2015年03月31日

[産経新聞] 【主張】イスラエル 和平への努力を再び示せ (2015年03月31日)

イスラエルのネタニヤフ首相は、今月の総選挙の結果を受けて、新政権発足に向けた連立交渉に着手した。

対パレスチナ強硬派のネタニヤフ氏は、与党・リクードを中心とした右派連立政権を目指す方針だとされる。

どのような政権となるにせよ、パレスチナ和平交渉の停滞についてネタニヤフ氏に厳しい目が注がれてきたことを忘れてはならない。まず交渉を再開させ、和平への道筋を国際社会に示してもらいたい。

ネタニヤフ氏に組閣を要請したリブリン大統領は記者会見で、対米関係改善を新首相への注文の最初に挙げた。

ネタニヤフ氏は投票直前、右派票獲得を狙ってパレスチナ国家樹立を認めないと発言し、オバマ米政権の激しい反発を招いた。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」案は、米国だけでなく国際的に広く認知されている。ネタニヤフ氏も受け入れていたはずだ。

その後、米メディアで軌道修正を図ったが、内外で発言を使い分けるようでは一国の指導者としての信頼を損ないかねない。国際法違反とされる占領地でのユダヤ人入植地建設も凍結すべきだ。

イラン核開発を制限する国際協議についての姿勢にも問題があった。米政府への断りもなく、共和党の招きで訪米し、「非常に悪い取引だ」と断じた。イランの核武装に対するイスラエルの懸念は理解できる。だが、交渉の内容に言及し、批判することはかえってイランを利することになる。賢明な外交姿勢とはいえまい。

イスラエルは米国の中東政策の要であり、それが揺らぐことは双方の利益にならない。ネタニヤフ氏は可能な限り中道に近いパートナーを連立に引き入れ、穏健な政策をもって米国をはじめとする各国の懸念を払拭してゆくことが大切だろう。

パレスチナ側にも、イスラエルの新政権に柔軟に対応し、交渉再開に協力する責任がある。

日本とイスラエルは、昨年5月にネタニヤフ首相、今年1月に安倍晋三首相と相互訪問が実現し、サイバーテロ対策やインテリジェンス(諜報)での協力、投資協定の年内締結などで合意した。

日本はイスラエルとの関係を強化しつつ、中東和平についてはネタニヤフ氏に粘り強く交渉進展を促してゆきたい。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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