2017年04月18日

[日経新聞] トルコは民主主義守り中東安定に貢献を (2017年04月18日)

トルコで大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が実施された。暫定の開票結果で、賛成票が改憲に必要となる過半数を上回った。

首相職を廃止し、象徴的な存在だった大統領が国家元首と行政の長を兼ねる。大統領は閣僚や司法の人事権や国会の解散権など、強大な権限を持つようになる。

1923年に誕生したトルコ共和国の転換点である。改憲を目指してきたエルドアン大統領は今回の勝利に、「歴史的な決定だ」と語った。エルドアン氏は最長で2029年まで大統領の座にいることが可能になった。

ただし、勝利は僅差だった。野党は開票結果に異議を唱えている。投票したほぼ半数の有権者が大統領への権限集中に懸念を表明したことを忘れてはならない。

トルコは欧州とアジアのつなぎ目に位置する。その安定が地域に不可欠であるのは言うまでもない。シリア内戦の解決や過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討にトルコの関与は欠かせない。

トルコ国内ではISやクルド人反政府勢力によるテロが頻発している。治安の悪化は高い伸びを続けてきた経済成長にも影を落としている。昨年7月にはクーデター未遂が起き、政府は事件への関与を理由に、軍や公務員、司法など、10万人以上の関係者を拘束・解職した。

国際社会もトルコの不安定化とエルドアン体制の行方を注視している。なかでも欧州は無関係ではいられない。シリアを逃れた難民の多くは、トルコを通って欧州に向かった。難民問題の解決にはトルコとの連携が欠かせない。

トルコ政府がクーデター未遂後に出した非常事態宣言は今も続いている。その状況の下で実施された国民投票が、エルドアン大統領による強権支配に道を開くことがあってはならない。

エルドアン大統領がすべきことは、こうした国内外の懸念を払拭することだ。実権型の大統領制への移行で手に入れる安定した政権基盤を、治安の安定と対外関係の改善にいかすべきだ。

民主主義とイスラム教が調和するトルコはイスラム世界の発展モデルと期待される。安倍晋三首相とエルドアン大統領が相互訪問するなど、日本とトルコは良好な関係にある。トルコが民主主義を守り、国際社会で果たす役割を後押しするのは日本の役目である。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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