2020年01月31日

[東京新聞] 新型肺炎拡大 状況変化へ対応機敏に (2020年01月31日)

中国・武漢市からチャーター機で帰国した邦人二人が、症状がないのに新型肺炎に感染していた。政府の監視態勢の早急な見直しが必要だ。感染の封じ込めへ状況の変化に機敏に対応したい。

チャーター機で帰国した邦人のうち発熱などの症状のある人は医療機関に収容された。だが、症状のなかった二人は帰国後、他の帰国者とホテルに宿泊していた。政府は無症状の感染者を想定していなかった。対応に不備があったと言わざるを得ない。

同じ便で帰国した別の二人は検査を拒否し帰宅した。法的な権限がない以上、強制はできない。

チャーター機に同乗した検疫官は会見で「検疫は一方的にやるものではなく、相手があって成り立つ業務」と協力を訴えた。後続便で武漢から帰国する人も含め、人権に配慮しつつ粘り強く検査や健康観察への理解を得るべきだ。

政府の監視態勢全体の見直しも迫られる。現在は、症状がでて医療機関を受診した人を把握、患者と接触した人を同時に特定して健康状態を観察している。

重症者からの感染が主だった重症急性呼吸器症候群(SARS)は医療機関で把握できたが、無症状の人は医療機関を受診しないためそれが難しい。空港などの検疫も擦り抜けてしまう懸念がある。

無症状の人が感染源になるか否かは不明だが、厚生労働省は「否定できない」という。今後は患者急増を想定して監視の網を広げるなど対策を強化する必要がある。

政府は新型肺炎を感染症法上の「指定感染症」に指定したが、強制入院などの措置は感染が疑われる人が対象で、無症状の人は対象外だ。症状のない人への対応は今後の感染症対策の課題だろう。

国内でも武漢からの客を乗せたバス運転手ら人から人への感染が確認された。症状のない人からも感染する可能性があるとなると、さらに不安が増しかねない。

だが、国内では広く流行が認められているわけではない。SARSより致死率は低いとされ、重症化は糖尿病などの持病のある人に多いことが分かっている。

過剰に心配せず、予防に有効なマスクの着用や手洗い、うがいの徹底に心掛けたい。

ウイルスについては不明な点が多い。疫学調査や研究を通してワクチン開発や簡易検査キットの開発が待たれる。

国際社会は既にワクチン開発に着手している。日本も知見を集め積極的に協力したい。
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[東京新聞] 南海トラフ津波 やはり「いつか来る」 (2020年01月31日)

南海トラフ地震が起きると、多くの沿岸市区町村に人命にかかわる津波が来る確率が非常に高い−。政府の地震調査委員会が公表した「津波評価」は、備えや避難の心構えをあらためて迫っている。

「津波が来る確率」は初公表。三十年以内に南海トラフ地震が起き、高さ三メートル以上の津波が襲う確率は東京(島嶼(とうしょ)部)、静岡、愛知、三重、高知など十都県の七十一市区町村で「26%以上」とされた。数字だけ見れば「高くない」との印象も持たれそうだ。

しかし、同委によると「三十年で26%以上」は「百年に一度」「今後三十年で交通事故でけがを負うリスク」に相当するといい、イメージは変わる。津波評価では「非常に高い確率」とも表現している。

南海トラフ地震は「三十年以内に延長七百キロのトラフのどこかを震源に、70〜80%で起きる」と予測されている。調査委は今回の津波評価も「三十年」に合わせた。

過去七百年間に実際に起きた地震データを基に、三十五万通りもの津波のパターンを予測。これを分母に、関東から九州までの沿岸市区町村別に、大地震が起きた場合の津波高の確率を計算した。

「高さ三メートル」あると大津波警報が発表され、人が流されて木造家屋の全壊を招く。津波高五メートル以上が七都県二十九市区町村で「非常に高い確率」で起きることなども示された。

政府は二〇一二年、南海トラフで最大級の地震を想定。「高知県黒潮町で最大三十四メートル」など、各地で巨大な津波が発生しうると発表した。しかし、この巨大地震は過去二千年間起きておらず、今回の津波評価では想定から外した。

大がかりな津波対策をあきらめ、途方に暮れてしまう自治体もあるため、「そこまで大きくないが、大被害が予測される津波」の確率を示したという。

むろん、避難タワーの建設や高台への避難経路整備などの対策を進める自治体は多いが、巨大地震想定に比べれば「穏やかな数字」が気にもなるようだ。一二年の予測で「最大十七メートル」とされた三重県尾鷲市は「『三メートルや五メートルなら大丈夫』と市民に受け止められてはいけない」と話す。

予測や評価は、自治体や住民自身がその意味を十分に理解し、防災・減災に生かせて初めて存在意義がある。国は、「三十年で26%以上」の意味を誤解のないように自治体など行政にきちんと説明し、今後の対策に反映させていくことが強く求められる。
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[産経新聞] 【主張】新型肺炎 国民の保護に覚悟を示せ (2020年01月31日)

新型コロナウイルスによる肺炎では、国内でも人から人への感染が確認された。また政府のチャーター便で中国湖北省武漢市から帰国した第1便の邦人のうち3人が検査で陽性となった。

政府は国民の保護を徹底すべきである。それは新たな感染を防ぐ国際貢献にもつながる。

安倍晋三首相は参院予算委員会で「国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべきことは躊躇(ちゅうちょ)なく決断したい」と述べた。だが対応はまだまだ中途半端であり、後手に回っている印象を与える。

第1便で帰国した日本人のうち2人は一時ウイルス検査を拒否して帰宅した。発熱などの症状がなかったためとされるが検査で陽性となった2人にも症状はなかった。安倍首相は「法的な拘束力はない。人権の問題もあり踏み込めないところもある」と述べた。

感染を防ぎ中傷から守るためにも検査は必要だった。無症状の人からも陽性反応が出ている。政令と現実の乖離(かいり)を埋めるべく政府の責任で超法規的に検査を受けさせるべきだった。政府は新型肺炎を「指定感染症」に定めたが、2月7日の施行後も対象は感染が確認された場合に限られ、確認がまだの人には強制力がない。

第2便以降は検査への同意を搭乗の条件としたが、これもおかしい。原則は無条件の全員避難である。その上で検査への同意を粘り強く説くべきではないか。

チャーター便の航空運賃、約8万円を徴収することには、自公両党からも批判がある。

菅義偉官房長官は「内戦や武力攻撃など本人の意思にかかわらず保護の観点から退避をお願いせざるを得ない場合を除き、通常はエコノミー正規料金の負担をお願いしている」と述べた。

では、払えなければ乗せないのか。国民を守る国の意思を示すためにも国が負担すべきである。

武漢市には、重度の肺炎を発症している60代の邦人男性がいる。すでに発熱などの症状がある邦人も、民間のチャーター便には乗れない。これらの邦人についても、帰国させ国内で治療する必要がある。移送には医官を同乗させた自衛隊機を使用すべきである。

国民の保護という最優先の問題である。中国側に自衛隊機の受け入れを交渉するのも政府の責任である。事態は深刻である。これに対峙(たいじ)する政府の覚悟がみたい。
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[産経新聞] 【主張】アフリカ豚コレラ 法改正機に防疫強化図れ (2020年01月31日)

アフリカ豚コレラ(ASF)対策で、蔓延(まんえん)防止を柱とした家畜伝染病予防法改正案が30日可決、成立した。

国内の養豚場で発生した場合、未感染の養豚場の豚でも、発生地に近ければ予防的に殺処分できる内容が柱だ。

昨年、韓国でASFの発生が確認され、日本に侵入する懸念が高まっていた。空港などでの水際対策にも限界がある。侵入後を想定し、少しでも被害を小さくすることが目的だ。

改正法はあくまでASFの侵入を許してしまった場合の対処策であり、無論、これで十分というわけではない。ドイツなど欧州に比べて、日本の養豚場は衛生面の管理が遅れている。人や車の出入りに加えて、ネズミなどの小動物の侵入対策も必要だ。

豚舎の衛生管理や水際対策の強化に向け、国と地方、養豚農家が一体となった対策を進める体制を確立しなければならない。

日本では羽田や中部空港などでASF遺伝子の陽性反応が80件以上出ており、かろうじて水際で食い止めている。

折から、中国湖北省武漢市を発生源とする肺炎感染者が日本国内でも確認されている。人から人に感染する新型コロナウイルスが原因だ。ASFは人には感染せず食べても人体に影響はない。ただ関東地方や沖縄県にまで拡散した豚コレラ(CSF)と違ってワクチンがなく、感染すれば拡大防止はなすすべがなかった。

人と家畜の違いはあるが、国内へのウイルス侵入を水際で食い止めねばならぬのは同じだ。ASF対策では法改正したものの、ワクチンがないなど、侵入を許した場合の対処策が必ずしも万全と言えない点も共通する。

大切なのは、日本への肉製品持ち込みが相次ぐ中国やベトナムなど2国間での緊密連携だ。

日中両政府は昨年11月、家畜伝染病の感染源となる肉製品などの不正な持ち出しの禁止や検疫措置の周知など、協力強化に関する覚書に署名した。これを現場で徹底させなければならない。

昨年7月、豚肉製品を大量に持ち込んだベトナム国籍の女性が家畜伝染病予防法違反で警視庁に逮捕された。輸入検査を受けずに畜産物を持ち込んだ場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。違法行為者の検挙をためらってはならない。
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[毎日新聞] ふるさと納税で国勝訴 問題の解決にはならない (2020年01月31日)

自治体による強引な寄付集めの弊害を強く問題視し、国の主張に沿った判断といえよう。

ふるさと納税の新制度から総務相が大阪府泉佐野市を除外した制裁措置について、大阪高裁は正当だとする国勝訴の判決を下した。

新制度は昨年6月にスタートした。自治体の返礼品競争が過熱しているため、調達費が寄付額の3割を超すなどした自治体については国が除外できるようになった。

だが、泉佐野市は高い還元率でギフト券を返すキャンペーンを新制度発足直前まで展開した。総務省は法規制前でも自粛要請の通知を無視したのは悪質だとして、新制度に参加させなかった。泉佐野市はこの制裁に反発し、法廷闘争に発展した。

新制度移行までの間隙(かんげき)を突いた寄付集めなどで、泉佐野市は昨年度約500億円もの寄付を荒稼ぎした。高裁判決は「極めて不適切」だと指摘した。異常な手段で他自治体の税収を事実上横取りしたことは、批判されてしかるべきだ。

ただし、法律による規制以前の行為であっても、国による除外は裁量権を逸脱しないとした高裁判断には疑問が残る。

この問題で、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は泉佐野市の言い分を認め、総務省に制裁の見直しを勧告していた。地方自治法は、国の助言に従わない自治体への不利な取り扱いを禁じている。

これに対し、高裁判決は寄付という「法的枠組み」に泉佐野市は反していたとして、法規制前の除外は正当だと結論づけた。だが、この理屈は国の裁量による制裁の余地を広げ、地方との対等な関係をゆがめるおそれがある。

泉佐野市は上告するとみられる。寄付集めと制裁を互いに激化させていった泉佐野市と総務省、双方に混乱を招いた責任がある。係争委の勧告を尊重し、いったん泉佐野市を新制度に参加させるという選択肢も総務省にはあったはずだ。

返礼品の上限を定めた新制度がスタートして半年以上たったが、地域支援と無縁のカタログショッピング化したゆがみが是正されたかは疑問である。問題を根本的に解決するためには、やはり返礼品を廃止するしかあるまい。
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[毎日新聞] 東北の震災復興方針 地域格差に配慮し支援を (2020年01月31日)

政府は東日本大震災からの復興について、発生10年を過ぎる2021年度以降の新たな基本方針を決めた。復興庁の設置を10年延長する関連法改正案を通常国会に提出する。

これまで震災から5年を「集中復興期間」、次の5年を「復興・創生期間」と位置付け、復興事業に10年間で30兆円以上を充ててきた。21年度からは、当面5年間に必要な事業規模を1兆円台半ばと見込む。

大きな特徴は事業期間について、福島の原発事故被災地を当面10年、岩手、宮城などの地震・津波被災地を5年と分けた点だ。福島は国が前面に立って対応すると強調もした。

福島では今も約4万人が避難生活を強いられている。原発の廃炉や汚染処理水対策など課題が山積している。インフラ整備などハード面の事業をほぼ終えた岩手、宮城と比べ、復興が道半ばであるのは明らかだ。政府は福島の再生に責任を持って取り組まなければならない。

ただ、岩手、宮城も詳しく見ると、復興の現状は地域格差がある。

たとえば、まちづくりでは、両県とも宅地造成がほぼ完了した。宮城県の内陸部に造成された宅地は、ニュータウンとなってにぎわいを見せている。一方で、岩手県陸前高田市などでは、事業が長引いて地元での自宅再建をあきらめる人が相次ぎ、造成地に空き地が目立つ。

また、産業の活発さを表す「製造品出荷額等」は、両県とも県全体で震災前の水準を超えた。だが、市町村ごとでは、沿岸部で回復が遅れている。人口流出が進む中で、中小企業が人手の確保に苦しんでいる。

被災地全体の統計的な数字からは、こうした復興のまだら模様は見えにくい。

政府は新方針の下、福島では住民の帰還の促進、岩手、宮城では中小企業の再建支援など、これまでの取り組みを継続する。限られた予算を有効活用する上でも、自治体とともに地域ごとの実情を把握し、必要なところへ重点的な支援をすべきだ。

政府は、毎年3月11日に東京都内で開いてきた政府主催の追悼式を発生10年の来年で終えたい考えだ。式典はいずれ区切りを迎えるにしても、被災3県では、震災はまだ終わらない。政府はきめ細かい目配りで支援をしていかねばならない。
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[読売新聞] 年金額改定 将来世代が安心できる制度に (2020年01月31日)

将来世代の年金を守るために、給付の抑制は避けられない。政府は丁寧な説明で、国民の理解を得ていくべきだ。

2020年度の公的年金の支給額が、前年度より0・2%引き上げられることになった。賃金上昇率に合わせた本来の伸び率より0・1%分圧縮した。

給付の伸びを抑制する「マクロ経済スライド」を2年連続で発動するためだ。

高齢者が受け取る年金は、現役世代が納める保険料などで成り立っている。少子高齢化で、現役世代が減少すれば、年金財源は細る。今の高齢者に手厚い給付を続けると、若い世代が将来受け取る年金は大幅に減ってしまう。

子や孫の世代の給付を確保するため、マクロ経済スライドを発動するのは、妥当だ。

年金を65歳で受け取り始める場合、19年度は現役世代の収入の約6割を受け取れる。47年度になると、約5割に目減りする。これはマクロ経済スライドの実施を前提とした試算だ。

問題は、現在のルールでは、デフレや低成長期の発動が制限されていることである。

04年の導入以降、発動は今回で3回目にすぎない。着実に実施しないと給付水準のさらなる低下は避けられまい。経済情勢にかかわらず発動できるよう、政府は、制度の見直しを検討すべきだ。

長寿化に伴って、老後の暮らしは長くなるだろう。生活資金の柱として、公的年金の重みが増していくのは間違いない。

年金制度の持続性を高めるには、保険料を支払う担い手を増やしていく必要がある。

政府は今国会に、厚生年金に加入できるパートら短時間労働者を増やす法案を提出する。

パートらが厚生年金に加入すれば、年金財政の基盤が強化される。給付水準の低下を抑制する一定の効果が期待できよう。

少子化対策で、人口減に歯止めをかける。意欲のある高齢者ができるだけ長く働ける環境を整え、社会の支え手に回ってもらう。こうした取り組みも欠かせない。

政府内では、将来的な課題として、国民年金の加入期間を20歳から60歳になるまでの40年間から、65歳までに延ばす案が出ている。これも年金財政の強化に資することが見込まれる。

60歳までを加入期間と定めたのは、約60年前のことだ。60歳を超えて働く人も増えている。就労環境の変化を踏まえれば、加入期間の延長は検討に値しよう。

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[読売新聞] 教員の採用 教える魅力伝え人材集めたい (2020年01月31日)

教員は子供たちの人生に大きな影響を与える存在だ。意欲と能力のある人材を、採用することが欠かせない。

公立小学校教員の採用倍率が減少傾向にある。2019年度の採用では2・8倍となり、過去最低だった。中学校教員の5・7倍、高校教員の6・9倍と比べても低さが際立っている。

ベテラン教員の大量退職で採用数が増えた一方、民間企業の採用が好調で、教員採用試験を受ける人が減ったことが背景にある。

気がかりなのは、倍率が2倍を切った教育委員会が12道県市あったことだ。最も低いところは1・2倍にとどまった。

必要な教員数を確保するため、本来要求される合格水準を下げて採用するようなことがあれば、質の低下につながりかねない。

受験者数の減少には、長時間労働のイメージが強い学校の職場環境が影響しているとの指摘もある。教員は授業以外にも学校行事の準備や職員会議、保護者への対応などで忙しい。

特に小学校の教員はクラス担任がほぼすべての教科を教えるため、負担感が大きい。各教委や学校は必要性の乏しい会議や事務作業を削減するなど、職場環境を改善しなければならない。

各地の教委は、受験者の掘り起こしに知恵を絞っている。

茨城県教委は「先生になろう」と題したPR動画を作成し、ホームページ上で公開した。富山県教委は教員志望者向けの説明会に若手教員を同行させ、仕事ぶりややりがいを紹介している。

