2014年10月03日

[日経新聞] 買い取り中断で再生エネを後退させるな (2014年10月03日)

太陽光など再生可能エネルギーでつくった電気について、電力会社が買い取りを中断する動きが広がっている。九州電力が9月下旬から、発電事業者との新規契約を保留しているほか、東北電力など4社も当面保留するとした。

2012年に再生エネルギー買い取り制度が始まり、電力会社は発電事業者から電気を買い取る義務がある。この制度で太陽光が急拡大し、発電設備は計画分を含めて大型火力発電所70基分の7千万キロワットに増えた。買い取り中断は順調だった再生エネルギーの拡大に水を差す。憂慮すべき事態だ。

電力会社は保留の理由として、申請通り受け入れると安定供給に支障をきたすと説明している。太陽光は天候に左右され、晴れた日の昼間に発電量がピークになる。これをすべて受け入れると各社の送電網の容量を超え、周波数が変動して工場の操業などに悪影響が出る恐れがあるとしている。

経済産業省は有識者会議を設けて対応策の検討を始める。そこではまず、電力会社が言うように本当に電気の受け入れが困難なのか、きちんと検証すべきだ。電気が余っても電力会社間で融通したり、揚水発電所に回したりして蓄える手段はある。これらをフル活用しても対応できないのか。電力会社はデータを開示すべきだ。

そのうえで電力会社に自助努力を求めたい。電力市場は2年後に小売りが全面自由化され、電力会社はいまの営業地域を越えて電気を売れるようになる。こうした広域の供給ができれば需給を調整しやすくなり、再生エネルギーの受け入れ量も増やせる。電力会社はその体制づくりを急ぐべきだ。

同時に、買い取り制度自体の抜本的な見直しも避けられない。これまで太陽光の買い取り価格は事業者に有利に設定されたため、新規参入が殺到した。経産省の対応が後手に回ったことも混乱に拍車をかけた。

だからといって買い取り量に上限を設けるのではなく、事業者が適正な規模で参入できる仕組みが要る。現行制度では電力会社が支払った分は一般の電気料金に転嫁される。消費者の負担増をできるだけ抑える視点も欠かせない。

原子力発電所の再稼働がなお不透明ななか、国内で賄え、温暖化ガスを出さない再生エネルギーの役割は大きい。持続的に伸ばすため、買い取り制度だけに頼らない導入策も真剣に考えるときだ。
posted by (-@∀@) at 12:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
再生エネルギー新規買取中断の解決法は簡単で、北海道、東北ならば、同じ50hzの東京へ、九州、四国、中国は同じ60hzの関西へ融通すればいいだけの話だろう。
Posted by 龍に牛 at 2014年10月03日 15:15
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