90年代のバブル経済の崩壊から10年余りの間に、野球、陸上、ラグビー、バレーなどの名門、強豪から300を優に超えるチームが消えた。
それから10年もたたないうちに再び荒涼とした光景が広がり始めている。
モータースポーツではホンダがF1撤退を表明した。世界ラリー選手権からはスズキと、スバルの富士重工業が撤退を発表し、日本車はこのシリーズからすべて姿を消すことになる。
アイスホッケーの名門、西武も今季限りでの解散を発表。アメリカンフットボールの強豪オンワードも、今季で30年近い歴史に幕を閉じる。
ホンダでいえばF1のチーム運営には年間500億円以上かかるという。撤退との経営側の決断にも無理からぬところはある。その一方、胸にすとんと落ちない撤退や休廃部もある。
社員の士気高揚や福利厚生を目的に始まった戦後の企業スポーツは、高度経済成長とともに拡大・充実し、各競技の頂点を支える仕組みとなった。
結果として企業の広告、宣伝の色が強まり、それがバブル経済の崩壊による休廃部ラッシュの導火線にもなった。今回も広告費と同じように削られているケースが多いのではないか。
そんな状況のもと、現場では従来と違う流れが見え始めている。
アメリカンフットボールで来季のXリーグ昇格を決めたブルザイズ東京は、年間数千円から10万円程度の会費を負担する「市民株主」によるクラブづくりを進めてきた。純粋の企業チームが減り続けるこの競技では、選手側が新しい仕組みを模索し始めている。
かつてのアマチュア的な企業スポーツを再評価する動きも出てきた。社会人野球の熊本ゴールデンラークスは地元のスーパーマーケットが親会社だ。選手は全員が売り場に立つ。
競技のレベルが上がり、企業所属でも競技に専念する選手が増えてきた流れに逆行している。しかし、このチームの選手には現役引退後の不安がない。創部3年で、すでに2年連続で都市対抗に出場。「県民に愛されるチームに」と企業名は外し、買い物客の勝手連的なファンも生まれている。
この苦境を、スポーツと企業と地域社会の関係を再構築する契機にしよう。人材も必要だろう。大学ではスポーツビジネスやマネジメントを学ぶ学科などが、ここ数年で急増している。教育との連携も大いに深めたい。
ところが行政は、学校・プロスポーツが文部科学省、企業スポーツは経済産業省と担当が分かれている。縦割り構造にメスを入れ、総合的なスポーツ振興を考えるべき時にきている。


