2017年03月13日

[読売新聞] 陸自PKO撤収 任務「区切り」の判断は妥当だ (2017年03月13日)

5年余、新生国の社会基盤作りの一翼を担い、目に見える形で貢献した意義は大きい。

政府が、南スーダンにおける陸上自衛隊の国連平和維持活動(PKO)を終了させることを決めた。5月末をめどに部隊を撤収させる。

2012年1月の派遣以来、陸自の施設部隊のPKOとしては過去最長となった。首都ジュバ周辺での道路補修は計約210キロ、用地造成は約50万平方メートルに上る。94か所で施設も構築した。

安倍首相は撤収の理由について「ジュバでの施設整備は一定の区切りを付けることができる」と語った。妥当な政治判断だろう。

ジュバの治安は、昨年7月に政府軍と前副大統領派が衝突して以降、比較的平穏な状況が続く。当事者の停戦合意など「PKO参加5原則」は守られている。

ただ、治安の安定期にこそ、将来の情勢悪化に備えて、撤収を関係国・機関に根回しし、リスクの芽を摘むのは一つの考え方だ。

防衛省は、部隊撤収の円滑な実施に万全を期してもらいたい。

政府は、現地のPKO司令部への要員派遣を継続する。国際機関を通じて警察能力支援や食料・人道援助などを強化する方針だ。

南スーダンの安定と発展に向けて、日本が引き続き様々な形で協力することが重要である。

部隊には昨年11月、安全保障関連法に基づく「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」の任務が初めて付与された。民間人らに救援要請された際、法に則(のっと)って助ける。そうした国際標準の行動が可能になったのは特筆すべきだ。

今回の撤収で、自衛隊部隊のPKO派遣はゼロになる。「積極的平和主義」を掲げる以上、今後も自衛隊に適したPKOがあれば、前向きに参加したい。

今年は、1992年のPKO協力法制定から25年の節目だ。南スーダンでの活動を詳細に検証し、次に生かすことが大切である。

疑問なのは、民進党など野党の対応だ。ことさら現地の「治安の悪さ」を強調して陸自撤収を主張し、隊員や家族などの不安を煽(あお)った。十数か国が部隊を展開させる中、日本が拙速に引き揚げることの影響を認識していたのか。

民進党は国会で、陸自の日報に「戦闘」という表記があることを執拗(しつよう)に問題視した。だが、安倍首相からは、民主党政権時の陸自の報告書も武力衝突を「戦闘」と記していた、と反論された。

政府を追及しても自分にはね返るのでは、説得力に欠けよう。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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