2020年02月07日

[東京新聞] マスク不足 全力で増産態勢支えよ (2020年02月07日)

新型コロナウイルスによる肺炎が広がる中、マスク不足が顕在化している。医療現場では患者治療に直結する問題であり事態は深刻だ。国は安定供給に向けた増産態勢を全力で支える必要がある。

政府は極端な品薄状態が続くマスクについて、各メーカーに増産するよう呼びかけている。各社は生産ラインをフル稼働させて増産しているが、店頭では依然、品不足が続いている。

まず優先すべきは医療現場への供給だろう。医師、看護師など医療従事者が治療にあたる際、マスクの着用は必須である。供給が滞れば治療行為に重大な支障をきたす。もちろん一般消費者向けも大事だが、医療用マスクの増産や流通経路の確保については特段の配慮を国やメーカーに要望したい。

政府の資料によると、二〇一八年のマスク(一般用)の月ベースの生産は海外分が国内分の約三倍だ。海外のうち中国での生産がかなりの部分を占めた。

ただマスクに限らず日中間の物流はすでに混乱状態にある。今後、中国側が自国内での供給を優先させるため、持ち出しを一層規制する可能性も否定できない。政府も中国からのマスク輸入の停滞を強く警戒している。

当面は国内での増産強化をメーカーに要請するしか方法はない。だが今回の肺炎が終息した場合、メーカーが大量の在庫を抱え経営に影響を及ぼす事態は容易に想像できる。国や都道府県が余剰在庫の買い取りを約束するなど、メーカーが不安なく増産できるよう環境整備を急ぐべきだろう。

さらに指摘したいのは、ネット通販などでマスクの価格が高騰している点だ。急激な需要増の中、商品を出している一部事業者が価格を引き上げている可能性が高い。消費者が、手に入れたマスクをネット上で高価格で転売するケースも出ている。

こうした疑問を持たざるを得ない行為に対してはやめるよう求めたい。ネット通販を運営する事業者にも不当な値上げには適切に対応してもらいたい。同時にネット以外の店頭でも売り惜しみがないよう監視を強化すべきだ。

マスクは、せきやくしゃみによる病原体の飛散を防ぐ効果が高い。自らの感染を防ぐ方法の一つでもある。新型肺炎の終息まで需要は高まり続けるだろう。国やメーカーの努力だけでなく、消費者にも買い占めなどを行わないよう冷静な対応を期待したい。
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[東京新聞] スペースジェット 崖っぷちの日の丸機 (2020年02月07日)

三菱重工業が、開発している国産初の小型ジェット旅客機の初納入時期を延期すると発表した。延期は六回目となるが、新しい納入期限を明示できず、事業はまさに崖っぷちに立たされた。

三菱重工の子会社、三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」は、今年半ばにもANAホールディングスに初号機を納入する計画だった。商用飛行には、安全性を証明する「型式証明(TC)」を国土交通省から取得する必要があるが、審査に欠かせない最新試験機の導入が設計変更などで半年ほど遅れたため、延期を余儀なくされた。過去の延期も検査体制の不備などが原因で、またしても基本的な開発能力の弱点をさらした形だ。

新たな納入時期を示さない理由について、会見した三菱重工の泉沢清次社長は「安全第一の姿勢で試験に集中し、高品質の航空機を開発していく。やれると思うスケジュールでやっている」と説明し理解を求めた。しかし、納入の時期が分からなければ、契約をした航空会社は事業計画さえ立てられない。度重なる延期で、不信感は募るばかりだろう。

SJは、日米などの航空会社から、最大で四百四十七機の受注を獲得していた。しかし、一八年一月までに、米イースタン航空が四十機をキャンセル。昨年秋には米トランス・ステーツ・ホールディングスが百機の購入をキャンセルし、受注機数は三百七機にまで減少した。さらなるキャンセルの拡大が懸念される。