説明会を他県で開いたり、試験会場を県外にも設けたりする教委は少なくない。小学校と中学校の両方の教員免許を取得した志望者に、小中の併願を認めるケースもある。受験機会の拡大は、志望者にとってプラスだろう。

受験資格の年齢制限を撤廃し、教員免許を持ちながら民間企業で働く人や、いったん教職を離れた人の採用を目指す動きも広がりつつある。様々な人生経験を学校での指導に生かしたい。

若返りが急速に進む学校現場では、採用した教員の指導力アップが喫緊の課題である。

研修の充実はもちろん、ベテランの指導技術を若手にしっかりと継承する必要がある。定年退職した教員を再雇用し、若手の指導役とするのも有効だ。

先輩教員が相談役や助言役となり、悩みを抱える若手を精神的にサポートするような取り組みを進めることも求められる。

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[朝日新聞] 英のEU離脱 理念の共有続けてこそ (2020年01月31日)

英国が現地時間の31日夜、欧州連合から離脱する。

EUの一つ屋根の下に同居した50年近い歩みを終え、異なる道に向かう。欧州とは何か、国々の統合をめざす意味は何か。世界が改めて熟考を巡らす節目として捉えたい。

二つの世界大戦を経た欧州は、不戦の誓いを出発点とし、平和と繁栄のために国境を取り払う理想を掲げた。国家主権を超える組織をめざし、地域の融合へ向けて拡大を続けた。

加盟すれば欧州市民として、自由に移動できる。どこでも学び、働き、暮らせる――。それが普通になり、自らのアイデンティティーを「欧州人」と自覚するEU世代も増えてきた。

冷戦直後の和平ムードも追い風に、旧ソ連圏を含む28カ国まで広がった。その歯車が初めて逆行する事態は、歴史にどう刻まれるだろうか。

離脱を僅差(きんさ)で選んだ4年前の国民投票の頃から、各国で大衆扇動的な政治が台頭した。反EU、反移民、自国第一。看板が何であれ、統合を支えた寛容の理念が挑戦を受け続けている。

ジョンソン英首相は離脱を前に「ついに我々は法律、国境、カネ、貿易、移民制度の支配権を取り戻す」と宣言した。政治的にはナショナリズムの高揚という目先の効能はあるだろう。しかし、離脱が本当に英国の長期的な利益をもたらすのか、確固たる展望はない。

英国は今後、EUのほか米国や日本などと個別に自由貿易などの関係を結ぶことになる。各国が注視せざるをえないのは、英国はこれから世界の中でどんな存在になるのかだ。

切に望みたいのは、開かれた自由な秩序と連携を尊ぶ国であることだ。インドやオーストラリアなど、大英帝国時代の旧植民地からなる英連邦との結束を強めるとの見方もあるが、懐古主義に閉じこもるようでは未来は開けまい。

EUと袂(たもと)を分かっても、自由、人権、民主主義を重んじる理念の共有は続けられる。米国が自国第一主義に陥る今、自由貿易の枠組みづくりや、核軍縮・不拡散体制の管理など、国際秩序を守る主要国としての立場を見失わないでほしい。

EUも正念場を迎えている。心配された「離脱ドミノ」の動きはないが、市民に見えにくいEUの統治システムは改革が必要だ。厳然と存在するEU内の経済格差を考慮した柔軟な対応も求められる。

欧州は、ひとつの世界を築く遠大な実験場である。その希望を後世に引き継ぐためにも、英国、欧州、そして米国、日本を含む各国が、国際協調の価値を再確認しておきたい。
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[朝日新聞] 米の中東政策 「和平案」に値しない (2020年01月31日)

パレスチナ難民は今も各地に約550万人いる。大半が劣悪な暮らしを強いられ、世代を重ねてきた。一方のイスラエル市民も無数のテロの悲劇を経て、緊張の日々を送っている。

70年以上続くイスラエルとパレスチナの紛争は、国際社会が歴年の努力を注いできた難題である。その積み重ねを無視するかのような新提案を、トランプ米大統領が打ち出した。

形のうえではパレスチナ国家を樹立し、イスラエルと共存する「2国家解決」をうたう。だが実態は、難民の帰還も認めず、露骨なまでにイスラエルに肩入れする内容だ。

両者が帰属を争うエルサレムは、イスラエルの首都とする。武力で併合された、キリスト教やイスラム教の聖地がある地域も含まれる。占領地で進めてきたユダヤ人入植地の大部分をイスラエルの領土と認める。

これらは国際合意を踏みにじる暴論だ。国連安保理は、イスラエルに占領地から撤退するよう決議で求めている。入植地の拡大は国際法違反だと繰り返し指摘してきた。国連事務総長がこの提案を事実上認めない声明を出したのは当然だ。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、即座に受け入れを拒否した。ところがイスラエルのネタニヤフ首相は、入植地の一部併合の閣議決定に踏み切る構えだ。一方的な領土編入を強行すれば、中東和平の道のりは決定的に遠のく。

米国の歴代政権は曲がりなりにも、仲介者としてのバランス外交に腐心してきた。だが、トランプ政権はこの3年間で公平性をかなぐり捨てた。米大使館の所在地をエルサレムに移し、パレスチナ難民を支援する国連機関への拠出金も止めた。

背景には、秋の大統領選への思惑があるとみられている。自らの基盤の一つであるキリスト教福音派はイスラエルを支持している。また、盟友のネタニヤフ首相は3月の総選挙を前に汚職で起訴されており、援護射撃を与える側面もあろう。

選挙対策に外交を利用する振るまいが、どれほど米国の信用を損ねているか、トランプ氏が顧みる気配はない。

パレスチナ自治区では抗議デモが起きている。イスラエル軍との衝突が懸念される。過激派組織「イスラム国」(IS)も攻撃を呼びかけた。

サウジアラビアやエジプトなど親米アラブ諸国は提案を評価する一方、トルコやイランなどは批判を強めており、地域の亀裂が深まる恐れもある。

紛争の解決につながるどころか中東の混迷を深めるだけだ。この提案を「中東和平案」と呼ぶことは到底できない。
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2020年01月30日

[東京新聞] トランプ氏提案 「中東和平」に値しない (2020年01月30日)

イスラエルに一方的に肩入れした内容は和平案と呼ぶに値しない。トランプ米大統領が中東和平案を発表した。平和共存の実現は期待できないばかりか、災いの種になる危険すらある。

トランプ氏の傍らには満面の笑みを浮かべるイスラエルのネタニヤフ首相。ホワイトハウスでの発表の席に、もう一方の当事者であるアッバス・パレスチナ自治政府議長の姿がなかったことが、和平案の偏向ぶりを物語っている。

和平案は双方が帰属を争う聖地エルサレムをイスラエルの「不可分の首都」と位置付けた。これに対しパレスチナ国家の首都は、パレスチナが求めるエルサレム東部ではなく、その周辺部とした。パレスチナ暫定自治区や周辺国に暮らす五百万ともいわれるパレスチナ難民の帰還は認めなかった。

ヨルダン川西岸の占領地でイスラエルが建設した入植地問題では、その存続を認めた。これは入植地建設を国際法違反とした国際司法裁判所の判断や、建設反対の国際合意を踏みにじるものだ。ネタニヤフ氏は早速、入植地の併合を進める姿勢を見せた。

トランプ氏は就任以来、エルサレムをイスラエルの首都に認定し、テルアビブにあった大使館を移転したのをはじめ「二国家共存」の和平構想を放棄するに等しい行動を重ねてきた。

和平案はその帰結である。パレスチナのことなど眼中にないのだろう。

一昨年は国連パレスチナ難民救済事業機関への支援打ち切りを決めた。難民への医療、教育などの支援やインフラ整備を行う機関だ。米国は最大の拠出国だった。

一方で、トランプ氏は和平案受け入れの見返りに五百億ドルに上る経済支援策をパレスチナに提案した。パレスチナを経済的に締め上げた上で、目の前にニンジンをぶら下げるというあざとさだ。しかもカネは湾岸諸国の拠出をあてにしている。

それでも米国の顔色をうかがってか、主なアラブ諸国からは和平案への異論は目立っては出ていない。

イスラエルの経済封鎖でガザ地区は困窮し、失業率は45%に達する。全面降伏同然の和平案を突きつけられた揚げ句、手を差し伸べるアラブ諸国もなく孤立感を深める。そのうえ生計を立てるすべもない。そんな状況に追い込まれた人が過激思想にからめとられてテロに走らないか、憂慮する。
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[東京新聞] 春闘スタート 賃上げは成長の基本だ (2020年01月30日)

連合と経団連のトップ会談が行われ春闘が始まった。経団連は雇用制度見直しへの関心を打ち出した。だが最優先はあくまで賃上げであり雇用問題が交渉停滞の口実にならないよう注視したい。

経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は終身雇用など日本型雇用制度を見直す姿勢を鮮明にし、春闘交渉の優先テーマとするよう提案した。国際的な競争力を高める意味で日本の雇用について議論することに異論はない。

だが春闘で暮らしに直結する賃金問題を二の次にすることはあり得ない判断だ。雇用のあり方は労使だけでなく国民的視野で幅広く議論するテーマだ。直ちに方針を改めるよう経団連に求めたい。

春闘では大企業ベースで過去六年連続ベアと定期昇給を合わせ2%超の賃上げが実現されてきた。経営側はこの流れを断ち切らないよう柔軟な姿勢を示すべきだ。

というのも特に第二次安倍政権以降、大企業は政策的に優先されてきたからだ。政権発足時40%程度だった法人税の実効税率は30%程度まで下がった。

さらに大規模金融緩和策による金利低下により円安傾向が続いている。政府・日銀が演出したともいえる円の対ドルレートの低位安定が、高い水準で推移する株価に好影響を与えたことは否定できないだろう。

国主導の支援などにより多くの大企業の財務内容は健全化し経営は好転した。だが昨年九月公表の法人企業統計によると、企業がためている内部留保は二〇一八年度、四百六十三兆円と七年連続で過去最高を記録した。

これは多くの大企業がもうけを労働者に還元していない実態を裏付けている。利益をどの程度従業員の人件費に充てたかを示す労働分配率も七割程度で一九七〇年代以来の低いレベルだ。

賃上げに慎重な大企業の姿勢は中小企業はもちろん、非正規で働く労働者の待遇にも強く影響する。立場の弱い下請け企業の従業員や不安定な状況に置かれている非正規の労働者の大半は依然、政府が主張する「景気回復」を感じていないのが実情だろう。

さらに賃上げの抑制は国内総生産(GDP)の約六割を占める個人消費の減少に直結し、企業活動全体の停滞にもつながる。負の連鎖を避けるためにも経営側はより高い視点で、労働者側はより強い危機意識を持って交渉に臨んでほしい。
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[産経新聞] 【主張】米の中東和平案 とても呑めない「取引」だ (2020年01月30日)

これでは仲介にならない。トランプ米大統領が発表した、イスラエルとパレスチナとの中東和平案のことである。

占領地ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地にイスラエルの主権を容認するとし、帰属を争うエルサレムについて「イスラエルの不可分の首都」と位置づけた。

国際条約は占領地への入植を禁じ、国連安全保障理事会も入植停止を求める決議を採択している。エルサレムの帰属は和平交渉の核心であり、最大の争点である。

米国の和平案は、イスラエル側に一方的に有利な内容だ。これではパレスチナ側は呑(の)めない。交渉が進展するはずもあるまい。

トランプ氏はパレスチナ国家に多額の投資を約束し、域内外から支援があると請け合った。「現実的な解決策だ」と自賛した。

1990年代の交渉開始以降、仲介が難航しているのは事実だ。トランプ氏はパレスチナ側との「取引」に自信を見せるが、本気でそう思っているのか。一方の当事者であるイスラエルの首相と公表の場に臨んだのも疑問だ。

