2020年03月19日

[東京新聞] 自民運動方針 この期に及び改憲とは (2020年03月19日)

自民党が採択した今年の運動方針。前文に続き「改憲原案の発議に向けた環境を整えるべく力を尽くす」と明記したが、新型コロナウイルス対策など改憲よりも優先すべきことがあるのではないか。

運動方針は、政党が一年間に重点的に取り組む活動内容を列挙したもので、党員には活動の指針となる重要文書だ。通常、党の最高機関である党大会で採択される。

自民党も当初、全国から党員代表が集まる党大会を三月八日に開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で開催を見送り、代わりに党所属国会議員のみによる両院議員総会を十七日に開き、運動方針を採択した。その判断はやむを得まい。

問題は運動方針の内容である。

前文に続き、「新たな時代にふさわしい憲法へ」との項目を立てて、改憲に向けた決意を強調。

自民党が(1)自衛隊の明記(2)緊急事態対応(3)合区解消・地方公共団体(4)教育充実−の条文イメージをまとめたことに言及、「改憲原案の国会発議に向けた環境を整えるべく力を尽くす」と述べている。

一九五五年の結党以来、「現行憲法の自主的改正」を党是とする自民党が、改憲を目指す方針を打ち出すことには何の異論もない。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で国民生活や企業活動への影響が深刻化しつつある中、改憲を運動方針の筆頭に挙げ続けることには違和感を禁じ得ない。

二階俊博幹事長が記者団に「改憲議論を持ち出すのは適当ではない。もう少し落ち着いてから対応すべきだ」と述べたのも当然だ。

運動方針は昨年七月の参院選で「(改憲)議論を前に進めよ」との国民の強い支持を得た、とも記しているが、参院選で自民党は第一党を維持したものの議席を減らし、参院の「改憲勢力」は改憲案発議に必要な三分の二を割った。

共同通信社が二月中旬に行った全国電話世論調査では、安倍首相の下での改憲に反対と答えた人は56・5%と半数を超える。参院選や世論調査の結果を見る限り、改憲議論の推進が国民の声とはとても言えまい。むしろ拙速な議論を戒めているのではないか。

そもそも運動方針の案が総務会で了承されたのは二月二十一日。それから三週間余りの間に修正しようと思えばできたはずだ。

政党の都合が優先され、国民の暮らしが後回しにされてはならない。今こそ「政治は国民のもの」という原点に立ち返り、国民の声に謙虚に耳を傾けるべきである。
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[東京新聞] 新型コロナ検査 態勢拡充へ連携急げ (2020年03月19日)

新型コロナウイルス感染症の検査に公的医療保険が適用されて二週間がたつ。適用は検査態勢の強化に役立つが、まだ適用例は少ない。患者増に備え民間検査機関との連携をさらに進めてほしい。

感染状況を正確に知るにはより多くのPCR検査ができる態勢が必要だ。その努力はすべきだが、整備には時間がかかる。

だから、今ある検査機関を効率的に動かすしかない。だが、保険が適用された検査は三月六〜十六日までで四百十三件、検査全体の約3%だ。一層の拡大を求める。

感染が疑われる人は保険適用前は各地の相談センターに電話し、専門外来の紹介を受けて受診、専門外来からの要請で保健所などが検査するか否かを判断してきた。

ところが専門外来が検査が必要と判断しても、保健所が断るケースが問題となっていた。民間検査機関も含めた検査能力より少ない件数しか実施されていなかった実態も判明した。

そこで政府は、保険適用とすることで専門外来の医師が必要と判断したら保健所を通さず直接、民間検査機関に検査を依頼できるようにした。かかりつけ医も専門外来に依頼ができるようになった。医師の判断が尊重される点は前進だ。患者の安心にもつながる。

医療保険から費用を給付されることで参入する民間検査機関が増えれば検査件数も増えるだろう。政府は三月末までに一日七千件の検査を可能にする方針だ。まだ必要な検査が実施できず検査態勢の運用に問題があるのなら、早急に改善してほしい。

ただ、患者が相談センターに連絡し、専門外来の医師が検査の必要性を判断するルールは変わらない。患者の希望で自由に検査を受けられるわけではない。政府はこの点を繰り返し説明すべきだ。

PCR検査は精度に限界がある。感染していないのに一定の割合で陽性と出たり、その逆もあるといわれる。感染の可能性が低い人まで対象を広げると間違って判定される人が増え、かえって混乱を招きかねない。誤解を招かないよう政府は検査の実態も分かりやすく説明する責任がある。

軽症でも感染への不安は同じだ。身近で相談できるかかりつけ医の役割は大きい。相談センターも丁寧に相談に乗ってほしい。

医療の役割は重症化する人や亡くなる人を増やさないことだ。その観点から検査も感染疑いのある人を優先して対応すべきだろう。
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[産経新聞] 【主張】地下鉄サリン25年 脅威は過去のものでない (2020年03月19日)

日本だけでなく世界が震撼(しんかん)し、慄然とした。

平成7年3月、東京都心を通る地下鉄3路線で猛毒の化学剤サリンが散布され、13人が死亡、約6300人が負傷した。世界で初めて、大都市部で大量破壊兵器が使用された無差別テロ、地下鉄サリン事件から、20日で25年となる。

一昨年には、この未曽有の事件を引き起こしたオウム真理教の麻原彰晃元教祖ら13人の死刑が執行された。

だが、今も元教祖に帰依しているとされる後継団体は複数存在し続け、しかもその資産を増やしている。

公安調査庁によると、後継団体の資産は約13億円で、過去最高額となっている。「オウムは過去の存在」とはとてもいえない。

東京高裁は1月、最大の後継団体「アレフ」に被害者側への未払いの賠償金、10億2500万円を支払うよう命じたが、被害者側弁護士らによると、アレフは支払いに消極的だという。

勧誘方法も巧妙化している。

「薬膳料理を楽しむ」などと美容や健康促進を打ち出して教団施設に誘い込んでいる。信者数は横ばい状態ながら、毎年100人ほど若い世代の出入りがあるという。一連の事件を直接知らない世代に接近して心のスキにつけこんでいるのだ。

事件で地下鉄職員の夫を亡くした高橋シズヱさんは「日本の社会には『一難去ったら終わり』としてしまうところがあるのではないでしょうか」と問いかける。

高橋さんらは「事件を後世にも広く知ってもらおう」と、毎年3月に集会を開いてきたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった。集会を今年で最後にすることを決めていたという。遺族や被害者の高齢化が進み、当事者を中心とした集会の開催は負担が重くなっていたからだ。

事件の悲惨、非道ぶりを後世に伝えることは未来の日本や将来の世代を守る活動であり、被害者だけに背負わせてはいけない。

化学兵器の脅威は過去のものではない。

例えば、北朝鮮は大量の化学兵器を保有し、29年2月にはマレーシアの空港で、化学兵器の一種であるVXガスを用いて金正男氏を暗殺した。日本は化学兵器によるテロや破壊工作、攻撃への備えを怠ってはならない。
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[産経新聞] 【主張】春闘回答 賃上げの必要性は不変だ (2020年03月19日)

春闘交渉を牽引(けんいん)する自動車や電機など大手メーカーの経営側による一斉回答で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)が低水準にとどまった。家計を後押しするにはいかにも力不足だ。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界経済が後退する懸念が急速に高まる中で、経営側は最後まで賃上げに慎重な姿勢を崩さなかった。ベアの引き上げを中心とする、ここ数年の賃上げ機運は水を差された格好である。

世界情勢は大きく揺れ動いており、当面は賃上げよりも経営悪化に備え、雇用確保を優先したいという判断なのだろう。ただ、人材投資を含む継続的な賃上げの必要性は不変である。各社が経営状況に応じて積極的な賃上げに取り組むことが欠かせない。

新型コロナウイルスが影を落とす交渉となった。政府が大型イベントの自粛を要請し、労組の集会が相次いで中止となった。組織力をアピールできず、労使協議は平行線が目立った。

トヨタ自動車が7年ぶりにベアを見送り、業績が悪化する鉄鋼各社もベアゼロで決着した。ベアを出す企業でも昨年実績を下回るところが多く、連合の初回集計でベアと定期昇給を合わせた賃上げ率は1・91%と2%を割り込んだ。基本給を上げるベアを増やせば、固定費が高止まりするという経営側の論理を打ち崩せなかった。

しかし、賃金が伸び悩めば、ただでさえ停滞感の強い景気を、さらに弱めかねない。経営環境の激変に備えることも大事だが、守りの姿勢ばかりでは企業の成長は期待できない。賃上げや設備投資などを通じて、事業基盤の強化に取り組むべきである。

業界横並びの交渉も限界を迎えている。産業別労組が一致して経営側に賃上げを要求してきたが、企業の業績格差が広がり、事業構造も各社で異なる。横並び交渉では本来、獲得できるはずの賃上げも得られなくなる恐れがある。

今春闘では経団連が年功序列を排し、成果を出した人への配分を重視する姿勢を打ち出した。硬直的な人事制度を改革しなければ優秀な人材の獲得も難しい。労組側が成果を重視した処遇に一定の理解を示したのは前進といえる。

継続的な賃上げは、収益の確保が前提となる。そのためには労使で生産性向上などに取り組むことも重要である。
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[毎日新聞] テロ対策遅れ原発停止 安全軽視が招いた結果だ (2020年03月19日)

九州電力川内原発1号機が、運転を停止した。整備が義務づけられていたテロ対策施設が、期限内に完成しなかったためだ。2号機も同じ理由で5月20日に停止する。

原発のリスクは地震や津波だけではない。米原子力規制委員会は2001年の米同時多発テロを契機にテロ対策をまとめ、日本も13年施行の新規制基準に盛り込んだ。

航空機などが原子炉建屋に衝突するような事態を想定している。隣接する制御室が壊れても原子炉を冷やし続けられるよう、100メートル以上離れた場所に緊急時制御室や冷却用ポンプを設置しなければならない。

東京電力福島第1原発の事故では、全電源喪失により原子炉が冷やせなくなり、炉心溶融が起きた。さらに水素爆発が発生し、大量の放射性物質が放出された。

原子力規制委員会の更田豊志委員長は今月、「あのときの強い後悔を忘れてはいけない。1000年に1度のリスクにも備えるために規制がある」と振り返った。

大事故につながりかねないテロは、原発では当然想定しなければならないリスクだ。対策施設も、本来なら再稼働の時点で完成しているべきものだ。

対策施設の完成期限は当初「新規制基準施行から5年以内」だった。再稼働審査が長引いたため延長された。新たな期限は、各原発が新規制基準に適合した後、安全対策などの工事計画が認可されてから5年以内となった。

福島の事故後、最初に再稼働した川内1号機が今回、その期限を迎えた。5年の猶予を与えられながら間に合わなかった。安全軽視と受け取られても仕方ない。

再稼働した原発は関西、四国、九州の3電力で9基あり、いずれも対策施設の整備は遅れている。関電高浜3、4号機も今年中に停止する。

停止による減収は避けられず、その間の電力不足を火力発電で補おうとすれば、追加の燃料代も発生する。テロ対策以外にも、安全対策費は増える一方だ。「原子力は安価で安定した電源」という、かつてのうたい文句は色あせている。

安全への取り組みにゴールはない。今回の運転停止は、その基本をないがしろにした結果ではないか。
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[毎日新聞] 新型コロナと芸術文化 灯を絶やさない手立てを (2020年03月19日)

音楽や演劇、演芸などの公演中止や延期が相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府が打ち出した大規模イベントの自粛要請を受けた措置だ。

人が多く集まるところは感染のリスクが高い。観客や出演者らの安全は最優先されなければならず、やむを得ない。

しかし、自粛要請から3週間が経過し、公演にかかわる業界の窮状が浮かび上がっている。

興行事業者団体によるとこの間、コンサートやミュージカルなど1550公演が中止または延期になった。損害額は推計450億円に上る。

すでに今月いっぱいの公演中止を決めたところもある。興行中止保険をかける場合もあるが、感染症は対象にならないのが通例だ。

公演事業収入に頼っている主催団体には中小や個人の企業もある。公演に参加予定だったアーティストやスタッフにはフリーランスもおり、中止は生計を直撃する。

経済的損失だけではなく、活動の継続そのものが困難になりかねない。鑑賞機会も失われる。

政府の緊急対策第2弾も発表されたが、支援の対象になりにくい場合もある。実態に応じたきめ細かな支援策を検討すべきではないか。

芸術文化は人の営みに欠かすことができない。なければ社会は窒息してしまう。

主催者やアーティストが、無観客ライブをインターネット配信するなど、再開までの「表現の場」を維持する動きも広がっている。逆境の中での観客層拡大の好機としたい。

今週初めに主立った劇場が閉鎖された英国では、中止公演のチケット代をできれば寄付してほしいと、劇場が購入者に呼びかけている。市民が文化を下支えする試みは、日本でも参考になるだろう。

東日本大震災の時にも芸術文化は人々を勇気づけた。今回も感染症との戦いから日常生活を取り戻すための心のよりどころとなるはずだ。

19日の専門家会議で自粛の一部解除も容認される見通しだ。安全対策の指針を示すと共に、公演主催者が対策を講じるための費用の助成も検討すべきだ。

再び心おきなく音楽や演劇が楽しめるよう知恵を絞りたい。
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[読売新聞] 一斉休校 子供の生活リズム保つ工夫を (2020年03月19日)

学校が子供たちにとって大切な場所であることを、改めて実感した人は多いのではないか。

新型コロナウイルス対策で、政府が全国の学校に休校を要請してから3週間近くになる。小中高校と特別支援学校の99%が休校し、児童生徒は基本的に自宅で過ごしている。

友達と会えず、ストレスをためる。学校のような規則正しい生活ができず、リズムを崩す。こうした子供は少なくない。屋内にいる時間が長く、運動不足に陥りがちだ。保護者の間で不安の声が上がるのも無理はない。

学校の中には、学年ごとに曜日を割り当て、子供が運動できるよう校庭を開放しているところがある。学年や学級単位で分散登校をさせ、友達と交流する機会を設けている学校も見られる。

子供たちの心身の健康を保つ取り組みが欠かせない。

文部科学省は専門家の意見も踏まえ、自治体に学校再開の条件を示すことを検討している。感染者が周辺自治体におらず、学校が十分な感染防止策を取ることなどが想定されている。

既に独自の判断で学校を再開した富山市では、机や椅子の消毒を徹底し、全校集会などを極力控える措置を取っている。再開に当たっては、学校を集団感染の場としない細心の注意が求められる。

休校中の子供たちに対する学習支援も重要である。

登校日に1週間分の課題を配って、家庭訪問の際に教師が次週の課題を手渡す。休み明けにテストを設定して、勉強の成果を測る。子供の学習意欲を継続させる工夫に知恵を絞りたい。

ICT(情報通信技術)を活用した家庭学習支援も行われている。千葉県の小学校では、専用サイトに宿題を掲示し、家庭の情報端末からアクセスしてもらっている。ネット上に教材を無償提供している教育関連企業もある。

ただ、ネットの使い方には注意が要る。子供だけに任せると、動画投稿サイトやゲームにのめり込まないか心配だ。勉強がおろそかにならないように、保護者はきちんと目配りしてほしい。

共働きや一人親家庭では、保護者が仕事を休めず、子供を学童保育(放課後児童クラブ)などに預けざるを得ないケースが多い。

一斉休校後は、学童保育が午前中から子供を受け入れるため、世話をする支援員の確保に苦労している事例も目立つ。

子供を支える態勢の充実を図ることが急務である。
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[読売新聞] 公示地価 新型コロナの影響が心配だ (2020年03月19日)

地価は緩やかな上昇が続いてきたが、先行きは不透明だ。政府は、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす影響に目を光らせる必要がある。

国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、全用途の全国平均が前年比で1・4%上昇し、5年連続の値上がりとなった。

住宅地は、雇用・賃金の改善や低金利の効果で、住宅販売が底堅かった。商業地では、旺盛なオフィス需要や訪日外国人客の増加が地価を回復させた。

日本はバブル崩壊後、長らく資産デフレに苦しんできた。地価は経済の活力を示すバロメーターといわれる。安定的な上昇は、経済全体にプラスとなろう。

今回の特徴は、札幌、仙台、広島、福岡の地方主要4都市を除く地方圏で、全用途の地価が28年ぶりにプラスに転じたことだ。地価の持ち直しが地方にも着実に広がったことを歓迎したい。

ただ、これらは、新型ウイルスが流行する前のデータである。経済活動の停滞が今後、どう反映されるのか、予断を許さない。

訪日客減少や、外出、イベントの自粛で、サービス業を中心に売り上げが急減している。

事態の収束が遅れて、中小店舗から賃料の繰り延べや減額を求める声が相次ぐ可能性がある。不動産収益の落ち込みは、地価の押し下げ圧力となる。

中国の富裕層や外資企業による投資目的の不動産購入にも、ブレーキがかかるとみられる。

投資資金の受け皿となる不動産投資信託(REIT)の指数は、2月以降、下落基調にある。地価や賃料の先行きに対する懸念が広がっているのだろう。

特に、訪日客への依存度が高い観光地への打撃は大きくなりそうだ。公示地価の上昇率の上位は、スキーリゾート・ニセコのある北海道倶知安町や沖縄、大阪など、外国人でにぎわう地域が多い。

中には、リゾート需要を背景に前年比60%近く急騰している地点もあり、局地的な「ミニバブル」の様相を呈している。

訪日客の減少を引き金に、地価が大幅な下げに転じれば、地域経済の混乱は避けられまい。

大手業者によると、ホテル建設の計画凍結や商談延期の動きが出ている地域もあるという。

自治体は、開発計画や地価の動向を注視しなければならない。

無論、経済活動が早期に正常化することが、地価安定の大前提である。政府は、感染拡大の抑止に全力を挙げてもらいたい。
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[朝日新聞] 原発事故賠償 基準見直し東電動かせ (2020年03月19日)

福島第一原発事故をめぐる東京電力の賠償は不十分だとする判決を、仙台と東京の二つの高裁が続けて言い渡した。事故によって避難を余儀なくされた人々が起こした集団訴訟は約30件ある。さきがけとなった両高裁が、そろって今の賠償のあり方に疑義を呈した意義は大きい。

裁判で被災者側は、避難指示が解除されても、かつて暮らした地域に戻るのは簡単ではないし、戻っても、まちや地域社会は全く違うものになってしまっていると訴えていた。

いずれの高裁も、被災者たちが「ふるさとの喪失・変容」と呼ぶこうした被害の深刻さを認め、避難を強いられたことや、その後の生活に伴う精神的苦痛とは別に償われるべきだと判断。支払い済みの金額に上乗せして慰謝料を認めた。

東電は、政府内に置かれた原子力損害賠償紛争審査会が定めた指針にこだわり、それを上回る一律の支払いをかたくなに拒んでいる。簡易な手続きによる損害回復をめざして設けられた「原子力損害賠償紛争解決センター」が、集団申し立てを受けて和解案を示しても、相次いで拒否。さらには、審理を重ねたうえで福島地裁がした和解勧告まではねつけた例もある。

受け入れれば全体に影響が及び、賠償総額が膨らんでしまうとの危惧があるのは明らかだ。しかし東電は、事故後に「3つの誓い」として▽最後の一人まで賠償貫徹▽迅速かつきめ細やかな賠償の徹底▽和解仲介案の尊重――を宣言している。

この誓いを踏まえ、両高裁の指摘を真摯(しんし)に受け止めて行動するのが、未曽有の事故を起こした企業の当然の務めだ。国策として原発を推進し、東電の実質的な大株主である国にも、厳しく指導する責任がある。

二つの判決は指針の不備も浮き彫りにした。事故直後に作られ、何度か改定されたものの、原発事故の実相に対応できていない面があるのは明らかだ。「ふるさとの喪失・変容」は、事故から9年という時が流れたからこそ、はっきり見えてきた被害といえる。それが人々にどんな影響をもたらしているか。議論を深め、指針の見直しに着手するときではないか。

判決に問題がないわけではない。支払い済みの金額ですでに損害が補填(ほてん)されている部分があるとして、上乗せ分は1人あたり100万?250万円にとどまり、被災者から「実情に見合わない」との声も出ている。

解を見いだすのは容易ではない。だからといってこの不正義を放置して良いはずがない。賠償問題で被災者の労力と時間をこれ以上奪わぬよう、知恵を出し、工夫を重ねる必要がある。
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[朝日新聞] 感染症と世界 「鎖国」は解にはならぬ (2020年03月19日)

国境を越える感染症問題に、国々がばらばらに取り組んでも限界がある。世界的な「鎖国」の風潮を改め、結束する理性を取り戻さねばならない。

欧州連合(EU)が域外からの渡航制限を決めた。先に欧州に門戸を閉ざした米国に続く措置だ。国際政治と経済の大動脈である欧米間の人の流れが止まる異例の事態となった。

主要7カ国(G7)は緊急声明を出したばかりだった。「適切な国境管理を含む協調」をうたったが、実際には十分な事前の調整を欠いた渡航制限が広がっている。

米国と中国は中傷合戦に陥っている。トランプ大統領らが「中国ウイルス」と呼んで非難し、一方の中国側は米軍の陰謀説まで主張している。

冷静なリーダーシップをとれる国や指導者がいない今の国際社会の病を映しており、憂慮は深まるばかりだ。だが、ここは地球規模で人間の安全確保が求められる局面だ。少なくともG7で確認した「必要な公衆衛生上の措置の連携」を、言葉で終わらせてはならない。

これまでも指摘されてきたのは、感染症と闘ううえでの国際的枠組みの貧弱さである。

司令塔とされる世界保健機関(WHO)は、予算規模が米国の疾病対策センター(CDC)にも及ばない。小松志朗・山梨大准教授によると、加盟国は組織内での政治的な影響力を争い、感染症対策は後回しにされてきた、という。

中国のような強権体制の国の現地情報を集め、有効な対策を広めるには、しばしば国家主権との摩擦が避けられない。国際政治に左右されずに、機動的に動けるような態勢強化や財政支援は待ったなしの課題だ。

多国籍の数千人を運ぶクルーズ船の感染は、日本と国際社会にとって想定外の事態をもたらした。船籍、運航会社、乗客、寄港先のそれぞれの国の責任と対処はどうあるべきか、ルールづくりのために日本は詳細を各国と共有すべきだろう。

渡航制限については、国内対策を整える時間を稼ぐうえで、やむをえない面はある。だが、WHOはその効果は限定的だとし、社会や経済の血流を止める弊害を考える必要性を訴えてきた。判断の際には専門家の助言を仰ぐ慎重さが欠かせない。

どの国でも国民は動揺しているが、政治の役割は、情報の開示と説明を尽くし、医療対策と経済施策で国際的な連帯を示して不安を和らげることだ。

とりわけ、米欧日と中国の責任は重い。十分な説明もない制限措置で国同士の分断を深めるようでは、世界の長期的な安定は損なわれるだろう。
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