2017年02月28日

[朝日新聞] 予算衆院通過 財政論議も忘れるな (2017年02月28日)

共謀罪を衣替えした「テロ等準備罪」に、長時間労働を改める働き方改革。南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)を巡る問題や米国のトランプ政権との向き合い方。

文部科学省の組織ぐるみの天下りあっせん、そして国有地の売却にまつわり噴き出る数々の疑惑。

いずれも国民の生活や外交にかかわり、関心が高い重要問題ばかりだ。花形とされる予算委員会を中心に、国会で徹底的に議論するのは当然だろう。

しかし、である。国の予算、さらには借金づけの財政の問題が、あまりに脇に追いやられていないか。

新年度の予算案が衆院を通過し、きょうから参院で審議が始まるが、衆院通過は戦後2番目の早さに並ぶと聞けば、なおさらその感を強くする。

当初予算では5年続けて過去最大を更新し、歳出抑制への取り組みは甘い。企業業績の陰りで今年度分を下方修正した税収は「トランプ相場」で急回復を見込むが、危うさはないか。財源不足を補う新規国債の発行額を前年度より減らしたと政権は誇るが、特別会計からの繰り入れに頼ったおかげでもある。

2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標は、最新の政府見通しではさらに遠のいた。将来世代へのつけ回しに対する危機感と責任感は、相変わらず乏しい。

「経済を成長させ、税収を増やしつつ、そして無駄遣いをなくしていく」。安倍首相はPB黒字化に向けてそう強調するが、達成は見通せていない。野党も具体的な道筋を繰り返し突くべきなのに、矛先は鈍い。

首相が2度にわたって延期した10%への消費増税は、今の予定では19年秋と2年半余りも先だ。日銀が大胆な金融緩和の一環で国債を買い続けているため、国債相場の急落に伴う「悪い金利上昇」の恐れもなさそうだ。与野党そろってそんな思いでいるのではないか。

国債市場が本来持っている財政への警告機能が損なわれているからこそ、政治が財政規律を守る姿勢を示すべきなのに、緊張感を失っているとすれば何をかいわんや、である。

「もし3度目の消費増税の先送りをした場合は、確実に(日本国債の)格付けが下がる。金利上昇が起こることは考えておかなければならない」

衆院予算委員会の中央公聴会で、大手金融機関の担当者が力を込めた一節である。

与野党とも指摘を胸に刻み、参院の審議に臨んでほしい。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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