2017年03月14日

[読売新聞] 受動喫煙防止 飲食店の原則禁煙は現実的だ (2017年03月14日)

他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙による健康被害は放置できない。2020年東京五輪に向けて、対策を着実に前進させたい。

厚生労働省が公表した対策強化案を巡り、自民党内で推進派と慎重派の対立が深まっている。

厚労省案は、小中高校や医療機関の敷地内すべてと、官公庁などの建物内を全面禁煙とした。飲食店やオフィスは原則禁煙だが、喫煙専用室を設けることは認める。度重なる違反には罰則を科す。

喫煙室が設置できない小規模な飲食店のうち、主に酒類を提供するバーやスナックに限っては、例外的に喫煙可とする。

厚労省は法案化を急ぎ、今国会への提出を目指す。

現在は、健康増進法などに受動喫煙対策の規定があるが、努力義務にとどまる。非喫煙者の3?4割が、職場や飲食店で受動喫煙を強いられている。罰則付きの防止策を導入する意義は大きい。

飲食店について、自民党の慎重派議員らは、一律禁煙とせず、禁煙、喫煙、分煙の表示を義務づけた上で、各店舗の判断に委ねるよう主張している。

この手法では、喫煙できる店で働くスタッフの受動喫煙は解消されない。上司や取引先に誘われ、入店を断れないケースも想定されよう。厚労省案が原則禁煙としたのは、現実的な判断だ。

海外では49か国が、バーを含む公共の場での屋内全面禁煙を法制化している。世界保健機構(WHO)と国際オリンピック委員会は「たばこのない五輪」を進める。近年の開催地・開催予定地では、屋内禁煙が主流となっている。

国際標準から見れば、厚労省案はなお見劣りする。WHOも、喫煙室設置などの「分煙」では不十分だと指摘している。

飲食業界などは、客離れを懸念して、規制強化に反発する。

国内外の調査では、飲食店を全面禁煙にしても、売り上げにはほとんど影響がなかった。家族連れらの来店が増え、増収になったとの報告もある。

政府は、業界の理解を得つつ、段階的に屋内全面禁煙の範囲を拡大していくべきだろう。

海外では、屋外での喫煙は比較的自由だ。国内では「ポイ捨て」防止のため、路上喫煙を規制する自治体も多い。屋内の禁煙化といかに調和させるかが課題だ。

無論、たばこを嗜(たしな)む自由は、否定されるものではない。大切なのは、非喫煙者の健康被害を防ぐ観点からの対策の推進である。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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