そもそも、和平案の公表のタイミングが遅い。トランプ政権はすでに、エルサレムへの大使館移転を実行し、西岸へのユダヤ人入植活動も事実上、容認していた。

トランプ政権として先に中東和平の進め方を示し、関係国の理解を得る努力をするのが筋だった。それがなかったため、大使館移転発表の際など何度も、関係国を振り回し、パレスチナ自治区で抗議行動を呼んだ。

和平案公表は、イスラエル新政権発足後に予定され、昨年の2度の総選挙を経て政権が決まらず、先送りとなっていたものだ。

トランプ氏自身の大統領選を意識した公表となったのは明らかだろう。選挙イヤーを迎え、親イスラエルの有力支持層を固めておく必要があったとみられている。

より、気がかりなのは、石油供給源としての中東に依存しなくなった米国が、同盟国のイスラエル、サウジアラビアとの関係のみを重視し、中東の厄介な問題に真剣に取り組もうとしない兆候がここにも見えることである。中東和平の仲介役から降りてもらっては困る。

中東は10年前に始まった「アラブの春」以降の混乱が各地で続いている。地域の安定化には米国の関与と指導力が不可欠である。
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[産経新聞] 【主張】新型肺炎と日本 拡大の阻止へ猶予はない (2020年01月30日)

中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の国内拡大を、全力を尽くして防がなくてはならない。

武漢への渡航歴のない奈良県在住の日本人男性の感染がわかった。武漢からの中国人ツアー客のバスを運転していた。国内で日本人の感染および「人から人へ」の二次感染が確認されたのは初めてだ。安倍晋三政権はこれ以上、後手に回ってはならない。

日本人206人を乗せた政府の全日空チャーター機が武漢から羽田空港に到着した。発熱や風邪の症状がある人は、都内の病院が受け入れた。救援を手配した政府や全日空、医療機関などの関係者の労を多としたい。

第2、3便のチャーター機派遣が予定されている。希望者全員の帰国を早期に実現してほしい。

中国政府は新型肺炎の情報開示を怠り、武漢を含む同省を封鎖した。チャーター機によって帰国した日本人は被害者である。万全の対応によって、彼らを支えなければならない。

症状がある人の入院は当然だが、症状がなく、ウイルス検査の結果待ちの帰国者に自宅待機を認めたのは疑問だ。政府が用意した宿泊施設で全員に一定期間待機してもらうべきではなかったか。その方が本人や周りの人々に安心感を与え、風評被害も防げる。

中国ではわずかな期間のうちに当局発表の新型肺炎による死者数が3ケタに達し、感染者数は2002?03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の5327人を超えた。中国政府は25日、海外への団体旅行の27日からの禁止を発表して実施した。だが日本は武漢や湖北省からのツアー客の自由な行動を今も認めている。現時点での国内感染例は、武漢からの入国者が絡んでいる。

日本がずさんな入国管理を続ければ、いくら対策を講じてもざるで水をくむようなありさまとなってしまう。安倍首相や加藤勝信厚生労働相の責任は重大である。

台湾は24日、湖北省からのツアー客に台湾から急ぎ離れるよう促した。翌日には同省からの来台禁止と、同省以外の中国人の入境申請受け付けの当面見送りを決めた。香港は、中国本土からの個人旅行者の入境停止で中国政府と合意した。日本は一層真剣に取り組む必要がある。拡大阻止には一刻の猶予もないと知るべきだ。
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[毎日新聞] トランプ氏の新和平案 際立つイスラエル一辺倒 (2020年01月30日)

トランプ米大統領がイスラエルとパレスチナの中東和平案を発表した。イスラエル寄りの姿勢が際立つ。

パレスチナ国家の樹立を認めると言いながら、エルサレムをイスラエルの首都とし、パレスチナ自治区があるヨルダン川西岸のユダヤ人入植地をイスラエル領とするという。

エルサレムの帰属は決まっておらず、ヨルダン川西岸への入植は国際法違反というのが、長年にわたる国際社会の共通認識である。それにことごとく反している。

パレスチナ側が「陰謀の取引」と反発するのは当然だろう。和平の展望を描けない、あまりに一方的な提案と言うほかない。

パレスチナは第二次大戦後、国連の決議でパレスチナ人とユダヤ人の居住地に分割し、エルサレムを国連管理とすることが決められた。解決策とする「2国家共存」の土台だ。

しかし、イスラエルはパレスチナ人が住むガザ地区や西岸、パレスチナが将来の首都とする東エルサレムを軍事占領し、入植を進めてきた。

国連安全保障理事会は入植の即時停止を決議している。和平案を受けて国連のグテレス事務総長が決議の順守を求めたのは、イスラエルへの非難が込められているのだろう。

米国は約40年前にカーター政権が入植を「国際法と矛盾する」と表明し、それを継承してきた。その中立を壊したのがトランプ氏である。

エルサレムをイスラエルの首都と認定して大使館を商都テルアビブから移転させた。従来の政府方針を転換して入植活動を容認した。提案はこの偏った政策に基づいている。

発表にあたりトランプ氏はイスラエルのネタニヤフ首相を招待し、パレスチナ自治政府のアッバス議長を招かなかった。真剣に和平合意を実らせようという態度とは思えない。

今秋の大統領選での再選をにらみ、保守層に強い影響力を持つ親イスラエルのキリスト教福音派にアピールするのが狙いなのではないか。

福音派の著名伝道師が創刊した有力誌が、トランプ氏は「道徳を欠く」と弾劾裁判での罷免を求める論説を掲載し、波紋を広げている。

支持基盤のきしみを修復する思惑なら、重大な国際問題を自らの政治的な利益を得るための道具に使っていると見られても仕方ない。
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[毎日新聞] 新型肺炎の国内対策 不安に応える情報発信を (2020年01月30日)

中国を発端とする新型肺炎に日本人が日本国内で感染したケースが明らかになった。武漢からのツアー客を乗せたバスの運転手で、バスの中で客から感染したと考えられる。

密閉された空間で長時間感染者と過ごせば感染のリスクがあることは予想されていた。家族内の感染と同様であり、その点では想定内のできごとである。

国内での人から人への感染は今後も出てくるだろう。それにどう対処していくか、今回改めて浮き彫りになった課題を検討しておくことが大事だ。

政府は感染者と接触した人のフォローを進めている。これは必要なことだが、それ以外の一般の人々に感染者の立ち寄り先をどこまで公開するのか。

政府は対応の判断を自治体任せにせず、根拠のある基準を示してほしい。それが、人々の不安や感染者への差別を抑えることにつながる。

ただ、その場合にむずかしいのは、今回の新型コロナウイルスの性質がまだよくわからないことだ。軽症者や、無症状の感染者、潜伏期間にある感染者からどの程度感染するのかもはっきりしない。

無症状や軽症の人からもかなりの確率で感染するとすれば、武漢とのつながりがわからない感染者が今後、国内でも出てくるだろう。その場合には新たなステップの対応が必要で、今から備えを進めておくことが重要だ。

チャーター機で武漢から帰国した日本人への対応にも配慮が必要だ。

政府は、症状がなくウイルスが検出されなければ潜伏期間が過ぎるまで自宅などで待機を求める。それでも自分が感染していて家族などに感染させるのではないかとの不安を抱く人はいるだろう。周囲の人も落ち着かないかもしれない。

政府はそうした不安にも応える対応と丁寧な情報発信をしてほしい。

今後、日本でも感染者が急増する可能性はある。政府は、考え得る複数のケースを国民にも示し、それに備えるべき対応策を医療機関だけでなく企業や個人にも説明しておくことが必要だ。

感染拡大を防ぐだけでなく、パニックを防ぐためにも適切な情報公開が欠かせない。
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[読売新聞] 若手研究者支援 博士の力を産学で生かしたい (2020年01月30日)

技術革新に必要な専門人材が広く活躍できる社会をつくりたい。

政府の総合科学技術・イノベーション会議が、若手研究者の支援策を決めた。1人当たり年700万円程度の研究費を最長10年にわたり支給する基金を創設し、奨学金を充実させる。

背景には、技術立国の担い手となるべき若手研究者の間に、閉塞(へいそく)感が広まっていることがある。博士号を取得した「ポストドクター」にとって、常勤職は少ない。3?5年の任期付きの職につくなど不安定な状況にある。

腰を落ち着けて研究できるよう、経済的な支援の充実を図る方向性はうなずける。

生活に苦しむ先輩を見て将来に不安を感じ、博士課程に進むのをためらう学生もいるだろう。修士課程から博士課程へ進学する人は、2003年に約1万2000人だったが、18年には約6000人にまで減っている。

近年、注目される人工知能(AI)や情報技術分野では、高度な専門知識が不可欠で、こうした能力を備えた博士人材への期待は大きい。博士の減少は、日本の研究開発力の低下を招きかねない。

人口100万人当たりの博士号取得者数を見ても、日本は118人で、ドイツや韓国の半分以下の水準にある。科学技術の国際競争力を保つ観点からも心配だ。

自然科学分野のノーベル賞受賞者が、受賞対象となる研究に取り組んだ年齢は平均37歳という。若手がチャレンジしやすい研究環境を整えることが重要である。

日本の大学では従来、教授を頂点とする研究室の仕組みが強固で、若手は補助的な作業や雑務に追われることが多かった。研究室の構造を改め、若手の独立を促し、斬新なアイデアに基づく自由な研究を奨励すべきだ。

欧米では、博士号取得者はその専門能力を評価され、官界やベンチャー企業、調査研究機関など多様な道に進んでいる。一方、日本の企業には、博士はたこつぼ型の研究ばかりしてきて視野が狭く使いにくいといった意識が残る。

企業は博士を長期インターンシップなどで受け入れ、人材の発掘につなげてはどうか。

博士号取得者は、大学の研究職を第一に考える従来の発想を改め、自らの進路について幅広く検討する必要があるだろう。

育成する大学側にも、研究能力とともに、協調性やビジネス感覚など、企業で通用する力を若手につけさせることが求められる。

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[読売新聞] 米の中東和平案 親イスラエル色が目に余る (2020年01月30日)

トランプ米大統領が、パレスチナ紛争の解決に向けた中東和平案を発表した。イスラエル側の立場をほぼ全面的に認め、パレスチナ側に屈従を強いる内容である。

長く、複雑な紛争の歴史を踏まえれば、解決に寄与することは、期待できない。

ナチス・ドイツの迫害を逃れたユダヤ人らは、1948年にイスラエルを建国し、パレスチナ人は住まいを追われた。

イスラエルは67年の第3次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸を占領し、近年は占領地へのユダヤ人入植が急速に進む。

米国の歴代政権は、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」による和平を目指し、仲介努力を重ねたが、難問に阻まれてきた。

国境をどう画定するのか。「東エルサレムは将来の国家の首都」とするパレスチナ側の主張にどう配慮するのか。答えは見つからず、和平交渉は中断している。

トランプ案の特徴は、イスラエルが攻勢を強める現状を追認したことだ。ヨルダン川西岸の入植地をイスラエルの領土に組み込むとし、エルサレムを「不可分のイスラエルの首都」とした。

占領地に自国民を移住させることは、ジュネーブ条約で禁じられている。エルサレムの帰属も、日本を含む多くの国が「当事者間の交渉で決めるべきだ」との立場を示す。和平案は国際社会の認識と乖離(かいり)しているのではないか。

パレスチナ自治政府は和平案を拒否する考えを即座に表明した。そもそも、自治政府はトランプ政権のイスラエルへの肩入れに反発し、対米交渉を2年以上行っていない。和平案を受け入れる余地は最初からなかったといえる。

にもかかわらず、トランプ氏が和平案発表を強行した背景には、政治的な思惑があろう。

イスラエルでは3月に国会選が行われる。続投を目指すネタニヤフ首相は自らの汚職疑惑で起訴され、窮地に立たされている。トランプ氏が、訪米したネタニヤフ氏と一緒に和平案をアピールしたのは露骨な支援策だろう。

トランプ氏自身も、11月に大統領選を控える。和平案を政権の「実績」として、親イスラエルのキリスト教右派などの支持固めに活用するのは間違いない。

イスラエル、パレスチナとも、指導者が求心力を失い、交渉再開の機運は乏しい。この現実を無視し、ネタニヤフ氏支援を優先するトランプ氏の中東外交は、米国への信頼を損なうだけだ。

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[朝日新聞] 関電第三者委 「闇」の解明が問われる (2020年01月30日)

多額の金品受領の見返りとして、工事発注の手続きや金額がゆがめられたことは本当になかったのか。そうした疑問をはじめ、問題の全容と背景の徹底解明が求められる。

関西電力役員らの金品受領問題で設置された第三者委員会(委員長=但木敬一・元検事総長)の調査が続いている。関係会社を含む役員と社員を聞き取りや書面で調べ、既に退職した人にも情報提供を呼びかけた。

関電は昨秋に第三者委を設けた際、会長らが辞任するとともに岩根茂樹社長も報告を受け取り時に退くとし、年内にまとめるよう求めた。これに対し第三者委は調査の越年を表明。関電の原発がある福井県高浜町の元助役で、関電側に金品を贈っていた故森山栄治氏が関係した企業にかかわる工事資料を提出するよう、全社員に求めたことも明らかになった。

調査を尽くすことが第三者委の務めだ。関電は期限を設けるような姿勢を厳に慎み、全面的に協力しなければならない。

関電が一昨年に行った社内調査によると、会長と社長を含む20人が元助役から計3億2千万円分の金品を受け取っていた。高浜3、4号機の誘致に深く関わったという元助役は1987年に退任後、原発事業を支える土木建築、警備、メンテナンスの各企業で役員や顧問を務めており、複数の関電関係者が「『うちの会社をよろしく』と言われた」と証言している。

社内調査は元助役関連の会社への発注について「適正だった」としたが、実際はどうだったのか。金品の受け取りについても、社内調査があげた20人以外に、15人の元役員らが朝日新聞の取材に受領を認めた。全体像に迫る作業は怠れない。

関電の企業統治の問題点を指摘することも、第三者委が果たすべき役割である。

関電は社内調査の結果について取締役会で議論せず、報道されるまでの約1年間、公表しなかった。監査役会も、問題を把握しながら取締役会に報告しなかった。

一連の不透明な対応の裏に、隠蔽(いんぺい)の意図や行為がなかったのか。関電は、こうした経営判断を追認していた幹部の中から次期社長を選ぶ方針と伝えられるが、第三者委は厳正に検証しなければならない。

今月には、元助役と関係が近かったという福井県内の建設会社が、九州電力の原発がある佐賀県玄海町の町長に現金を贈っていたことも発覚した。

金品受領の闇は、どこまで広く、深いのか。関電の株主が役員らの責任追及に動き、市民グループも刑事告発した中で、まずは第三者委が問われる。
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[朝日新聞] 新型肺炎拡大 長期化に備える覚悟を (2020年01月30日)

中国・武漢で発生した新型肺炎の広がりが止まらない。中国国内の患者は約6千人にのぼり、死者は100人を超えた。

日本でも、現地への渡航歴がない男性の感染が確認された。人から人への国内で初の二次感染だ。潜伏期間中にも伝播(でんぱ)する可能性が指摘されており、事実ならばさらなる拡大が見込まれる。長い戦いになる覚悟をもって、着実に備えを固めたい。

きのうは政府が派遣したチャーター機で206人が帰国した。症状がなくても2週間は自宅や宿泊先から外出せず、様子を見るなどの措置を求める。航空機の派遣はこの先も予定されている。日本に戻った人たちが静かな環境で過ごせるよう、関係者は配慮する必要がある。

政府は、新型肺炎を感染症法上の「指定感染症」とし、厚労省が定めた設備を備えた医療機関で処置に当たることにした。

だが感染した人がそうとは知らずに、指定医療機関ではないクリニックなどを訪れてもおかしくない。どこで患者が見つかっても、適切迅速に対応できる態勢を整えたい。国と自治体の役割分担や情報共有のあり方についても、改めて確認し齟齬(そご)のないようにしてほしい。

思い起こすべきは過去の教訓だ。09年に発生した新型インフルエンザでは、発生国への渡航歴に注目して水際で警戒を続けた。ところが実際は、現地に行っていない高校生から発症者が見つかり流行へとつながった。

強い毒性をもつという想定も違って、症状の軽い患者を中心に急速に拡大。指定医療機関では収容しきれなくなる恐れが生じて、混乱も起きた。

未知の感染症への対応は、ときに相反する要請の間で難しい判断を迫られる。ひとつは、常に最新の知見に基づき、被害を過小に見積もらないこと。もうひとつは、行動の自由を制限する措置は最小限とし、人権を不当に抑え込まないことだ。

新型肺炎は今のところ、同じコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に比べて、重症化する割合はそれほど高くないとみられる。仮に患者が増えて指定医療機関では対応できなくなったとき、軽症者については、通常の病院への入院や自宅での療養に切り替えることも、選択肢として頭の隅に用意しておきたい。

緊急事態宣言をいったん見送った世界保健機関(WHO)の指導力も問われる。必要十分な情報を速やかに開示するよう中国政府に求めるのはもちろん、治療や感染防止のための物資と人員を提供するなど、積極的に支援する必要がある。日本も協力を惜しんではならない。
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