2018年08月31日

[産経新聞] 【主張】中国の産経拒否 異様な報道統制をやめよ (2018年08月31日)

中国当局が、北京での秋葉剛男外務事務次官と王毅国務委員兼外相との会談に際し、産経新聞記者の冒頭取材への参加を拒否した。

報道の自由を踏みにじる異様な統制である。厳しい制約の中で客観報道に努める外国メディア全体へのあからさまな圧力でもあり、到底容認できない。強く抗議する。

北京に駐在する日本の報道各社は、本紙に対する取材拒否を看過できないとして、冒頭取材をボイコットした。毅然(きぜん)たる対応に敬意を表したい。

政府の中国側への抗議も当然である。菅義偉官房長官は「今回の措置は極めて遺憾」と述べた。

日中両政府は冷え切った両国関係の改善を模索している。10月23日が日中平和友好条約発効から40周年になる。秋葉、王両氏の会談は、安倍晋三首相の10月訪中に向けた調整が目的だった。

だが、報道の自由の大切さを理解しない中国と、良好な関係を果たして結べるのだろうか。

南シナ海の人工島の軍事化に代表される拡張主義や、国内での強権統治、人権軽視など中国の本質は何ら変わっていない。報道や言論を統制して恥じない態度もその一つである。

報道の自由は、法の支配や人権などと並んで、国際社会の普遍的価値に数えられるものだ。

それを無視して、今回のような取材拒否に走る。外国メディアを意のままに操ろうとする中国当局の常套(じょうとう)手段に屈するわけにはいかない。

今年6月、日本記者クラブ主催の中国チベット自治区への記者団派遣をめぐっても、中国当局が本紙記者の参加を拒否し、日本記者クラブが派遣自体を中止した。

本紙記者は全国人民代表大会(全人代)後の李克強首相の会見への出席も、昨年から連続して拒否されている。

中国当局は査証(ビザ)発給や延長審査もメディア規制に利用している。本紙は一昨年まで中国総局長のビザ発給が3年以上凍結された。ビザ発給拒否は、米紙ニューヨーク・タイムズや最近では、新疆ウイグル自治区の人権問題などを報じてきた米ネットメディアの駐在記者にもあった。

客観報道と公正な論評を貫く。報道の自由に対する中国当局の妨害・圧力に対抗するすべは、それ以外にない。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 携帯電話料金 値下げ議論は不可避だ (2018年08月31日)

携帯電話の料金問題が急浮上している。菅義偉官房長官が値下げを促す発言を行った。国の口出しは慎むべきだが、公共の電波に関することでもある。料金のほかにも課題は山積し改革は急務だ。

菅官房長官は、携帯大手三社の通信料金について「四割程度下げる余地がある」と述べた。

政府高官が個別の製品の値段について言及するのは本来の経済ルールに反する。料金設定は事業者の自由が原則で政府の口先介入には「民業圧迫」との批判も出よう。ただ携帯料金をめぐる消費者の不信感があるのも事実だ。

国内の通信市場はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの三社がほぼ独占。菅官房長官は、日本の料金が経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の二倍であると指摘し、さらに市場独占を念頭に公正な競争原理が働くよう促した。

携帯料金の国際比較は難しい。サービス体系や事業者のあり方のほか生活水準そのものがまちまちだからだ。だが日本では消費者が、異様なほど複雑な料金体系に不満を抱き、料金水準にも疑問を抱いているはずだ。ようやく改善が図られる他社への乗り換えを抑制する「四年縛り」など、誠実とは言い難い販売手法も消費者の不信に拍車をかけた。一方、三社は今年三月期の連結純利益が合計二兆円を超え、売上高に対する営業利益率も14〜20%とほぼ2〜3%で推移する主要産業平均よりかなり高く、もうけすぎ批判さえ出ている。

三社側からは、基地局の維持や、車の自動運転などに利用できる「5G」という次世代の技術への投資などで今後、多額の費用がかかるとの反論も出よう。また官房長官発言自体が政権浮揚を狙ったとの見方もできる。

しかし固定電話が激減する中、携帯は唯一の「電話」になりつつある。生活に欠かせない機器で災害時には命を守る手段だ。それゆえに携帯事業者は公共の電波を使用している。その機器の料金が家計の負担になっているのなら改善するのは当然だ。

情報通信審議会(総務相の諮問機関)では携帯電話のあり方について議論が二十三日スタートした。そこでは料金引き下げはもちろん、販売手法や市場の寡占化などさまざまな課題を消費者の立場で議論する必要がある。同時に三社は議論を通じ、「携帯電話は公共のためにある」ことを再認識すべきだ。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】携帯料金値下げ 利益還元は待ったなしだ (2018年08月31日)

携帯電話の料金をめぐって、政府から引き下げを求める動きが強まっている。菅義偉官房長官が「4割程度下げる余地がある」と発言したのに続き、総務省も競争促進に向けた検討を始めた。

通信事業で各1兆円規模の利益を出すNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループの大手3社に対し、菅氏が「国民の財産である公共の電波を利用して過度な利益をあげるべきではない」と提起したのは当然だ。利益還元は待ったなしである。

スマートフォンによる動画視聴などが広がり、通信量が伸びている事情はあるものの、「携帯料金は高すぎる」というのは利用者の実感だろう。家計消費に占める携帯料金は、昨年初めて1世帯当たり年間10万円を超えた。

携帯市場は大手3社による寡占状態にあり、競争が働きにくい環境にある。政府は新規参入を含め通信事業者の競争を促し、着実な料金の引き下げを図るべきだ。同時に事業者は利用者の目線に立ち、透明で分かりやすい料金体系も打ち出してほしい。

菅氏は「日本の料金は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2倍程度だ」と指摘したうえで、取引慣行の見直しや中古携帯端末の流通促進などに取り組み、料金の引き下げにつなげる意向を示している。

政府はこれまでも事業者に対して料金引き下げを求めてきたが、抜本的な値下げは実現していない。市場の9割超を占める大手3社の料金は横並びの水準にあり、新規参入による競争促進が欠かせない。来年秋の参入を予定している楽天の事業環境を整備し、健全な競争を促す必要がある。

取引慣行の見直しも急務だ。携帯端末の継続利用を条件に料金を割り引く「2年縛り」「4年縛り」などの取引は、公正取引委員会が「他社への乗り換えを制限する恐れがある」と見直しを求めた。だが、事業者は、利用者が違約金を払わずに解約できる期間を1カ月延ばす程度にとどめた。

端末代金を割り引いて高い通信料金で回収する料金体系は、是正が欠かせない。ソフトバンクも端末料金と通信料金を分離する新たな体系を発表したが、料金そのものの引き下げ不足は否めない。各社は抜本的な値下げに踏み込み、利用者の選択肢を広げる責務があると認識すべきだ。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 沖縄県知事選 辺野古の是非を語れ (2018年08月31日)

沖縄県知事選は、九月三十日の投票まで一カ月を切った。国政の与野党それぞれが推す候補が激突する構図。翁長雄志知事が最期まで問い掛けた辺野古新基地の是非を正面から論争してほしい。

翁長氏を支えた「オール沖縄」勢力が擁立する自由党幹事長の玉城(たまき)デニー衆院議員(沖縄3区)は二十九日、立候補を表明し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設について「翁長知事の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と明言した。

これに対し、自民、公明両党などの支援を受け既に出馬表明した佐喜真淳(さきまあつし)前宜野湾市長は「街のど真ん中にある(普天間)飛行場を一刻も早く返すことが(政策の)原点」と語り、辺野古の賛否を明らかにしていない。前回の自主投票から佐喜真氏推薦に回る公明党との政策協定でも触れなかった。

賛否の分かれる問題について語ろうとしないのは、二月の名護市長選で、基地反対派の現職を破った自公陣営の戦術と同じだ。

これにならって「争点隠し」を得策と考えているのだとすれば、あまりにも無責任ではないか。

沖縄県知事は、公有水面埋立法に基づき、辺野古新基地建設に伴う沿岸埋め立ての認可権を持つ。

仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事が二〇一三年に埋め立てを承認したが、翁長氏は死去前、国の工事の進め方に不備があるとして承認の「撤回」を表明。県はきょうにも決定する。

誰が知事に就いても直面せざるを得ない問題であり、玉城氏は撤回を「全面的に支持」する意向を表している。佐喜真氏も対応を明らかにするのは当然だろう。

県政には、経済活性化や子どもの貧困対策など、基地以外の課題が多いのも事実だ。だが政府は、これらを後押しする沖縄関係予算を知事の辺野古への賛否によって加減してきた。翁長県政では削減を続け、安倍晋三首相は翁長氏とまともに会おうともしなかった。

理不尽なやり方で県民の中に対立と分断を持ち込んでいるのは政府側であり、これに従うのか、敢然と声を上げるかは、沖縄のみならず日本の民主主義と地方自治の根幹に関わる問題だ。

辺野古新基地建設地では、軟弱な海底地盤や極めて危険な活断層の存在も判明した。日本周辺の安全保障情勢も変化する中、移設計画自体、抜本的な見直しが必要な段階に来ているのではないか。

沖縄の矛盾を巡る真摯(しんし)な論争を抜きに、沖縄の未来は開けない。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 沖縄知事選の構図固まる 「辺野古」の膠着に道筋を (2018年08月31日)

沖縄県知事選(9月13日告示、30日投開票)の構図が固まった。

知事在任中に死去した翁長雄志(おながたけし)氏の後継候補として自由党の玉城(たまき)デニー衆院議員が出馬を表明した。安倍政権の支援する佐喜真淳(さきまあつし)前宜野湾市長と事実上の一騎打ちとなる。

最大の争点は2014年の前回と同様、米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する計画の是非だ。

沖縄知事選は長らく保守系と革新系の対決構図が続いてきたが、前回は翁長氏が「辺野古新基地反対」を唱えて保守系の一部と革新系を結びつけることに成功し、「オール沖縄」態勢を構築して当選した。

国による手厚い沖縄振興策と引き換えに翁長氏の前任知事が受け入れた辺野古移設だが、県民は「ノー」の審判を下した。

しかし、安倍政権はその民意と向き合うことなく、辺野古沿岸部の埋め立て工事を強行してきた。この4年間、国の方針に反対しても仕方ないというあきらめムードが広がるのを待っていたようにも見える。

