2020年02月14日

[東京新聞] 首相のやじ 国会を冒涜する暴言だ (2020年02月14日)

到底聞き流すわけにはいかない。安倍晋三首相が委員会審議中、野党議員に「意味のない質問だよ」とやじを飛ばした。行政監視や国政の調査を担う国会を冒涜(ぼうとく)する暴言だ。厳しい対処を求める。

そのやじは十二日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美議員が質問を終えた直後に飛び出した。委員会は一時紛糾。発言の確認を求めた同党議員に対し、首相は「(辻元氏の質問は)罵詈(ばり)雑言の連続で、私に反論の機会が与えられなかった。ここは質疑の場だ。これでは無意味じゃないかと申し上げた」と説明した。

まず国会審議が何のために行われるのか首相は理解していない。

国会審議は、提出議案の可否を決めるとともに、国政に関する調査を行うためにある。また首相や閣僚は「答弁又(また)は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と憲法は定める。

つまり国会は議員の質問に答える場であって、政府による反論や宣伝の場ではない。たとえ相手が野党でも、首相らが最大の敬意を払って審議に臨むべきは当然だ。

野党の質問を「意味のない質問だよ」などと揶揄(やゆ)するのは、国会の権能をまったく理解せず、国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会を冒涜し、議会制民主主義を危うくする暴言である。

そもそも辻元氏の発言は罵詈雑言だったのか。発言を振り返る。

「鯛(たい)は頭から腐る。上層部が腐敗していると残りもすぐに腐る。首相が桜とか加計とか森友とか、疑惑まみれと言われている。ここまできたら頭を代えるしかない」

首相には耳が痛いだろうが、罵詈雑言ではなく的を射た発言だ。

「桜を見る会」や森友・加計両学園を巡るいずれの問題も、首相に近しい人に便宜が図られ、行政の公平・公正性への疑念が膨らんだ。国会で問題視されると公文書の廃棄や改ざんも行われた。

こうした問題を生んだ要因には安倍長期政権の弊害を指摘せざるを得ない。首相ら政権中枢に権力が過度に集中し、独善が許されるようにまでなった。

首相はこれまでも野党の質問にまともに答えなかったり、自席からやじを飛ばすなど、国会に対して、非礼な行為を繰り返してきた。

首相は十七日、衆院予算委の集中審議で自身のやじについて「釈明」するというが、容易に許されていい問題ではない。国民の代表で構成される国会は、議会制民主主義を脅かす政府の言動に、厳しく対処しなければならない。
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[東京新聞] 春節明け大移動 肺炎封じ込めの正念場 (2020年02月14日)

中国では延びていた春節(旧正月)休暇明けUターンが来週にかけて本格化する。専門家は今月中−下旬が新型肺炎拡大のピークになるとみるが、大都市ではリスクが高まる。封じ込めの正念場だ。

被害が最も多い武漢市のある湖北省の死者は十三日、千三百十人になった。一方、同省に隣接しておらず上海市の南隣に位置する浙江省でも感染が広がり、日本政府は同省に滞在歴のある外国人を入国拒否の対象とした。

浙江省南部の温州市を拠点に、大陸各地での不動産投資などで財を成した「温州商人」が武漢市には約十八万人暮らすとされる。春節で二万人近くが温州市に帰省したことにより、浙江省は湖北省に次ぐ感染多発地となったようだ。

中国では三日の春節休暇明け後も操業停止を続けた企業が多い。さらに、多くの出稼ぎ労働者が移動制限で地方に留め置かれており、来週前半までに一億六千万人余が帰省先から北京、上海などの大都市に戻ると見込まれる。

巨大な人口を抱える大都市でいかに感染拡大を防げるか、この数週間が中国の正念場となろう。

中国では、住宅街の「社区」と言われる居住区の入り口に検問所を設け、身分証のチェックや検温を実施しているところが多い。外部の人の出入りを厳禁としている社区もある。

こうした共産党の厳しい指導による罰則も伴う「封鎖式管理」が、感染拡大防止に効果をあげていることは否定できない。習近平国家主席は「中国の制度的優位が明らかになった」と自画自賛。

だが、厳格すぎる管理に反発した住民と当局者の小競り合いや暴行事件も頻発している。さらに、都市戸籍や定住所のない出稼ぎ労働者の管理は容易ではない。

習氏は十日、北京の病院や防疫現場を初めて視察し「果断な手段」での感染抑え込みを指示した。感染拡大防止は中国の重い責務とはいえ、人権を侵害するような強権的な管理が決して正当化されるべきではない。

中国では、三月五日に全国人民代表大会(全人代=国会)が開幕する予定だ。全国各地から三千人余の代表と多くの関係者が北京に集まる会議を開けば、まん延のきっかけにもなりかねない。感染拡大の影響で食品生産や物流が滞り、一月の物価は前年同月より5%以上も上昇した。何よりも感染対策を優先させ、全人代の延期や期間短縮も考えるべきであろう。
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[産経新聞] 【主張】首相のやじと野党 国会の機能不全は論外だ (2020年02月14日)

日本が直面する重要な問題を論じ、法律をつくり、危機を乗り越えていく方策を打ち立てるのが国会の本来の役割であるはずなのに、一向にそうなっていない。

今の国会の機能不全は「論外だ」と難じざるを得ない。与野党と政府に猛省を促したい。

安倍晋三首相が12日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美氏の質疑後、「意味のない質問だ」とやじを飛ばした。

これに猛反発した立民などの野党側は、首相の謝罪がなければ懲罰動議を出すと迫った。動議提出後は審議を拒否する含みだ。

辻元氏は予算委で「桜を見る会」の問題などを追及し、「タイは頭から腐る」と安倍首相を非難して質疑を終えた。

反論の機会も与えられずに罵詈雑言を浴びたと安倍首相は受け止めたのだろう。だが、一国の首相が野党議員の非難に腹を立ててやじを飛ばすのはみっともない。もっとどっしり構え、憲政史上最長の在任となった首相らしい振る舞いを心がけてほしい。

17日に集中審議を設けて安倍首相が釈明することになり、野党側はいったんほこを収めた。その余波で13日の予算委の開催は見送られた。野党による、不毛な茶番劇である。

立民の枝野幸男代表は「民主主義、議院内閣制が破壊される状況だ」と首相を批判した。だが、首相に注意すればすむ話であり、立民には大げさに騒ぎ立てる資格などない。野党第一党として、国会の低迷という危機的状況を招いた大きな責任があるからだ。

新型肺炎が拡大する緊急の事態にあっても、立民は質問時間の多くを「桜を見る会」の方に費やしてきた。立民の安住淳国対委員長は「くず」「論外」「花丸」などの論評を添えた新聞各紙を国会内に張り出し、党内からも批判され、謝罪するはめになった。

国会が今、問うべきは、新型肺炎への日本の取り組みが妥当かどうかである。不十分な点があれば是正を促し、必要なら超党派で立法・予算措置を急ぐことだ。

外交・安全保障問題にもなぜ声をあげないのか。中国軍機は沖縄や台湾周辺で挑発飛行をしている。中国公船は12日連続で尖閣諸島近くの海を徘徊(はいかい)中だ。習近平中国国家主席の国賓来日を認めていいのか。「桜」の連呼より、論じ合うべきことがある。
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[産経新聞] 【主張】楽天に公取委検査 出店者と共存共栄めざせ (2020年02月14日)

インターネット通販の「楽天市場」を運営する楽天に対し、公正取引委員会が立ち入り検査に入った。同社は楽天市場に出店する事業者に対し、一定額以上の商品の送料を実質的に無料にするよう求めている。これが独占禁止法に抵触しないかどうかを調査する。

送料無料化は3月中旬から始めるが、公取委は違反を確認すれば、開始前でも違反行為をやめさせる排除命令などを出す見通しだ。これに対して楽天は「法令上の違反はない」とし、三木谷浩史会長兼社長は13日、予定通り実施する考えを表明した。