開発の大幅な遅れで深刻な影響を受けるのは、SJの量産を見越して先行投資してきた部品メーカーも同じだ。航空機の機体組み立てを担う東明工業(同県知多市)は、ラーメン店の運営会社を買収して飲食業界に参入。量産開始で事業が安定するまで、異業種で現金を得る苦肉の策だ。多くの部品メーカーが「早く量産してもらわないと設備も人員も維持できない」と悲鳴を上げる。

三菱側はSJを東京五輪で聖火輸送に活用することを想定し、初納入を今年半ばに設定していた。今回の延期でその願いは絶たれたものの、関連企業が集積する中部地方では「航空機を自動車に次ぐ第二の柱に」という希望はまだ消えてはいない。しかし、やがて忍耐の限界はやってくる。量産化の道筋を早期に示さなければ、今度こそ取引先との信頼関係が崩壊する事態を招きかねない。
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[産経新聞] 【主張】北方領土の日 四島返還要求に立ち戻れ 「対独戦勝記念日」参列するな (2020年02月07日)

国後島の中心、古釜布の町並み 国後島の中心、古釜布の町並み

ロシアは旧ソ連の独裁者スターリンの「北方領土不法占拠」という国家犯罪にいつまで固執し続けるのか。被害者の日本は択捉、国後、色丹、歯舞の四島返還の歴史的正義の旗をなぜ自ら降ろしてしまわなければならないのか。

2月7日は令和最初、通算40回目の節目の「北方領土の日」だ。今年で戦後75年もたつのに、戦後最初に被った国家主権・国益喪失事件である北方領土問題は解決のめどさえ立っていない。その理不尽な現実を国民一人一人が直視し返還に一丸となるべき時だ。

安倍晋三首相は、7日に東京で催される「北方領土返還要求全国大会」で、潔く「四島返還」の原則に立ち戻って国民の結束を訴え、ロシアの異様性を国内外に広く発信してほしい。3日の参院予算委員会で首相は「四島は日本が主権を有する島」と明言した。大会の場でも力説すべきである。

≪領土交渉の破綻認めよ≫

しかし残念ながら、安倍政権は対露譲歩に転じたとみられている。一昨年11月、ロシアのプーチン大統領とのシンガポールでの首脳会談で四島全体の7%にすぎない歯舞、色丹の2島返還をうたった昭和31年の日ソ共同宣言に基づいて平和条約交渉を加速させる?ことで合意したからだ。

四島は1855年2月7日に調印された日露通好条約で日本領土となった。政府はこの日を昭和56年1月の閣議了解で「北方領土の日」と定めた。四島は他国に帰属したことは一度もない固有の領土だ。ところが、スターリンは終戦直前、日ソ中立条約を一方的に破り、日本がポツダム宣言を受諾し、降伏した後で四島に侵攻し、火事場泥棒的に不法占拠した。

日露領土交渉はシンガポール会談以降、実質的に破綻したといわざるをえない。ロシアは相手が弱腰に出ると、足元を見て嵩(かさ)にかかって高飛車に出てくる。いまや、「第二次大戦の結果、北方領土は正式にロシア領になったと認めない限り交渉には応じない」「平和条約には領土問題は含めない。領土は条約締結後に話し合う」などと言いたい放題だ。「領土交渉の前提として将来の北方領土に米軍基地が置かれないことを文書で確約せよ」とまで要求している。

谷内正太郎前国家安全保障局長は1月下旬、BSフジ番組でロシア側が領土問題を盛り込まない無条件の平和条約締結を求めている事実を認め「何らかの前進をみるためにほかにやることがあるのかというと、ない」と断言した。

日露間では「共同経済活動」の難交渉が続いているが、これ自体が領土問題の障害になっているともいえる。この間もロシア側は四島海域で日本漁船を相次いで拿捕(だほ)し、罰金まで科している。

厚かましいことに、プーチン大統領は安倍首相に5月9日の対独戦勝75周年式典への招待状を送ってきた。スターリンがヒトラーを打ち破った日だが、第二次大戦はもともと、両独裁者が独ソ不可侵条約で結託し、東西からほぼ同時にポーランドを侵略したことが発端ではないか。首相がロシアの勝利を一方的に祝う手前勝手な式典に参列すれば、スターリンの四島占領を含む一連の戦争犯罪を認めることになってしまいかねない。参列はきっぱり断るべきだ。

≪展示館の国際的PRを≫

1月下旬、内閣官房が運営する「領土・主権展示館」が東京・霞が関で再開した。昨年まで日比谷公園にあったものを7倍の広さに拡充・移転した。従来展示していた韓国が不法占拠する竹島問題、中国が領有を狙う尖閣諸島に新たに北方領土問題が加えられた。

昨年来、安倍政権が避けていた「不法占拠」「日本固有」などの用語も堂々と使われ、歴史的な経緯や現状をビジュアルも含めたふんだんな資料でわかりやすく解説している。

ロシア外務省はすぐさまモスクワの日本大使館員を呼び出し、「前向きな雰囲気を作ろうとする日露首脳間の合意に反する」などと抗議した。ロシア側の素早い反応を見れば、展示資料がいかに真実を物語っているか分かる。

国会議員はもちろん、在日露大使館や各国大使館、留学生、来日観光客もぜひ一度見学して真実を知ってほしい。全国の児童、生徒の修学旅行の必見スポットにするなど、幅広く利用される方法を考えるべきだ。北方領土問題は日露2国間にとどまらず、戦後世界に残された国際問題なのである。
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[毎日新聞] トランプ氏に無罪評決 外交ゆがめた責任消えぬ (2020年02月07日)

トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判で上院は、権力乱用と議会妨害で下院から訴追されたトランプ氏に無罪の評決をした。

与党の共和党から1人が権力乱用について有罪票を投じたが、罷免に必要な数には及ばなかった。

11月の大統領選に向けて野党の民主党には政権にダメージを与えたいとの思惑もあった。共和党が多数を占める中で無罪は想定通りだった。

ただし、罷免されなかったからといって、大統領の威信が保たれたと思うのは早計だ。

弾劾の核心は、大統領選を有利に運ぼうと政敵であるバイデン前副大統領の疑惑を調べるよう外国政府に要請したことだ。外交をゆがめた責任が消えるわけではない。

弾劾裁判で浮き彫りになったのは米政治の分断だ。共和党は証人の招致を認めなかった。

ボルトン前大統領補佐官が出版予定の回想録によれば、トランプ氏はウクライナへの軍事支援の再開を取引条件にしようとしたという。

軍事支援の問題とバイデン氏の調査要請は別だったというトランプ氏の主張と矛盾し、共和党からもボルトン氏の招致を求める声が出た。

招致が否決されたのは、長期化をおそれた共和党指導部の意向が強く働いた結果という。真相の解明よりも党の利益を優先させた。

対立の根深さは、与野党で妥協を探る動きがなかったことにも表れている。従来のような懸け橋となる中間派議員の不在を物語った。

トランプ氏は「勝利」宣言したが、共和党内からもトランプ氏の外交姿勢は「不適切だった」という批判が少なからずあった。

トランプ氏の強圧的な外交は相手を問わない。中国に課した一方的な高関税政策を同盟国の日本や韓国、欧州諸国にも向け、物議を醸した。

多国間協調を軽視し、途上国を侮り、イランの司令官殺害のような不意打ちの軍事行動も辞さない。

北朝鮮の核問題では米朝首脳会談を重ね、派手な演出で耳目を集めたが、肝心の核廃棄は進展していない。

大統領選が始まり、トランプ氏は外交で成果をあげようとするだろう。身勝手な外交を繰り返すなら、国際社会が不安定になり、米国の信頼は低下するだけだ。
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[毎日新聞] 読書感想文コンクール 言葉の力知るきっかけに (2020年02月07日)

