2017年02月27日

[日経新聞] 米温暖化対策の後退が心配だ (2017年02月27日)

米環境保護局(EPA)長官に、地球温暖化対策などに反対するスコット・プルイット氏が就任した。温暖化に懐疑的なトランプ大統領の意を受けた人事で、米国の対策が後退するのは確実だ。

プルイット氏はエネルギー産業が集まるオクラホマ州の司法長官を長く務め、環境規制が行き過ぎであるとして環境保護局を相手取り訴訟を繰り返してきた。エネルギー関連企業との過去の緊密な交流も明らかになっている。

長官への就任挨拶では職員に「エネルギー開発を進め雇用を生みつつ、環境を大切にすることは可能だ」と語った。経済成長と雇用創出を最優先するトランプ政権の方針に沿った考えだ。

今後、火力発電所の温暖化ガス排出規制の撤廃に加え、石炭開発規制や水質汚濁防止策の緩和などに動くとみられる。政策転換の影響は米国内にとどまらない。

世界2位の温暖化ガス排出国である米国は、1位の中国とともに新しい温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の早期発効を主導した。米国が削減目標をないがしろにすれば、ただでさえ難しい世界全体の目標達成はさらに遠のく。

そうした事態を避けるため、日本や欧州連合(EU)の役割は一層大きくなる。これから本格化するパリ協定の細則づくりでは、米国に代わって影響力を増す中国との連携も重要になる。

環境保護局は長期にわたる気象観測データなどを蓄積し、広く公開してきた。プルイット氏の下で、データ利用が制限されるのではないかとの懸念も出ている。

すでに米大統領府のホームページからは、温暖化に関する多くの情報が消えた。19日には、トランプ大統領が科学的な事実を軽視しているとして数百人の科学者がボストンで抗議集会を開いた。

大統領の主張と合わない科学研究やデータの公開を拒む姿勢は、温暖化対策だけでなく科学技術全体の進展を妨げかねない。世界の不利益になることを、米政府は常に認識してほしい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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