2017年02月27日

[日経新聞] 審査待ち原発の安全対策を引き締め直せ (2017年02月27日)

再稼働に向けて審査中の原子力発電所で、安全対策の不備が相次いで見つかった。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では事故対応の拠点となる免震棟の耐震性が不足していた。中部電力浜岡原発(静岡県)でも非常時に使う設備で欠陥工事が明らかになった。

問題がなぜ生じたのかは原子力規制委員会などが調査中だが、これらの原発は審査が長引いたり、後回しになったりしている点で共通する。電力会社が早く再稼働させたいと焦り、審査がさらに延びるのを恐れて、対応や報告を怠った疑いが強い。

東電や中部電は安全確保に万全を期すことを誓って審査を申請したはずだ。その意識にゆるみが生じているのなら、看過できない。両社は問題の根っこにあるものを調べ、安全対策を引き締め直すべきだ。審査中の原発をもつ他の電力会社も安全策の再点検が要る。

柏崎刈羽6、7号機の免震棟は2014年の東電社内の試算で耐震性の不足がわかっていた。だが社内で情報を共有せず、規制委にも事実と違う説明をしていた。

規制委の田中俊一委員長が「組織として信頼できるのか、疑義を持たざるを得ない」と述べたように、東電の安全への意識が根底から疑われる問題といえる。

浜岡3、4号機でも、事故時に格納容器の圧力を下げる設備で、配管の金具100カ所以上を規定外の方法で取り付けていた。中部電は「担当した社員が工程の遅れを心配し、規定が守られなかった」と説明している。

2つの原発は「沸騰水型」と呼ばれる。国内の原発のうち西日本に多い「加圧水型」は、内定を含めて12基が審査に合格した。一方で、沸騰水型は10基が審査中だが、合格はまだゼロだ。事故を起こした福島第1原発と同型であるため、審査の項目も多い。

これらの原発の大半は運転停止が5年以上に及び、作業員らの士気が低下していないかも心配だ。工事や検査の記録を社内で共有して改善策を助言しあうなど、組織として安全への意識を高めていく取り組みが欠かせない。

沸騰水型の審査の長期化について、規制委は「多くが地震リスクの高い地域に立地するためで、必要以上に時間をかけているわけではない」としている。念入りに審査するのは当然だが、どの原発に審査員を重点配置するかや審査の順番は、見直す余地がある。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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