言葉の豊かさは想像力の豊かさにつながるとともに、自分の思いや感動を他人の心に響かせる。

第65回青少年読書感想文全国コンクール(公益社団法人全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催)の入賞者が決まった。中学校の部では、言葉の持つ力をテーマとした2作品が上位の賞に輝いた。

内閣総理大臣賞の秋田県・十文字中1年、高橋英佑さんは詩人、まど・みちおさんの「いわずにおれない」(集英社)を読み、詩の力について考えた。生き物や自然を探究し、その本質を言葉で伝えようとした著者に触発され、自分も「僕の中にどんどん言葉を蓄えていく」と誓った。

文部科学大臣賞の宮城県・階上(はしかみ)中3年、佐藤くるみさんは、辞書作りに取り組む編集者を描いた三浦しをんさんの「舟を編む」(光文社)から、人と人をつなぐ言葉の大切さを知った。

日本の子どもは、自分の考えを言葉で表現して相手に伝えるのが苦手といわれる。経済協力開発機構の2018年国際学習到達度調査(PISA)でも、自由記述形式で読解力を測る問題の正答率が低かった。

子どもの言葉を豊かにし、表現する力を育むのが読書習慣であることは言うまでもなかろう。

では、どうすれば子どもに多くの本に触れてもらえるのか。ヒントになるのは昨年の学校読書調査だ。小中高校とも「家の人と読んだ本の話をする」という層が「しない」層に比べて読書意欲が高いという結果が出た。さらに、「学校で先生や司書に本をすすめられることがある」のも読書量の多さにつながっていた。

身近な大人の働きかけが、いかに大事かを表している。また、語り合える相手がそばにいることで、読書の喜びは広がっていく。大人は自信を持って自分の「おすすめ本」を子どもに示してほしい。

コンクールには全国の小中高校と海外日本人学校計2万5579校が参加し、397万編余りの応募があった。きょう東京で表彰式がある。

読書感想文の良さは、本を読んで考えたことを言葉にする作業を通し、自分の心と向き合いながら、他人と感動を共有する喜びも得られることだ。言葉の力を知る貴重な取り組みとして大事にしたい。
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[読売新聞] 民事裁判IT化 うまく活用し利便性の向上を (2020年02月07日)

IT技術を上手に活用して、司法の利便性を高める改革を進めることが大切である。

民事裁判のIT化を目指し、東京や大阪など8地裁と知財高裁が、インターネットを使った「ウェブ会議」を導入した。今後、全国の裁判所に順次広げる予定だ。

裁判所と弁護士事務所をインターネットでつなぎ、カメラ付きパソコンで裁判官と原告・被告の代理人弁護士が、お互いを画面上で見ながら協議する。非公開の争点整理手続きで活用する。

弁護士や訴訟当事者が裁判所に足を運ぶ必要がなくなるため、日程調整がしやすくなる。ネット上のデータ管理サービスを利用し、画面上で裁判の争点表や和解案の書面を作成することも可能だ。

裁判が迅速化され、使い勝手も良くなる効果が期待できよう。

日本の民事裁判では、1審の平均審理期間は9か月で、証人尋問などを実施した場合は21か月を要する。書面は原則、紙での作成が義務づけられ、訴状を裁判所に持参したり、裁判所から関係書面を郵送したりする手間もかかる。

政府は、今回のウェブ会議を全面IT化への第1段階と位置づける。第2段階では、口頭弁論や証人尋問もネットを通じて出来るようにする。最終的には、訴状や準備書面など全ての書面をネットでやり取りすることを目指す。

司法の手続きにデジタル技術を取り入れていくのは、時代の要請と言えるだろう。

訴訟手続きのIT化は、米国やシンガポール、韓国などで進む。世界銀行が昨年公表した「ビジネスのしやすさ」ランキングの裁判分野で、日本は50位だった。経済界から、裁判のIT化への要望が高まっているのはうなずける。

ただ、全面IT化に向けた課題は少なくない。

民事訴訟では、原告や被告に弁護士がつかない訴訟が約半数を占める。IT機器やネットの利用に不慣れな人への配慮は不可欠だ。司法手続きから排除されることがあってはなるまい。

情報セキュリティー対策も重要だ。訴訟記録には、個人情報や企業秘密が含まれる。サイバー攻撃を受けて情報が漏えいすれば、当事者が被害を受けるだけでなく、司法への信頼も損なわれる。

これまで裁判官は、法廷で直接、証人と向き合い、表情なども合わせて証言内容を吟味してきた。こうした裁判の良さを踏まえつつ、どのようにIT技術で効率化を図るか、知恵を絞りたい。

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[読売新聞] 国産ジェット 納入遅れをどう挽回するか (2020年02月07日)

三菱重工業が、小型ジェット機「三菱スペースジェット」の初号機納入を、今年半ばから2021年度以降に先送りすると発表した。

08年に事業化を決定し、当初は13年の納入開始を目指していた。今回で6度目の延期となる。商用化が難航しているのは残念だ。

米国で実施されている試験機の飛行は3500時間を超えているが、配線の見直しによる設計変更が長引いている。

このため、最終試験機の完成が遅れ、国土交通省から「型式証明」を取得できていない。

航空機の開発で最優先すべきなのは、安全性の確保である。最終的な確認ができない以上、今回の延期はやむを得まい。

国産旅客機の開発は、官民一体で取り組んだプロペラ機の「YS―11」以来、半世紀ぶりだ。

航空機産業は裾野が広い。スペースジェットの部品は約100万点にのぼり、3割が国産となる。部品産業を育て、ものづくりの基盤を強化する狙いから、国も500億円の補助金を出した。

世界の航空市場は、新興国の成長などで拡大が見込まれている。特にスペースジェットのような小型機は、今後20年で5000機程度の需要があると試算される。

エアバスとボーイングの2強も小型機メーカーの買収に動き、事業のてこ入れを図っている。成長分野への参入を成功させたい。

スペースジェットは、90席と70席の2タイプがあり、三菱重工は米国での需要が大きい70席タイプを主軸にする意向だ。燃費の良さや客室の広さが特長という。

現在、正式な受注契約は約300機にとどまっている。当初、黒字化の目安としていた400機には届いていない。

開発の遅れを理由に、発注済みの航空会社から、キャンセルが出る可能性もあろう。三菱重工は事態を重く受け止め、顧客への説明を尽くす必要がある。

三菱重工は、ボーイングなどに航空機部品を供給してきた。だが、自力でジェット機を設計・製造した経験はない。技術的な見通しが甘かったことは否めまい。

外国人技術者を大量に雇用したが、日本人との情報共有が円滑ではないとの見方もある。開発体制の再点検が求められる。

1500億円の見込みだった開発費は、8000億円に膨らむと予想されている。事業を採算に乗せるには、受注の上積みが欠かせない。政府は、海外への売り込みなど支援策を検討すべきだ。

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[朝日新聞] 米大統領選スタート 「自国第一」脱却する論戦を (2020年02月07日)

米国の政治はいよいよ危機に瀕(ひん)している。相次ぐ異様な光景が、この大国をめぐる信頼の揺らぎを世界に印象づけた。

年初の演説で下院議長との握手を拒む大統領。報復とばかりに演説原稿を破り捨てる議長。翌日、弾劾(だんがい)裁判が政争むき出しの不毛な幕引きに終わった。

かつて民主主義を世界に説いた米国の理想は、色あせて久しい。国内で党利党略に走り、国外では米国第一を叫ぶ姿を、世界は憂うばかりだ。

■不毛な政争の果てに

この現状の中で、次の大統領を決める長い選挙が始まった。11月3日の本選に向け、2大政党による党員集会や予備選、党大会や討論などが全米で繰り広げられる。

対立の連鎖を断ち、多様性の理念のもとに改めて国民を統合できるのか。米外交の良識を取り戻す道は何か。国際秩序の行く末も左右する重大な選択である。自由主義の守り手として築いてきた信頼への自覚を、米国政治は取り戻してもらいたい。

