2017年05月19日

[読売新聞] 国連拷問委勧告 慰安婦合意見直しは筋違いだ (2017年05月19日)

慰安婦問題に関する事実関係や日韓両政府の外交努力への理解が欠けている、と言えよう。

国連の拷問禁止委員会が、慰安婦問題を巡る2015年末の日韓合意の見直しを韓国政府に勧告した。

勧告は、慰安婦を「第2次大戦中の性奴隷制度の犠牲者」と決めつけた。日韓合意は「被害者に対する名誉回復や補償、再発防止が十分でない」とも批判した。

勧告に強制力はない。ただ、韓国の朴槿恵政権の結んだ日韓合意の履行に消極的な文在寅大統領が合意の「再交渉」を日本に求める口実とする恐れも否めない。

日本政府は、慰安婦を「性奴隷」とする勧告の誤りを指摘し、反論する文書を委員会に近く提出する方針だ。当然の対応である。

日韓合意は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。当時、韓国出身の潘基文国連事務総長や米政府など、国際社会から高く評価された。

日韓合意に基づき、日本政府は昨年8月に元慰安婦を支援する韓国の新財団に10億円を拠出した。存命する韓国人元慰安婦の7割がこの現金支給を受け入れた。

そもそも日韓間の財産・請求権問題は、1965年の国交正常化時の協定で国際法的には解決済みだ。人道的支援として日本政府は「アジア女性基金」を設立し、元慰安婦に「償い金」も渡した。

委員会は、こうした経緯や戦時中の慰安婦の実態を正確に理解せず、偏った考え方の元慰安婦支援団体や個人の主張に依拠し過ぎているのではないか。

国連総会で採択された拷問等禁止条約に基づき、委員会は88年に発足した。各締約国が拷問や暴力的な刑罰を行っていないか、などを定期的に審査している。

政府は昨年2月の国連女子差別撤廃委員会で、慰安婦問題について初めて包括的な説明を行った。強制連行を裏付ける資料は発見されておらず、「性奴隷」の表現は事実に反する、と指摘した。

しかし、遅きに失した感は否めない。女子差別撤廃委は翌月、「犠牲者の立場に立ったアプローチが取られていない」と日韓合意を批判する報告書をまとめた。

国連人権委員会には96年、慰安婦を強制連行したとする吉田清治氏の虚偽証言を引用したクマラスワミ報告が提出された。報告は様々な機会に取り上げられ、日本の名誉を傷つけている。

一連の誤解や曲解をきちんと正すため、政府は国際的な発信を積極的に続ける必要がある。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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