2017年02月28日

[東京新聞] ロシアの闇 重苦しい沈黙が覆う (2017年02月28日)

沈黙は重苦しさを増すばかりだ。大政翼賛のプーチン体制の下で少数意見が封じられるロシア社会。野党指導者ネムツォフ元第一副首相が暗殺されて二十七日で二年。真相は闇の底に沈んでいる。

ネムツォフ氏の盟友だった反体制活動家のカラムルザ氏(35)が今月二日、突然体調を崩し入院した。原因不明の多臓器不全で一時は昏睡(こんすい)状態に陥ったが、一命をとりとめた。

実はカラムルザ氏はネムツォフ氏殺害の数カ月後、同じような症状になり死線をさまよったことがある。血中から高濃度の重金属が検出された。カラムルザ氏は二件とも何者かによる毒殺未遂事件だとみている。

カラムルザ氏は昨年、プーチン政権の人権侵害を理由に対ロ制裁の拡大を米議会に要請していた。

二〇〇〇年のプーチン政権発足以来、反体制派やジャーナリストを狙った暗殺事件が相次ぐ。

〇六年に元情報部員のリトビネンコ氏が亡命先のロンドンで、放射性物質のポロニウムによって殺害された事件では、英国の独立調査委員会がプーチン大統領の関与を指摘した。

この事件の直前にはチェチェン戦争の暗部を描いた女性記者ポリトコフスカヤ氏も暗殺された。

〇九年には、ロシア兵に殺害されたチェチェン人女性遺族の代理人を務めていた人権派弁護士と女性記者が一緒に射殺された。

実行犯は捕まっても背後関係は不明のまま真相が解明されることはない。法治体制に穴があいている事態を憂える。国家の体面としても名誉なことではない。

カラムルザ氏の妻は米CNNテレビの取材に「夫への犯行を助長するような社会の風潮をつくりあげたことに責任がある」と語り、プーチン政権を非難した。

腐敗告発のブロガーとしても人気のある野党指導者のナワリヌイ氏に八日、有罪判決が下ったことも、野党には衝撃だった。

ナワリヌイ氏は横領事件の主犯として一三年にも有罪となったが、欧州人権裁判所が裁判の不公正を認めたのを受け、審理差し戻しになっていた。

ナワリヌイ氏は来年の大統領選では、プーチン氏の有力対抗馬になると目されていた。それが法的に出馬は厳しくなった。

「シロビキ」と呼ばれる軍や治安機関を主要な政権基盤とするプーチン氏は、八割を超す支持率を誇る。半面、もの言えぬ国の暗さが政権にはつきまとう。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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