2017年04月14日

[産経新聞] 【主張】熊本地震1年 関連死防止策の強化急げ (2017年04月14日)

熊本、大分の両県に甚大な被害を及ぼした熊本地震から1年になる。

亡くなった人たちの冥福を祈るとともに、被災者を支える意思を新たにしたい。

一連の熊本地震は昨年4月14日夜、熊本地方を襲った激しい揺れから始まった。活断層を震源とする内陸直下型地震としては、過去に例のない連鎖を起こし、震度7が2度観測された。活動域は阿蘇地方、大分県にも及んだ。体に感じる地震は4千回を超え、現在も続いている。

さらに、6月の豪雨、10月の阿蘇山噴火が重なった。地震のメカニズムは特異だが、同規模の直下型地震や複合災害は日本列島のどこでも起こり得る。熊本地震を教訓として、防災力の強化に取り組むことが重要だ。

熊本地震の犠牲者は220人を超える。このうち、建物の倒壊や土砂崩れなどで命を落とした直接死は50人で、170人は激しい揺れから逃れた後に過労、ストレスや病院機能の低下などが原因で亡くなった震災関連死である。

東日本大震災や阪神大震災の経験をもとに、国や自治体は迅速で手厚い支援に全力をあげた。それだけに、多くの命を守れなかった現実を厳しく受け止め、関連死防止策の抜本的な強化を急がなければならない。

続きを読む

熊本地震の関連死の8割は70代以上の高齢者が占め、4分の1が車中泊を経験したという。お年寄りや乳幼児、障害者のいる家庭では、避難所へ入らず車中泊を選択する傾向が強かったと聞く。

関連死に至る経緯のすべては明らかになっていないが、いわゆる災害弱者の多くが、震災直後の混乱や避難生活の厳しさに耐えられなかったのだとみられる。

避難所や支援体制の拡充、医療施設と人員の確保、車中泊の状況把握、エコノミークラス症候群の予防、被災者の心のケアなど、検討すべき対策は多岐にわたる。

これらの対策を尽くしたとしても、災害時の混乱と不安は災害弱者にとっては命にかかわるリスクとなる。被災地から離れた場所への広域避難を迅速かつ大規模に実行すべきである。そのためには国を中心に全国的なネットワークを構築する必要がある。

災害弱者の視点で命を守る備えを強化することは、すべての国民に安全と安心をもたらし、共生社会の実現にもつながるだろう。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/449007128
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック