僚OBらが専門知識を生かして再就職するとしても、その前提として行政の公平性と再就職の透明性が担保されることが当然である。

安倍晋三政権は、OBを関与させ再就職を組織ぐるみで斡旋する行為の廃止など実効性のある規制強化策を実施すべきだ。
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2017年02月22日

[産経新聞] 【主張】防犯カメラ 犯罪摘発の効力再確認を (2017年02月22日)

連日のニュースの主役は、クアラルンプールの空港で殺害された北朝鮮の金正男氏である。

事件は改めて北朝鮮という独裁国家の特異性を際立たせるとともに、防犯カメラの効用を浮かび上がらせた。

防犯カメラの存在は犯罪の摘発に有為であり、検挙に勝る防犯なしの格言に従えば、犯罪抑止の一翼も担うと評価できる。

空港の複数の防犯カメラは、正男氏殺害の一部始終をとらえていた。背後から襲った女が正男氏の顔面に何かをなすりつけ、そのまま逃走した。正男氏は空港の警備員に被害を訴え、付き添われて診療所へ向かうが、ここで容体は急変した。犯行直後に出国した、北朝鮮国籍の4人の男の映像も残されている。

これらの映像や静止画像は、繰り返し日本のテレビや新聞各紙でも報じられている。

それは、プライバシーの問題や監視社会につながるとして、防犯カメラ映像の捜査利用に批判的なメディアでも同様だ。

防犯カメラは、正男氏の殺害を止めることはできなかった。ただし、その存在なしに実行犯の摘発や、殺害に関与したとみられる北朝鮮国籍の男4人の氏名を特定することは困難だったろう。

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北朝鮮側の遺体引き渡し要求をはねつける根拠にも苦慮したかもしれない。防犯カメラ映像は十分にその効力を発揮している。

平成27年の国内刑法犯の認知件数が戦後最少を記録した際、警察庁は「市民の防犯活動や防犯カメラの増加など、犯罪を警戒する地域社会の目が密になった結果」と分析した。

公道や空港、店舗内といった公の場所で守られるべきプライバシーとは何だろう。それは犯罪の摘発や抑止を上回る価値なのか。

裁判で争われている衛星利用測位システム(GPS)捜査の違法性の有無や、国会で審議中のテロ等準備罪の是非についても同様である。国際環境の変化や、技術の進歩などにより、犯罪の態様は変化を続けている。犯罪を摘発し、国民を守るための新たな捜査手法が求められている。

クアラルンプール国際空港の防犯カメラは、要人暗殺テロの背景を暴こうとしている。映像証拠もなく、完全犯罪が遂げられていた事態を想像すると、背筋が寒くなるではないか。
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[産経新聞] 【主張】北朝鮮の石炭禁輸 制裁履行は中国の責務だ (2017年02月22日)

中国が、北朝鮮からの石炭輸入を今年末まで停止すると発表した。

昨年11月に採択された国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を履行するとの表明である。

とはいえ、これは中国が守って当然の責務というべきものだ。

北朝鮮は12日にも、新型中距離弾道ミサイルの発射実験を強行した。身勝手な行動を経済的に支えてきたのは、北朝鮮の石炭輸出を受け入れてきた中国である。

決議の履行を徹底し、密輸などの抜け穴も許してはならない。

国連の制裁決議は、北朝鮮の石炭輸出を年間4億ドル(約450億円)、または総量約750万トンまでに抑えるとしている。中国は、輸入額が上限に接近したことを制裁発動の理由に挙げた。

制裁決議をめぐる議論で、米国は石炭輸出のより厳しい上限設定や原油供給の停止を求めている。中国はこれに反対した。

「民生用」として昨年、中国が輸入した北朝鮮産石炭は前年比約13%増で、北朝鮮の外貨獲得を中国が助けたのは明白である。

留意すべきは、制裁の発表が米中外相会談の翌日だった点だ。

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米国のティラーソン国務長官は王毅外相に対し、北朝鮮の挑発行為を抑えるため「あらゆる手段」を尽くすよう求めた。

先に行われた米中電話会談で、両国首脳は「一つの中国」の原則を確認した。それに満足した中国が、対北制裁をめぐる対米協調で取引したのだとすれば、極めて危うい。国連決議の履行は本来、取引の材料になり得ない。

北朝鮮の核・ミサイル開発について、中国政府当局者は「問題の根源は米朝、朝鮮半島南北の矛盾にある」と繰り返してきた。

北朝鮮を暴走させたのが米韓であるかのような物言いは、到底、国際社会に受け入れられない。

米中間には、貿易不均衡の問題をはじめ、東・南シナ海の地域安保など課題が山積している。

中国が北朝鮮への制裁履行を「対米カード」とすれば、北東アジアの安全、安定を人質にとるようなもので、容認できない。

日米をはじめとする各国は、中国が北朝鮮に対する制裁を確実に履行しているか、しっかりと監視しなければならない。

中国もまた、自ら密輸阻止などに本腰を入れなければ、国際社会で信を失うことになろう。
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2017年02月21日

[産経新聞] 【主張】金正男氏暗殺 「北」に事実を突きつけろ (2017年02月21日)

北朝鮮の金正男氏暗殺事件をめぐり、マレーシアは、駐北朝鮮大使を召還した。

北朝鮮側の事件対応への抗議のためだ。外国の主権を一顧だにしない陰惨な要人暗殺事件は、北朝鮮政権の主導によるとみられている。当然の対応だろう。

マレーシアの警察当局は国際刑事警察機構(ICPO)の協力をあおぎ、真相の解明に乗り出している。

日本を含む関係各国も捜査に全面的に協力し、「事実」を北朝鮮に突きつけてほしい。

金正恩朝鮮労働党委員長の兄、金正男氏は13日、クアラルンプールの空港で襲われ、死亡した。毒殺とみられるが、毒物は特定されていない。

マレーシアの警察当局はすでに外国籍の女2人、北朝鮮国籍の男1人を逮捕し、北朝鮮国籍の4人の氏名を特定した。

4人は犯行当日にマレーシアを出国し、ジャカルタかスラバヤ、ドバイ、ウラジオストクを経由してすでに北朝鮮に帰国しているとされる。いずれもICPO加盟国の都市である。正式な国際情報照会手配(青手配)を通じて足取りの詳細を明らかにし、非加盟国の北朝鮮に確認を迫るべきだ。

駐マレーシアの北朝鮮大使は死亡男性が外交官用旅券を所持し、北朝鮮の保護下にある国民だとして、司法解剖に抗議し、遺体の引き渡しを求めた。この問題を国際法廷に訴えるとも述べた。

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金正男氏は死亡時「キム・チョル」名義の旅券を所持しており、北朝鮮がこれを真正旅券と認めるなら、国家として偽名旅券を付与していたことになる。国際法廷に訴えるなら、訴えればいい。

過去には、大韓航空機爆破や韓国の朴正煕大統領夫人殺害事件でも、実行犯は日本人を偽装していた。今回の事件でも実行犯役の女らは、日本のテレビ関係者をかたる男に雇われたとの情報がある。日本の当局も可能な限り、捜査を支援すべきだろう。

日本国内もこれまで、北朝鮮の工作員による数々の事件の舞台となってきた。拉致事件は、その最も悪質な典型例である。北朝鮮は国家機関による誘拐であることを認めて謝罪しながら、被害者の再調査にすら応じていない。

北朝鮮の実相を改めて明らかにするためにも、暗殺事件の捜査に全力を尽くしてもらいたい。
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[産経新聞] 【主張】敵基地攻撃能力 国民守る方策を決断せよ (2017年02月21日)

自民党の高村正彦副総裁がNHKの番組で、外国からのミサイル攻撃を防ぐ敵基地攻撃能力の保有について、政府としての検討に前向きな考えを示した。日本維新の会の片山虎之助共同代表も同調した。

北朝鮮の核・弾道ミサイル戦力は現実の脅威である。弾道ミサイル防衛の能力を高めることに加え、敵基地攻撃によって危機を回避する方策を考えるのは当然といえる。

安倍晋三首相も1月の国会答弁で、検討に意欲を示した。いかにして国民を守り抜くかは、すべての政治家に課せられた責任だ。意欲を口にするだけでなく、導入を決断し、具体的検討を防衛省自衛隊に指示してもらいたい。

安倍政権は平成25年に閣議決定した防衛計画の大綱の中で、「弾道ミサイル発射手段等に対する対応能力の在り方についても検討の上、必要な措置を講ずる」と、保有に含みを持たせてきた。

しかし、これまで具体的な進展はなかった。その間にも、北朝鮮の核・弾道ミサイル戦力の強化が進んだ。北朝鮮が今回発射した新型弾道ミサイルは固体燃料で自走式車両から発射された。見つかりにくく奇襲的に運用できるため、脅威度は格段に増している。

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残念なのは同じ番組での公明党の山口那津男代表の発言だ。「敵基地攻撃能力は米国しか持っていない」と、自衛隊のミサイル防衛の整備しか言及しなかった。

日本が攻撃能力を持つことへの拒否反応がある。だが、それはすべてを米国に依存しようという姿勢の表れともいえる。

北朝鮮が近い将来、米本土への核攻撃能力を持ち、米国の対北姿勢が及び腰になったらどうするのか。自らの抑止力を考えておかなければ、有事の際の対処力は損なわれてしまう。

