2014年11月13日

[読売新聞] 北京APEC 中国は「責任大国」になれるか (2014年11月13日)

「アジアの盟主」を目指し、より積極的な外交を展開する中国の姿勢が鮮明になった。だが、まず求められるのは、「責任ある行動」である。

北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の「早期実現」を目指すことなどを盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕した。

議長の習近平国家主席は、FTAAP工程表の合意について「歴史的な一歩だ」と自賛した。

中国は当初、FTAAPの実現目標として「2025年」を宣言に盛り込むよう主張した。だが、環太平洋経済連携協定(TPP)を重視する日米などが反対すると、あっさりと譲歩した。合意形成を優先したのだろう。

01年上海APECの際、世界6位だった経済規模は今や2位となり、中国は自国主導のアジア秩序構築を戦略目標に据える。今回は日米などとの協調と、近隣国の囲い込みを使い分けたと言える。

後者の代表例が、ミャンマーなどAPEC未加盟のアジア諸国の首脳を招き、自ら提唱する経済圏構想の推進を図る「シルクロード基金」創設を発表したことだ。

習氏はAPEC閉幕後のオバマ米大統領との会談で、テロ対策や北朝鮮、イランの核問題での協力強化で合意した。温室効果ガスの排出削減では、それぞれの新しい数値目標を掲げた。

習氏としては、米中の「蜜月関係」を演出し、中国の「責任ある大国」の姿をアピールしたいのだろう。それなら、国際公約を確実に履行すべきだ。北朝鮮にも核放棄を真剣に迫る必要がある。

オバマ氏は、香港行政長官選挙を巡る学生デモについて、中国に「人々の声を反映した透明で公正な選挙」の実施を呼びかけた。サイバー攻撃自制も求めた。

中国は、こうした国際社会全体の懸念事項についても正面から向き合ってもらいたい。

東・南シナ海などでの「力ずくの外交」は「中国異質論」を広め、日米など関係国の安全保障協力の強化を招いた。中国には孤立感が漂う。海外からの投資も減少し、成長の足かせになっている。

「力」を基調とする習政権の外交姿勢の背景には、共産党内部の権力闘争の火種や、民族主義的な傾向を強める世論がある。

だが、腐敗摘発を通じ、習氏の権力基盤は強まっていよう。強硬一辺倒でなく、協調を重視した外交に軸足を移すことが、中国の国益にもかなうのではないか。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 安来の権威ある博士たちは、それは神話の世界だとロイターに伝えている。
Posted by 十神山 at 2015年10月15日 20:49
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