2017年04月20日

[日経新聞] 英総選挙で霧は晴れるか (2017年04月20日)

英国の欧州連合(EU)離脱に向けた道筋は見えやすくなるだろうか。メイ英首相が下院を解散し6月8日に総選挙を実施する方針を明らかにした。

離脱の条件を巡る英国とEUの交渉は難航が予想されている。総選挙を経て、国民の信任を得た強いリーダーシップのもとで英国は交渉を着実に進め、EUからの離脱を円滑に実施してもらいたい。

メイ首相は総選挙に踏み切る理由として、EU離脱への立場で議会が割れている点をあげた。EUの単一市場から完全撤退するなど「強硬離脱」の政府方針に、野党・労働党などには反対も多い。

キャメロン前首相の辞任を受けて昨年就任したメイ氏は、今回が首相として初めての総選挙となる。首相の与党、保守党の議席数は下院で半分強にとどまるが、最近の世論調査では支持率で野党に大差をつけている。いまなら与党議席を増やして政権基盤を固め、EU離脱交渉を進めやすくできるとメイ首相は読んだようだ。

勝てば党内での首相の求心力が強まり、極端な強硬離脱派をおさえて、離脱交渉に柔軟に臨む余地も生まれるかもしれない。

早期の総選挙にはリスクも伴う。首相の思惑に反して保守党が議席を減らせば、政権は不安定になり、離脱交渉も停滞しかねない。過半数を割り込めば、取って代わる有力な野党が不在のまま政局が混乱する可能性もある。

保守党が大勝した場合でも、仮にメイ首相が勝利を背景に強気一辺倒の姿勢で交渉に臨めばEU側が態度を硬化させる恐れがある。英北部のスコットランドでは強硬離脱路線への反対が根強く、独立を問う住民投票の再実施を求める動きが強まることも考えられる。 英政府に求められるのは現実的で柔軟な姿勢だ。3月末に離脱をEUに通知した英国は、原則2年後の2019年春に離脱する。EUとの交渉時間は限られている。与野党ともにEU離脱が世界に及ぼす影響を十分に踏まえ、建設的に政策論争を深めてほしい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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