2019年01月31日

[東京新聞] 景気拡大最長 不公平感の解消が先だ (2019年01月31日)

実感との落差が大きすぎないか。政府は、景気拡大期間が戦後最長になった可能性があるとの見解を出した。だが、経済政策の根拠となる判断であり、政府はその落差の実態を問い直すべきだろう。

第二次安倍政権下では、円安傾向が定着し平均株価はおおむね二万円台を維持している。

企業は株の含み益を増やして財務状態がよくなり、全産業の経常利益は二〇一三年度以降過去最高を記録し続けている。

政権が発足した一二年と昨年を比べると、設備投資も18%程度増え、完全失業率は4・3%から2・5%に改善した。

数字だけみれば「緩やかに回復している」との判断は説得力があるようにみえる。しかし、なぜ日々の暮らしでそれを感じないのだろうか。

勤労世帯が自由に使えるお金、可処分所得は、前回の景気拡大最終年の〇八年に月約四十四万二千円だった。だが一七年は約四十三万四千円で、その間は微減微増を繰り返している。

所得増に勢いがない理由は家計支出が増える中、賃金の伸びが抑制気味だからだ。

年金や介護などの社会保険料は増加傾向にある。一方で、企業は将来への経営不安から賃金増に消極的だ。

企業がもうけをため込んだ内部留保は一七年度に過去最高を記録した。これに対し人件費に回す労働分配率は約66%で、石油ショック後の一九七〇年代中頃同様の水準に落ち込んだ。

雇用面では、ブラック企業が社会問題化しており、数字では捉えきれない現実がまん延している。

今年は消費税率アップも予定されている。パナマ文書などで、日本人を含む富裕層がばく大な額の節税をしていることが明らかになった。消費税は低所得者に負担が大きい逆進性を持っており、不公平感は一層増すだろう。

景気という言葉は歌論などにも登場し景色や気配といった意味で使われる。経済情勢の判断にも使うなら暮らしの現実の景色を反映させなければ意味がない。

戦後最長だと正式認定するのはしばらく先だという。実感を伴う景気拡大を実現するためには、企業経営者は、株主ばかりに配慮するのではなく稼いだ収益をきちんと従業員に払う必要がある。政府は多国籍のIT企業や富裕層への課税に果敢に挑むべきだろう。

不公平感の解消があってこその景気の回復であるはずだ。
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[産経新聞] 【主張】「華為」起訴 知財侵害の実態解明急げ (2019年01月31日)

米司法当局は、中国通信機器大手の「華為技術(ファーウェイ)」の孟晩舟副会長を、対イラン制裁に違反する金融取引に関与した詐欺罪などで起訴した。米側は孟被告の身柄引き渡しをカナダ当局に要請した。

孟被告がカナダ当局に逮捕されて以来、中国側は在住するカナダ人を相次ぎ拘束し、薬物事件の被告に死刑判決を下すなどカナダに圧力をかけている。

案の定、中国外務省は起訴を受け「米国のために火中のクリを拾わないよう促す」と警告した。報復をちらつかせた脅しである。

カナダのトルドー首相は「法的な手続きに従って決める」と言明した。米司法省は、華為など法人も起訴の対象とし、不正の具体的手口を指摘している。中国の「人質外交」に屈せず引き渡し手続きを迅速に進め、企業犯罪の解明に結びつけてもらいたい。

米中は「新冷戦」というべき本格対決下にあり、デジタル分野は貿易と並ぶ主戦場だ。

注目すべきは今回、華為の米関連会社が、米携帯電話大手から携帯端末の品質試験に使う技術を盗み出した罪で起訴されたことだ。知的財産権侵害の是正を迫る米国の強固な姿勢の表れである。

30、31日に閣僚級の米中貿易協議を控え、ロス商務長官らが起訴と対中交渉は「別物」とクギを刺したのは賢明な判断だった。トランプ大統領が中国の譲歩を引き出そうと孟被告の扱いを取引材料とする不安があるからだ。中国の不当な介入を許してはならない。

華為追及は広がり、ポーランドで今月、スパイ行為の疑いで同社の中国人社員らが逮捕された。

華為の創業者、任正非氏は欧米メディアとの会見で、当局から機密情報提供を求められても「必ず拒否する」と語ったが、信じがたい。中国には国家情報法があり、いかなる組織や個人も国家の情報活動に協力することが義務づけられているではないか。

このような法律を備える国に対して、われわれは安全保障に直結する情報漏洩(ろうえい)を阻止するために、同盟国と足並みをそろえて包囲網を強めていくしかない。

その点、米、英、豪、カナダ、ニュージーランドは機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」を構成している。「対中デジタル冷戦」に対し、日本も5カ国との緊密な連携が不可欠である。
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[東京新聞] 「統計不正」論戦 国会が解明してこそ (2019年01月31日)

安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党代表質問が始まった。毎月勤労統計の不正問題を巡り、与野党がともに政府の責任を追及したが、国会が自らの手で解明に乗り出すことが必要ではないか。

二十八日に召集された通常国会で、党首クラスによる初の論戦である。冒頭、質問に立った立憲民主党の枝野幸男代表が統計不正問題について「国家としての基礎が揺らいでいる」と指摘したのに続き、自民党の二階俊博幹事長、国民民主党の玉木雄一郎代表も原因究明と再発防止を迫った。

毎月勤労統計などの政府の経済統計は、政策立案の基礎だ。間違いがあれば、国会は誤った情報に基づいて法案や予算案の審議をすることになる。与野党が厳しく政府を断罪するのも当然だろう。

首相は「長年、誤った処理が続けられ、見抜けなかった責任を重く受け止める」と答弁した。

統計不正は二〇〇四年から約十四年間続いてきた。安倍首相はうち約半分の七年間政権を担っており、その責任はより重い。まずは自らの責任で、事実解明と再発防止に全力を挙げるのは当然だ。

とはいえ、この問題は政府任せにできない。国会も不正を見抜けなかった責任を免れないからだ。

枝野氏は厚生労働省と利害関係がない第三者が調査する必要性を強調した。立憲民主など野党六党派の国会対策委員長は同省の「特別監察委員会」の委員を入れ替えて再調査すべきだとしている。

外部の弁護士らで構成された特別監察委は、職員らへの聞き取りに同省幹部が同席するなど調査の中立性や正確性を欠いていると指摘されており、第三者による再調査も一つの手段ではある。

しかし、国会は国民から負託された国政に関する調査権を有し、行政監視の機能を担っている。国会が特別委員会を設置したり、参考人招致や証人喚問などにより、自らの手で事実解明や原因究明に乗り出すべきではないか。

政権与党の自民、公明両党は、この期に及んで厚労省を擁護し、国会による国政調査を阻むようなことがあってはならない。

根本匠厚労相は昨年十二月二十日に統計不正の報告を受けながら翌日、不正な調査方法を伏せて最新の数値を発表。同二十八日まで首相に報告せず、一九年度予算案閣議決定のやり直しを招いた。特別監察委の調査もずさんだ。

野党側が罷免要求したように、根本氏の閣僚辞任は当然である。首相も任命責任を免れまい。
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[産経新聞] 【主張】万博協会設立 まず関西財界が先頭立て (2019年01月31日)

2025年大阪・関西万博の実行組織となる日本国際博覧会協会の設立総会が開かれた。今後、開催計画を描き、準備を本格化させる。

知恵を絞り、よい万博にしていきたい。万博には国として立候補した。国民全員で機運を高め、成功に導きたい。

協会は地元自治体や経済界から構成され、トップには経団連の中西宏明会長が就いた。より国民的なイベントにするため、民間からも広く意見を募って計画に生かしていく必要がある。

昭和45年の大阪万博では、民族学者の梅棹忠夫や作家の小松左京ら日本を代表する識者が自ら研究会をつくり、アイデアを出した。識者ばかりでなく、知を発信する積極性が万博の魅力を増す。

特に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博である。少子高齢化や地球温暖化などの課題に、学生も含め医療や生命科学、再生可能エネルギー、情報技術などさまざまな分野から声が上がっていい。

費用も課題である。万博の会場建設費は約1250億円と試算され、国、大阪府市、民間が3分の1ずつ負担する。関西の財界がまず先頭に立って引き受け全国からの協力を広げたい。日本の英知が万博で生かされ発展することは日本全体にも利益になるだろう。

インターネットで市民から資金を募るクラウドファンディングも検討されている。できる範囲でなにがしかの貢献をしたい。

万博の会場となる大阪湾の人工島、夢洲(ゆめしま)はバブル経済の崩壊で手つかずになっていた土地である。大阪府と市はこの島への統合型リゾート施設(IR)の誘致も目指している。すでにさまざまなビジネスの機運が高まっている。鉄道の延伸などでアクセスもはるかによくなろう。

IRはカジノを含み、ギャンブル依存症など負の影響に注意を払わなければならないのは無論である。しかし夢洲の開発自体は、大阪、関西、さらに日本にとってプラスになる。この上昇気流を確実につかみたい。

何より万博を考えることは、そのテーマにあるように未来を考えることでもある。少子高齢化時代を豊かに生きるための、どんな社会のあり方を提示できるか。医療や情報技術は何を可能にしてくれるのか。考えるだけでわくわくしてくるではないか。
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[毎日新聞] インフルエンザ猛威 かかったら無理は避けて (2019年01月31日)

インフルエンザにかかる人が増えている。寒さが厳しい時期を迎え、太平洋側を中心に空気が乾燥した状態も続く。手洗いなど基本的な予防対策を徹底し、流行を抑えたい。

厚生労働省によると、今年第3週(1月14?20日)の推計患者数は約213万人に達した。この10年で最も患者が多かった昨季を上回る大流行になる恐れがあるという。

インフルエンザは、ウイルスが原因の感染症だ。高熱や全身の倦怠(けんたい)感などの症状が出る。患者のせきを浴びる飛沫(ひまつ)感染と、ドアノブなどに付いたウイルスが手指を介して口や鼻に入る接触感染が主な感染経路だ。

このため、手洗いの徹底が予防には有効で、マスクの着用も防御策になる。また、十分な睡眠とバランスのとれた食事を日ごろから心がけることで、体の抵抗力を保てる。

急な発熱などがあれば、事前に医療機関に連絡を取った上で、受診することが望ましい。インフルエンザと診断されたら、自宅でゆっくりできる機会だと考えてはどうか。

仕事や学校に出かけると、周囲に感染を広げてしまうし、無理をしない方が回復も早い。

やむを得ず外出する時は、飛沫が他人にかからないようマスクを着けることがエチケットだろう。

心配なのは、高齢者や子供は重症になるケースがあることだ。

高齢者施設や病院での集団感染が各地で起きている。職員の健康管理や訪問者の健康状態のチェック体制に問題はないか、点検すべきだ。

子供の場合は、高熱で意識が混濁し、部屋から飛び出すなどの異常行動を起こすことがある。男児に多く、厚労省は発熱から2日間は注意が必要だと呼びかけている。

発熱期間を短くする治療薬の開発も相次ぐ。中でも昨年発売された「ゾフルーザ」は、錠剤を1回飲むだけでよく、処方が増えている。

だが、国立感染症研究所などの研究で、ゾフルーザを処方された患者から、この薬が効きにくい耐性ウイルスが見つかった。他の薬より耐性ウイルスができやすいという。

今後、耐性ウイルスが広がる恐れはないのか。厚労省や製薬企業は、ゾフルーザの有効性や安全性に関するデータをさらに集め、適切な使用のあり方を検討する必要がある。
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[毎日新聞] 統計不正問題と首相 危機感が伝わってこない (2019年01月31日)

安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まった。

焦点となっているのは統計不正問題だ。しかし、政府の政策決定材料となる基幹統計が長年にわたってゆがめられてきたことへの危機感が首相の答弁からは伝わってこない。

首相は「責任は重く受け止めている」と陳謝する一方、真相解明や再発防止については根本匠厚生労働相に任せる姿勢に終始した。

毎月勤労統計の不正調査問題に限れば厚労省の不祥事だが、56ある基幹統計のうち23の統計で不適切な処理がなされていたことが判明し、問題は政府全体に広がっている。

首相が率先して官僚組織の病巣にメスを入れるべきだ。各省が別々に採用している統計の専門職員を独立した組織に一元化するなど、抜本的な改善策を検討すべき段階だろう。

勤労統計不正をめぐっては、厚労省の特別監察委員会がおざなりな調査で組織的隠蔽(いんぺい)を否定したことが政府への不信に拍車をかけている。

有識者8人で構成された監察委は第三者の立場で関係者37人から聴取したとされていた。しかし、そのうち25人の聴取は身内である同省職員が行っていた。真相解明に本気で取り組んだとはとても言えない。

その調査結果を漫然と受け取り、問題の幕引きを図ろうとした根本厚労相の責任は重い。

勤労統計不正はなぜ始まり、15年間も続いたのか。抽出調査をするなら当然必要になる数値の補正を統計の専門職員がなぜ怠ってきたのか。そして、昨年になってこっそり補正を始めたのはなぜなのか。

野党は、昨年の補正作業が賃金の伸び率を高く見せるために行われたのではないかと疑っている。国民民主党の玉木雄一郎代表は代表質問で「賃金偽装」だと追及した。

そうした疑念を晴らす責任は政府側にある。「2018年の伸び率の数値のみを示してアベノミクスの成果だと強調したことはない」との首相答弁では説明になっていない。

ただし、統計不正は旧民主党政権のときも続いていた。官僚組織をコントロールできなかったという意味では与野党全体の責任だ。

政府自らの調査で明らかにできないのなら、国会が特別委員会を設置するなどして徹底調査すべきだ。
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[朝日新聞] 統計の不正 政権全体で向き合え (2019年01月31日)

根本厚生労働相は国会答弁を訂正し、別の統計でも新たな問題が発覚する。「毎月勤労統計」の不正をめぐる混迷は日々深まるばかりだ。

これ以上、厚労省任せにしていても、解決はおぼつかない。政権全体で問題に正面から向き合い、真相究明と再発防止に取り組むべきだ。

検証のために厚労省が設置した特別監察委員会について、根本氏は24日、聞き取りをした37人の職員らのうち20人が外部有識者によるものだと答弁した。しかし29日になって、実際は12人だったと訂正した。

聞き取りの実に7割近くを、「身内」の厚労省職員が行っていたことになる。しかも、中にはメールや電話によるものも含まれていた。

こうした手法を追認した監察委にも、重い責任がある。独立性に疑問符がついた組織がこれ以上検証を続けても、国民の理解は得られまい。

にもかかわらず根本氏は「事務方はお手伝いをしただけ。第三者の視点から、責任の所在を明らかにして頂いた」との説明を繰り返す。監察委での聞き取りのやり直し、検証報告の修正で済ませようというのだ。あまりに危機感が乏しい。

新たに「賃金構造基本統計」でも問題が判明した。計画では調査員が事業所に調査票を配布・回収するとしていたのに、勝手に郵送調査に変更していたのだ。しかも、政府が56の基幹統計を一斉点検した際に、この違反は報告されなかった。一体、どうなっているのか。

こんな対応が続くようでは、根本氏の大臣としての資質を、疑わざるをえない。

厚労省の監察委の客観性が疑われていることに、麻生副総理兼財務相は記者会見で「それやるかねという感じはします」と、ひとごとのように述べた。財務省自身、公文書改ざんの検証が不十分だと批判を受けていることを忘れたのだろうか。

役所で起きた不祥事を、その役所による甘い検証に委ね、真相はうやむやのまま済ませる。その繰り返しでは、行政への信頼は回復不能なまでに損なわれかねない。

昨日の代表質問に対する答弁で、安倍首相は、根本厚労相に徹底した検証と再発防止の先頭に立ってほしいと繰り返した。

先頭に立つべきは、首相自身ではないのか。

厚労省任せではない、客観的な手法による徹底した事実の解明がなければ、信頼回復も再発防止もできない。そのことを忘れてはならない。
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[読売新聞] 代表質問 信頼回復へ国会は役割果たせ (2019年01月31日)

統計調査を巡るずさんな行政をどう是正していくのか。政府と与野党は建設的な論戦を展開しなければならない。

安倍首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まった。毎月勤労統計の不適切な調査問題について、立憲民主党の枝野代表は「国家としての基礎が揺らいでいる」と批判した。

首相は「誤った処理を見抜けなかった責任を重く受け止めている」と答弁した。野党による根本厚生労働相の罷免(ひめん)要求には、応じない考えを示した。

厚労省の失態は、目を覆うばかりである。根本氏は、調査を担う特別監察委員会について「有識者だけで構成し、中立性を明確にする」と述べていた。

だが、聞き取り調査の多くは、幹部を含む身内の職員だけで行われた。客観性や公正さに疑義が生じたのは問題である。厳正な再調査が求められよう。

保管が義務づけられていたにもかかわらず、2004年から11年の一部基礎データを廃棄・紛失していたことも言語道断である。

統計部門は専門性が高く、人事の硬直化が問題となってきた。旧厚生省と旧労働省が合併した巨大官庁であり、チェック機能が働きにくいのは明らかだ。

勤労統計以外にも、7省の22の基幹統計で、データ数値の誤りなどが見つかった。政府全体で統計調査の手法や組織のあり方について見直すことが欠かせない。官僚の法令順守も徹底すべきだ。

勤労統計を見直した結果、賃金上昇率が下方修正された。アベノミクスの成果を誇張する「偽装」だったと、野党は追及する。

首相は「賃金動向の判断に影響を与えるものではない」と答弁した。引き続き丁寧に説明し、疑念の払拭(ふっしょく)に努めねばならない。

今国会最大の論点は、今秋の消費増税への対応である。

枝野氏は、増税の「凍結」を求め、消費の回復を図るべきだ、と主張した。首相は予定通りの引き上げを明言した。

高齢化が加速し、社会保障費は増える一方だ。将来不安を和らげるため、消費増税による安定財源の確保が必要ではないか。

中長期的な視点に立った社会保障改革や財政再建の進め方について、党首同士の議論が深まらなかったのは物足りない。

トランプ米政権が内向きの姿勢を強める中、自由貿易体制をどう推進していくか。悪化した日韓関係をいかに立て直すか。外交の懸案もしっかり論じるべきだ。
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[朝日新聞] 国会代表質問 行政監視、真価問われる (2019年01月31日)

国会で安倍首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まった。

立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表ともに、最も力を入れたのが厚生労働省の毎月勤労統計をめぐる不正問題だ。

枝野氏は「国家としての基礎が揺らいでいる」と指摘し、玉木氏も賃金の伸びを高く見せる「賃金偽装」「アベノミクス偽装」ではないかと追及した。そして、根本厚労相の罷免(ひめん)要求で足並みをそろえた。

昨年は、財務省による公文書改ざんなど、政府の不祥事が相次いで明るみに出た。立法府が十分にチェック機能を果たせたか、大島理森衆院議長が自省を求める異例の所感を発表した。

政策決定の礎となる統計が長年にわたってずさんに扱われてきたという今回の問題は、まさに立法府による行政監視の真価が問われる事態である。厚労省の特別監察委員会による拙速な検証が第三者性を欠き、信頼を失っているだけに、真相解明と再発防止を政府に迫る国会の役割は極めて重い。

そこには、与党も野党もないはずである。自民党の二階俊博幹事長は、質問の最後に統計不正を取り上げ、首相に問題解決への決意を尋ねたが、迫力不足というほかない。

代表質問は、野党の党首にとっては、党の理念や政策の全体像を示す「所信表明」の機会でもある。

枝野氏は冒頭、立憲民主党が目指す社会像について、「支え合い」と「多様性」をキーワードに掲げた。

競争や自己責任を強調するのではなく、社会全体で困った人を支え合う仕組みを強化することで、一人ひとりの安心が社会や経済の活力につながると主張。また、多様性こそが、独創的な付加価値を生み、国際社会の中で日本が生きる最大の原動力になるとの考えを示した。

一方の玉木氏は、国民民主党の理念として「共生」を掲げ、多様な価値観を受け入れて合意形成を図る「改革中道政党」と自らを位置づけた。

重なる理念を持ちながら、両党はいま、参院の野党第1会派の座をめぐる多数派工作でいがみあい、参院選の1人区での候補者調整も遅れている。

国会対応でも選挙協力でも、野党が力を合わせずして、巨大与党に対抗できないのは明らかだ。主導権争いや内輪もめを続けている余裕はない。与党によるチェックが期待できないなら、野党の協力こそが国会の機能回復への第一歩となる。
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[読売新聞] 特別養子縁組 より多くの子に温かい家庭を (2019年01月31日)

虐待や経済的事情で実親と暮らせない子が、家庭的な環境の下で成長する。その可能性が広がるのは好ましいことだ。

法制審議会の部会が、特別養子縁組制度の見直し案をまとめた。養子となる子の対象年齢を原則6歳未満から15歳未満に引き上げる。政府は今国会にも民法改正案を提出する。1988年の制度開始以来、初の見直しだ。

社会的に養護されている子は、全国で約4万4000人に上り、施設で暮らす子が8割を占める。温かい家庭環境で育てられる子を可能な限り増やす必要がある。

特別養子縁組では法律上、実親との親子関係が消滅する。普通養子縁組や里親と異なる点だ。半年以上の試験養育を経て家裁が認める。戸籍上も養父母の実子として扱われるため、法的に安定した関係が保障される利点は大きい。

現行は0?2歳児の縁組が多く、成立件数は年500?600件にとどまっている。長年にわたって施設で暮らし、家庭に戻ることが見込めない小中学生は少なくない。対象の拡大により、利用を促すのは適切な措置だ。

対象年齢を何歳まで引き上げるべきか、部会では意見の対立があった。年齢が上がるにつれて、養父母との関係構築が難しくなるといった懸念があるためだ。

一方で、年齢制限を理由に、縁組を諦める事例を減らすには、対象年齢の大幅な引き上げしか有効な手立てがないのも事実だ。関係が良好な里親家庭からの切り替えが増えることも期待される。

民法上、自分の意思で普通養子縁組ができるなど、一定の法律行為が可能になる15歳で線を引いたのは、現実的な判断だろう。

現行制度では、縁組を申し立てる養父母が、実親の不適切な養育状況を立証しなければならない。負担が大きい上、実親が縁組に同意しながら、土壇場で撤回して混乱することもある。

見直し案では、児童相談所長も申し立てが可能になる。手続きも2段階に分け、まずは、実親が育てられるかどうかを判断する。実親が縁組に同意してから2週間が経(た)つと撤回できなくなり、その後に養父母の適格性を判断する。

制度改正により、申し立てを躊(ちゅう)躇(ちょ)させる要因を解消させたい。

年長の子を受け入れる養父母への支援も欠かせない。里親の場合、自治体による研修や里親同士の交流があるが、実の親子になった養父母にはそうした機会が少ない。安心して子育てができる環境の整備が、子の幸せにもつながる。
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2019年01月30日

[産経新聞] 【主張】小4女児死亡 救える命がまた失われた (2019年01月30日)

この女児の命を救うことは、本当にできなかったのか。同じ後悔を何度深めればいいのか。残念でたまらない。

千葉県野田市の小学4年、10歳の栗原心愛(みあ)さんが自宅で死亡し、父親が傷害容疑で逮捕された。心愛さんの体には複数のあざがあったという。

心愛さんは平成29年11月、小学校のアンケートに「父からいじめを受けている」と回答し、顔にあざがあったため、柏児童相談所が一時保護した。だが父親は児相の面談に虐待を否定し、学校生活にも落ち着きがみられるとして翌月、児相は親族宅での生活を条件に保護を解除した。

昨年3月には自宅に戻ったが、児相はその後、一度も自宅を訪問していない。今年1月7日の始業式から学校を休んでいることも21日に把握したが、家族とは連絡を取らず、24日深夜に心愛さんは死亡した。

柏児相所長は会見し、「解除の判断は妥当だったが、その後の対応が不足していた」と述べた。これほどの重大な結果を前に「判断は妥当」はあるまい。反省の希薄さが悲劇根絶の壁になっているのではないか。

心愛さんは児相に保護されていた際、「父が怖い」と打ち明けていたという。虐待を否定する父の元に戻すべきではなかった。

小学校の校長は、心愛さんが学級委員長を務めた頑張り屋で、「笑顔が優しい子だったのに、悲しい気持ちでいっぱいです」と話した。後悔が遅い。小学校は昨年1月の心愛さんの転校後、一時保護の経緯を知りながら、家庭訪問も行っていなかった。

東京都目黒区では昨年3月、5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが両親の虐待を受け、「もうおねがい ゆるして」と書いたノートを残して死亡した。事件の衝撃は大きく、政府が児童虐待防止のための新プランをまとめるなど、さまざまな対応策が練られている。

そうした機運は、現場に届かなかったのか。心愛さんの家庭がどうなっているか、心配にはならなかったのか。心愛さんを救う機会は、必ずあったはずだ。

児相の人手不足は深刻な状況にあり、職員の増員や関連法の整備は急務である。だが、今ある虐待はこれを待ってはくれない。悲劇の萌芽(ほうが)を放置していないか。全国の児相や学校はこの際、再点検を徹底すべきである。
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[産経新聞] 【主張】日本海呼称 変える必要も理由もない (2019年01月30日)

「日本海」は国際的に確立した唯一の呼称である。変更する必要性もなければ、理由もない。

韓国や北朝鮮が、「東海」や「朝鮮東海」との併記を求めてきても、断じて認めるわけにはいかない。日本政府が取るべき当然の原則である。

国際水路機関(IHO)の要請に応じ、日本が韓国や北朝鮮との非公式協議に応じる方針へとかじを切った。2020年のIHO総会で指針改定を望む韓国などの動きを踏まえた判断である。

韓国は、日本海の改称や東海の併記を各国に働きかけるロビー活動を積極的に行ってきた。これに押し切られたとの見方もある。外務省は、改称や併記だけが議題ではないと説明するが、韓国の狙いはそこにあるとみるべきだ。

外務省も古地図の発掘などで呼称の正当性を訴えてきたが、発信力で負けていなかったか。協議では、今後、改称や併記が蒸し返されることのないよう毅然(きぜん)とした姿勢を貫くべきだ。政権一体で知恵を絞らなければならない。

IHOは世界の海洋名称をまとめた指針「大洋と海の境界」を刊行している。1929年の初版から現行版(53年作成)まで、日本海の海域には「Japan Sea」と一貫して記載してきた。

19世紀作製の古地図をみても、米議会図書館では87%、大英図書館・ケンブリッジ大学が86%、仏国立図書館は95%と、圧倒的に多くの地図が日本海表記となっている。これが歴史の事実だ。

韓国と北朝鮮は1990年代以降、国連や国際機関などで「日本の植民地主義の結果だ」と難癖をつけてきた。それが根拠のない主張であることは明白である。

韓国は2014年に米バージニア州で成立した東海併記法を成果と捉えているのだろう。州公立学校の教科書で併記を規定する法律だ。米政府は「日本海は国際的に認知されている」として韓国側の求めを却下している。

韓国の言い分は根拠に基づかないという点で、慰安婦や韓国が不法占拠する島根県の竹島などと共通する。ここで日本が揺らげば、竹島の不法占拠が正当であるかのような誤った主張を勢いづかせてしまう。

韓国や北朝鮮が狙うのは歴史の塗り替えである。彼らの主張を認めることは、主権の放棄に等しいと認識しなければならない。
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[東京新聞] 技能実習生 人権守れぬなら廃止に (2019年01月30日)

法令に反(はん)した大手企業が外国人技能実習生の計画認定を取り消された。自殺や過労死などの悲劇も相次ぐ。新在留資格が四月から始まる。もはや劣悪な環境下に若者を置く制度は不要であるはずだ。

三菱自動車は愛知県内の工場で、溶接作業を学ばせるはずの実習生に部品の組み立てをさせていた。実習計画とは異なるので、技能実習適正化法に基づき、同認定を取り消された。

パナソニックは富山県内の工場で社員が過労自殺を起こした。違法な時間外労働とされ、労働基準法違反の罰金刑が確定した。労働法令に反した企業は実習生の受け入れができないため、やはり同適正化法により取り消しとなった。

日本の大手企業がこんなペナルティーを科されるのは異例だが、各地の実習生の労働環境が過酷であるのはもはや常識である。何度も失踪事件は起きているし、二〇一〇年から一七年の間に実習中の事故や自殺、病気で計百七十四人が死亡している。

金属切断機に頭を挟まれたり、漁船が転覆して海に投げ出されたり…。心筋梗塞や心臓性突然死など過労を疑わせる事例もある。中国やベトナムなどから来た若者たちが溺死や凍死、自殺するとは、過酷な環境下で労働を強いられている証左であろう。

少なくとも本来の技術を身に付ける実習ではなく、単純労働者として酷使されているのが現状であろう。しかも、最低賃金以下の報酬しか渡さずに…。

四月導入の新制度で「特定技能1号」の在留資格には、初年度に受け入れる最大約四万八千人のうち、55〜59%を実習生から移行させる予定という。農業などではほぼ100%が実習生からの移行とみられている。

実習生がブローカーに多額の借金を背負って来日するのも、返済する見通しがあってだ。つまりは国際貢献の名目下で単純労働をしている。新制度では外国人の単純労働者を受け入れるから、現実的には実習制度存続の意味は見いだしがたくなろう。

とくに労働の最中に命を落とすのは異常だ。人として扱われていないとの疑念さえ湧く。少子化で人手不足というが、日本人がやらなくなった業務を外国人の実習生が負ったりする。

人権が守られぬ世界にアジアの若者を放り込むのは犯罪的ですらある。政府は外国人の労働者政策を練り直してほしい。
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[東京新聞] 統計不正 極めて不自然な調査だ (2019年01月30日)

「自然なこと」。統計不正を調査する特別監察委員会の職員聴取に厚生労働省幹部が同席していたことを、当の幹部はこう言い放った。自然どころか不自然極まりない。国民感覚からははるかに遠い。

「なぜそういうことになるのか(分からない)」

二十八日になって新たに厚労省の賃金構造基本統計でも問題が発覚した。基幹統計の一斉点検結果の公表から遅れて分かったことに、統計制度を所管する石田真敏総務相が語気を強めた。

この言葉は国民の統計不正全体に対する思いだ。不正の重大性が依然分かっていない政府の対応にあらためてがくぜんとする。

毎月勤労統計不正の調査で、監察委の事情聴取に職員も加わっていたが、幹部の厚労審議官や官房長も同席し質問までしていたことが分かった。逆に委員が直接聴取していた人数は当初の説明より少なかったことも判明した。

幹部が直接質問して聴取を受けた職員がどこまで事実を話したのか、質問は適切だったのか。しかも、聴取時間は十五分だったりメールで聞いたケースがあった。いかにもおざなりである。

早く報告書を仕上げ幕引きを図るのだとしたら、それは不正の解明より組織防衛に走る姿だ。

監察委の姿勢にも疑問がある。聴取は必ず外部の人間だけで行うことが前提だ。それを徹底すべきではなかったか。

監察委の報告書原案も職員が担当していたことを合わせると、第三者調査との中立性はないことが明白だろう。

「組織的な関与や隠蔽(いんぺい)は確認されなかった」との調査結果もますます疑わしくなった。

国会での施政方針演説で安倍晋三首相は統計不正についておわびの言葉を述べた。だが、全容解明や再発防止を具体的に語らなかったことに野党からは「問題から逃げている」と批判の声が上がった。多くの人はそう感じているのではないか。

再調査に独立性は欠かせない。

国会の役割は重い。監察委が直接聴取した人数が当初の説明より少なかったことが判明し、厚労相は答弁を訂正した。これは国会を軽視するものだ。

重ねて言うが、公的統計の不正は国の信用を揺るがせる問題だと認識し政府は対応すべきだ。

だが、政権からはその危機感が伝わってこない。政権の認識がこのままなら、厚労省から政府そのものの問題になるだろう。
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[毎日新聞] 「戦後最長」の景気拡大 賃金が伸びぬ構造のまま (2019年01月30日)

景気の拡大がいくら続いたとしても、賃金が伸び悩めば、国民が好景気と実感することはない。

政府は、2012年12月から続いている景気拡大の期間が今月で6年2カ月に達し、戦後最長になった可能性が高いとの見解を示した。

息の長い成長自体は望ましい。今回は第2次安倍内閣の発足と同時に始まり、株価や雇用が好転した。

問題は、景気拡大を通じて国民がどれだけ豊かさを実感できるようになったか、ということである。

雇用が増えたのは、人手不足を補うため採用された低賃金の非正規社員が中心だ。勤労統計の不正が修正され、昨年1?11月分の賃金伸び率が縮んだ。正社員も含めた1人当たり賃金は、景気拡大前に比べ物価変動を除いた実質で約3%減った。

消費は停滞し、成長率も低い。今回の実質成長率は平均で年1・2%にとどまる。戦後の主な長期拡大で最も低かった02年から08年にかけての1・6%も下回る。

拡大を支えたのは米国など堅調な海外経済であり、メリットを最も享受したのは輸出企業だ。日銀の異次元緩和で輸出に有利な円安が定着し、企業は好業績が続いている。

企業がためた利益を示す内部留保は17年度に446兆円と過去最高を更新し、アベノミクス前から160兆円以上も増えた。一方、人件費にどれだけ回したかを示す労働分配率は66%台と43年ぶりの低水準だ。

日本は現在、高齢化と人口減少に直面している。企業が賃上げに慎重なのは、国内市場の縮小を見越して事業の拡大に後ろ向きだからだ。

必要なのは経済の成熟化に見合った対応であろう。戦後の高度成長期は賃金も自然と右肩上がりだったが、今は企業が稼いだ利益をできるだけ社会に還元するように努めなければ経済の底上げにつながらない。

海外経済も米中貿易戦争などで悪化する恐れがある。今年10月の消費増税も控え、日本経済の足腰を強める重要性は一段と高まっている。

企業は今年の春闘で積極的な賃上げを行ってほしい。人への投資は企業の成長に資するはずだ。

政府も企業が賃上げしやすい環境を整えるべきだ。イノベーションの推進などで企業の生産性向上を後押しする必要がある。
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[毎日新聞] 立憲民主と国民民主 潰し合っている時なのか (2019年01月30日)

「1強多弱」と言われる国会の状況を打開できるのか。野党の真価が問われる通常国会が始まった。

野党5党と1会派は国会初日に党首会談を開き、「安倍政権打倒をめざし厳しく対峙(たいじ)していく」ことで合意した。きょうからの代表質問では統計不正問題の追及などで各党党首らの論戦力が試される。

国会による行政監視で野党の果たすべき役割は大きい。「安倍1強」の数の力でうやむやにされないよう積極的な野党共闘が求められる。

しかし、表向きの党首合意とは裏腹に内情は寒々しさが漂う。立憲民主党と国民民主党の主導権争いだ。

通常国会の開会に先立ち、国民民主が自由党との統一会派結成に踏み切った。その結果、参院の野党第1会派に躍り出る見通しになると、立憲側がすぐさま社民党と統一会派を結成し、双方27人ずつで並んだ。

野党第1会派になれば、国会における与党との交渉を主導し、国民に向けて存在感をアピールしやすくなる。だが、そのために数合わせを競って国民の理解が得られるのか。

国会開会直前に駆け込みで国民民主から立憲に移籍する議員まで現れた。国民民主側がそれを認めず非難合戦が繰り広げられるに及んでは、見苦しいと言うほかない。

民進党分裂時の遺恨がそう簡単に晴れるものでないことはわかる。国民民主の玉木雄一郎代表は自由党との統一会派について「野党の大きな塊をつくる」ことを目的に挙げたが、実態は逆だろう。立憲との亀裂はますます深まっている。

その背景には今夏の参院選へ向けた思惑が働く。野党党首会談では32ある1人区で共産党を含む候補者の一本化を図ることを確認したものの、改選数2以上の選挙区については立憲が候補者調整を拒んでいる。

近い将来の政権交代を訴えていくのであれば、参院選で本格的な与野党対決の構図をつくることが必要だ。しかし、最大野党として選挙協力に汗をかくべき立場にある立憲の枝野幸男代表は、国民民主を蹴落としてでも野党内での優位を確保しようとしているように映る。

これでは安倍政権と対峙する前に野党同士で潰し合っているようなものだ。大局観のない政党に国民の期待が高まるはずがない。
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[朝日新聞] 大坂選手優勝 輝く大輪、咲かせた人々 (2019年01月30日)

いまも人々の間に余韻が残る。全米に続いて全豪オープンを制した女子テニスの大坂なおみ選手の活躍である。

中米ハイチ出身の父と日本人の母の間に生まれ、幼いころから米国で教育を受けた彼女は、グローバル時代を象徴する存在だ。試合中継のテレビ画面のスコアのわきについている日の丸や、「アジア勢として初」といったくくりを超えて、その魅力は世界に広がった。

表彰式では、強盗に襲われ利き腕を手術する不運から復活した決勝の相手クビトバ選手(チェコ)を、まずたたえた。全米の時も、優勝を争ったS・ウィリアムズ選手(米)は自分にとって長年のアイドルだったと打ち明け、感謝の言葉を捧げた。

優れた敗者がいてこそ勝者は輝く。楽しい「なおみ語録」は人気の的だが、その根底には、スポーツの本質を理解し、大事にする心が流れる。

力をもちながら、1年前まではミスで自分を見失い、敗れるシーンが珍しくなかった。急成長した背景にはコーチやトレーナーの存在が大きい。わずかな失敗にも落ち込む大坂選手に、ドイツ出身のコーチのバイン氏は「なおみならできる」と背中を押し続けたという。

過去に、「アイドル」のS・ウィリアムズ選手らの指導にも携わった経験をもつ。個性を見極め、抑えつけず、選手に応じたアドバイスをする。昨年は女子テニス協会(WTA)の年間最優秀コーチにも選ばれた。

日本ではこの1年、スポーツ指導者の不祥事が相次いだ。互いの人格を尊重しあう姿勢、言葉の選び方、距離感の保ち方など、大坂選手の躍進から学ぶべき点は少なくないはずだ。

身の回りのサポート役だけでなく、選手の力を引きだすため全体で環境整備に取り組んできたのが女子テニス界だ。

WTAは今年からルールを改め、妊娠や出産で休養した選手が復帰する場合、12大会までは以前と同じ世界ランクでプレーできるようにした。ランクが大きく落ちると待遇が変わり、プレーにも響くため、復帰を断念する例が多かった。選手側の働きかけが実った形だが、女性スポーツの将来を考えた時、意義深い改革といえよう。

男子の数分の1といわれた優勝賞金も、現在は4大大会すべてで同額になった。WTA設立から46年。これも選手らの交渉と努力の結果で、他の競技や社会に与えた影響も大きい。

そんな土壌の上に咲いた大輪が、次の時代を切り開く。さらに前に進む姿に期待したい。
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[朝日新聞] 海の生態系 「真の保護区」を広げよ (2019年01月30日)

海の生物多様性を守るため、沖合に海洋保護区を設けるべきだ。中央環境審議会が、そんな答申を原田義昭環境相に提出した。政府は海の生態系保全に本腰を入れなければならない。

国際的には「2020年までに海域の10%を保護区にする」との目標がある。9年前に名古屋市であった生物多様性条約締約国会議で「愛知目標」の一つとして盛り込まれたものだ。すでに各国の領海・排他的経済水域の17%近くが保護区になり、来年には24%を超える。

ところが日本の保護区は8・3%にとどまっており、主要国の中で対応が遅れている。しかも、その多くが水深200メートルより浅い沿岸域に集中していて、より深い沖合域はほとんど手つかずのままだ。

日本の領海・排他的経済水域は世界6位の広さで、3万種を超す生物がいる。豊かな海に囲まれた国として、生物多様性保全の務めを果たしているとは言いがたい。取り組みを加速させるべきだ。

特に沖合域の深海には、沿岸域とは違う独特の生態系がある。巨大なダイオウイカや、海底の熱水噴出孔を好むコシオリエビの仲間のように、固有の生き物も多い。海底の地形を含めて全体を保全することが、生物多様性を守るのに欠かせない。

今回の答申は、人間の活動で深海の環境が乱されないよう、自然環境保全法にもとづく保護区の設定を求めている。環境省は通常国会に法律の改正案を出し、来年にも小笠原諸島の沖合に保護区を新設する。

保護区内では、海底を乱すような資源開発や漁業などが規制される。排他的経済水域は領海に比べて管轄権が限定的だが、関係省庁が連携し、監視や取り締まりをする必要がある。

いうまでもなく、保護区を設けるだけでは不十分だ。保護区の海中を科学的に調査し、生態系の情報を集める。それを継続し、異変を見落とさないようにする。そうした取り組みを怠ってはならない。

環境省によると、小笠原諸島の沖合に新たな保護区ができれば、愛知目標の「10%」を達成できるという。

だからといって胸を張ることはできない。「8・3%」の既存保護区の大部分は、漁業法などで水産資源を保全するものだ。海の生物多様性を守る「真の保護区」は、ごく一部にとどまっている。

うわべの数字を整えるのではなく、「真の保護区」を広げていく。それが豊かな海に浮かぶ島国の責務である。
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[読売新聞] 通信の秘密 市場変化に合わせた保護策を (2019年01月30日)

巨大IT(情報技術)企業のサービスが広がる中で、利用者の個人情報や通信内容をどう保護するか。市場変化に対応した規制が求められる。

総務省の有識者会議は、「通信の秘密」の保護規定を、国内だけでなく、海外の事業者にも適用すべきだとの論点案をまとめた。

電気通信事業法は、国内の事業者が利用者の同意を得ずに、通話や電子メールなどの内容を把握したり、対外的に漏らしたりすることを禁じている。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も含まれる。

米グーグルやフェイスブックといった海外企業は、利用者が多いのに基本的に規制の対象外だ。公平性を欠いた現状を改めるのは妥当な判断である。

違反した場合、行政処分や罰則の適用ができるよう、政府は法改正を検討するという。

海外企業に適用するには、実効性の確保が課題になる。欧州連合(EU)は、域内に拠点がない事業者に対して、「代理人」を域内に置くことを義務づけている。こうした事例が参考になろう。

新ビジネスの規制も懸案の一つだ。例えば、スマートフォンの位置情報や検索・購買履歴から、利用者の関心が高そうなネット広告を表示する手法が広がる。

利用者の同意を得ていないと、「通信の秘密」に抵触する恐れがある。該当する情報の範囲を明確化する作業を急ぎたい。

政府は独占禁止法の観点からも巨大IT企業の規制強化に動いている。公正取引委員会は不公正な取引がないか調査を始めた。

「通信の秘密」への対応は、利用者の個人情報保護に主眼を置いたものとなる。念頭にあるのはEUの動きだろう。EUは昨年、企業に個人情報の厳格な管理を求める「一般データ保護規則(GDPR)」を導入した。

これを受けてフランスでは、グーグルが制裁金5000万ユーロ(約62億円)の支払いを命じられた。個人情報を集める際、利用者に使用目的などを分かりやすく伝えなかったというのが理由だ。

個人情報保護の重要性は言うまでもないが、規制の運用を厳格にし過ぎると、企業活動を阻害する恐れがある。情報の保護と利便性をどう両立させていくのか。丁寧な議論が欠かせない。

利用者は繰り返し同意を求められ、十分に理解しないまま応じることも想定される。長すぎる文章の簡略化を含め、同意取得の見直しも検討してもらいたい。
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[読売新聞] 外国人就労拡大 政府主導で支援を強化せよ (2019年01月30日)

外国人就労を拡大する新制度の施行が迫る。政府は、受け入れ企業や自治体との調整を急ぎ、混乱が生じないように努めてもらいたい。

4月に始まる制度は、即戦力の外国人に新在留資格「特定技能」を認める。人手不足が深刻な14業種で、初年度は4万7550人の受け入れを見込む。

文化や慣習が異なる外国人が増えれば、職場や地域で摩擦が起きかねない。外国人が社会に溶け込めるよう、政府はきめ細かい支援策を講じることが大切だ。

自治体との調整役として、4月発足の出入国在留管理庁の地方局などに計13人の担当官を置く。2月初旬から、全国で新制度の説明会を開催する方針だ。

省庁の縦割りを排しつつ、自治体や企業と連携する態勢を整えることが求められよう。

政府は2019年度予算案で、受け入れ支援などに約150億円を計上した。全国100か所に生活相談窓口を設置する。

日本語習得や住宅確保など、必要な施策は多岐にわたる。人材の確保が、自治体の課題となっている。政府は、財政面の手当てを含め、後押しすべきだ。

外国人労働者が地方を離れ、大都市圏に集中するとの懸念は解消されていない。

法務省は、衆院法務委員会の閉会中審査で、受け入れ分野ごとに官民で作る協議会が偏在の問題の調整にあたると説明した。大都市圏の企業などに、受け入れ自粛を要請するという。

問題の根底には、都市部と地方との賃金格差がある。新制度は転職を認めている以上、偏在の是正は容易ではあるまい。

新制度の導入とあわせ、技能実習制度の抜本的な見直しが急務である。実習生は、途上国への技術移転を名目に、安価な労働力として利用されてきたのが実態だ。

政府は今月、三菱自動車など4社について、実習計画と異なる作業や長時間労働をさせたとして、計画の認定を取り消した。受け入れ企業に対して、厳格な姿勢を示したのは妥当である。

新資格の取得者の多くは、技能実習生からの移行が想定される。企業は、雇用管理を担う責任を自覚すべきである。

日本で働く外国人は昨年10月時点で、過去最多の146万人に上った。前年に比べ18万人多く、6年連続で増加した。安定的に受け入れるにはどうすべきか。中長期的な戦略についても、議論を深めなければならない。
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