2017年04月16日

[産経新聞] 【主張】浅田選手の引退 次の世代に思い引き継げ (2017年04月16日)

会見での笑顔と涙に、心を揺さぶられた人は多かったはずだ。「体も気持ちも全部出し切った」という言葉とともに、フィギュアスケート女子の浅田真央選手(26)が現役を引退した。

華のある演技で女子フィギュア界を長くリードし、国内外のファンを魅了し続けた。その背中に拍手を送りたい。

浅田選手の功績は、3度の世界選手権優勝や2010年バンクーバー五輪銀メダルなどの記録にとどまらない。誰もが思い出すのは14年ソチ五輪ではないか。

ショートプログラムで16位と出遅れながら、フリーの演技で8度の3回転ジャンプに挑戦し、6位まで挽回した。失意を乗り越えた出色の演技と、感極まって流した涙には、メダルをしのぐ輝きがあった。五輪史に残る感動の記憶だろう。

愛らしさに満ちた言動は、お茶の間にもファン層を広げた。浅田選手の登場を境に、フィギュアが人気競技の仲間入りをしたと言っても過言ではない。

浅田選手の技は15歳で完成していたといわれる。06年トリノ五輪女王の荒川静香さんは「変わりゆく体に変わらない技を合わせるのは、難しかったのではないか」と推し量る。さらに国民の期待も背負いながら、重圧を感じさせない笑顔の滑走が多くの支持を得たのも当然だった。

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かつて「女子では跳べない」と言われた高難度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、浅田選手の代名詞だ。近年は3回転の連続ジャンプがより確実に得点を稼げるようになった。「時流に取り残された」と評する声もあったが、浅田選手は左膝を痛めた今季も、最後までトリプルアクセルに挑んでいる。

失敗と挫折があり、それらを乗り越えて限界に挑む。トップ選手のあるべき姿を示し続けた浅田選手は、次代を担う子供たちにとって最良の模範だ。今年2月の四大陸選手権を制した三原舞依(17)ら、浅田選手にあこがれて競技を始めた世代が頭角を現している。それも浅田選手が残した貴重な財産だろう。

競技の一線を退きプロに転向する今後は氷上以外にも活動の幅を広げてほしい。来年は平昌五輪、3年後には東京五輪もある。スポーツの新たな魅力を語る伝道師は、浅田選手こそふさわしい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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