2017年03月21日

[日経新聞] 混迷深まる築地の豊洲移転 (2017年03月21日)

築地市場の豊洲への移転問題がさらに混迷してきた。地下水の再調査で改めて高い濃度の有害物質が検出されたためだ。早期の移転は難しいと言わざるを得ない。

豊洲市場での地下水の調査は2014年秋以降、9回実施された。今年1月に公表された最後の調査で基準値を最大79倍上回るベンゼンなどが検出された。

数値が急激に悪化したため、実施したのが今回の再調査だ。再調査でも最大100倍のベンゼンが検出され、毒性が強いシアンなども再び見つかった。

環境基準は地下水を飲み水に使う場合の目安である。豊洲では飲料水としても食品の洗浄にも使わないから、これで安全性に欠けるわけではない。土壌はコンクリートなどで覆われているので、法的にも何ら問題はない。

しかし、この結果では消費者の理解はなかなか得られまい。再調査でも数値は改善していなかったのだから、なおさらだろう。

一方で、築地市場も問題を抱えている。こちらも土壌汚染のおそれがあるうえ、市場内の6棟の建物は耐震性を欠いていることが発覚した。開放型の施設が多いから衛生面にも不安がある。

東京都は当初、築地市場を現在地で再整備する方針だった。1991年に着手したが、営業しながらの工事は難航し、とん挫した。過去の経緯をみても建て替えは時間や費用がかなりかかるだろう。

豊洲市場を巡っては、都議会の百条委員会が続いている。土壌汚染に対する都の認識が甘かった点や、石原慎太郎元知事がこの問題に関して人任せにしていた様子などが明らかになった。

これまでの経緯を引き続き検証することは大事だが、それを移転の是非を決める判断材料のひとつと位置付ける小池百合子知事の姿勢は解せない。過去と今後は切り離して考えるべきだ。

豊洲でも築地でもない第3の選択肢はあるのか。まずは、豊洲での有効な追加対策の可能性を探るべきだろう。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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