2017年02月28日

[東京新聞] 陛下ベトナムへ 平和・友好の象徴思う (2017年02月28日)

天皇、皇后両陛下はきょうから、ベトナムとタイを訪問される。日本とベトナムの歴史は意外と深い。旧日本軍が進駐したこともある。平和の願いが伝わる旅になるに違いない。

一八八〇年代にベトナムはフランスの植民地となって以来、独立は民族の悲願であった。独立運動の指導者は、明治維新から近代国家となった日本を模範にした。運動を担う人材を育成しようと、多い時期で二百人ほどが日本に留学していたといわれる。

「東遊(ドンズー)運動」と呼ばれる。「東」とは日本を指す。だが、フランスはこれを弾圧し、長くは続かなかった。指導者はファン・ボイ・チャウ氏で、両陛下は今回の旅で、チャウ氏の記念館を訪ねられる予定だ。

古い両国の歴史を振り返るいい機会となろう。

一九四〇年には旧日本軍が「仏印」北部に進駐した。仏印とはフランス領インドシナで、現在のベトナムやカンボジア、ラオスである。日中戦争さなかで、中国国民党の〓介石を援助する「援〓ルート」を封鎖するねらいがあった。四一年には南部にも進駐した。

終戦後には仏印に駐留する日本兵は八万人にも膨らんでいた。大半は帰国したが、残留した者もいた。その後、独立を宣言したベトナムと再植民地化を狙うフランスとの間で戦闘が始まる。そのうち日本兵約六百人がベトナム側に加わったといわれる。

抗仏闘争に貢献した元日本兵は「新しいベトナム人」と呼ばれた。ベトナム人女性と結婚し、家族を持った兵士も多かったが、帰国の際に家族の帯同が認められず、離別を強いられた。

両陛下はこの「ベトナム残留元日本兵」の家族と面会する予定もある。両陛下は関連する新聞記事にも目を通すなどして、入念な準備を重ねていたという。

戦争によって引き裂かれた家族に心を寄せておられるのだろう。そのお気持ちがにじんでいる。パラオやフィリピンなどへの「慰霊の旅」にも通じるものがある。

何よりも昨年八月に「退位」を望まれてから初の海外への親善の旅である。ベトナム、タイ両国の招待に応え、親善を深めたいお気持ちが強かろう。タイでは昨年十月に亡くなったプミポン前国王を弔問する。天皇のご訪問で両国の友好は深まる。天皇陛下が強調された「象徴としての行為」の重要さをあらためて考えるべきである。

※〓はくさかんむりに將
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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