2017年02月27日

[東京新聞] 米欧の溝 価値観共有で真の絆を (2017年02月27日)

米トランプ政権幹部らが米欧の結束を確認した。欧州は安堵(あんど)したが、強硬なトランプ大統領との溝は、なお深い。人権重視や国際協調などの価値観共有を訴え、真の信頼関係を築きたい。

トランプ氏は選挙期間中、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)を「時代遅れ」と批判し、ロシア寄りの発言を繰り返していた。欧州連合(EU)からの英国の離脱決定を称賛した。欧州の不信は強まっていた。

今月、NATO国防相理事会に初めて出席したマティス米国防長官は「米国は責任を果たす」と述べ、ペンス米副大統領はドイツ・ミュンヘンでの安全保障会議で「NATOへの関与を続けていく。ロシアには責任を負ってもらう」とロシアへの強い姿勢を示した。

ペンス氏はEUとの連携強化も明言した。欧州の懸念はひとまず払拭(ふっしょく)された。

マティス、ペンス両氏とも、NATOを支える国防費増額を加盟各国に求めた。メルケル独首相は要求に応じる考えを示した。

しかし、これでは既定路線にすぎない。かろうじて確認されただけの絆では心もとない。

不安要因も多い。

トランプ氏が敵視する米CNNテレビによると、トランプ氏への影響力が強いとされるバノン首席戦略官兼上級顧問は、ペンス氏訪欧の一週間前、独外交官に、EUには欠陥があり、加盟各国との二国間の関係強化を望んでいる、と伝えたという。ペンス氏、バノン氏どちらの対応がトランプ政権の本音なのか、混乱は広がる。

さらに問題なのが、米欧の価値観共有が揺らいでいることだ。

宗教差別にも映るイスラム圏七カ国からの入国禁止に固執し、メディアを敵視し言論の自由を軽視する、トランプ氏の政策は欧州で強い反発を呼んでいる。

トランプ氏は、ありもしないスウェーデンの「テロ」まで引き合いに出して、移民の脅威を強調した。そもそも欧州への関心があるのだろうか。

日本も共有する人権などの価値観の軽視は、先進七カ国(G7)などの枠組みの存在意義にも関わり、国際秩序をも覆しかねない。

欧州自体が難民問題などで揺れるが、協調を確認し、思いを一つにするよう米国に訴え続けたい。トランプ氏は聞く耳を持たないかもしれないが、毅然(きぜん)と是々非々で向き合いたい。ディール(取引)だけの関係はもろい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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