2009年02月28日

[朝日新聞] 小沢発言―民主党の政策は大丈夫か (2009年2月28日)

軽率な発言で物議をかもすのは、麻生首相の専売特許ではないようだ。ただし、こちらは言葉が足りない。

民主党の小沢代表が在日米軍の再編をめぐって、記者団にこう語った。

「(米海軍)第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」

民主党政権になれば、在日米空軍や海兵隊などにはすべて撤収を求めるということなのか。そのぶんを自衛隊を増強して埋めようということなのか。クリントン米国務長官との会談で強調した「対等」な日米同盟と同じ脈絡でのことなのか。

真意はよく分からないが、事は日米安保体制のあり方の基本にかかわる。

きのう、改めて真意をただした記者団に小沢氏はこう説明した。

「日本の防衛はできる限り日本が果たしていけば、米軍の負担は少なくなる。ごくごく当たり前の話だ」

ならばなぜ「第7艦隊で十分」とまで言えるのか。問題は説明がまったく足りないことにある。民主党内にも戸惑いが広がっているのは当然だ。

このままでは、小沢氏個人の見識や国民への説得力はもちろん、民主党の政権担当能力まで疑われかねない。

政局的な面からも、理解に苦しむ。超低空飛行の麻生政権を、さあ追い詰めようという時期に、政府与党に格好の反撃材料を与えてしまった。

なぜこんな生煮えの発言をしたのだろう。背景には、安全保障政策をめぐる党内の論議や合意づくりを避けようとしている事情もあるのではないか。

民主党には、自民党から旧社会党まで多様な出自の議員がいる。とりわけ安全保障をめぐる主張の幅は広い。だからこそ十分に時間をかけた政策論議が欠かせないのに「政策より選挙区を回れ」という小沢氏の指令もあって、マニフェストづくりは滞ったままだ。

安全保障だけではない。大勝した一昨年の参院選のマニフェストを基本にするにしても、昨秋、世界を襲った金融危機をきっかけに、日本を取り巻く環境は激変している。

この未曽有の世界同時不況にどう立ち向かうのか。雇用や福祉をどう守っていくべきなのか。民主党の政策的な打ち出しが弱いと感じている有権者は少なくなかろう。

民主党は、政権交代によって、自民党政治を根本から変えると主張している。だが、米軍再編は日米両国がいま直面している課題だ。民主党が政権を取れば逃げることはできない。大胆な改革をめざすならなおのこと、具体的な青写真をきちんと示し、有権者を説得する作業が欠かせないはずだ。

小沢氏に求めたい。国民にもっと丁寧に説明すべきだ。首相に直接、論戦を挑む姿勢ももっとほしい。そのうえで、自らが先頭に立ってマニフェストづくりを急ぐべきだ。
posted by (-@∀@) at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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