2017年03月13日

[日経新聞] 緩和の出口探り始めたECB (2017年03月13日)

日銀と同様、マイナス金利と量的金融緩和政策を実施している欧州中央銀行(ECB)が金融政策の現状維持を決めた。

ECBが目標とする消費者物価上昇率は「2%未満でその近辺」だが、2月の消費者物価は前年同月比で2%に達した。

一方で食料やエネルギーなどを除いた基調的な物価上昇率は0.9%にとどまる。全体の物価上昇圧力を見極めつつ、ひとまず金融緩和の継続で経済や物価を下支えしようという判断は妥当だ。

注目されるのは、ECB理事会の声明文から、物価の安定に向け「利用可能なあらゆる措置を用いる」との文言を削除した点だ。

ドラギ総裁はその理由として「(物価が持続的に下落する)デフレのリスクはおおむね消えた」「さらなる利下げの必要があるとは思わない」などと述べた。

ECBは今年4月から12月末まで、国債などの買い入れ額を毎月600億ユーロとする量的緩和を続ける方針だ。ドラギ氏の発言は来年以降の量的緩和の縮小や利上げなど、金融政策の軌道修正に向けた布石を打ったとも読める。

ユーロ圏の経済は堅調だ。昨年後半の実質成長率は年率1%台後半で推移している。失業率は9%台となお高いものの、2009年以来の水準まで下がってきた。

ただ、イタリアなど南欧の金融機関の不良債権問題は未解決だ。域内の雇用情勢の改善が賃金上昇につながり、それが物価の基調を押し上げていくかどうかを丹念に点検する必要がある。

経済は生き物だ。極右政党の台頭で域内各国の政治情勢が不安定になる事態も念頭に置き、柔軟に金融政策を運営する構えがECBに求められる。同時に、非常時の金融政策を平時に移す「出口」戦略をしっかり準備してほしい。

ECBが金融緩和を続けているあいだに、ユーロ圏各国や欧州連合(EU)は労働市場改革、銀行同盟の取り組み、ギリシャ向け金融支援をめぐる協議を着実に前進させなければならない。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック