2020年02月29日

[東京新聞] 一斉休校要請 混乱収拾は国の責任で (2020年02月29日)

全国の学校は大わらわだろう。新型肺炎拡大防止で、国の一斉休校の要請はあまりにも唐突だった。どういう根拠にもとづく施策かも説明不足だ。生じる混乱の責任は国が負わねばならない。

学校保健安全法は、感染症の予防上必要があるときは、学校設置者は臨時に休校できると定めている。つまり公立は地方自治体の教育委員会、私立は学校法人に判断は委ねられている。

そのため一斉休校は国からの「要請」という形を取っている。強制力はない。しかし判断材料も十分ではない中、独自の対応をするのは困難と考える自治体も多いだろう。週明けから休校の動きは広まるとみられる。

期末試験を実施しないまま、どうやって成績をつければよいのか。入試はどうするか。卒業式は−。休校後も先生たちの苦悩と混乱は続く。

学校という多人数が密集する環境での集団感染を防ぎ、同居する高齢者に感染が広がらないようにする。一斉休校にはそういう効果が期待されている。しかし感染者が確認されていない地域まで一律で休校する必要があるのか、専門家の意見も分かれている。

親が満員電車で通勤しているのに、子どもだけ休校にして家庭の感染リスクは低下するのか。学童保育や保育所は原則開所というが、判断の線引きは一体どこにあるのか。疑問は次々わいてくるが、明快な説明はない。

根拠(エビデンス)がはっきりしない方針が次々打ち出されると、目指す方向性が見えにくく、国民の不信は増すばかりではないのか。

心配されているのは、親が休まざるを得ない状況に追い込まれ、経済的な打撃を被ったり、働き手が不足する事態だ。実際、すでに知事が休校を要請している北海道では、大勢の看護師が日中働くことが困難になり、外来を制限し始めた病院もある。

預け先のない家庭の子どもを学校で受け入れると決めた自治体もあるが、国は休業補償など具体策を早急に示すべきだ。

休校後は、自宅で過ごすことを求められている子どもたちのストレスも気掛かりだ。新型肺炎への不安を過度に膨らませ、それが感染者への差別、偏見につながってしまう事態は避けねばならない。誰でも感染の可能性があるし、不運に見舞われた人がいれば互いに思いやる社会となるよう、大人は子どもたちと話をしてほしい。
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[東京新聞] 原爆症判決 救済の精神はどこへ (2020年02月29日)

被爆者の訴えは最高裁で退けられた。原爆で病気になったが、「要件を満たさない」と原爆症と認められなかった。「患者切り捨ての判断だ」との非難がある。なお国は救済の道を探るべきである。

「不当判決」と書かれた紙が最高裁の前で広げられた。「納得できない結果に心が折れそうになった」と原告は語った。確かに今回の判決は行政の現状を追認し、救済を後退させる内容といえる。

原爆症の認定と訴訟の歴史的経緯を探ってもそれが言える。もともと被爆者健康手帳を交付されても原爆症と認められ、医療特別手当が支給されるのは難しかった。審査が厳しく、認定者は当初、1%にも満たなかった。

そのため被爆者が認定を求める訴訟を相次いで起こし、約九割が勝訴した。司法が救済したのだ。それゆえ二〇〇八年になり国は積極認定するよう基準を緩和した。〇九年には当時の麻生太郎首相が日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と確認書を結び、「訴訟で争う必要のないよう解決を図る」と合意している。

だが、第二次安倍晋三政権になって国は一転し、一四年、現に医療を必要とする状態である「要医療性」を厳しくする運用に見直した。その結果、月約十四万円の医療特別手当から月約五万円の特別手当に移行されるケースが続出した。明らかな逆行である。

今回の原告三人は広島や長崎で被爆して白内障などにかかり、いずれも経過観察中だった。最高裁は「経過観察が行われているだけでは医療が必要な状態とはいえない」としたうえ、「積極的な治療の一環だといえる特別の事情が必要だ」という初判断をした。

その結果、一審・二審で「要医療性」を認められた原告まで最高裁ではねつけられてしまった。司法の後退であり、今後の国の審査をさらに厳しい方向に向かわせる可能性さえある。

認定審査に影響は必至といえよう。「被爆者の切り捨て」の声が上がるのも当然である。

被爆者援護法は「原爆投下による健康被害は特殊であり、総合的な援護策を講じる必要がある」旨を定めている。当然ながら、救済は「国の責任」ともしている。

一人でも多くの被爆者を救済するのが従来の国の約束だったはずである。「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」でもあったはずだ。救済の精神にのっとった新たな制度設計が求められる。
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[産経新聞] 【主張】首相の休校要請 説得力ある呼びかけを 「緊急事態宣言」へ法整備急げ (2020年02月29日)

安倍晋三首相が、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国すべての小中高校などに対し3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請した。

政府の25日の基本方針にもなかった異例の対応であり、社会に与える影響は極めて大きい。新型肺炎の流行を抑制するため、必要かつやむを得ない措置を政治決断したものといえる。

問われるのは、この措置についての説得力のある説明だ。流行に関する現時点の見通しはもちろん、なぜ今、一斉休校とし、これを春休みまでとしたのかという理由も聞きたい。休校するかどうかで抑制効果がどれほど違うのかも示すべきである。

≪後手の対応を立て直せ≫

安倍首相は29日に記者会見を開き、国民の協力を求める。1月中旬に日本で感染者が確認されてから初めての会見であり、遅きに失した感は否めない。

政府のこれまでの対応は後手に回り、情報開示も不十分だった。その点への真摯(しんし)な反省はもちろん必要だ。同時に、国民が国政の最高責任者の説明を求めていることを銘記すべきである。首相には新型肺炎と戦う態勢を立て直すよう指導力を発揮してほしい。

休校要請の対象となる児童、生徒らは約1300万人いる。日本の歴史にこれまでなかった規模だ。新型ウイルスとの戦いが容易ならざるもので、日本が緊急事態の渦中にあることを意味する。

休校を決める権限は政府ではなく、全国の教育委員会や学校法人にある。首相の表明を受けて文部科学省や各教委からは驚きの声があがった。首相が打ち出さなければ全国一斉休校は到底実現できない。各地の教委などは要請を重く受け止めて対応すべきである。

学校は、大勢の子供が日々、同じ教室で学び、食事もとる集団生活の場だ。ウイルスにとって格好の温床となる。子供たちがウイルスを持ち帰り、高齢者を含む家族に感染を広げる図式はインフルエンザと共通する。一斉休校の意義は大きく、感染者や犠牲者を減らすことに寄与するだろう。

およそ百年前にスペイン風邪が日本で大流行した際は、学校や軍隊から全国へ感染が広がった。その教訓を忘れてはならない。

一方で全国一斉休校はさまざまな副作用をはらむ。それへの対応策も整えなくてはならない。

一人親や共働きの家庭では、保護者の仕事をどうするかという問題が生じる。文科省は学童保育を朝から開所するよう求めた。千葉市などは休校後も、低学年の児童を小学校で預かる方針だ。

政府や自治体、勤務先、家族が知恵を絞ることもウイルスとの戦いである。東日本大震災の際に多くの人々が助け合ったことを思い出したい。

首相は衆院予算委員会で、収入減となるパート労働者など保護者への支援策検討を表明した。急ぎ具体策をまとめるべきだ。

米国株式市場の株価が史上最大の下げ幅を記録し、28日の東京市場でも一時1千円を超える下げ幅となった。企業の資金繰りへの支援など、万全の対策を講ずべきは当然である。

≪検査態勢の拡充必要だ≫

感染の急拡大を受けた法整備も浮上している。安倍首相は28日の衆院総務委員会で、新型インフルエンザ等対策特別措置法を参考に法整備を急ぐと表明した。今後、同特措法にあるような「緊急事態宣言」を活用すべき局面がくるかもしれない。与野党は協調して早期に法整備を果たしてほしい。

新型肺炎対策は、一斉休校だけで済む話でもない。現時点でも湖北・浙江両省以外の中国から、1日平均800人の入国がある。これで大丈夫なのか。

感染の有無を調べる検査態勢の拡充は急務である。加藤勝信厚生労働相は来週中に検査の公的医療保険適用を決める意向を示したが遅すぎる。現場の医師が必要と判断すれば検査できる態勢を整えなくては、感染の抑制も治療も不十分となる。民間検査会社の全面協力が欠かせない。

企業などは政府の呼びかけに協力し、相次いでイベントの中止・延期を決めている。そのような中で秋葉賢也首相補佐官が26日夜、立食形式の政治資金パーティーを開いた。言語道断で首相を支える任に堪えない。更迭することが当然である。
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[毎日新聞] 新年度予算案が通過 安倍首相も瀬戸際にある (2020年02月29日)

新年度予算案がきのう、衆院を通過した。従来に増して深刻な懸案を抱えながら、安倍晋三首相と与党は予算案通過だけは急いだ形だ。

だが新型肺炎の拡大は「この1、2週間が瀬戸際」とされる中で、政府の対応には不安が募るばかりだ。

それは、首相が「桜を見る会」や検察人事問題などで追いつめられていることと決して無縁ではない。

世論調査では、このところ内閣支持率は大きく下落している。自らの苦境を挽回しようとして首相は焦っているのかもしれない。それが新型肺炎への方針が日々変わる混乱につながっているように思える。

衆院審議を振り返れば、もはや安倍首相自身が「瀬戸際」に立たされていると言うべきである。

「桜を見る会」では前夜祭の会場となったホテル側と首相の説明が依然、食い違ったままだ。

前夜祭は政治活動ではなく、政治資金収支報告書に記載する必要がないと首相が主張するのなら、領収書や明細書を出せばいいはずだが、それもしない。これは政治資金規正法に違反するかどうか、事実認定に直結するポイントだ。水掛け論で終わらせるわけには到底いかない。

黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題では、森雅子法相や人事院の答弁が迷走している。「政府が続けてきた法律解釈と違う」と野党から指摘されて、首相は解釈を変更したと答弁したが、その手続きは誰が、いつ決めたのか明確でない。

重要な変更にもかかわらず、森法相は「口頭決裁だ」と言い、国会に提出された文書には日付のないものまであった。つじつま合わせのためにあわてて文書を作ったのではないかとの疑いは消えない。

「桜を見る会」も、検察人事も、安倍政権が長期化する中で、「政権は何をしても許される」というおごりが生んだ問題である。

新型肺炎で緊張感がより必要な時期に、しかも首相が大規模イベントの自粛を呼び掛けたその日夕に、首相補佐官を務める秋葉賢也自民党衆院議員が地元で政治資金パーティーを開いて批判を浴びる始末だ。

このまま安倍首相に任せていて大丈夫なのか。来週から始まる予算案の参院審議では、まさにそれが問われることになる。
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[毎日新聞] 「全国休校」を通知 説明不足が混乱を広げる (2020年02月29日)

新型コロナウイルスの感染拡大で、安倍晋三首相が全国の全ての小中高校などに一斉休校を要請したことに対し、国民に戸惑いと不安が広がっている。

首相は今回の要請が政治判断であり、全責任を負うと強調した。だが、実際に対応を迫られるのは国民や教育現場だ。このままでは混乱が加速しかねない。

3月2日からの休校を求めた首相発言は唐突だった。一夜明け、各機関への調整不足が表面化している。

まず浮かんだのは全国一律の対応を地方に求めることの非現実性だ。

自治体の対応は分かれている。東京都などは要請通り2日から休校することにし、金沢市は現時点での実施を見送った。

首相の要請を受けながら休校を見送れば、もし子どもに感染が広がった時に責任を問われるのではないかと悩む自治体もありそうだ。しかし、地域によって感染の広がりなどは大きく異なる。それぞれの事情に応じた判断があってかまわない。

