2017年05月17日

[産経新聞] 【主張】「一帯一路」会議 覇権主義の危うさ拭えぬ (2017年05月17日)

世界との共存共栄を唱える中国の習近平国家主席の言葉に、どれほどの説得力があったか。

習政権が最重要の国家戦略としている現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をめぐり、初めて開いた国際会議が終わった。

共同声明では反保護主義をうたい、開放的で公平な貿易体制を推進することも記したが、違和感は消えない。

中国を世界の中心に置く新たな国際秩序は、経済、軍事両面での習政権の覇権主義傾向と密接につながるからである。これにより、中国が国際政治の影響力を強める危うさこそ認識すべきである。

日本は一帯一路が世界経済の健全な発展に資するものか、厳しく見極めねばならない。

安倍晋三首相は、一帯一路を資金面で支えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加について「公正なガバナンスが確立できるのかなどの疑問点が解消されれば前向きに考える」とテレビ番組のインタビューで語った。慎重な対応が求められるのは当然だ。

秋の共産党大会に向け、政権基盤の強化が必要な習氏は会議後、構想を全面展開する「新たな段階に入った」と成果を誇った。

新興国は自国のインフラ需要を支える中国マネーに期待し、先進国は中国市場への足がかりとしたい。参加した国にはそんな思惑もあろうが、中国の膨張路線への懸念が払拭されたわけではない。

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中国の海外支援については、人権や環境への配慮を欠き、採算を度外視する弊害が指摘されてきた。軍事利用が可能な港湾整備などへの懸念もあり、「新植民地主義」と批判されている。

これに真摯(しんし)に応えなければ、習氏が「社会制度や発展モデルを輸出することはない」と語っても、額面通りには受け取れない。

中国があえて内政不干渉を掲げている点も要注意だ。ずさんな融資が相手国の腐敗の温床となっても、内政問題として意に介さぬつもりだろうか。

米国主導の既存の国際秩序に揺らぎがみえるなかで、中国は勢力拡張に動いている。トランプ政権の保護主義志向が、中国の覇権主義を利することにならないか。

会議の直前、米国が米産牛肉の中国輸出を取り付け、一帯一路の意義を認めた点も気になる。中長期的な対中戦略の構築に向け、日米間の緊密さが求められる。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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