これまで有料だった送料が無料化されれば、利用者の利便性は大きく向上する。一方で出店者がその送料をすべて負担すれば、不利益を被ることになる。楽天と出店者の主張は対立したままだ。

重要なのは利用者を増やし、両者が共存共栄を目指すことであるはずだ。信頼関係を築けなければ、楽天が主張するように米アマゾン・コムに対抗することもできまい。楽天に問われているのは、出店者に負担を一方的に押しつけるのではなく、広く理解を得られるような知恵である。

1店あたりで合計3980円以上の商品を買えば、送料を無料にする。楽天は「送料無料」という表現を「送料込み」に改めるというが、店側が送料分を上乗せした価格設定にしないかぎり、送料が店側の負担となることに変わりはない。公取委はこれが独禁法の禁じる「優越的地位の乱用」にあたらないかを調べる。

全国で配送網を整備して直接販売・配達を手掛けるアマゾンに対し、楽天は主に出店者が配送を行っている。アマゾンでは2千円以上の商品を買えば送料は無料だが、楽天は事業者によって送料が異なるなど、利用者から分かりにくいと指摘されてきた。

ただ、楽天市場の出店者は地方の中小企業が多く、送料負担は大きい。楽天との対立が深まれば、全国の商品を幅広くそろえる魅力も損なわれかねない。

楽天には昨年、自社の旅行予約サイトに載せる宿泊料を一番安くするようホテル側に求めたことが公取委の調査を受け、自主改善した経緯もある。「プラットフォーマー」と呼ばれるネット事業者には世界的に規制の動きが強まっている。この流れにも留意してサービス向上に努めるべきだ。
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[毎日新聞] 秋元衆院議員の保釈 国会でカジノ事件説明を (2020年02月14日)

カジノを含む統合型リゾート(IR)事業参入を巡る汚職事件で、収賄罪に問われた衆院議員の秋元司被告が保釈された。

起訴内容を全面的に否認しており、開会中の通常国会に出席する意向だという。国会で事件について、きちんとした説明をすべきである。

カジノ事業参入を狙う中国企業「500ドットコム」側から、計約760万円相当の賄賂を受け取ったとして起訴された。

秋元議員は、2017年の衆院解散当日にあったとされる現金300万円の授受を否定し、講演料名目の賄賂とされた200万円も「正当な対価」と主張しているという。

しかし、IR担当副大臣だった当時、ドットコム社と関わりが深かったことが明らかになっている。中国の本社を訪ねたほか、ドットコム社のカジノ計画地に空港併設が可能かどうか国土交通省に照会していた。

どんな関係だったのか、自ら国民に語る必要がある。秋元議員への捜査は区切りがついており、公判への影響は説明を拒む理由にならない。

事件を受けて、カジノ解禁の是非が今国会で改めて問われている。秋元議員は、法整備を進めた政府の責任者の一人だった。

野党は証人喚問を求めている。司法判断とは別に、国会は真相を解明する責任がある。離党したとはいえ自民党は、喚問に応じるべきだ。

秋元議員の保釈は追起訴の9日後だった。収賄の起訴内容を否認する国会議員としては異例の早さだ。裁判所は近年、公判準備を考慮し、保釈を広く認める傾向にある。今回もその流れに沿った判断と言える。

事件を巡っては他にも国会議員5人が、ドットコム社側からそれぞれ現金100万円を受け取ったとして東京地検特捜部に事情聴取された。秋元議員の中国訪問に同行した議員もいる。これらの議員にも国会での詳細な説明が求められる。

疑惑を持たれた国会議員が、十分に説明しないまま、活動を続けるケースが相次いでいる。河井克行前法相と妻の案里参院議員は、公職選挙法違反容疑で事務所を捜索された。菅原一秀前経済産業相は、公選法違反の疑惑を抱えている。

国民の代表であるならば、国会での説明に背を向けるべきではない。
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[毎日新聞] 非終末期の透析中止 指針策定のリスク大きい (2020年02月14日)