文部科学省がきのう、全国の自治体に休校を要請した通知でも、期間については地域や学校の実情を踏まえて判断していいと明記した。

それなら、この見解を首相要請の時点で明確にすべきだった。対応が「日替わり」で迷走していないか。

保護者側の負担の大きさも改めて指摘したい。

非正規雇用の一人親は、子どもの世話で長期の休みをとれば、収入が減って生活の困窮を招くと不安を感じている。首相はこうした収入減への対策を検討する考えを示した。早急にまとめてほしい。

また、医師や看護師、消防士といった職種の人が一斉に休めば、市民の健康や安全が脅かされかねない。先行して一斉休校した北海道では、外来診療を制限した病院もある。千葉市の熊谷俊人市長は「社会が崩壊しかねない」と懸念を示した。

政府は休校期間も学童保育を開くことを認め、夏休みなどと同等に開所時間を延ばすよう促した。だが、受け入れ態勢が課題になる。学童保育から感染が広がる恐れもある。

首相はきょう一連の対応について記者会見で説明する方針だ。さまざまな課題に政府としてどう取り組むかを具体的に示さねばならない。
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[読売新聞] 世界株安 市場動向を冷静に見極めたい (2020年02月29日)

新型コロナウイルスの感染拡大が、世界的な株安を引き起こした。

株価は実態以上に値上がりして、過熱気味と言われていた。現時点で過度に悲観する必要はあるまい。

企業業績や感染状況の推移を踏まえ、金融市場の動向を冷静に見極めることが大切だ。

ニューヨーク市場のダウ平均株価は27日、1190ドル値下がりして過去最大の下落幅となった。アジアや欧州の株価もこのところ大きく下げ、日経平均株価は28日、一時1000円超下落した。

一方で、米国債をはじめ、比較的安全な資産とされる主要国の国債や金が買われている。経済の先行きが見通せず、投資家が不安を強めていることがうかがえる。

コンピューターの自動取引が増え、株価の下げを増幅している技術的な要因も大きいだろう。

株価が一定水準まで下がると、損失拡大を防ぐために売り注文を出すようプログラムが設定されている。株価の下落局面では売りが売りを呼ぶ展開になりやすい。

ただ、新型肺炎の流行は、2008年のリーマン・ショックなどとは本質的に異なる。

当時はハイリスクな金融商品の価格が暴落し、米証券リーマン・ブラザーズが破綻した。同様の商品を大量に保有する欧米の金融大手も経営危機に陥った。

金融システムのマヒで大手企業も資金繰りに窮し、ダウ平均は1か月で25%前後下落した。

今回はこれまでに10%ほど下げたが、金融機能に問題はない。

東日本大震災の時のように工場や機械といった設備が壊れたわけでもない。感染拡大が収束していけば、企業の生産活動や貿易は早期に回復するのではないか。

無論、短期的には経済に悪影響を及ぼす。部品調達に支障が出ている製造業だけでなく、観光業、飲食店、航空会社など幅広い業種に打撃を与えている。日本では倒産した企業もある。

各国は景気の落ち込みを最小限にとどめねばならない。それぞれの事情に応じて、追加の財政出動や企業の資金繰り支援など必要な対策を講じるべきである。

感染を抑えつつ、ヒトの往来や生産活動を正常化するには、各国が連携を強めることが大切だ。

米国では主要企業の業績に対する懸念が強まり、連邦準備制度理事会(FRB)への利下げ期待が市場で急速に高まってきた。FRBは実体経済への影響が深刻だと判断すれば、利下げによる景気下支えをためらうべきではない。

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[読売新聞] 新型肺炎 医療と経済に全力で取り組め (2020年02月29日)

2020年度予算案が衆院を通過し、年度内の成立が確実となった。政府は、新型肺炎の医療体制の充実や経済対策に万全を期す必要がある。

安倍首相は衆院予算委員会で、新型肺炎の感染拡大について「やるべき対策を躊躇(ちゅうちょ)なく決断し、実行していく」と述べた。

適切な診療態勢の整備に、最優先で取り組まねばならない。

患者は、主に感染症の指定医療機関で治療を受けている。感染者の増加を想定した場合、広く一般病院での受け入れも検討せざるを得ない。治療設備の充実や、重症者のベッドの確保は急務だ。

検査を希望しても、受けられないケースがあるという。対処能力を高めることが大切である。

感染症の拡大防止に向けて、イベントの中止・延期や、遊興施設の休止などが相次ぐ。企業の生産活動も縮小を余儀なくされている。事態が長期化すれば、経済への打撃は避けられまい。

政府は、19年度予算の予備費約2700億円などを当面の対策に活用する。必要なら、追加策を打つことをためらってはならない。20年度補正予算案の編成も、視野に入れるべきだろう。

新型インフルエンザが流行した09年には、政府が補正予算を編成し、ワクチンの開発・生産などを進めた経緯がある。こうした事例も、参考となろう。

重要なのは、経営体力の弱い中小企業を支えることだ。

観光業や、中国からの部品供給が滞っている製造業を対象に、資金繰り支援を拡充し、倒産を防ぐ必要がある。従業員を解雇せず、休業にとどめた企業に支給する雇用調整助成金は、要件を緩和して適用対象を拡大してはどうか。

野党は衆院での審議で、首相主催の「桜を見る会」に関し、政治資金規正法に抵触すると指摘したが、明確な証拠は出ていない。議論は堂々めぐりとなっている。

黒川弘務・東京高検検事長の定年延長も焦点となった。前例のない検察官の定年延長である。経緯に関する政府の説明は二転三転し、不透明感は拭えない。

一定の独立性が求められる検察の人事に、政治が介入したとすれば、国民の不信は高まろう。政府は丁寧に説明する必要がある。

首相は、自らのヤジで謝罪に追い込まれた。閣僚の軽率な発言も目立った。政府は緊張感を持って参院での審議に臨むべきだ。

内外の政策課題は山積している。与野党には、建設的な論戦を展開してもらいたい。

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2020年02月28日

[東京新聞] 新型肺炎と倒産 中小向けに集中支援を (2020年02月28日)

新型肺炎の拡大に伴い、企業倒産への不安が増大している。終息の兆しがみえない中、体力のない中小企業は崖っぷちに立たされている。政府は中小向けのピンポイント型支援策を強化すべきだ。

ここにきて愛知県蒲郡市の旅館や北海道のコロッケ業者が経営破綻した。新型肺炎の影響で経営が急激に悪化したためだ。

中小企業への打撃は、中国からの旅行客が激減した観光業界を中心に広がっている。宿泊施設のほかバスやタクシー会社、飲食店や土産店などが軒並み大幅な売り上げ減少に陥っている。

日本旅行業協会は団体旅行が禁止となった一月下旬から三月末までの中国人旅行客の減少は四十万人と予測。昨年の訪日中国人は約九百五十九万人だが、このままだと激減は必至。資金繰りが悪化する事業者も確実に増えるだろう。

コンサートやスポーツなど各種イベントの開催を見合わせるケースも一気に増えた。感染拡大を防ぐ意味では理解できる措置だ。

ただイベント関連の事業者もその多くが中小だ。会場の違約金や顧客への払い戻しなどが重なり、短期間で資金不足に陥る恐れもあり注視が必要だ。

さらに観光地に限らず飲食店への影響も懸念され始めている。中国からの輸入食材に頼る店は多い。だが供給網の寸断で在庫が底をつく店も出ており、早急に実態把握すべきだ。

事業者数ベースでは、国内の九割以上が中小企業だ。中小の製造業や各種サービス業は、雇用面も含め国内経済を支える主役である。ただ財務面で脆弱(ぜいじゃく)な事業者が多いのも事実だ。

政府は、中小向けの五千億円規模の緊急貸し付け・保証枠の拡大や、解雇防止のための雇用調整助成金の要件緩和などで対応している。各都道府県も信用保証協会がセーフティネット保証と呼ばれる仕組みを拡大し、融資を受けやすくしている。

しかし対策は所管する官公庁別にさみだれ式で行われ、やや力強さに欠ける。株価の大幅下落などで心理面での不安も広がっている。ここは政府が緊急対策をてこ入れした上で一括公表し、支援する強い姿勢をアピールすべきではないか。

新型肺炎の影響は大企業も受けている。中国からの部品調達難で生産に支障をきたす企業も多い。だが体力がある大企業が代金値下げといった負担を下請けにかけないようくぎを刺しておきたい。
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[東京新聞] ハンセン病判決 「違憲」なら再審が筋だ (2020年02月28日)

ハンセン病患者とされた男性をめぐる一九五〇年代の特別法廷の審理は「違憲」と熊本地裁が判断した。人格権などを侵害したと認めた。男性は無実を訴えており、再審の扉を開くのが筋だ。

特別法廷とは最高裁が認めた場合に裁判所以外で法廷を開く方法だ。ハンセン病患者の裁判では、隔離先の療養所や専用の刑事施設に設けられ、四八年から七二年にかけ九十五件が開かれた。

だが、ハンセン病は感染力が極めて弱く、完治できる病気になっていた。そんな医学的な根拠も無視し、誤解や偏見に基づく隔離政策は続けられた。

特別法廷でも感染を恐れた裁判官や検察官、弁護士が予防服を着て、証拠物を火箸で扱うなど異様な光景があった。公開されるべき裁判が「非公開」であったともいわれる。

最高裁は二〇一六年に「人格と尊厳を傷つけた」と謝罪した経緯がある。しかし、特別法廷の設置が差別的で裁判所法違反だったと認めただけで、違憲とは言明しなかった。その意味で熊本地裁が明確に「特別法廷での審理は人格権を侵害し、患者であることを理由とした不合理な差別で違憲」と述べた意義は大きい。

特別法廷の適否に関する初の司法判断で、法の下の平等にも反し、裁判公開の原則にも反する疑いを認めた。画期的である。

もっとも原告が求めた「検察による再審請求」は「刑事裁判の事実認定に影響する手続き違反ではない」と退けた。この判断には疑問を持つ。裁判が「不合理」な形で進行したのならば、その手続きは正当とは言えまい。

「菊池事件」と呼ばれる今回の事件は男性が殺人罪に問われ、五七年に死刑が確定、六二年に刑が執行されている。だが、男性は「無実」を訴え続けていた。正当とは言えない法廷で審理され、導かれた事実認定がなぜ正しいと言えるのか。裁判をやり直す再審手続きを踏むべきである。

今回は刑事裁判でないし、刑事訴訟法上の再審事由に該当しないかもしれない。それは裁判所に憲法違反の手続きがあろうとは法の想定しえない事態だからだ。ハンセン病とされた被告には裁判所の門さえくぐれぬ不利益が働いた事情を酌むべきである。

男性は既に死刑になり、遺族は差別を恐れ、今なお再審請求に踏み切れない。法の落とし穴があれば検察官が再審を求め、公正な裁判を実現するべきなのだ。
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[産経新聞] 【主張】新型肺炎と企業 政策総動員で徹底支援を (2020年02月28日)

産業界を挙げて新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ取り組みを加速するには、官民が危機感と情報を共有することが必要である。

大手企業では、新型コロナウイルス対策で社員の出社停止を求める企業が出ている。テレワーク(在宅勤務)や時差出勤の動きも広がっている。いずれも満員電車など人混みでの感染拡大抑制に期待がかかる。

だが、一律の出社停止やテレワークの実施は難しい。

先行して出社停止に踏み切ったIT企業がその後、業務内容に応じて一部社員の出社を認めるなどの修正もみせている。各社が個別の事情に応じて柔軟に取り組む必要がある。

懸念されるのは中小企業への影響だ。大手企業が出社を停止し、その間の仕事を下請け企業に丸投げするようでは中小の負担が増すばかりだ。政府は「働き方改革」を促す意味でも、大手の下請けいじめを厳しく監視すべきだ。

梶山弘志経済産業相と加藤勝信厚生労働相らは経団連や連合など主要な労使団体トップと会談し、労使に時差出勤やテレワークなどの推進を求めた。官民が緊密に協力し、感染拡大の抑制を徹底することが重要だ。

特に都市部に本社や支社を置く企業では、従業員が満員電車などで新型コロナウイルスに感染するリスクが指摘されている。そうした企業は事情が許す限り従業員に時差出勤を促したり、出社停止を求めたりするなどの取り組みを進めてほしい。

中国をはじめとする訪日客の急減に伴い、地方の観光産業などでは苦しい経営状態に陥っている中小・零細事業者が少なくない。

政府は「雇用調整助成金」の支給要件を緩和している。これは売り上げ減などで経営が悪化した企業が従業員を解雇することなく、一時的な休業に対する手当の一部を補助する制度だ。

政府が今後2週間は大規模イベントなどの中止や延期を要請し、全国的に自粛ムードが広がっている。やむを得ない措置ではあるが、地域の中小企業への配慮も欠かせない。雇調金の支給要件をさらに緩和し、年度末の資金繰りを支援するなど政策を総動員しなければならない。

感染拡大の抑制と事業継続を両立するには、各社が多様な働き方を進める工夫が問われている。
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[産経新聞] 【主張】子供への虐待 悲劇への反省が足りない (2020年02月28日)

昨年1月に千葉県野田市の小学4年、当時10歳だった栗原心愛(みあ)さんが虐待死した事件で、彼女が自分宛てに書いた手紙を祖母が公開した。

手紙はこう結ばれていた。「未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい」。心愛さんがどのような気持ちでこれを書いたのか。想像するだけで胸が痛い。

同じ悲劇を繰り返さぬため、親権者らによる体罰禁止規定を盛り込んだ改正児童虐待防止法が4月に施行される。

厚生労働省の有識者検討会が、どんな行為が体罰に当たるかを示した指針は、頬や尻をたたく、殴る。長時間正座させる。夕飯を与えない?などを列挙した。

冗談でも「お前なんか生まれてこなければよかった」などということは子供の権利を侵害し、心を傷つける行為と強調した。

何をいまさら、の感もあるが、しつけと称しての虐待が後を絶たない現実が背景にある。

心愛さんの事件の公判で、傷害致死罪に問われた父親の被告側は「教育のためにやったことが行き過ぎてしまった」と述べている。こうした弁解を許さぬための指針である。だが、法改正も新たな指針も、そこに魂が入らなければ、ただの文面である。魂とは、関係者や社会の本気度を指す。

野田市が1月にまとめた検証報告書は、心愛さんが一時保護されてから少なくとも13回、行政機関が介入しなければならない状況があったと指摘した。

その上で「市の福祉、学校、児童相談所の誰であれ、頼れる大人が一人でもいたら救えたはず」としてそれぞれの対応を「子供への裏切り」と強く批判した。

深い反省は、全国で共有すべきものだった。

神戸市こども家庭センター(児童相談所)では今月10日未明、当直勤務を請け負うNPO法人の男性職員が、助けを求めてきた小学6年の女児に「警察に相談して」と伝え、追い返していた。

女児は近くの交番を訪れ、警察から「児童虐待がある」と通報を受けた児相が改めて保護した。そこには心愛さんの事件の反省も、子供を守るのだという気概も、全くみられない。

本来、子供を守るのは親の責務である。その親に虐待される子供は、社会を挙げて守らなくてはならない。
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[毎日新聞] 特別法廷に違憲判決 ハンセン病の差別直視を (2020年02月28日)

ハンセン病を理由に隔離施設の特別法廷でかつて開かれた刑事裁判について、熊本地裁が憲法違反と認めた。不合理な差別で、被告の人格権を侵害していると判断した。

最高裁は2016年にまとめた報告書で差別的な取り扱いだったと認めて謝罪したものの、違憲とまではしなかった。熊本地裁判決は踏み込んだ判断であり、評価できる。

問題となったのは、1952年に熊本県で起きた「菊池事件」の裁判である。被告の男性はハンセン病療養所や刑事施設の特別法廷で裁判を受け、殺人罪などで死刑となった。

特別法廷は、被告の出廷が不可能な場合などに裁判所以外で行う裁判だ。判決は菊池事件で設置した合理性を認めず、裁判官や検察官がゴム手袋をはめ、箸で証拠物を扱ったことにも言及し、差別だと明言した。

療養所の特別法廷は一般傍聴ができないため、憲法が定める裁判の公開原則に反する疑いも指摘した。

ハンセン病を理由とした特別法廷は、48年から72年までに95件開かれた。最高裁は必要性を厳密に検討すべきだが、機械的に許可していた。

最高裁の報告書は、国の隔離政策を違憲とした01年の熊本地裁判決を踏まえ、60年以降の特別法廷は違法だったと記した。一方、今回の判決は、それ以前の裁判について違憲性を認めており、意義は大きい。

今回の裁判は、菊池事件の再審をしないと特別法廷で広まった差別被害が解消されないとして、元患者6人が起こした民事訴訟だ。

判決は、裁判手続きが違憲だとしても、直ちに事実認定に影響を及ぼすとはいえないと指摘して、再審の理由はないと結論づけた。

しかし、裁判のあり方が憲法に違反している以上、その結論に誤りがないとは言えないはずである。確定裁判の見直しに消極的な司法の姿勢には疑問が残る。

昨年、ハンセン病の元患者家族に対する差別について、国に賠償を命じる判決が確定し、補償法が成立した。そして、今回の判決で特別法廷の違憲性が初めて認められた。

最高裁の報告書公表後も、ハンセン病差別の理不尽さが次々と浮き彫りにされている。最高裁はこうした流れを重く受け止め、改めて差別の歴史を直視する必要がある。
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[毎日新聞] 首相の全国休校要請 混乱招かぬ対策が必要だ (2020年02月28日)

非常事態の対応とはいえ、国民生活への影響は免れない。混乱を招かぬ対策が必要だ。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が来月2日から全国の全ての小中高校などについて臨時休校を要請する考えを示した。期間は春休みまでで、実質約1カ月に及ぶ。長期間にわたる極めて異例の措置だ。

