2017年05月19日

[読売新聞] 高浜原発再稼働 仮処分が招く混乱に終止符を (2017年05月19日)

原発の再稼働は、電力の安定供給に大きく貢献する。その恩恵を消費者に実感してもらうことが大切である。

司法判断などで停止を余儀なくされた関西電力高浜原発4号機が再稼働した。近く発電を始め、6月中旬にも営業運転に移行する。3号機は7月からの営業運転を目指している。

敷地内では1月、大型クレーンが倒れる事故が起きた。原子炉に影響はなかったが、地元の福井県は厳しく批判した。関電は安全確保に万全を期さねばならない。

2基が営業運転した後、関電は電気料金を値下げする方針だ。火力発電の燃料費などを、月に70億円抑制できるためだという。

関電は東日本大震災前まで、発電量に占める原発の比率が約50%と高かった。全原発が停止した震災後は、2度にわたって料金を上げざるを得なかった。

現在、関電の電気料金は東京電力や中部電力より割高だ。値下げが実現すれば、消費者や企業の負担感は軽減される。結果として原発の重要性が再認識され、他の原発の再稼働へ追い風となろう。

関電では、大飯原発3、4号機も、再稼働の前提となる安全審査などの手続きが大詰めだ。

西日本では既に、四国電力伊方原発3号機と、九州電力川内原発1、2号機が再稼働した。九電玄海原発3、4号機についても、地元が再稼働を了解している。

懸念されるのは、司法リスクである。大津地裁は昨年3月、高浜原発の2基に対して、運転差し止めの仮処分を決定した。大阪高裁が今年3月、決定を取り消したため、再稼働にこぎ着けた。

同様の仮処分申請は各地で出されている。再び停止命令が出る可能性は捨て切れない。高浜原発に対しても、福井地裁敦賀支部に改めて仮処分が申し立てられた。

仮処分は元々、急迫した危険などを避けるために設けられた司法手続きである。迅速に審理を進めることが重要視される。

広島地裁は3月、伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分申請を退けた。原発に関する司法判断には「慎重な認定作業が必要」で、仮処分手続きは、これに「なじまない」との理由からだ。

原発は、規制当局による厳しい審査に合格して、初めて稼働できる。広島地裁も指摘するように、差し止め請求は、審査データや専門家の見解などを基に、本訴訟で丹念に審理されるべきだろう。

拙速な司法判断で、電力供給を混乱させてはならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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