2017年03月17日

[東京新聞] 中国全人代 民生改善にこそ「力」を (2017年03月17日)

閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)では、習近平党総書記(国家主席)が「党の核心」と持ち上げられた。一強時代の中国は格差解消など民生改善に本気で取り組めるのか正念場だ。

全人代の主役であるはずの中国ナンバー2の李克強首相は開幕日の政府活動報告の冒頭、「党の核心」として習氏の地位が明確化されたことを「党と人民の根本的利益を反映したもの」「重要で深遠な意義を持つ」と持ち上げた。

首相が国務院(政府)を代表し政治、外交、経済各分野の施政方針を演説する年一回の舞台が、習氏の「一強」支配を内外に示す政治ショーになったように映る。

全人代期間中の閣僚会見や分科会でも習氏を「核心」とたたえる発言が目立った。最高指導部人事が予定される五年に一度の今秋の党大会を前に、習氏の支配体制固めの全人代との印象が濃厚だ。

中国の現状を観察すれば、拝金主義のまん延に伴う社会的な格差の解消が急務だといえる。上海中心部のマンション建設現場では、2LDK千二百万元(約二億四百万円)の広告チラシが配られている一方、現場で働く出稼ぎ農民工は昼食に一杯六元(約百二円)の汁麺をすするのが現状だ。

李氏は「民生は政府活動の要であり、常に心に留め、しっかりと担わねばならない」と力を込めた。採択された政府活動報告には確かに、農村貧困人口の一千万人以上の減少、低所得者向けの住宅の供給、青い空を守る環境保護対策など、民生に目配りした重点政策が数多く盛り込まれた。

だが、民衆が不満を抱える課題の改善は遅々として進まず、汚職腐敗撲滅を旗印に政敵を葬ってきた習氏の「一強支配」確立ばかり目立つのが実情であるといえる。

民生が改善しない大きな理由は、李氏が指摘したように「行政の法執行での規範、公正、理性の不足や、一部幹部の職務怠慢や責任のなすりつけあい、腐敗」にあることは、その通りであろう。

習氏は自身の政治的な権威強化ではなく、真の民生改善を図るための腐敗役人や既得権益層との闘いに力を発揮してほしい。

強権政治による香港民主の後退も気がかりだ。全人代で「香港独立に前途はない」と強調された。三月下旬の香港行政長官選に向け中国は親中派候補を露骨に支援している。「一国二制度下の香港の高度な自治」の保障が国際公約であったことを忘れてはならない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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