日本透析医学会が、人工透析治療の中止に関する新たな指針案を公表した。終末期ではない患者に対しても、条件付きで治療中止を容認することが盛り込まれている。

透析をやめると、1週間程度で死を迎えるとされる。公立福生病院(東京都)の医師が非終末期患者の透析を中止して社会問題になったことを受けて、現在の指針を見直した。

福生病院の場合は、患者の意思確認などの点で問題が多かった。一方で、医療現場では、非終末期の患者が治療をやめたいと望む例がある。

対応に悩む医療関係者もいる。透析をやめた患者が死亡した場合、法的責任を問われる可能性もある。そうした現場の事情を踏まえた指針案なのだろう。

しかし、指針策定は大きなリスクをはらむ。

治療中止が死に直結するケースの指針は、厚生労働省や関係学会にもあるが、終末期に限っている。今回の指針案は、尊厳を理由に終末期のみに認めていた治療中止の対象を非終末期にも拡大するものだ。

透析を長期継続することに消極的な医師が、患者を治療中止へ誘導する懸念が拭えない。

指針案は「最終的な意思決定は患者本人の基本的権利」と記している。だが、患者の意思をどう受け止めるかは慎重さが必要だ。透析を受けながら仕事をし、生活を送る人は多い。治療をやめたいと思う原因を見極め、取り除くことが必要だ。

最も注意すべきは、透析患者に多い抑うつ状態の影響で死を望んでいないかということだ。あらかじめ、精神科クリニックと連携している病院もある。長期の透析やがんを併発している場合は、苦痛を取り除くケアが不可欠だ。

経済的負担や通院のつらさもある。家族に迷惑をかけていると思うこともあるかもしれない。

病状や治療法の十分な説明と、意思確認を繰り返すことは大前提だ。それでも、指針案はうつ病の影響に触れていない点など不安が残る。

まず必要なのは、患者が抱える困難に一つずつ応える体制だ。日本透析医学会は、16日の公聴会を経て、3月末に理事会で指針案を了承する予定だ。指針ありきで拙速に議論を進めてはならない。
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[読売新聞] 新型肺炎 検査強化で感染の拡大防止を (2020年02月14日)

新型肺炎による混乱が続いている。社会への悪影響を最小限にとどめるための体制作りを急がなければならない。

政府が新型肺炎の緊急対策をまとめた。柱の一つが、検査体制の強化である。国立感染症研究所に検体の分析装置を増設するほか、地方の衛生研究所の分析能力の拡充を図る。

現在は、発生地となった中国の湖北省や浙江省への渡航歴があり、症状が出ている人などが検査対象だ。政府チャーター機で帰国した人や横浜港に停泊中のクルーズ船の乗客に対しても、数百人規模で検査を実施している。

感染拡大を水際で阻止できるかどうかの正念場だけに、検査の拡充は妥当だろう。

ただ、今後、人から人への二次感染や三次感染が広がった場合、検査能力が追いつかなくなる恐れがある。持病がある人や高齢者といった重症化するリスクが高い人から検査するなど、優先度をつける姿勢が求められる。

13日には国内で初の死者が確認された。感染者の治療にも全力を挙げる必要がある。

政府は、状況の推移をわかりやすく説明し、一人ひとりが心がけるべき冷静な行動について、丁寧に情報発信をしていくべきだ。

緊急対策には、ウイルスの有無を判断する検査キットやワクチンの開発促進も盛り込まれた。

検査キットが普及すれば、医療現場での迅速な判定が可能になる。世界保健機関(WHO)はワクチンの開発に18か月かかるとしているが、研究機関や製薬会社は協力して少しでも早く実用化できるよう努力してもらいたい。

政府は、マスクの増産も業界に要請する。薬局やコンビニエンスストアでは品薄が続き、医療関係者や花粉症の人など、マスクを日常的に必要とする人に行き渡らない事態になっている。十分な量を供給することが欠かせない。

新型肺炎は、中国人観光客の急減などで旅館やホテルに打撃を与えている。緊急対策では、観光業など中小企業を対象にした5000億円の緊急融資・保証枠を設け、資金繰りを支援する。

