2017年04月20日

[東京新聞] 衆院の区割り 一時しのぎも限界だ (2017年04月20日)

「一票の不平等」の是正は当然だが、現行の衆院小選挙区を前提とする限り、一時しのぎにすぎない。小選挙区制は弊害も指摘される。選挙制度自体を参院と合わせて抜本的に見直してはどうか。

衆院選挙区画定審議会(区割り審)がきのう小選挙区の区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。定数が一減となる青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の六県を含む十九都道府県の九十七小選挙区で区域を見直す内容である。

これにより小選挙区間の最大格差は二〇二〇年の見込み人口で一・九九九倍となり、二倍以内には是正される。

一票の価値を限りなく平等にするのは当然だ。審議会の努力は多としたい。ただ、問題もある。

例えば埼玉県川口市、東京都港区、神奈川県座間市、愛知県瀬戸市など二十六市区が新たに分割対象となり、同じ自治体内で選挙区が分かれることになった。津市など九市区町では分割が解消されたが分割市区町は全国で百五に上る。

分割対象の自治体から「地域を分断する」との反発が出るのは当然だ。小選挙区制の維持を前提に境界線を引き直す限り、こうした問題は将来も起こり得るだろう。

小選挙区制の弊害はそれだけではない。一小選挙区で一人しか当選できず、切り捨てられる「死に票」が多い。比例代表との並立制とはいえ、民意を正確に反映する制度と言えるだろうか。

導入から二十年あまりが経過した小選挙区制は、政権交代を可能にした半面、議員の質の劣化も指摘されるようになった。

党の指導部に、選挙での公認や政治資金の配分などの権力が集中し、所属議員らが異論を唱えづらくなったためだろう。

「政治改革」の名の下に進められた小選挙区制の導入が、議会制民主主義を劣化させているとしたら、早急に見直す必要がある。

参院でも一票の不平等拡大は看過できない。衆参両院の役割分担やそれぞれの院にふさわしい議員の選び方に踏み込んで、衆参一体で抜本改革を検討すべき時期にきているのではないか。

衆参が似通った制度にならないよう調整する必要はあろうが、衆院では、民意を議席に正確に反映できるよう、比例代表を基本とした制度に改めるのも一案だろう。

国会議員は地域の代表でなく、全国民の代表だ。小選挙区制に固執する必要はない。一時しのぎの区割り変更や制度の一部手直しでは、もう限界である。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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