2014年10月31日

[毎日新聞] 社説:大学入試改革 手間をかける決意こそ (2014年10月31日)

よく考え、判断し、表現ができて主体性がある。これらの力をどう見いだし、評価するか。

容易ではないが、中央教育審議会がまとめている大学入試改革の答申案は、これを選抜試験の主眼とし、学校教育の質的転換もうたう。

高校の段階で「大学入学希望者学力評価テスト」と、基本を確認する「高校基礎学力テスト」の新たなテストを提案した。複数回受けられ、グローバル時代に即して英語は民間の検定試験などの活用を考える。

「学力評価テスト」は、今の大学入試センター試験が切り替えられるものだ。将来は教科・科目別の試験ではなく、枠を超えた「合教科・科目型」「総合型」試験のみにする。

その成績は受験生と志望する大学へ提供されるが、1点刻みではなく、レベル別に表示する。

各大学は、どんな学生を受け入れ育成するかの指針(アドミッションポリシー)を明確に示し、「学力評価テスト」に加えて小論文、面接、集団討論など独自に工夫した個別試験の実施を強く求められる。

大学入試改革は、試行錯誤の連続だったといっても過言ではない。

経済成長に伴う進学率向上と受験競争の過熱、ふるい落とすためだけの難問・奇問の横行などから改革機運が高まり、国公立では1979年に共通1次試験が始まった。

1次で基礎学力の共通試験、大学で個別試験だったが、共通のため偏差値序列が生まれるという弊害が出て90年、センター試験になる。

私立大も自由に参加し、受験生は志望校が指定する科目を受け、各大学は独自に個別試験をする。

しかし、これも少子化を背景に受験生獲得競争が強まると、科目を少なくする大学や、センター試験結果だけで選抜する大学が増える。

また、面接や論述などで特性をみるはずのアドミッション・オフィス(AO)や推薦入試も形骸化が指摘される。学力低下が論じられ、高校課程の復習をする大学も多い。

今回の改革案もこの危機感が底にある。新テストで学習の「動機づけ」をし、高校と大学との接続を円滑にする。専門的な制度設計はこれからだが、課題は山積している。

例えば、1点刻みの順位を当たり前としてきた「試験文化」をどう改めるか。教科・科目を超えた出題とはどのようなものか。大規模大学でどう対処できるのか。肝心の大学教育をどう変えるか……。

これまでの制度でなぜうまくいかなかったか。まず挙がるのは、手間を惜しんだことではないか。

入学者選抜には丁寧に手をかける。それが共通認識として醸成できるかどうかに成否がかかる。

2014年10月31日 02時40分
posted by (-@∀@) at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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