子どもの健康、安全を第一に考え、感染リスクを低減することが目的だという。

すでに北海道や千葉、石川で臨時休校の措置がとられていた。このうち北海道では道内の全小中学校を1週間の休校にしている。

学校は集団生活の場である。一度感染が広がり出したら、歯止めがきかなくなる恐れがある。

これまで感染対策は後手に回ってきただけに、先手を打とうという意識が働いたのだろう。

ただし、首相の表明は唐突すぎる面があるのは否めない。大規模イベントの自粛要請と同様に、政府の基本方針に盛り込まれていない内容だからだ。この措置に伴うさまざまな課題に、政府は責任をもって対応すべきである。

首相の表明を受け、各自治体はさっそく、対応を迫られることになる。混乱を最小限に抑えるためにも、首相が早期に詳しい説明をする必要がある。

影響は学校だけにとどまらない。子どもや保護者に与える負担にも留意しなければならない。

共働きや一人親の家庭の場合、休校となれば子どもが一人で自宅に待機することになる。特に子どもが小さければ親は心配だ。子どもに合わせて仕事を休んだり、自宅で働いたりできるように、勤務先の企業などの協力が欠かせない。

特に非正規労働者の場合、家にいることで給与を得られなくなれば、生活に困る面も出てくる。こうした問題への対応も検討すべきだろう。

さらに、学習が遅れることへの手当てや、学校を円滑に再開するための配慮も忘れてはならない。

政府は当面、保育所については休園を要請しないという。ただ、今後、休園を検討せざるをえない事態が来る可能性は否定できない。早めに備える必要がある。
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[読売新聞] ハンセン病法廷 司法の過ち直視した違憲判断 (2020年02月28日)

裁判におけるハンセン病患者への人権侵害に、正面から向き合った司法判断と言えよう。

約70年前に熊本県で起きた「菊池事件」を巡る訴訟の判決だ。熊本地裁は、隔離されたハンセン病療養所の菊池恵楓園などに設けられた特別法廷が「法の下の平等を定めた憲法に反する」と指摘した。

ハンセン病を理由とする特別法廷は、90以上の裁判で設置された。最高裁は2016年の報告書で、隔離の必要性がなくなった1960年以降の設置手続きは「裁判所法に違反していた」と認めたが、違憲性には触れなかった。

今回、熊本地裁が裁判手続きを規定する裁判所法の違反にとどまらず、基本的人権を保障する国の最高法規である憲法に違反する、と踏み込んだ意義は大きい。

菊池事件では、ハンセン病患者とされた男性が殺人罪に問われ、特別法廷で死刑を言い渡されて62年に刑が執行された。今回の訴訟では、菊池恵楓園の入所者らが、検察が再審請求しないのは不当だとして国家賠償を求めていた。

判決は、男性の親族でない入所者らに賠償請求権はないとして、請求を棄却した。一方で「特別法廷での審理は、被告がハンセン病患者であることを理由とした合理性を欠く差別だ」と述べた。

菊池事件の特別法廷では、裁判官や検察官が証拠品を扱う際に、ゴム手袋をはめ、箸を用いていた。今回の熊本地裁判決は、こうした偏見に基づく差別的な取り扱いを問題視したのだろう。

判決が、特別法廷について、憲法が定める裁判の公開原則に反していた疑いがある、と言及したことは注目される。

特別法廷は、裁判所が被災するなど、やむを得ない場合のみ、例外的に認められるものだ。しかし、最高裁はハンセン病を理由とした特別法廷の設置を、具体的な事情を検討せずに許可していた。

特別法廷は、社会から隔絶された療養所などに置かれた。判決が「一般国民が訪問するのは事実上不可能で、傍聴を拒否したに等しい」と述べたのはもっともだ。

最高裁は、今回の判決を真摯(しんし)に受け止め、司法が犯した過ちを直視しなければならない。

菊池事件で刑を執行された男性の親族は現在、差別を恐れて名乗り出ることができない状況にあるという。昨年11月には、ハンセン病元患者だけでなく、家族の名誉回復を図る法改正が行われた。

社会に根強く残る偏見や差別を払(ふっ)拭(しょく)することが大切である。

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[読売新聞] 全国臨時休校へ 混乱抑え感染防止に全力を (2020年02月28日)

新型肺炎の患者が児童生徒にも出始めている。感染拡大につながるリスクをできる限り低減する狙いなのだろう。

安倍首相が、全国の小中高校や特別支援学校に対し、来月2日から春休みまで臨時休校とするよう要請する方針を明らかにした。

学校は大勢の子供が集まり、ひとたび生徒が発症すると、感染が一気に広がりやすい。家庭に戻って家族にうつす恐れもある。

新型肺炎では、感染経路のわからない患者集団が各地で見つかっている。ここ1?2週間は本格的な流行を抑止するための極めて重要な時期である。

全国一斉休校という異例の措置は、危機感の表れと言える。

北海道では27日から、小中学校の臨時休校が始まっていた。東京都は都立高校など約200校で、期末試験の終了後、前倒しで春休みに入ることを決めていた。

各自治体で独自に休校の動きが広がる中、政府として、統一的な考え方を示す必要に迫られた面もあったとみられる。

ただ、一斉休校に伴う様々な混乱も予想される。

3月に予定されている期末試験はどうするのか。試験を実施しないのなら、成績評価にも影響が出るのは避けられまい。

入学試験や卒業式も控えている。いずれも子供たちに重要な意味を持つ。実施する場合、会場の衛生管理を徹底するなど、感染防止に万全を期す必要がある。

休校中の子供たちが学習を続けられるよう、宿題を出して家庭学習を促すことも求められる。授業時間が不足するケースでは、学校が再開した後、適切な補習を実施してもらいたい。

一斉休校の措置を講じる際には保護者への配慮が欠かせない。

放課後に児童を預かる学童保育などの機能が低下すれば、日中も子供の世話をしなければならない保護者が増える。一人親や共働きの場合には、仕事を休まざるを得ないことになるだろう。

従業員が休みを取りやすい環境を、各企業が整えることが大切だ。テレワークなど在宅勤務も積極的に導入したい。

休業が長引いて収入が大きく減少するようだと、生活に困る人たちも出てくる。新型肺炎の影響で子供のために休んだ人に対して、政府は経済的な支援策を検討すべきではないか。

幼稚園や保育園の休園も予想される。幼い子供を持つ保護者にも十分な配慮が必要だ。

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2020年02月27日

[東京新聞] 検察官定年延長 三権分立を損なう暴挙 (2020年02月27日)

国会での審議を経て成立した法律の解釈を、政府が勝手に変えていいはずがない。黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡る法解釈の変更は、国会の立法権を脅かし、三権分立を損なう暴挙だ。

安倍内閣はなぜ、こんな重要なことを、国民の代表で構成する国会での審議も経ず、勝手に決めてしまうのか。

検察庁法は、検事総長以外の検察官の定年を六十三歳と定めている。一九八一年、国家公務員に定年制を導入する法案を巡る国会審議でも、人事院は「検察官は既に定年が定められており、今回の(法案に盛り込まれた)定年制は適用されない」と答弁していた。それが立法趣旨である。

国会の決定に従えば、黒川氏の定年は六十三歳で、延長は認められないはずだが、安倍内閣は国家公務員法の規定を適用して黒川氏の定年延長を決めてしまった。

定年延長は、安倍政権に近いとされる黒川氏を検事総長に就けるためとされてはいるが、ここでは三権分立に関わる国会との関係を巡る問題点を指摘したい。

まず、政府が法解釈を勝手に変えてしまうことの是非である。

憲法は「法律案は…両議院で可決したとき法律となる」と定め、内閣に「法律を誠実に執行」することを求めている。

国会で可決した法律の解釈を、政府が勝手に変えることは、憲法違反の行為にほかならない。

それが許されるなら、国会は不要となり、三権分立は崩壊する。国会軽視、いや、国会無視ともいうべき深刻な事態だ。

違憲としてきた「集団的自衛権の行使」を、安倍内閣の判断で容認した憲法解釈の変更は許されるべきではないが、あの時ですら、有識者会議や国会審議、閣議決定など一定の手順は踏んでいた。

今回の定年延長には手順を尽くそうとの姿勢すらない。安保法以下だ。決裁すら口頭だという。国会でいくら審議しても、政府の口先で法の趣旨が変わる。これが法治国家か。どこかの国を「人治」と批判できるのか。

人事院は八一年の政府見解について、当初「現在まで同じ解釈を続けている」と答弁したが、今回の定年延長との整合性を問われると「つい、言い間違えた」と答弁を変えた。国会も軽く見られたものだ。

政権中枢の独善的振る舞いを糊塗(こと)するため、官僚たちが辻褄(つじつま)を合わせる。安倍政権ではたびたび目にする光景だが、国民への背信行為は即刻、やめるべきである。
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[東京新聞] マハティール氏 電撃辞任の混乱収拾を (2020年02月27日)

マレーシアのマハティール首相(94)が突然辞任した。選挙を経た指導者では世界最高齢。国民の人気は高く、親日的な姿勢でも知られるが、後継を巡る政争が辞意の背景。混乱の早期収拾が望まれる。

マハティール氏は一九八一年から二十二年間首相を務め、二〇一八年に九十二歳で再登板した。合わせて四半世紀近い長期政権だ。小食で酒もたばこもやらず、六十歳当時と同じ体重という。

首都クアラルンプールの各所には大きな顔写真が掛かる。本人が市街地を歩くと人だかりができるが、警備の人数は少ない。

最初の首相就任前から日本を頻繁に訪問し、戦後の高度経済成長に驚嘆。特に「個人より集団」を優先するような当時の日本の国民意識に興味を持った。

こうした日本や韓国の戦後復興ぶりを母国のお手本にと、一回目の首相就任時に「ルックイースト(東方)政策」を提唱。日本への留学を奨励して人材育成を図り、日本の経済支援や技術移転を積極的に受け入れた。

首都に立つ八十八階建ての超高層ツインビル「ペトロナスツインタワー」は日本と韓国の企業が一棟ずつを建設したことが象徴だ。

ルックイーストの根底には、マハティール氏の「アジア尊重」の意識があった。一九九七年のアジア経済危機で、自国通貨の統制を進めた同氏と、国際通貨基金(IMF)の介入を主張したアンワル副首相(当時)が対立。アンワル氏は解任、逮捕に追い込まれた。

二〇一八年、両者がよりを戻して政権を奪取し、マハティール氏は「後継はアンワル氏」と公言したが関係は再度悪化。それぞれを支持する連立与党間の闘争が激化し、今回の辞任劇につながった。

マレーシア経済は、強力な指導力を発揮した二度のマハティール政権下などで成長率4〜6%と安定的に発展してきた。近年では「(停滞気味の)日本経済をお手本に」の代わりに、個人主義の浸透など「日本の欧米化への嘆き」の声が聞かれるようになった。

しかし同氏は一八年、国連での記者会見で「日本には模範とする平和憲法がある」と述べ、敬意を表明。中国の「一帯一路」をけん制し、東南アジア諸国連合(ASEAN)では重鎮だ。

同氏は、次期首相就任までの「暫定首相」を務める。再々登板の可能性もささやかれるが、後継体制もマレーシア独自の存在感を保てるか注目される。日本との良好な関係も維持してほしい。
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[産経新聞] 【主張】歴史教科書 太子や龍馬を泣かせるな (2020年02月27日)

「新しい歴史教科書をつくる会」が推進する中学歴史教科書(自由社)が、文部科学省の検定で不合格とされた。同会が明らかにした。

「誤解するおそれがある」などとされた検定の指摘の中には、逆に誤解しないか、首をひねるものがある。歴史教科書のあり方とともに見直してもらいたい。

学習指導要領改定に伴い、令和3年度から中学で使われる教科書の検定が今年度行われている。

すべての検定が終わる今春まで結果公表は禁止されているが、同会が記者会見した。それによると自由社版で「欠陥箇所」として405件が指摘され、不合格の通知を受けた。誤記や事実の間違いは比較的少なく、7割以上にあたる292件が「生徒に理解しがたい」「誤解するおそれがある」などの理由による。

つくる会の反論はもっともな点が少なくない。たとえば、年表の中で1949年の「中華人民共和国(共産党政権)成立」の記述が「誤解されるおそれ」があるとされた。成立時は「連合政権」だというが、実態は共産党政権に変わりない。それを無視しては、かえって生徒の理解を損ねよう。

仁徳天皇をめぐる記述で「世界一の古墳に祀(まつ)られている」との記述に対し「葬られている」が正しい表現とされた。だが天皇陵は単なる墓所ではなく祭祀(さいし)の対象とされ、「祀られている」で問題ないとの同会の説明はうなずける。

聖徳太子や坂本龍馬の功績をめぐる記述にも意見がついた。その指摘は専門用語などにこだわるあまり、逆に歴史への興味を損なっていないか。

新学習指導要領で「聖徳太子」を避け、「厩戸王(うまやどのおう)」の表記を優先しようとする方針に異論が出て撤回されたことも記憶に新しい。一部教員グループが高校教科書の歴史用語から坂本龍馬らを外す案が物議をかもしたこともある。

教科書が人物ドラマや時代を通じて流れる国民の物語を欠いては無味乾燥なものになる。

戦後歴史教育では日本をことさら悪く描く自虐史観が拭えない。教科書検定でも外圧に弱い点が指摘され、中韓などへの配慮を求める「近隣諸国条項」もいまだに見直されていない。検定も自虐史観にとらわれていては、歴史を多角的にみる力を重視する新学習指導要領の趣旨にかなわない。
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[産経新聞] 【主張】小中一斉休校 北海道の決断を支持する (2020年02月27日)

新型コロナウイルスの感染拡大について政府の専門家会議は24日、「これから1?2週間が急速な拡大か収束かの瀬戸際だ」と指摘した。

「瀬戸際」の危機感を共有するなら、北海道の判断は支持されるべきである。同じ決断は、政府にも求められる。

北海道は道内全ての公立小中学校を27日から7日間、臨時休校とするよう各市町村に要請した。道内では中富良野町の小学校に通う兄弟や江別市の中学校教員など教育現場での感染が相次いでおり、これを受けた措置だ。

文部科学省は25日、同じ市町村の学校で新型コロナウイルスの感染者が複数確認された場合、感染者がいない学校も含めて市町村単位で休校や春休みの前倒し、学級閉鎖などの検討を各都道府県教育委員会に要請していた。

北海道の一斉休校は文科省の要請をはるかに上回る大規模なものだ。だが、国内の検査態勢が極めて限定的な現状では、実際の感染はより拡大していると理解すべきである。学校は過去のインフルエンザ等でも感染拡大の舞台となることが指摘されてきた。

新型コロナウイルスによる肺炎の重症化は高齢や疾病がある人ほど深刻とされる一方で、軽症や無症状の人からも感染する。一斉休校は児童生徒の健康を守るとともに、子供を媒介とする地域への蔓延(まんえん)を防ぐことに寄与する。

同じ問題意識は、北海道以外の全ての地域が共有すべきだ。これを主導すべきは文科省であり、首相官邸である。

政府は25日午後、感染症対策本部が示した「基本方針」を発表したが、会見したのは加藤勝信厚生労働相である。文科省の都道府県に対する要請は同日の夜だった。安倍晋三首相は26日になって「多数の方が集まる全国的なスポーツや文化イベントについて、今後2週間は中止や延期、規模縮小の対応を要請する」と表明した。

省庁の縦割り、さみだれ式の発表が混乱に拍車をかけているのではないか。瀬戸際の対応は、政府で一元化すべきである。

Jリーグはいち早く、3月15日までに予定していた全公式戦の延期を決めた。村井満チェアマンは「サッカーを楽しみにしていた方には申し訳ないが、ある種の国難という状況で協力する」と述べた。国民もまた、感染症との戦いに協力を惜しむべきではない。
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[毎日新聞] 新型肺炎の国会答弁 政府の態勢に不安が募る (2020年02月27日)

新型コロナウイルスの感染が広がる中、安倍晋三首相が出席して衆院予算委員会の集中審議が行われた。

立憲民主党の枝野幸男代表は、発熱などの症状が出ても検査を受けられない人がいる状況を取り上げた。

国内のPCR検査(遺伝子検査)の能力は1日3800件程度だが、24日まで1週間の実施件数は1日平均約900件にとどまると加藤勝信厚生労働相が明かした。

感染の不安があってもむやみに医療機関を受診しないように政府から国民に呼びかけてきた経緯がある。加藤氏は柔軟な運用を通知していると答弁した。しかし、実際にそれが徹底されるのか心もとない。

クルーズ船の乗客が感染して亡くなった経過を検証する質問に加藤氏が答えられず、審議が一時止まる場面もあった。国民に向け発信すべき基本的な情報の整理もできていない政府の混乱ぶりを物語る。

地域に感染がどの程度広がっているのか、仮に感染してしまった場合に適切な検査や治療を受けられるのか。政府の答弁はこうした国民の不安を取り除くにはほど遠い。

もはや日本国内で誰が感染してもおかしくない段階だ。政府が25日に決定した基本方針は受診の回避のほか、発熱時の休暇取得や時差通勤、学校の臨時休業など、国民生活に大きな影響を及ぼす内容である。

首相が責任を持って基本方針を発表し、自身の言葉で国民に理解と協力を呼びかけるべきだった。加藤氏が発表したことは厚労省任せの姿勢と危機感の不足を印象づけた。

その翌日になって首相は政府の対策本部で、全国的なスポーツ・文化イベントの2週間自粛を要請することを表明した。なぜそれを基本方針に盛り込まなかったのか。行き当たりばったりの対応に映る。

野党は「桜を見る会」の問題も追及した。前夜祭の会場となったホテル側と首相の説明は食い違ったままで、首相自ら真相を明らかにしようとしないから疑惑が深まる。

検察人事に政治介入した疑惑についても、森雅子法相や人事院が不可解な答弁を繰り返した。

政権への信頼が揺らぐ中での危機対応だ。首相は新型肺炎対策に「内閣一丸となって取り組む」と述べたが、現状の態勢では不安が募る。
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