国体が開かれた大分県で、11日から第8回全国障害者スポーツ大会が開かれている。今回は歴史的な大会だ。
精神障害者が正式競技に初めて参加した。男女混合のバレーボールに、全国の予選を通過したチームと開催県からの計7チームが出場し、優勝を争う。障害のある人たちのスポーツを通した社会参加がさらに広がるわけだ。
障害者スポーツの全国大会は身体障害者が一番早く、1965年に第1回が開催された。92年には知的障害者の大会が続いた。二つの大会は2001年に統合された。
精神障害者の間ではバレーボールなどが盛んだったが、そのころは全国大会もなく、参加は見送られた。
それでも関係団体や精神障害者自身の努力によって、01年にはバレーボールの独自の全国大会が開催された。02年からは全国障害者スポーツ大会のオープン競技となった。こうした積み重ねが今回の正式参加につながった。
02年につくられた政府の障害者基本計画が、精神障害者のスポーツは他の障害者に比べて遅れており、振興すべきだとしたことも参加を後押しした。
高知市を拠点とする龍馬クラブは、中国・四国ブロックの代表として出場した。01年に結成され、過去の大会で何度も優勝している強豪チームで、メンバーは職についている人もいれば、作業所などに通っている人もいる。
コーチ役の保健所の相談員らが、選手の体調にも気を配る。監督はボランティアで週1回の練習を指導する。
各地の大会に参加するには、飛行機に乗ったり、宿泊をしたりする必要がある。ふだん遠出することが少ないメンバーにとっては生活環境が大きく変わるが、仲間同士の助け合いもあって、乗り越えてきたという。
好きなスポーツをすれば、充実感が得られ、チームプレーでは人間関係を築く力も鍛えられる。全国大会に参加できるようになれば、なおさらだ。
そうしたことを、障害者もごく普通にできるように条件を整えるのがノーマライゼーションの考え方だ。その点で今回、精神障害者が全国スポーツ大会に参加する意味は大きい。
精神障害者のスポーツは少しずつ広がりを見せている。昨年秋、大阪府内の8チームが参加してフットサルの大会が初めて開かれた。
昨年は運営に協力したガンバ大阪が、今秋の大会では主催者になる。Jリーグのスポーツ振興支援費で、ガンバ大阪は月に2回、府内の精神障害者のサッカーの指導もしている。
スポーツで競い、感動することにおいて、健常者と障害者に違いはない。そうした思いを大切にして、「共生社会」への道を歩みたい。