米国大統領にとっての施政方針演説にあたる一般教書演説。トランプ氏は、選挙集会まがいの修辞と演出で「偉大な米国のカムバック」をうたい、3年間の実績を強調した。

与党の拍手と野党の沈黙。議場を覆った断絶は、連邦議会が全国民を代表する場になり得ていないことを示していた。

その構図は、弾劾裁判も同じだった。トランプ氏の「ウクライナ疑惑」をめぐり、議会上院は与党が公言したとおり、早々に無罪の評決を出した。

外交を選挙目的で利用したのではないかとの疑惑について、与党は上院で証人の招致を拒んだ。弁護人は、再選が公益だと信じて大統領がとった行為は違法ではないとも主張した。

「トランプ 永遠に」

無罪が決まった直後に大統領が引用した動画の結末が、問題の根深さを象徴している。

党派対立の末、議会による抑制の機能は損なわれた。トランプ氏の横紙破りのふるまいにブレーキをかけられない。

権力の相互監視によって抑制と均衡を図るはずの米国の三権分立が損なわれれば、深い禍根を残すだろう。演説と弾劾の一連の政治劇は、米民主主義の危機をあぶり出した。

■細る中間層への配慮

「トランプ現象はトランプ氏以前から存在し、彼が政権を去っても残る」。米外交問題評議会のハース会長はそう語る。

確かに、国民の分断を追い風に生まれた型破りの大統領は、社会の病理を体現した「症状」に過ぎないという側面がある。

3年前のトランプ氏当選以来、にわかに光が当てられたのは、政治から長く見捨てられてきたという意識を抱える白人労働者層の存在だった。

収入や雇用機会などをめぐる都市と地方との格差拡大や、グローバル化による産業構造の変化などにより、米国の中間層の暮らしは厳しさを増していると言われる。

不満が移民への憎悪や、既成政治への反発につながり、扇動的な主張をする政治家になびく。そんな現象は、米国に限らず、欧州などにも共通する。

様々な分断をどう修復し、寛容な多元的社会を築くか。ポピュリズム政治に対する処方箋(しょほうせん)は何か。その答えを探る責任は、共和、民主両党にある。

トランプ氏は一般教書演説で「ブルーカラー・ブーム」を唱え、支持基盤に対する優遇を約束した。「敵」を強調する分断の政治に明確な対立軸を示せるか、民主党は試されている。

■内向きでは道開けぬ

国際社会にとっての最大の関心事は、国際協調の枠組みを壊す米国の「自国第一」がこれからも続くか否かである。

この3年、移民・難民に対し門戸を狭め、気候変動やイラン核問題の国際合意から相次いで離脱した。貿易をめぐっては一方的な保護主義に走った。

ロシアや北朝鮮などの強権的指導者に共感を示す一方、欧州などの友好国は突き放す。そんな「同盟軽視」は、韓国や日本に駐留する米軍の分担金をめぐる理不尽な要求にも表れる。

目先の損得勘定で判断するトランプ氏の外交は、米国自身の長期的な利益につながらないばかりか、世界を不安定化させる恐れをはらんでいる。トランプ氏は演説で「尊敬される米国」を取り戻したと語ったが、どこの世界のことなのか。

今のまま再選を果たせば、2期目の白紙委任状を得たと解釈するのは確実だ。選挙戦を通じて、一国主義がもたらした弊害を厳しく問い、国際協調の価値を再確認すべきである。

トランプ現象の病根をいやす政治の模索は、一朝一夕には進まないだろう。しかし、米国の信頼低下と国際秩序の流動化はすでに起きており、世界全体の将来像を見えにくくしている。

狭量な党派争いに堕し、内向きの論議に終始する余裕は今の米国にはない。危惧の念を持って見守る国際社会のまなざしを忘れず、実のある論戦を望む。
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