2014年10月30日

[東京新聞] 香港占拠1カ月 法治は党のためだけか (2014年10月30日)

香港の学生が民主化を求めて中心部を占拠してから一カ月。政府との対話が物別れになり、事態収拾の糸口は見えてこない。双方が対話を絶やさず、平和的な解決を図る努力が必要だ。

三年後の行政長官の選出方法をめぐり、完全な普通選挙の実施を求める学生らの香港中心部占拠は、先月二十八日に始まった。

この間、香港当局との対話も開かれた。学生側は、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会が決定した事実上、民主派が立候補できない選挙方法の撤回をあくまで求めた。香港政府はこの要求を全面拒否。全人代の決定を変更する権限は香港には、ないこともはっきりした。学生らが決定の全面撤回を求める限り、対話による香港政府との合意は難しい。

香港政府は対話の中で、二〇一七年より後の長官選での改善を示唆、現在の状況を中国政府に報告することも提案した。妥協案を示しつつあるともいえる。

その中国では共産党中央委員会の第四回全体会議が開かれ、法に基づく国家づくりを進めることを明確にした。同時に一党独裁の堅持も鮮明にした。中国の憲法に従い党の指導が最優先で法はその下に位置付けられ、欧米型の法治とは異なる。

香港問題では、「法による一国二制度の実践と推進」を確認したという。法は香港基本法で、学生たちの行動は違法との見解を示している。中国が一国二制度を推進するなら国際社会が納得する法治であってほしい。

繁華街の占拠はいつまでも続けられるものではない。日常生活を阻害され、反感を抱く市民も出ている。占拠反対派の市民が集めた署名は四日間でほぼ百万人に上ったという。

学生内部でも当局との話し合いで段階的な目的達成を考える穏健派と、普通選挙を勝ち取るまで占拠を続ける強硬派との足並みの乱れもあり、統制が取れていない。

市民同士の衝突だけは避けねばならない。十一月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)が終わるまでは、中国政府は国際的な批判を受ける強硬措置は取らないとの見方は強い。しかし、強制排除がいつあっても不思議ではない状況だ。

香港市民の多くは全人代決定の撤回は、すぐには不可能であることを認識しており、段階的な解決を求める考えも強い。学生の主張には共感できる。平和的な収束の道は最後まで貫いてほしい。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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