2014年10月30日

[読売新聞] 新ODA大綱案 平和目的の軍支援は進めたい (2014年10月30日)

政府開発援助(ODA)をより戦略的に活用し、日本の外交力を強化することが重要である。

政府が、ODA大綱に代わる「開発協力大綱」の原案を公表した。大綱改定は11年ぶりで、意見公募を経て12月に閣議決定する。

原案は、道路建設、災害救助など、軍隊の非軍事目的の活動に対する支援について「実質的意義に着目し、個別具体的に検討する」として、容認したのが特徴だ。

外務省の有識者会議が6月、軍隊への民生目的のODAに関して「一律に排除すべきではない」と提言したのを踏まえたものだ。

現在は、軍隊が関与する活動へのODAは厳しく制限されている。軍関係者に対する研修も難しい。だが、途上国では、大規模災害の対処、復興、感染症対策などで軍隊が活動する例が多い。

こうした実情に合わせて、ODAを活用するのは妥当である。

安倍政権が掲げる「積極的平和主義」とも合致しよう。

防衛省は、東ティモールでの車両整備など、軍関係者の人材育成のために自衛官を派遣し、能力構築支援活動を行っている。こうした活動とODAを組み合わせ、効果を高めることが大切だ。

原案は重点課題として、「自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配」などの普遍的価値に基づく支援を明示した。中国を念頭に、東南アジア諸国などとの連携を強化するのは適切である。

平和構築支援として、途上国の海上保安や治安維持、テロ対策の能力強化などを列挙している。

こうした支援は、日本の海上交通路(シーレーン)の安全確保につながり、国益に資する。

原案は、経済協力開発機構(OECD)の基準では「ODA卒業国」となった中所得国も、新たに支援対象とすることを明記した。災害に弱い太平洋やカリブ海の島嶼(とうしょ)国などを想定している。

従来のODAの枠にとらわれず柔軟な支援を可能にすることは、日本の国際貢献の幅を広げる。国連安全保障理事会の改革などで、より多くの国の協力を得るための有効な外交カードとなろう。

ODAと、国際協力銀行など政府系金融機関や民間企業による投融資を連動させ、相乗効果を上げる考えも原案に盛り込まれた。

菅官房長官は「ODAを触媒に、官民一体でインフラ整備を支援することは重要だ」と語る。ODAを呼び水に日本企業の海外活動を拡充し、日本と被支援国の双方が利益を得る関係を構築したい。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック