2020年02月06日

[東京新聞] 中国の肺炎対応 習「一強」の弊害露呈 (2020年02月06日)

中国での新型肺炎による死者数が重症急性呼吸器症候群(SARS)の犠牲者を超えた。習近平指導部は初めて対応の不備を認めた。何よりも住民の命を守ることを最優先に対策を進めてほしい。

新型コロナウイルスによる中国本土での死者は五日、四百九十人となり、SARSによる死者三百四十九人を大幅に上回った。

共産党指導部は初動以降の対応や情報公開に遅れや不備があったことを認めた。習国家主席は「人民の生命と健康を最優先に置く、感染阻止の総力戦」を指示した。

気がかりなのは、「一強」の習体制の下で共産党独裁がさらに強まり、地方幹部が中央の顔色ばかりうかがって、対策が遅れる負の側面が目立つことである。

地方幹部が保身のため悪い情報を隠蔽(いんぺい)し、中央からの指示を待つだけの硬直した対応で、生死を左右する危険にさらされるのは住民であることを忘れてはならない。

武漢市では、支援物資の放置や不公平な配布などが次々と明らかになった。感染者が千人を超える黄岡市では防疫責任を果たしていないとして衛生担当者ら三百三十七人が処分された。市民らが怒るのは当然である。

一方、武漢市長は一月末、テレビの取材に「地方政府は情報を得ても、権限が与えられなければ発表できない」と答えた。昨年十二月初旬には新型肺炎の発生を知りながら情報公開しなかった対応について、政権を批判した形だ。

確かに、過度な中央集権の弊害は大きい。だが、越権と非難されようとも、住民の命を守る情報公開や対策を優先させるのが、市長としての重責を果たす姿勢ではなかったか。市長の発言は市民向けの自己弁護の面も強い。

武漢市の赤十字組織は、国内外から寄付されたマスクなどを倉庫に放置し、関係の深い病院だけに多く配布していた。地元政府関係者は「指導者用だ」と言って勝手にマスクを持ち去ったという。

多くの医療関係者が不眠不休で治療や感染防止に尽力しており、その献身的な努力には頭が下がる。その一方、こうした特権行使やあしき「人治」を見聞するのは悲しむべきことである。

春節(旧正月)休暇明け後も、中国内の多くの企業は感染防止のため操業停止を続けている。市民生活もさらに不便を強いられる。感染力が急に高まる可能性は否定できない。中国当局は総力で肺炎との戦いにのぞんでほしい。
posted by (-@∀@) at 12:40| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 高齢者の雇用 働く意欲生かせるのか (2020年02月06日)

七十歳までの就業機会を確保するための雇用関連法案が閣議決定された。国会で論戦が始まる。法案は複数の働き方を示し、導入を企業に求めている。選択肢の拡大は歓迎するが、実効性が問われる。

高齢者就労の拡大策は、政権が目指す「全世代型社会保障」実現への目玉だ。

だが、社会保障改革と言いながら、年金、医療、介護などの制度について、税も含めた負担と給付とのバランスをどう実現し制度を強化するのかという重要な視点が欠けている。

働ける高齢者には就労で自助を促し制度の支え手になってもらうことで、制度の改革論議から逃げているように見える。

とはいえ、六十五歳以上で働く人は、二〇一八年で八百七十五万人いる。一〇年から約三百万人増えた。

六十歳以上を対象に実施した内閣府調査では66%が六十五歳以降も働きたいと考えている。高齢期就労の環境整備は不可欠だろう。

現行の高齢者就労は(1)六十五歳までの定年引き上げ(2)六十五歳までの継続雇用制度の導入(3)定年の廃止−のいずれかの制度導入を企業に義務付けている。

法案では、(1)(2)を七十歳まで引き上げる選択肢に加え、起業やフリーランスを希望する人への業務委託制度や、勤務先が出資するNPOなどで働ける制度なども設け、いずれかの導入を努力義務で求めるものだ。