敵基地攻撃能力や、将来的には「敵地攻撃能力」を整えることは日米同盟の抑止力を確かなものとする上でも欠かせないだろう。

指摘しておきたいのは、安倍首相や高村氏らが、いまなお専守防衛を強調している点である。これは、軍拡に余念がない中国や北朝鮮を相手に、自らの抑止力に大きなブレーキをかける元凶だ。

政府は耳に心地よい言葉として専守防衛を唱えてきた。だが、それでは平和を守りきれなくなっている。現実を国民に正直に説明すべきである。
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2017年02月20日

[産経新聞] 【主張】大学無償化 財源から現実的に考えよ (2017年02月20日)

大学など高等教育の授業料無償化に向け、自民党が恒久財源を確保する検討を始めた。

6月にも閣議決定する政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針)に反映させたいという。

貧しさゆえに進学を諦める人がいる。教育費の高さは少子化の要因の一つに数えられる。国としてどうとらえるか、大事な政治課題であることは間違いない。

だが、全国の大学・短大の授業料は総額約3・1兆円に上る。幼児教育からすべて国が負担すれば、5兆円規模に膨らむという試算もある。簡単に財源を得られる政策ではないことを、はっきりさせておく必要がある。

自民党は「教育国債」の発行を念頭に置いている。これは確たる財源と呼べない。名称は美しくても、返す裏打ちのない借金に変わりない。無償化で進学率が上昇すれば、さらに財源を要する。

民進党は大学までの無償化などを次期衆院選の公約の柱に据える構えを見せる。自民党も対抗策を急ぎたい事情があるのだろう。

旧民主党が政権担当時、高校無償化や一律支給する子ども手当、最低保障年金などを打ち出した。自民党は「理念なきばらまき」と批判してきた。その経緯に、ほおかむりしたままの議論は、政権政党の信頼を損なう。

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中学卒業生のほぼ全員が進む高校の無償化とは異なり、大学への進学率は5?6割程度だ。大学の数が増え、学生のレベル低下も問題視されるなかで、無償化がどれだけ国民の理解を得られるかという問題もある。

国債による負担は、将来世代に回る。麻生太郎財務相は「親の世代が租税負担や教育費の捻出から逃げるため、子供に借金を回すということだ」と指摘した。

新規増税や他の予算を削ることを考えもせず、国債に飛びつくのはおかしい。

すでに、政府は返済不要の「給付型奨学金」を創設することにした。これを拡充し、意欲ある学生に対象を絞る方法もある。

日本維新の会は教育無償化を憲法改正項目に掲げる。自民党はそれをにらんで動いている面もあるが、憲法に書けば自動的に財源が生まれるものでもない。

基礎的財政収支の黒字化目標に、赤信号がともっているのを忘れた議論と言わざるを得ない。
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[産経新聞] 【主張】反ドーピング 実効性ある法整備を急げ (2017年02月20日)

2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、日本初のドーピング対策法案が早ければ今国会に提出される。

禁止薬物の使用は「公平・公正」のもとに成り立つスポーツの価値を著しく損ねる。自国開催の五輪で不正を許さないためにも、法制化を目指す超党派のスポーツ議連には、実効性のある法整備に力を注いでほしい。

新法ではドーピングを違法行為と位置づける。トップ選手の使用に加え、指導者らによる提供も対象となる。法のたがをはめることで関係者の意識を高めたい。

ただし、刑事罰の是非については慎重な議論が必要だろう。スポーツ界には、違反者を4年間の出場停止とする制裁がある。新たに罰金を科しても、抑止効果は限られるのではないか。

新法の意義は、違反者摘発に向けた関係機関の情報共有に法的な裏付けができることである。

現状では、検査主体の日本アンチ・ドーピング機構は、海外選手の出入国記録や所持品などの情報にアクセスできない。これらが警察当局や税関などから得られるようになると、違反者を入国前に摘発できる可能性が高まる。

日本に不正の入り込む余地はないという厳しい姿勢を世界に示せば、強い抑止力を生むはずだ。

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国内では、検査人員の不足が懸念される。ラグビー・ワールドカップ(W杯)や五輪本番に備えたプレ大会が19年に控えており、検査態勢の増強は待ったなしだ。

ロシアで国ぐるみのドーピングが行われるなど、国際情勢はめまぐるしく変化し、禁止薬物のリストも年々数が増えている。安心して競技に打ち込むためにも、選手や指導者らは正確な情報をつかむ努力を怠ってはならない。

検査技術の進歩もあり、過去の五輪では違反者の摘発が相次いでいる。08年北京五輪の陸上男子400メートルリレーでは、ジャマイカが金メダルを剥奪された。

日本は銅から銀に繰り上がったが、アンカーを務めた朝原宣治氏は「歴史が変わってしまう」と危機感を示した。歓喜の記憶を汚す点でもドーピングは罪深い。

過去の五輪で日本は1人の違反者も出しておらず、クリーンな競技環境は世界に誇れる。だが、油断すれば日本が違反の当事者となる恐れは常にある。そのことを競技の現場は忘れてはならない。
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2017年02月19日