中国の生産活動停滞でサプライチェーン(部品供給網)寸断などの影響を受ける中小製造業には、生産性向上のための補助金を活用し、設備投資を手助けする。

経営が悪化しても従業員の雇用を維持した会社に支給される雇用調整助成金についても、対象を拡大する。対策を尽くして中小企業を支えることが大切である。

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[読売新聞] 司法通訳 養成と質の向上が欠かせない (2020年02月14日)

在留外国人や訪日観光客の増加に伴い、事件の当事者や目撃者になる外国人が増えている。捜査や裁判に立ち会う司法通訳の確保が大切だ。

全国の地裁・簡裁で外国人が被告となり、通訳がついた事件は2018年に3757件で、5年前の1・6倍に増えた。通訳言語は38言語にも及ぶ。

裁判所に登録されている通訳は19年4月現在3586人で、5年前に比べて1割減った。最高裁は「裁判に支障は生じていない」というが、今後、事件数の増加に通訳が追いつかない事態になれば、司法の信頼を損ねかねない。

過去には、公判での誤訳が問題になったケースがあった。「通訳のレベルがまちまちで、自己流の人もいる」との指摘もある。

通訳の質を担保できるかどうかは、外国人が公平な裁判を受ける権利にかかわる問題だ。裁判員裁判では、法廷でのやり取りが重要な判断材料になるだけに、通訳の役割はより重くなっている。

法廷の通訳は、難解な法律用語を訳すなど、専門性が要求される。現在は、語学に堪能な人の中から、書類審査と裁判官による面接で適性を判断している。研修は行われているが、特別な資格はない。

具体的な報酬基準額は公表されていない。通訳からは、「算定根拠があいまいだ」「責任の重さに見合う報酬が得られない」といった不満の声が上がっている。

米国やオーストラリアでは、法廷通訳の資格制度が設けられている。ランク別の報酬規定を定めた米国の州もある。日本弁護士連合会は13年、同様の制度の創設を提言した。通訳の水準を保つ上で、検討課題となろう。

19年4月からは、東京外国語大と青山学院大が連携して「司法通訳」を養成する講座をスタートさせた。通訳技法に加えて、法律や裁判の仕組みを教え、修了者には修了証を交付する。

こうした取り組みを重ね、司法通訳のレベルの底上げにつなげることが欠かせない。

通信技術の活用も重要だ。山形地裁では、1月に判決があったフィリピン人被告の事件で、別の裁判所にいる通訳が、映像と音声をつなぐビデオリンク方式で法廷内のやり取りを通訳した。

法務省も、検察での外国人の取り調べにテレビ会議を使った通訳の仕組みを導入する。取調室と通訳がいる別の検察施設を結ぶ。

通訳の着実な確保を通じて、適正な捜査と公判審理を実現していくことが求められる。

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[朝日新聞] 辺野古移設 不都合な現実 直視せよ (2020年02月14日)

不都合なデータに目をつぶり、埋め立て工事を止めようとしない。「辺野古ありき」で突き進む政府の強権ぶりが、また明らかになった。

沖縄・米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沖の軟弱地盤が、これまで政府が改良工事可能としてきた海面下70メートルよりも深い可能性を示すデータが存在していた。

埋め立て予定海域の東端で、護岸が建設される地点。防衛省の委託を受けた業者が、海底の土の種類を確認する「物理試験」のために採取した試料を使って地盤強度も調べたところ、70メートルより深い部分で6段階中2番目の軟らかさだった。

防衛省は、別の目的で採取された試料であり、試験も船上で行う簡易なものだったとして、地盤強度を調べる「力学試験」とは認められないとの立場だ。河野太郎防衛相は一昨日の衆院予算委員会で「力学試験でも何でもない」「設計変更には反映されない」と繰り返した。