高齢になれば健康問題も抱える。働く意欲や能力に個人差がでやすい。企業側の負担を考慮した選択肢といえるが、働く側に不利益があってはならない。

業務委託は個人事業主として元の勤め先と契約を結ぶことになる。個人事業主は立場が弱く、不利な契約を迫られる心配がある。NPOへの就労も形だけの紹介や、働き続けられない環境では就労拡大につながらないだろう。

六十歳以降の希望する働き方は短時間勤務が多い。定年を延長するにしても企業には体力面への配慮など希望に沿った働き方をどう切り出すのかも問われる。労使で十分な議論を期待したい。

高齢者の就労拡大は短期間ではできない。六十歳定年が努力義務化されたのは一九八六年、義務化は九四年だ。二〇〇〇年には六十五歳までの継続雇用の努力義務が課され、〇四年に義務化された。

政府も企業の取り組みが少しでも進むよう助成制度などで後押しすべきだ。
posted by (-@∀@) at 12:40| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】米一般教書演説 余りに内向きではないか (2020年02月06日)

トランプ米大統領は、上下両院合同会議で一般教書演説を行い、大半を内政の課題に割いて「偉大な米国の再起」を誇示した。

毎年恒例の演説は向こう一年の施政方針を米議会に表明するものだ。大統領による最も重要な演説に数えられる。

11月の大統領選での再選を意識したとはいえ、余(あま)りに内向きな演説だった。世界の指導者としての顔が見えてこなかったのは残念である。

米上院の弾劾裁判の評決を翌日に控え、野党民主党からウクライナ疑惑を追及される中での演説だった。

弾劾裁判で無罪評決が下されることがほぼ確実という事情もあろう。トランプ氏は「米国は繁栄し、再び尊敬されている」と語った。選挙で鍵を握る労働者層を意識し、雇用の増加や失業率低下など好調な経済の実績を訴えることに力点を置いた。

演説が選挙の色彩を帯びることはやむを得ない面もあるが、内政と並ぶ外交・安全保障への言及は物足りなかった。同盟国軽視の姿勢が改まっていなかった点には不満を覚えざるを得ない。

イランやシリアの問題へ言及し、中東での戦争を終わらせ、米軍を撤退させると語った。だが、日本はおろかインド太平洋地域への言及が中国以外、ほとんどなかったのはどうしたことか。

同盟国との関係は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に応分の軍事費負担をさせると述べた程度だった。ロシアや核開発をやめない北朝鮮にも触れなかった。

中国についても、新型肺炎で緊密に連携していると表明したほかは、通商協議で画期的な合意に達したと強調する文脈で取り上げたにとどまる。トランプ氏は米中関係について「習近平国家主席を含めて、おそらくかつてないほど良好だ」と誇った。だが、それで本当にいいのか。

中国は法の支配に基づく国際秩序を脅かし、力による現状変更を企てている。日本とともに米国も重視する「自由で開かれたインド太平洋」の実現には、日本や豪州など同盟国と連携して中国を抑止することが欠かせない。その決意を示してもらいたかった。

トランプ氏は「米国は他国の警察機関ではない」とも述べた。中国やロシアに誤ったシグナルを発してはならない。
posted by (-@∀@) at 12:30| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】高年齢者雇用 職務に応じた待遇整備を (2020年02月06日)

政府が、70歳までの就業機会の確保を企業に求めた高年齢者雇用安定法改正案などの関連法案を閣議決定した。

「人生100年時代」を見据え、意欲のある人が長く働ける環境を整備するのが狙いだ。

現行法は企業に65歳までの雇用確保を義務付けている。60歳定年の廃止や延長、再雇用の中から企業が選ぶ仕組みだ。これをフリーランス契約や起業支援などにも拡大し、多様な働き方の提供を促す。

ただ、自営業者として企業と契約するフリーランスは、保証があいまいな不安定な雇用だ。高齢者が企業側から一方的に不利な条件を強いられることがないようにしなければならない。

少子高齢化が加速する中で高齢者も貴重な労働力であり、社会保障制度の支え手でもある。職務を明確化し、その成果や専門性などに応じて処遇するなどの透明性ある制度設計が問われている。

政府は高年齢者雇用安定法や雇用保険法、労働基準法など6本の関連改正案を束ねて今国会へ提出する。70歳までの就業機会の確保は、企業の努力義務として来年4月の施行を目指す。

厚生労働省によると、70歳以上でも働ける制度を持つ企業は全体の約3割にとどまる。高齢化の進展を背景に65歳を超えても働きたい人が増える中で、産業界の取り組みは遅れているのが現状だ。今回の関連法案を契機として企業には積極的な対応を求めたい。

だが、日本では新卒一括採用や年功賃金などの雇用慣行が根強く残る。一定の年齢まで給料が上がる仕組みの下では、高齢者雇用の拡大で現役世代の賃金が低く抑えられる恐れもある。職務や成果などに応じて賃金を支払うには、人事評価制度の整備が重要だ。

70歳までの就業機会の確保を前提にフリーランス契約に移行したり、社内で起業したりする場合、労使で雇用条件を協議するなど何らかの保護策も検討すべきだ。企業が現役世代の従業員の待遇を引き下げるため、悪用するのを防ぐ歯止めも不可欠だ。

政府は今回の措置を努力義務とするが、将来的には義務化も検討する。心身ともに健康な人がいつまでも元気で働ける職場が増えていけば、先進国の中でも低い労働生産性の向上も期待できる。そうした環境整備は企業にとっても基盤強化につながる。
posted by (-@∀@) at 12:30| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] トランプ氏の年頭教書 分断をあおる選挙演説だ (2020年02月06日)

目を疑う光景だった。トランプ米大統領が連邦議会に国政を報告する年頭の一般教書演説である。

議場に入場したトランプ氏に与党の共和党議員らが「あと4年」と再選を求めて叫び声を上げる。

国民皆保険を訴える野党の民主党議員を念頭にトランプ氏が「社会主義者による破壊」と非難する。

演説が終わるや民主党のペロシ下院議長が怒りをこらえきれずに議長席で何度も演説文を引き裂く。

与野党が対立するトランプ氏の弾劾裁判の最中とはいえ、これが米政治の現実なのかとがくぜんとする。

11月には大統領選が控える。トランプ氏の演説は、自画自賛が続く選挙演説のようだった。

「雇用は活気づき、所得が上昇し、貧困は減り、犯罪も減少し、自信は高まり、米国は繁栄して再び高い尊敬を集めている」

米国経済は確かに好調だ。トランプ政権発足後に伸びた指標もある。誇張に過ぎるとの指摘はあるが、「実績」としてアピールできるのは現職の強みに違いない。

一方で、移民政策や医療保険改革などで民主党を激しく攻撃した。対抗姿勢を鮮明にしたいのだろう。

しかし、一般教書演説は、取り組むべき政策課題を示し、その実現を議会に働きかける場である。選挙宣伝のためにあるのではない。

トランプ氏の政治手法は特異だ。自分の強固な支持基盤だけを重視し、異なる意見には耳を傾けず、徹底的に批判して排除する。

分断が深まる社会であればこそ、国のリーダーはその溝を埋め、敵対感情を癒やす努力をすべきだ。

だが、トランプ氏から、超党派による協力を促すことばは聞かれなかった。失望を禁じ得ない。

選挙戦が進むにつれて与野党が非難の応酬を繰り広げ、米国の分断がより深まる懸念がある。

製造業が衰え、移民や格差の問題が先鋭化する中、不満のはけ口が自国第一主義に向かう。

外交でも「米国第一」を掲げ、従来のルールや規範にしばられない手法を改めようとしない。

貿易戦争は「うまくいった」と胸を張り、同盟国に「公平な負担」を求めた。米軍駐留経費負担の交渉を控える日本にも影響を与えよう。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] クルーズ船で集団感染 国内流行に備える対応を (2020年02月06日)

横浜市のふ頭沖に停泊しているクルーズ船で新型肺炎の集団感染が確認された。香港で下船した乗客の感染が判明したことをきっかけに、この感染者と接触した人や症状のある人などを調べた結果だ。

クルーズ船では多国籍の人が限られた空間で長期間を共に過ごす。食事やイベントなど感染者と濃厚接触するチャンスも多い。

今回の新型コロナウイルスは1人から数人に感染するとみられており、1人でも感染者がいれば乗客の間に感染が広がることは十分に予想されたことだ。

政府は乗客乗員全員を潜伏期間が終わるまで船内に留め置く方針だ。潜伏期の感染者がいる可能性を考えると、やむを得ない措置だろう。

乗客の間のさらなる感染を防ぎつつ、それぞれの健康状態にも十分気を配り、ストレスをためずに過ごせる方法を考えてもらいたい。

クルーズ船は特殊な環境だが、中国での感染拡大や、武漢からチャーター機で帰国した日本人の感染状況をみると、日本国内でも流行が起きうることを想定しておくべきだ。

政府は受診希望者の相談を受け付ける「帰国者・接触者相談センター」と、感染が疑われる人の診療にあたる「帰国者・接触者外来」の設置を自治体に依頼した。全国で迅速に対応してほしい。

こうした情報を日本人はもちろん、観光客も含めた外国人にも周知することが大事だ。国と自治体の間で感染にかかわる正確な情報がすばやく交換できる体制も再点検してもらいたい。

感染者や患者が増えた場合に相談センターや専門外来が対応不能に陥ることがあってはならない。院内感染を防ぎつつ十分な診療に当たることができるよう、今から準備することも求められる。

重症化する人は少なくても、感染が拡大すれば高齢者や持病のある人が重症化のリスクにさらされる。弱者を守るためにも、手をこまめに洗う、症状のある人がマスクを着用する、といった予防対策は欠かせない。

感染の有無を通常の医療機関でも迅速に判定できる検査キットの開発も急がれる。今回のウイルスに有効な既存薬の探索も世界で行われている。日本も国際協力で貢献したい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 新型肺炎 経済リスクにも備えを怠るな (2020年02月06日)

中国発の新型肺炎は、世界経済にとっても大きなリスクである。各国の政府や企業は、影響が最小限にとどまるよう万全を期さねばならない。

中国では、感染の拡大を受けて人の移動や企業活動が制限されている。湖北省武漢市は事実上、封鎖された。北京市を始め他の地域でも、企業などに社員の出勤を停止するよう指示が出ている。

中国への渡航禁止や、中国からの入国制限を打ち出す国や地域も相次ぐ。まずは、感染拡大を食い止めることが最優先だ。

問題は、「世界の工場」と呼ばれる中国で、経済活動の停滞が長引くかどうかである。最大の自動車生産国で、スマートフォンは世界生産の6割を超えるという。

生産が落ち込めば、ハイテク機器から日用品まで幅広い品目で各国への供給に支障が出よう。

サプライチェーン(部品供給網)は、世界に張り巡らされている。特に、中国を最大の貿易相手国としている日本の企業は、中国製の部品を多く輸入している。

自動車部品の輸入額は年間3000億円を超え、重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2003年の10倍近くに達する。

当面は在庫で賄えるというが、各社はこれを機に供給体制を点検し、調達先の多様化など危機対応を再考する必要がある。

現地に進出する日本企業の動向にも注意が要る。武漢のホンダや日立製作所などの工場は、操業再開を14日以降に先送りした。武漢以外の日系企業にも延期が広がる。再開が遅れれば、下請けの部品メーカーにも波及しよう。

流通や外食などのサービス業も中国で事業を拡大している。企業業績への影響が懸念される。

中国政府が団体旅行を禁止したことで、国内の観光関連業種では、既に打撃が表面化している。

多数のキャンセルが出た宿泊施設やテーマパークなどがある。全日本空輸や日本航空は中国路線の運休や減便を行う。大手百貨店では、春節(旧正月)期間の免税品の売上高が大幅に減少した。

中国人客のキャンセルは、団体旅行だけで3月末までに40万人以上になる可能性があるという。

19年の訪日外国人のうち、中国人客は959万人で最多だ。消費額は約1・8兆円と、訪日客全体の4割に近い。急減した場合のダメージは軽視できない。

地方の旅館や土産物店など観光業には経営基盤の弱い中小企業も多い。政府は、緊急融資などの資金繰り支援を検討すべきだ。

無断転載禁止

* twitter

* facebook

* line

* mail
posted by (-@∀@) at 12:10| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 米国政治の劣化 大統領選を機に立て直せるか (2020年02月06日)

政治的対立と社会の分断が深まる中で、米国は針路を軌道修正し、国際秩序と世界経済の中心的な役割を担い続けることができるのか。

11月の大統領選で審判を下す有権者には、重い責任が課せられている。

トランプ米大統領が一般教書演説を行い、雇用増や対中貿易交渉の進展など、「米国経済の復活」を実績に挙げた。外交・安全保障政策では、同盟国に負担増を迫る路線や、中東で米軍の関与を減らす方針を改めて明確にした。

再選を目指すトランプ氏が、「米国第一」の内向きの政策に、一段と傾いていくのは確実だ。日本など関係国は警戒し、悪影響を抑えていかねばならない。

グローバル経済から取り残された白人労働者層が、トランプ氏に望みを託す、という構図は4年前と基本的には変わらない。民主党は政権奪回を目指すのなら、「反トランプ」だけでは支持を広げられない現実を認識すべきだ。

民主党の大統領候補選びは混戦となっている。共和党支持者や無党派層にも響く力強い構想を掲げる候補が求められよう。現時点では、人材不足の感は否めない。

懸念されるのは、候補争いで上位に立つ急進左派の政策だ。

サンダース上院議員は、公立大学の無償化や学生ローンの負債免除、国民皆保険を公約とし、財源として富裕層増税などを掲げる。ウォーレン上院議員も、大企業と富裕層を対象とする大増税や巨大IT企業の分割を唱える。

米国内の格差是正が必要なのはその通りだ。米国で、上位5%の富裕層の資産が全体に占める割合は68・1%に及ぶ。日本の27・7%などと比べ、突出して高い。

だが、大企業を敵視し、極端な再分配を目指す急進左派の政策は自由な民間経済活動に急ブレーキをかける。企業の競争力が失われ、景気が失速すれば、貧困層の救済や格差是正も実現できまい。

急進左派の外交・通商政策は、トランプ氏以上に孤立主義、保護主義的でもある。民主党支持層では、急進左派を支持する若者と、反発する中高年の分断も生じている。結束に失敗すれば、トランプ氏再選の確率は高まるだろう。

民主党が仕掛けたトランプ氏の弾劾(だんがい)裁判はウクライナ疑惑の解明にはつながらなかった。党派対立ばかりが目立ち、政治の劣化を世界に見せつける結果となった。

候補の政策や人柄を熟考する大統領選のプロセスを、政治の立て直しに生かさねばならない。

無断転載禁止

* twitter

* facebook

* line

* mail
posted by (-@∀@) at 12:10| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 賃金の時効 原則の「5年」を早急に (2020年02月06日)

未払いの残業代などをさかのぼって会社に請求できる期間(時効)を今の過去2年分から3年分にする。そんな労働基準法改正案が国会に提出された。

4月施行の改正民法で、一般的なお金の支払いを請求できる期間が原則5年に統一されるのに合わせた見直しだが、なぜ賃金は3年なのか。

働く人を守るための法律が、民法の原則を下回るルールを定めて権利を制限するのはおかしい。早急に民法と同じ5年にするべく、国会でしっかり議論しなければならない。

賃金請求権の時効は現行の民法では1年だが、「労働者保護」の観点から、民法に優先するルールとして労基法で2年と定められている。

今回の改正では、厚生労働省の審議会で、労働側が改正民法と同じ5年にするよう求めたのに対し、経営側は賃金台帳といった記録を保存する事務負担が増えるなどと反対。結局、労基法は、原則5年としたうえで「当分の間」は3年とし、施行5年後に見直しを検討する折衷案で折り合った。

だがこの内容では不十分と言わざるを得ない。見直しの必要性は、施行状況を勘案して判断するとされており、5年後の実施は約束されていない。

記録の保存義務も原則5年としながら、当面は3年に据え置かれる。これでは、企業側の態勢が整っていないことを理由に、経過措置がずるずると続きかねない。

改正民法の施行後、会社は一般的な取引やフリーランス、請負契約の人の書類は5年間保存しなければならなくなる。雇用関係のある社員の記録だけ3年間保存するのでは、むしろ混乱するのではないか。

企業負担への配慮はどこまで妥当なものか。仮に経過措置を設けるにしても、その間、企業側にどのような取り組みを求め、いつまでに原則の5年に移行するのか。国会審議でもっと掘り下げて、具体的な道筋を示すべきだ。

残業代の不払いを指摘されて100万円以上を支払った企業は18年度、1768社、総額124億円(約12万人分)にのぼる。問題が発覚した企業の多くは、労基法で定められた2年分しか払っていない。

政府は春闘で経営側に賃上げを求めるが、まずは本来払われるべき賃金が支払われるようにすることが先決だ。

賃金は働く人の生活の糧である。労基法が民法に優先する特例を定めたのも、保護の必要性が高いからに他ならない。

労基法の趣旨、働く人たちの権利を守る視点に立ち返って考える必要がある。
posted by (-@∀@) at 12:00| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 桜を見る会 ごまかし答弁極まれり (2020年02月06日)

今国会序盤の論戦が一区切りした。安倍首相が出席する予算委員会が衆参で8日間続いたが、かみ合った議論にはほど遠かった。その最たるものが、昨年の臨時国会から続く「桜を見る会」の私物化疑惑である。

政権の信頼に直結する問題である。新型肺炎対策や自衛隊の中東派遣などとともに、主要テーマとなったのは当然だ。しかも、本気で疑念を晴らす気があるとは思えない首相の不誠実な答弁が繰り返されては、追及の手を緩めるわけにはいかない。

自らの正当化に腐心する首相のつじつま合わせは、もはや限界だ。桜を見る会の前日に例年開いていた夕食会について、後援会の主催なのに政治資金収支報告書に記載していないことをめぐる釈明が典型である。

首相はこれまで、参加者が直接、1人5千円の会費をホテルに支払ったので、後援会に収支は発生せず、報告の必要はないとしてきた。それではホテル側と契約したのは誰なのか。野党からそう詰められた首相は、契約主体は後援会ではなく「参加者個人」と答えたのだ。

約800人に及ぶ参加者が個別にホテルと契約したという説明は、常識的に無理がある。後援会が主体と認めると、報告書への不記載を問われかねないためのこじつけではないか。

予算委では、立憲民主党の辻元清美衆院議員が「安倍方式」と名付け、他の議員が同様にしてもいいのかとただした。首相は「同じ形式であれば問題ない」と言わざるを得なかった。政治資金の流れを透明化する政治資金規正法の趣旨を骨抜きにする行為を、首相自ら容認するとは、無責任極まりない。

政府は招待者名簿が残っていないことを盾に、さまざまな説明を拒否している。電子データも廃棄したというが、「不正侵入を助長する恐れがある」として、コンピューターの履歴の確認には応じない。理由を補足した菅官房長官は「同じシステムを国家安全保障局が利用している」として、「国家機密」まで持ち出して情報漏洩(ろうえい)の危険が増すと答えた。データ廃棄の日時を公表しただけでそうなるとは信じがたい。これも無理を重ねた結果の苦しい言い訳だろう。

首相は施政方針演説の冒頭、第2次政権発足時にあった「日本はもう成長できない」という「諦めの壁」を、7年間の政策により「完全に打ち破ることができた」と自画自賛した。

一方で、首相自らが「諦めの壁」をつくろうとしているのではないか。その場しのぎで時間をかせぎ、疑惑への追及の矛先が鈍るのを待っているようにみえる。完全に打ち破られるべきは、こちらの壁もそうである。
posted by (-@∀@) at 12:00| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする