2017年04月14日

[日経新聞] シリア危機深める米ロ対立 (2017年04月14日)

決定的な決裂は避けたものの、シリア情勢をめぐる米国とロシアの立場の隔たりが改めて浮き彫りになったといえるだろう。

ティラーソン米国務長官が初めて訪ロし、プーチン大統領やラブロフ外相と会談した。化学兵器の使用が疑われるシリアのアサド政権への対応が最大の焦点だったが、米ロの溝は埋まらなかった。

ティラーソン長官はアサド政権軍が化学兵器を使用したのは明白だとし、米軍による政権軍への巡航ミサイル攻撃を正当化した。対するロシアは「米国の攻撃は国際法違反」(プーチン大統領)などと批判。ラブロフ外相は誰が化学兵器を使用したのか、中立的で綿密な調査が必要だと主張した。

国際社会に明確な根拠も示さないまま、武力行使に踏み切った米トランプ政権の対応に問題がなかったわけではない。一方で非人道的な化学兵器の使用が疑われるにもかかわらず、アサド政権をとことん擁護しようとするロシアの姿勢にも大きな疑問符がつく。

とくにロシアは、シリアでの化学兵器使用を非難し、アサド政権に立ち入り調査などを求める国連安全保障理事会の決議案にも拒否権を発動、廃案に追い込んだ。

アサド政権は2013年に化学兵器禁止条約に調印した。それを後押ししたのがロシアだ。その責任も踏まえ、率先して戦争犯罪を糾弾していくのが筋だろう。

先にイタリアで開いた主要7カ国(G7)外相会合は、シリアでの米軍の軍事行動に理解を示す一方、シリア和平協議などを主導するロシアの努力も評価。内戦の政治解決に向けロシアがアサド政権に影響力を行使すれば、ともに取り組む用意があるとする共同声明を採択している。

米ロが対立したままでは、シリア危機は一層深まり、過激派組織「イスラム国」(IS)など国際テロ組織に付け入る隙も与えかねない。化学兵器の使用疑惑の真相を究明するとともに、泥沼のシリア内戦を終結する道筋をともに模索していくべきだ。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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