いくら簡易的な方法によるとはいえ、工事の大きな障害となりうるデータが示された以上、改めてボーリング調査を行い、強度を正確に判定するのが当然ではないのか。

作業船で地盤改良工事をできる深さは70メートル程度とされる。防衛省は150?750メートル離れた別の3地点の調査結果をもとに、ここでも70メートルまでの工事で足りるという。護岸の下という重要な地点の調査をなぜ避けるのか。頑(かたく)なな姿勢は、軟弱地盤の深刻さを認めたくないためと見られても仕方あるまい。

明らかになったデータは、防衛省が昨年3月に国会に提出した報告書の巻末資料の中に英文で掲載されていた。当時の岩屋毅防衛相らは、この地点で調査が行われていたこと自体を否定しており、数値は事実上伏せられたままだった。

政府は昨年末、軟弱地盤対策を織り込んだ総工費の見直しを公表した。従来想定の約2・7倍にあたる約9300億円。事業完了までの工期は12年と見積もられ、普天間返還は早くても30年代半ばへと大幅にずれこむ見通しとなった。軟弱地盤が想定以上に深ければ、工費や工期がかさむだけでなく、技術的な可能性にも疑問符がつく。

政府は14?16年の調査で軟弱地盤の存在を把握しながら公表せず、埋め立ての土砂投入を始めた後に事実を認めた。沖縄で繰り返し示された「辺野古ノー」の民意を無視する強引な手法は、もはや限界にきている。

「マヨネーズ並み」の地盤が広がる辺野古沖を「適地」とする計画の破綻(はたん)は明らかだ。政府は速やかに工事を止め、一から出直すべきである。
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[朝日新聞] 景気の先行き 予断排し正確な判断を (2020年02月14日)

日本経済の実態と、政府・日銀の景気判断の間に、隔たりが広がってきた。想定されていた年明け以降の景気回復シナリオに黄信号がともっている。予断を持たずに現状を見極め、どう認識しているのか、遅滞なく発信する必要がある。

今週公表された1月の景気ウォッチャー調査は、現状判断指数が3カ月続けて上昇したものの、2?3カ月先についての判断を示す指数がはっきりと悪化した。旅行やレジャーなどサービス関連の家計支出や、製造業の企業動向を示す指数の落ち込みが目立つ。新型肺炎の経済活動への影響が、消費、生産の両面であらわれ始めた。

一方、17日に1次速報が公表される昨年10?12月期の国内総生産については、年率4%程度のマイナス成長を予想する民間シンクタンクが多い。10月の消費税率引き上げ後、民間消費が大きく減った。設備投資や輸出も落ち込むとみられる。

日本経済は米中貿易摩擦の激化を背景に、18年後半から勢いが鈍り、19年に入って悪化を示す指標が相次いだ。秋以降には自然災害が重なり、消費税率も引き上げられた。各指標を合成した景気動向指数の機械的な現状判断は、昨年8月以降「悪化」が続く。

しかし、政府・日銀は、様々な留保をつけつつも「景気は緩やかに回復している」といった判断を保ってきた。米中摩擦などで一時的に落ち込んでも、遅くとも年明けには上向くといった見方を基本にしていたからだ。消費増税についても、軽減税率や「キャッシュレス」のポイント還元などの対策で、影響は軽いと見ていた。

こうした見方は、現時点でも維持できるのか。

新型肺炎への対応で、人やモノの移動が制約されることの影響が、経済面でどこまで広がるか、なお見通せない。中国と密接な関係を持つ日本への影響を過小評価すべきでない。

加えて、米中貿易摩擦や消費税率引き上げの影響についても、改めて点検するべきだ。日本経済は長く続いたデフレ状況から完全に脱却したとはいえず、賃上げもまだしっかりとは定着していない。雇用の改善が停滞すれば、賃上げから消費や投資の拡大につながる経済の好循環に至らぬままに、反転する懸念もある。

景気の山谷の学術的な判定は事後的に行われるものであるにせよ、適切なマクロ政策を検討するためには、機敏な景気判断が不可欠だ。余力の乏しい金融・財政政策を無駄打ちせずに効果的に用いるためにも、精度を高めた判断を、民間部門と共有することが求められる。
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