2017年04月13日

[朝日新聞] 東芝の経営 信頼を取り戻せるか (2017年04月13日)

自らまとめた決算について、専門家の了承を得る。その上で情報を公開し、投資家や取引先の判断材料にしてもらう。それが上場企業に課せられた基本的なルールだ。

ところが、原発事業で巨額の損失を抱えた東芝が、監査法人のお墨付きを得ないまま、16年4?12月期決算の公表に踏み切った。損失の調査や処理をめぐって監査法人と意見が食い違う中、すでに公表を2度延期していたため、見切り発車した。

東芝は「これ以上、株主らに迷惑をかけられない」と説明するが、正確さが保証されない業績を上場企業が発信するのは異例だ。投資家らに不安を与え、株式市場の土台を揺るがしかねない。

決算の公表が遅れたのは、巨額の損失を出した米国の原発子会社ウェスチングハウスで、経営者が損失を小さく見せようと部下に圧力をかけた疑いが浮上したのがきっかけだ。東芝は社内調査を進め、会計処理には影響がなかったと結論づけた。

一方、監査法人は、調査結果の評価作業を続ける必要があり、決算の数値が妥当かどうか判断できない、と主張した。

東芝側は「調査を続けても、適正との意見をもらえるめどはたたない」とも話し、監査法人への不信感すら漂わせる。

だが、15年に不正会計が発覚しただけに、監査が厳しくなることは予想できたはずだ。時間が限られる中でも決算のとりまとめに支障が出ないよう、監査法人の納得を得ながら作業できなかったのか。

東芝は不正会計問題で、東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定されている。再発防止の対策を進めているが、改善が不十分と判断されれば上場廃止になる。今回の失態が加わったことで、上場を維持できるかどうか、ますます予断を許さなくなった。

東芝株が上場廃止になれば、株主や取引先に混乱や損失が避けられない。上場を維持するためには、足元の混迷を収め、内部管理体制を立て直すことが急務になる。

東芝の経営危機は、原発事業に前のめりだった歴代幹部の責任が大きい。だが、その後始末と再建に責任を負うのは、今の経営陣である。

損失を穴埋めするために、半導体メモリー事業の売却を進めている。稼ぎ頭を手放すという重い決断をしただけに、その後の姿をしっかり描けるかが問われる。再生に早く踏み出すためにも、信頼の回復を急がなければならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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