2017年04月16日

[朝日新聞] 温暖化対策 米国に振り回されまい (2017年04月16日)

米国のトランプ大統領が、地球温暖化対策を全面的に見直す大統領令を出した。石炭産業などで雇用を増やそうと、環境規制をゆるめる内容である。

米国は、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量が、中国に次ぎ世界で2番目に多い。その大排出国が長年の科学的議論を無視し、途上国の対策を支える国際基金への拠出も拒もうとしている。

昨年11月に発効したばかりの温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に大きな痛手を与えかねない暴挙だ。強く再考を求めたいが、トランプ氏は折り紙付きの規制反対論者を環境保護局長官に据え、局の予算を大幅に削る方針も示した。姿勢の転換は当面、期待できそうにない。

日本を含む各国政府に求めたいのは、米国に振り回されないことだ。その動向を必要以上にうかがうことなく、自国の対策を着実に進めるべきである。

パリ協定の特徴は、かつての京都議定書と違い、締約国が自国の削減目標を自主的に決めて提出していることだ。

日本は、パリ協定で「2030年度の温室効果ガスの排出を13年度比で26%削減する」と国際的に公約した。さらに「2050年には80%削減」との長期目標も閣議決定している。

達成は簡単ではない。米国の動向を口実に対策をゆるめ、時間を浪費すれば、将来の削減をより急にせざるをえず、実現がますます厳しくなる。

自ら約束した目標を守れなければ非難を免れず、国際的な信用や外交上の主導権を失う。日本は約束を達成する筋道をきちんとつけることが肝要である。

トランプ政権による政策見直しが、米国の温暖化対策を実際にどの程度後退させるのか、現時点ではわからないという事情もある。

米国の科学界や環境団体は、世界の温暖化対策の推進力となってきた。今回の大統領令に対し、温暖化対策に熱心な州は訴訟を検討している。米石油大手エクソンモービルがパリ協定残留をトランプ政権に求めるなど、産業界にも積極的に対応していこうという機運がある。

トランプ氏は、大統領選で掲げた公約の実現に苦戦している。政権への支持率低迷が続けば、石炭産業復興策なども長続きしない可能性が高い。

各国・地域がパリ協定のもとで足並みをそろえ、取り組みを進めて、トランプ政権に軌道修正を迫っていくべきだ。

日本政府の動きは依然鈍い。まずは自らの目標達成に向けて態勢を立て直さねばならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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