その結果、今年に入って名護、石垣、沖縄の3市長選で翁長氏の支援した候補の敗退が続き、辺野古反対の一点で結集していたオール沖縄態勢のほころびがあらわになった。

裏返せば、辺野古をめぐり県民の分断が進んだことになる。玉城、佐喜真両氏はそれぞれ出馬表明で「分断」に言及した。その原因を玉城氏は国に、佐喜真氏は翁長県政に求めたが、分断を解消する必要性は共有されているのではないか。

翁長氏の生前最後の記者会見が辺野古埋め立て承認の撤回表明だった。県はきょう撤回に踏み切る構えで、これにより国はいったん埋め立て工事を止めざるを得なくなる。

ただ国は、撤回がなくても、知事選が終わるまで埋め立て海域への土砂投入を見送る姿勢を見せていた。

「国対沖縄」の構図を際立たせることでオール沖縄態勢を再構築し、翁長氏の弔い合戦と位置づけたいのが玉城氏側だ。辺野古問題から関心をそらし、従来型の「保守対革新」の構図に持ち込みたい佐喜真氏側とのせめぎ合いが激しくなっている。

日米政府間の普天間返還合意から22年が過ぎた。いずれが勝つにせよ、膠着(こうちゃく)状態の打開へ道筋をつける知事選になることを願う。
posted by (-@∀@) at 12:24| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 児童虐待が13万件超える 救出と共にケアの拡充も (2018年08月31日)

2017年度に児童相談所が対応した虐待は13万3778件(速報値)で、過去最多を更新した。統計を始めた1990年度から27年連続の増加だ。

政府は緊急対策として、児童相談所で働く児童福祉司を22年度までに約2000人増員し、子どもの安全が確認できない場合には強制的な立ち入り調査をルール化することなどを打ち出している。

虐待防止や救出に努めるのは当然だ。同時に子どものケアや安心できる環境の確保も急ぐべきである。

厚生労働省の別の調査では、虐待で病院に1カ月以上入院した子どものうち、治療が終わっても退院できなかった子が年間63人に上ったという。受け入れ施設に空きがないことが主な理由だ。治療後も1年以上病院内にとどまっていた子もいる。

親との接触を避けるため、病院から出られないケースも多く、子どもの発育にマイナスの影響を与えることが指摘されている。

一方、児童養護施設は集団生活によるストレスもあって子ども同士の暴力や性的虐待が各地で起きている。虐待された子が保護された施設でさらに傷つけられる、という事態は早急に改善すべきである。

厚労省は施設よりも家庭的な環境の中で傷ついた子どもの養育を進める方針を掲げている。里親の登録者数も増えている。そうした流れは評価したい。だが、子どもが被虐待のトラウマから暴力や暴言をすることがあり、里親が育てきれなくなって施設に戻る子も少なくない。

本来は委託する側の児童相談所に里親や養親を支援する責務があるが、人手不足で十分な活動ができていないのが実情だ。せっかく里親や養親となってもうまくいかず、児童相談所はますます委託するのに慎重になるという悪循環を生んでいる。

17年度の虐待対応の中では、配偶者への暴力で子どもがストレスを受ける「面前DV」などの心理的虐待が全体の54%を占めた。子どもの心に深い傷を残し、さまざまな問題行動を引き起こす原因とされる。

児童相談所と養護施設や里親が連携し、傷ついた子を手厚くケアできる居場所を拡充していかねばならない。専門職の増員も含め、政府による一層の支援が必要だ。
posted by (-@∀@) at 12:24| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 熱中症死疑い 冷房利かぬ病室になぜ残した (2018年08月31日)

冷房が利かない病室で短期間のうちに、高齢者が相次いで死亡した。明らかに異常な事態だ。

岐阜市の「Y&M藤掛第一病院」で26?28日、80歳代の入院患者5人が亡くなった。熱中症の疑いがある。

5人が入院中だったフロアのエアコンは、20日に故障していた。各病室には、家庭用の扇風機が1台ずつ置かれただけだった。

この病院は、長期療養が必要な高齢者らを受け入れている。入院患者は約50人で、その約1割が連続死したことになる。

岐阜県警は、関係者からの内部通報で事態を把握した翌日に、容疑者を特定しないまま、殺人容疑で病院を捜索した。

緊急事態との認識が、迅速な強制捜査につながったのだろう。県警は、業務上過失致死容疑での立件を視野に入れているという。

病院側はエアコンの故障と死亡の因果関係を否定する。「対応に問題はなかった」と強調するが、故障後、患者を別病棟に移そうともしていた。冷房が利かない部屋に留め置くことの危険性を認識していたことがうかがえる。

岐阜市は猛暑に見舞われていた。最高気温は30?36度に達し、夜間も気温が下がらない日が続いていた。見舞いのために病室を訪れた人は「ぼーっとなるような暑さだった」と証言している。

5人のうち4人は、亡くなるまでエアコンの止まった病室に残っていた。「暑い部屋がいいという人もいる」という院長の説明に、遺族は納得できるだろうか。

病院は、5人の死を心不全などの病死と判断し、いずれも警察に報告しなかった。県警は、司法解剖で詳しい死因を調べている。

巡回時の検温などで、事前に異変を察知することはできなかったのか。病室の温度や湿度などの管理態勢に問題はなかったのか。徹底した捜査が必要だ。

高齢者は概して暑さを感じにくく、体温の調整機能も低下している。熱中症には注意を要する。ましてや、病気を抱えて入院中の患者だ。高齢者医療を専門とする病院として、細心の配慮が求められていたことは言うまでもない。

エアコンの修理完了まで、一時的に近隣の医療機関に転院させるといった対策も講じるべきだったのではないか。市保健所が病院に対して当面の間、新規患者の受け入れ停止を求めたのは当然だ。

残暑はしばらく続くだろう。事件を機に、全国の医療機関は患者の熱中症対策が万全かどうか、改めて点検してもらいたい。
posted by (-@∀@) at 11:24| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] もんじゅ廃炉 長く険しい道を着実に (2018年08月31日)

日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅで、核燃料の取り出しが始まった。

これから30年にわたる廃炉作業の本格的な一歩である。長く険しい道のりを、着実に進んでいかねばならない。

もんじゅはウランとプルトニウムをまぜたMOX燃料を使い、水の代わりに液体ナトリウムで冷却されている。20年あまりの間ほとんど動かず、16年末に廃炉が決まった。

廃炉の作業は、燃料を取り出しつつナトリウムを抜き、機器類を撤去した後、建物を解体するという流れで進む。高速炉の廃炉は海外でも米英仏などで10例ほどしかない。慎重に作業を進めてもらいたい。

プルトニウムは原爆の材料にもなる。核拡散の面で不要な懸念をもたれぬよう、燃料の取り出しに当たっては、国際原子力機関(IAEA)との情報共有を心がけることが大切だ。

計画では22年度までに、炉心と炉外貯蔵槽に残る530体の燃料をナトリウムの中から取り出して洗浄し、水を張ったプールに移すことになっている。

ナトリウムは不透明で、取り出す際、中の燃料を目視することはできない。もんじゅでプールまで移した燃料は過去に2体だけで、作業の経験者は10人ほどだという。

8年前の試験運転では、燃料交換装置が炉内に落下するトラブルがあった。今回も各種の装置の不具合が相次ぎ、7月下旬の予定だった作業開始が1カ月も遅れた。今後も念には念を入れた点検が欠かせない。

燃料の取り出し以外も気を抜けない。ナトリウムは水や空気に触れると激しく反応する性質があり、95年のナトリウム漏れの際には火災が起きた。放射能を帯びたナトリウムは、特に慎重に扱う必要がある。

原子力機構は過去にさまざまなトラブルを起こし、安全意識の低さや気の緩みが批判されてきた。もんじゅと同時に東海再処理施設の廃止作業も70年かけて進める。長い期間、緊張感と士気を保たねばならない。

もんじゅにはすでに1兆1千億円が投入され、廃炉には少なくとも3750億円がかかる。これらの大部分は税金だ。トラブルやミスで廃炉費用が大きく膨らむようでは困る。

普通の原発の廃炉と同様の難問が待ち受けていることも忘れてはならない。取り出した燃料やナトリウム、解体で出てくる各種の放射性廃棄物の処分法はまだ決まっていない。政府は問題を先送りにせず、解決に取り組むべきである。
posted by (-@∀@) at 11:24| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 100兆円予算 今年こそ歳出を見直せ (2018年08月31日)

2019年度の政府予算が、年末に決める当初ベースで初めて100兆円を超えそうだ。

各省庁が財務省に提出する概算要求がきょう締め切られる。すでに増額要求が相次ぎ、要求ベースで最大だった16年度の102兆4千億円を上回る可能性が高い。年末までの折衝で削っていくが、これに上乗せする形で、来年10月に予定する消費税率10%への引き上げに向けた対策も入ってくる。

概算要求では、年金や医療などにかかる経費だけで、総額の3割近い29兆8千億円を占める。高齢化により、18年度の当初予算より2%ほど多い。教育関係では、公立学校へのエアコンの導入や危険なブロック塀の改修などに充てる施設整備費の要求が、約3・5倍に増えた。

社会保障は大切だ。将来の社会をつくる子どもたちへの投資も増やさねばならない。

しかし歳入の3分の1を借金に頼る予算の構造が変わらぬままでは、いずれ本当に必要な政策の財源もまかなえなくなる。財政を持続可能な姿に近づける努力を怠ってはならない。

7月に閣議了解された概算要求の方針には「施策の優先順位を洗い直し」「予算の中身を大胆に重点化する」と記された。安倍首相も「メリハリの効いた予算とする」と強調した。

同じようなうたい文句は予算編成の度に繰り返されてきた。言うだけでは意味がない。問題は実行できるかどうかだ。

「優先順位の洗い直し」では、費用をかけるだけの政策効果があるか、検証を深めなければならない。北陸新幹線(金沢―敦賀)と九州新幹線(武雄温泉―長崎)の整備費は「事業費が増える可能性がある」として、全体額を示さないまま今後の議論に委ねている。十分な精査が必要だ。

各省が長年続けている様々な補助金や給付金などの対象基準も、時代に合わせて見直すことが欠かせない。

「重点化」では、「新しい日本のための優先課題推進枠」として要求された政策を、吟味しなければならない。こうした特別枠は、政権の目玉政策を進めるために毎年設けられるが、一般の要求項目の一部の金額を推進枠に振り向けたものも散見される。予算ばらまきの抜け道に使われることも多い。

消費税の対策では、低所得者への給付金の増額などに加え、中小店舗へのキャッシュレス端末の導入費の補助や商店街の活性化策なども案として挙がる。「何でもあり」につながる事業を、紛れ込ませてはならない。
posted by (-@∀@) at 11:24| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 地銀統合承認 再編のモデルケースにしたい (2018年08月31日)

地方銀行の再編を加速させる呼び水になるか。地域金融を強化するモデルケースにしたい。

長崎県の親和銀行を傘下に置くふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と、長崎の地銀最大手である十八銀行の経営統合について、公正取引委員会が承認した。

当初予定から2年遅れて、来年4月に統合する予定だ。

統合後に長崎県内で地域独占が強まる恐れがあるとして、公取委の審査が長期化していた。

人口減少が進む中で、地銀の収益力は低下している。県境を超えた融資も増え、競争は激しい。

地銀の体力が衰え、地方の企業や住民に十分な金融サービスを提供できなくなるようでは困る。

統合は地銀再生の有力な選択肢である。遅きに失した感はあるが、公取委が承認したのは妥当だ。

審査が難航した要因は、統合によって、県内の中小企業向け融資のシェア(占有率)が約75%に高まることだった。

事態を打開したのは、1000億円弱の融資を他の金融機関に引き渡す「債権譲渡」である。シェアは約65%に下がる。

それでも強い立場にあることに変わりはない。貸出金利の不当な引き上げなどは許されまい。

公取委は統合を承認した理由について、「競争が維持されると総合的に判断した」と説明した。シェアだけを問題視したのではないとの立場だが、分かりにくい。

審査に何年もかかるようでは、再編機運が後退しかねない。公取委は審査の透明化や迅速化を図るべきだ。地域の実情に即した現実的な対応を求めたい。

これまでの再編は、異なる都道府県の地銀統合が主流だった。

今回のように同一地域の上位行同士による再編は、重複店舗の削減など合理化効果を得やすい。

公取委が債権譲渡方式に理解を示したことで、様子見をしていた地銀が再編に動き出す可能性があるのではないか。

地銀は、メガバンクとは違い、全国に約100行もある。低金利の上に、過当競争でさらに利ざやが縮小して業績が苦しくなる悪循環に陥っている。

経営統合によって財務基盤の安定した地銀が増えれば、地元企業への資金供給は円滑になり、地方経済の活性化につながろう。

無論、再編は地銀再生の決定打ではない。統合で生まれた余力があるうちに、優良な融資先の開拓や、将来性が見込める事業の発掘を進めることが大切だ。
posted by (-@∀@) at 11:24| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月30日

[東京新聞] 病院で熱中症か 命の軽視、疑念拭えず (2018年08月30日)

岐阜市の病院で、熱中症の疑いで高齢の入院患者五人が死亡した。酷暑が続く中での惨事で、故障したエアコンが修理されなかったためともみられる。弱者の犠牲を見過ごすわけにはいかない。

現場は、老人医療が専門の「Y&M藤掛第一病院」。五十人ほどが入院していた。このうち、八十代の男女五人が二十六〜二十八日に相次いで死亡した。岐阜県警は熱中症にかかった可能性があるとみて、業務上過失致死の容疑を視野に捜査している。

藤掛陽生院長によると、二十日からエアコンが故障し、業者に修理を依頼。「一カ月かかる」と言われたため、病院は扇風機を置き一部の患者をエアコンの効く病室に移した。しかし、死亡した五人のうち四人は、エアコンの止まった病室に残っていた。院長は「問題があったとは考えていない」と病院の責任を否定している。

岐阜市では二十六日の最高気温は三六・二度。夜間も三〇度近い状態が続き、湿度も70%近かった。猛暑日の連続でお年寄りらの体力が低下し、エアコンなしでは熱中症にかかりやすい体調だったとみられる。効果的な対応策なしでは、とても一カ月待てる状態ではなかったのではないか。

専門家によると「湿度が高いと扇風機は湿気を含んだ生暖かい風しか送れず、効果は限定的だ。エアコンが望ましい」という。

家庭用のエアコン使用への意識は今夏「暑いときだけ」から「暑ければ一晩中」に変わった。「部屋を冷やす」「水分をとる」が浸透。それでも、総務省消防庁によると、四月三十日から八月二十六日までに熱中症で救急搬送された人は全国で九万人に迫り、半数近くが六十五歳以上の高齢者だ。

この病院の患者の大半は、高齢で健康状態の良くない人たち。ましてやこの夏の暑さである。家族らは、病院を信頼して入院させている。エアコンの故障が長引き、熱中症を誘発したとなれば、裏切られた思いが募るのではないか。

病院側は、医師会や行政に相談してでも修理を急いでもらえなかったか。その上で、患者全員を一時的にでも院内でエアコンの故障を免れた部屋に、あるいは冷房のある他の病院へ移すことはできなかったか。実際、市保健所の二十八日の立ち入り検査ではそうした対処が指示されている。

高温多湿の怖さを、ひいては尊い命を預かっていることの怖さを病院側が感じていたか、疑問が拭えない。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】障害者雇用 水増しの責任だれが取る (2018年08月30日)

中央省庁では障害者を7千人近く雇い、きちんと法定雇用率を上回っている。そう言われていた話に疑いが生じて調べてみると、数字の半分は水増しで雇用率は2・49%から1・19%に落ち込んだ。近代国家とは思えないでたらめぶりだ。

政府は調査結果をまとめたところで一息ついたような風情だが、とんでもない。障害者や国民に対する嘘、裏切りが行政への信頼を打ち砕いたことにどれだけ気付いているのか。

責任者を明確にし、処分することが最大の再発防止策である。

発表された数字を見て、すぐに気になった点がある。雇用者数が「0・5人」刻みになっていることだ。短時間勤務者は1人を0・5人とカウントしている。重度障害者は1人で2人分に数える。

働こうとするのは、仕事の種類や時間にかかわらず、一人一人の人間である。0・5人とか2人分という人間はいない。

障害者の受け入れを厄介事ととらえ、数字上のノルマを達成すればよい、とする姿勢の表れではないか。しかも、その数字さえ水増しする。

各省庁が公表していた数字をみると、法定雇用率の2・3%(今年3月まで)辺りに集中していた。水増しの比率はさまざまだが、足りない分は、ほとんど不正で補っていたことになる。

続きを読む

障害者を組織の中でどのような仕事に従事させればよいかは、民間企業にとって簡単なことではない。それでも、できる限り働く場を広げ、能力を発揮してもらおうという障害者雇用促進法の趣旨を実現しようと取り組んできた。目標値に達しなければ、民間だけに納付金が科される。

雇用状況について、監督官庁は障害者手帳のコピーや給与の支払いなどの詳細を企業に説明させている。旗振り役の中央省庁は、明確なチェックの仕組みがなかったと言い訳する。

だが、民間からすると「どういう人を雇っているか分からない組織」などあり得ない。年間100兆円規模の予算を扱いながら、それほどずさんな政府なのか。

1億総活躍社会の担い手には「障害や難病のある方々」が掲げられている。安倍晋三首相も「みんなが包摂され活躍できる社会」を目指すと国会で約束した。総裁選を争う以前の問題である。明確な処分を下してもらいたい。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】拉致と総裁選 北朝鮮に言質を与えるな (2018年08月30日)

自民党総裁選で石破茂元幹事長は、北朝鮮問題について「拉致問題の全面解決がなければ、何も進展しないというものからは脱却しなければならない」と述べた。

この発言を、誰が喜ぶか。それは他ならぬ、北朝鮮であろう。

総裁選では、あらゆる課題で忌憚(きたん)のない論戦が望まれる。だが、拉致問題の全面解決は最優先課題である。

この一点においては、自民党内のみならず、国民の共通認識とすべきだ。拉致問題を置き去りにして、何を進展させようというのだろう。拉致を「解決済み」と繰り返す北朝鮮に、国交交渉再開などの言質を与えるだけだ。石破氏には発言の撤回を求めたい。

2014年のストックホルム合意で北朝鮮側は、拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を包括的に実施すると約束した。そこには、日本人配偶者や遺骨の調査も含まれる。拉致被害者の調査については一方的に打ち切られたままである。

北朝鮮は米国との間で朝鮮戦争時の戦没米兵の遺骨収集を進め、韓国との間で離散家族再会の場を用意するなど、人道的措置を小出しにしている。

日本との間でも、日本人配偶者や遺骨の調査を入り口に、国交正常化や経済支援の道を探ろうというのだろう。

だが拉致は、北朝鮮による残虐な国家犯罪である。本来、一切の交渉材料にはなり得ない。ただ被害者全員の解放、帰国を求めるだけである。

続きを読む

先の米朝会談でトランプ米大統領は「拉致問題は最重要課題である」とする安倍晋三首相の考えを伝え、金正恩朝鮮労働党委員長は「安倍首相と会ってもいい」と応じたのだという。これを受けて安倍首相は、「北朝鮮と直接向き合いたい」と述べた。

拉致問題は全面解決に向けて、今が正念場である。米国をはじめとする国際世論の力も借りて、北朝鮮を追い込むことでのみ、その道が開ける。国内が結束しなければならないこの時に、総裁選の候補者が後ろ向きでどうする。

安倍首相は拉致問題を「内閣の最優先、最重要課題」と繰り返し述べてきたが、この間、解決に向けて進展はなかった。その反省の上に立つ、さらなる決意を、総裁選を通じて北朝鮮に突きつけるべきである。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 追悼さくらさん 朗らかに描いた「日常」 (2018年08月30日)

「ちびまる子ちゃん」のさくらももこさんが亡くなった。スポーツ根性ものや空想科学ものが人気だった漫画界に、何げない日常の朗らかな笑いを取り入れ、広く共感を呼んだ。早すぎる死を悼む。

昭和が終わるころ。若い女性の間で、あるギャグ漫画が話題になった。「私たちの小学生の頃、そのままだよ」。一九八六(昭和六十一)年に「りぼん」で連載の始まった「ちびまる子ちゃん」だ。

九〇(平成二)年にテレビでアニメの放送が始まると、さくらさんが作詞したテーマ曲「おどるポンポコリン」は街の至るところで流れ、はやりに疎いおじさんさえもカラオケで「♪ピーヒャラ、ピーヒャラ」とご機嫌で歌った。

「まるちゃん」の特徴は、逆説的だが、どこにでもいそうな少女であること。「基本的にはまじめだけれど、面倒くさがりだったりする、普通の女の子」とさくらさんが語った通りの小学生だ。

漫画は時代を映す。家庭を顧みずに働く「モーレツ社員」が活躍した高度経済成長期は、「巨人の星」「アタックNo・1」など、厳しい特訓をへて勝利を得るスポーツ根性ものが全盛だった。

国民がほどほどに豊かな一億総中流社会が来ると、人々の視線は次に来る時代、つまり未来へと向かった。将来の科学技術をベースにした「宇宙戦艦ヤマト」や「ドラえもん」が人気を集めた。

スポーツの天才、空想の科学。あるいは少女漫画の定番「キラキラ目」。そんな題材とはかけ離れた少女のささやかな日常を描き、「エッセー漫画」という新ジャンルを切り開いたさくらさん。たとえば、おなかが痛くて医者にかかる−それだけのことがこの人の手にかかると、名人の落語にも似た掌編になった。バブル経済が崩壊して人々が生き惑う平成の時代、多くの読者に支持された。

日々の生活が生む笑いを描いただけに、人々から笑顔を奪った東日本大震災には胸を痛めた。二〇一一年三月十八日、本紙で掲載した四コマ「ちびまる子ちゃん」には、花に託した復興への願いがにじむ。稀代(きたい)の漫画家が伝えたかった思いをかみしめ、まるちゃんのような笑顔で故人を送りたい。
posted by (-@∀@) at 13:24| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 小池都知事の追悼文見送り 既成事実化は許されない (2018年08月30日)

関東大震災に伴って起きた朝鮮人虐殺の犠牲者を慰霊するため、毎年9月1日に開かれる追悼式典に、小池百合子東京都知事が、今年も追悼文を送らないという。

今月10日の記者会見で「全ての犠牲者に哀悼の意を表している。個別の形での追悼文送付は控える」と、昨年と同じ理由を説明した。

大震災時「朝鮮人が暴動を起こした」などとするデマを住民らが信じ、多数の朝鮮人らが虐殺された。追悼式は、日朝協会などが主催して開いている。

追悼文を送らない小池氏の姿勢は民族差別を背景にした虐殺に懐疑的な見方をしているように見える。

しかし、政府の中央防災会議も虐殺の犠牲者数を、震災死者10万5000人の「1?数%に上る」という推計を報告書に記している。数々の証言集もある歴史的事実だ。

しかも、地震という自然災害で亡くなることと、人の手による虐殺で命を奪われることは、根本的にその「死」の性質が異なる。

それを「全ての犠牲者」という表現でひとまとめにすることは、この事件に対して距離を置きたがっていると見られても仕方がない。

小池氏は昨年、虐殺について「さまざまな見方がある。歴史家がひもとくもの」とも述べている。

だが、なぜ個別の追悼文を控えるのか、虐殺に対する自身の認識は語っていない。今年も同様だ。

日朝協会など主催者らは今月、都庁を訪れ、小池氏の追悼文送付を求める約8600筆の署名を渡した。

小池氏がこれを拒み、知事としての追悼文を出さないことを既成事実化するのは許されない。

知事からの追悼文は、市民とともに事件を振り返り、二度と惨劇を起こさないよう誓う意味がある。

災害発生の非常時には、不安な心理を背景にしたデマが流れやすい。東日本大震災時、被災地で「外国人犯罪が横行している」とのデマが広まった。2年前、東北学院大が仙台市民に調査したところ、8割以上が「それを信じた」と回答している。

95年前の惨劇を過去のことと切り離すべきではない。だからこそ毎年過去を確認し、不幸な歴史を繰り返さぬ決意を示すことが必要だ。それが行政トップである知事の役割だ。
posted by (-@∀@) at 12:23| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 自民が総裁選報道で要請 介入の前に公平な選挙を (2018年08月30日)

自民党が9月の党総裁選について新聞・通信各社に「公平・公正な報道」を求める文書を配った。具体的に細かく注文をつける驚くような内容だ。直ちに撤回すべきである。

党総裁選管理委員会の野田毅委員長名で配布した文書は、候補者のインタビューや取材記事、写真の掲載に関して、内容や掲載面積など「必ず各候補者を平等・公平に」扱うよう要請。各候補者のインタビューの掲載日が異なる場合には別の候補者の名も載せろとまで書いてある。

2014年の衆院選の際、自民党は安倍晋三首相の意向を踏まえ、放送局に対して関連番組のゲストやテーマ選び、街の声の扱い方など詳細に項目を挙げて公正な報道を求める文書を出したことがあった。