[産経新聞] 【主張】豊洲問題と都議会 真相解明への責務果たせ (2017年02月19日)

豊洲市場(東京都江東区)の移転問題は膠着(こうちゃく)したままだ。「食の安全」の問題に加え、移転決定の経緯がいまなお謎に包まれているからだ。

チェック機能を欠いていた東京都議会が、ようやく問題の根幹に迫ろうとしている。決定時の知事だった石原慎太郎氏らから聴取するという。

この問題にメスを入れた、小池百合子知事と石原氏らとの政治的な対立の構図への関心も高い。

だが、何よりも事実解明の機会として生かすことに努めてもらいたい。膠着から抜け出すうえで、極めて重要な過程である。

都議会特別委員会の参考人招致は3月中に行われる。不可解なのは、3連休にあたる18?20日の間に実施するという日程である。なぜ平日ではないのか。

都議会が招致方針を決めたのを受けて、石原氏は「喜んで応じる」と語った。

ただ、招致を控えて近く記者会見を行うと表明したが、実現は不透明となっている。

当時のトップとして事実関係を明かし、謎の解明に全力で協力してもらいたい。

明らかにすべき点は多い。豊洲市場の用地は東京ガスの工場跡地で、当初から土壌汚染の懸念があった。東ガス側が食を扱う市場には適さないと都に難色を示したことも分かっている。それがなぜ、売却に至ったのか。

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そもそも、移転先に挙がっていた複数候補のうち、豊洲が選定された理由も明確ではない。大規模な敷地確保の必要性や交通アクセスの利便性が優先されたという。土壌汚染への対策が十分でないままでの選定は、あり得ないはずである。

石原氏にただしても分からない問題は少なくないだろう。必要に応じ、当時の都幹部ら、より多くの関係者から聴取すべきなのは当然である。

その意味で、参考人招致ではなく、虚偽答弁への罰則があるなど強い調査権を持つ百条委員会の設置を求める意見もある。事実解明のため、実効性のある方法をさらに検討してほしい。

移転問題には国民の関心も高く、都議会は都政の監視者としての存在意義を問われている。もとより、7月の都議選向けにパフォーマンスが目的のような追及劇を演じ、事実を突き止められないような事態は避けねばならない。
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[産経新聞] 【主張】北とテロ対策 緊張欠く審議を憂慮する (2017年02月19日)

北朝鮮は、金正恩朝鮮労働党委員長の兄、金正男氏をマレーシアで殺害した。国際社会の反発を無視して核兵器やミサイルの開発も続けている。歯止めのきかない独裁体制の暴発を、強く懸念する。これに対して国内のテロ対策は、あまりに緊張感を欠いている。

19日には、札幌市で冬季アジア大会が開幕する。来春には韓国で平昌冬季五輪があり、2020年には東京五輪が開催される。北朝鮮には、過去にも国際スポーツ大会をテロの標的としてきた歴史がある。

1986年9月、ソウルアジア大会の開幕直前には金浦空港が爆破され、5人が死亡した。ソウル五輪前年の87年11月にはインド洋上空で大韓航空機が爆破され、乗員乗客115人全員が死亡した。いずれも目的は、大会開催の阻止だった。

大韓機爆破の実行犯、金賢姫元死刑囚らは日本人になりすまし、日本の旅券を所持していた。拉致被害者の田口八重子さんが金元死刑囚の日本語教育係を強いられたことも分かっている。拉致事件も国家によるテロだ。

「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐる国会審議が遅々として進まない。法改正は、国連が国際社会でテロと対峙(たいじ)するために採択した「国際組織犯罪防止条約」批准の条件として求められたものだ。すでに180カ国以上が締結している。

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安倍晋三首相は国会審議で「条約を締結できなければ東京五輪を開催できないと言っても過言ではない」と述べた。警戒対象はイスラム過激派だけではなく、アジアを舞台にテロ事件を繰り返してきた北朝鮮も当然、含まれる。

だが国会審議では、法改正を推進すべき金田勝年法相が質疑に立ち往生し、野党の集中攻撃を受け続けている。答弁に窮しているかとみれば、テロ等準備罪は通信傍受法の対象外などと答えてしまう。これこそ法案提出後に議論を深めるべき問題だろう。やることなすことが、ちぐはぐだ。

法の新設は、いわばテロ対策の入り口である。法があればテロが起きないわけではない。成立した法をいかに運用して、国民の命を守るかが問われるのだ。周囲を取り巻く安全環境の悪化と審議のもたつきぶりが、別世界のように乖離(かいり)している。国会中継を平静な気持ちで見ることができない。
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