当時も前代未聞の報道圧力だと批判を浴びたが、公職選挙法の対象外である政党の代表選びで、一体、何を根拠に自民党は「公平・公正」を求めているのだろうか。

無論、首相選びとなる総裁選は国民全体にとって重要だ。だがそれはメディアが自律的に報じるもので、政党が注文をつける理由はない。

今回の総裁選では、石破茂元幹事長が求めていた政策テーマごとの討論会は見送られた。安倍氏は記者会見を含め質問に答える形式は極力避けたい考えと見られる。見送りはその意向を受けてのことであり、選挙戦の運営自体が安倍氏に有利で不平等ではないかとの疑問は拭えない。

そんな中、安倍政治に批判的な石破氏は既に連日のように記者会見を続け、それが報じられている。こうした報道が不平等だと言うのか。だとすれば石破氏の言動やメディア露出を封じるのが狙いなのだろうか。

しかも安倍氏は現職の首相だ。総裁選の期間中、安倍氏は首相としてロシアを訪問する予定となっている。では、これを大きく報じるのは不平等とはならないのか。

安倍氏はこれまでも自分に理解を示す新聞やテレビを選別してインタビューなどに応じる一方、批判的なメディアは敵視する姿勢をむき出しにしてきた。にもかかわらず、新聞報道には平等を求めるのは明らかに矛盾している。

これでは国民の理解も進まない。介入するよりも、党自らが討論会などの回数を増やすのが先である。
posted by (-@∀@) at 12:23| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 防衛白書 長期的視点で脅威に備えよ (2018年08月30日)

将来の安全保障環境を予測し、長期的な視点から脅威に対処する態勢を整える必要がある。

2018年版防衛白書が公表された。地域情勢を分析し、今後の防衛力整備の基盤とする意義を持つ。

北朝鮮の核・ミサイル開発について、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と指摘した。昨年の度重なるミサイル発射や、通算6回目となる核実験を受け、政府の従来の認識を踏襲した。

今年に入り、北朝鮮は軍事的挑発を自制し、緊張は和らいだ。とはいえ、米朝首脳会談後も核・ミサイル放棄の道筋は不透明だ。緊張緩和が一時的なものにとどまる懸念は捨て切れまい。

白書は、北朝鮮が「米国に対する抑止力を確保した」と「過信・誤認」した場合、挑発行為を再び始める可能性に言及した。

日本を射程に収める数百発の弾道ミサイルを配備している現状を踏まえると、脅威の評価を変えなかったのはやむを得ない。

日米両国は、同盟の重要性を確認し、抑止力を高めるべきだ。

日本に対する現実的な脅威として、ミサイル防衛の強化に計画的に取り組むことが大切である。

軍備を増強する中国の動向について、白書は「国際社会の安全保障上の強い懸念」と位置づけた。1月に尖閣諸島の接続水域を中国軍潜水艦が航行したことを挙げ、「行動を一方的にエスカレートさせている」と指摘している。

中国は、日本の海上保安庁にあたる海警局を軍の傘下に入れた。米国防総省は、中国海軍が尖閣や台湾での上陸作戦を視野に、部隊を拡充すると予測する。

尖閣を含む南西諸島が、防衛上の「空白」とならないよう、警戒監視にあたる部隊の配備を急がなければならない。

あわせて、離島が占拠された際の奪還を主な任務とする水陸機動団の能力を向上させ、抑止力維持に努めることが欠かせない。

輸送機オスプレイが機動団を現地に運ぶ計画だ。防衛省と佐賀県は、佐賀空港にオスプレイを配備することで合意した。防衛省は、反対している漁業者らの理解を得る努力を続けねばならない。

白書が「サイバー・宇宙空間など新たな領域の活用が死活的に重要」と明記したことは注目に値する。サイバー攻撃で衛星の通信機能を妨害し、通常兵力を無力化する事態が懸念されている。

陸、海、空の枠にとらわれない横断的な防衛のあり方や、政府を挙げた態勢も検討すべきだ。
posted by (-@∀@) at 11:24| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 原発4社提携へ 将来への危機感が背中押した (2018年08月30日)

電力会社と原子炉メーカーがスクラムを組み、原子力発電事業の生き残りを図る狙いだろう。

東京電力ホールディングスと中部電力、日立製作所、東芝の4社が、原発事業の提携を検討することになった。実現すれば、原発を運営する大手電力と原子炉メーカーによる異例の連合が誕生する。

原発の保守・管理や廃炉などでの協力を想定しているという。

福島第一原発の事故後、原発の新増設はストップし、再稼働は9基にとどまる。安全性確保のためのコストも大幅に上昇した。

原発を巡る事業環境は厳しさを増すばかりだ。各社単独では原発事業の将来展望が開けないとの危機感から、4社が提携を目指すことは理解できる。

4社が扱う沸騰水型軽水炉(BWR)は、福島第一と同タイプの原子炉で、再稼働はいまだにゼロだ。同タイプの原発を手掛ける4社が一体となって運営にあたれば、事業の効率化に役立とう。

大手電力と原子炉メーカーの技術陣が結集し、技術水準の維持・向上や、必要な人材の確保に取り組む意義は小さくない。

原発の建設技術と運営ノウハウをセットで海外に売り込める。今後増える廃炉を、安全かつ着実に進めやすくもなる。

ただ、提携の具体化に向けては、曲折が予想される。

東電は福島事故の処理のため、今後約16兆円を負担する。巨額の負債を抱える東電と組むべきか、他の3社には警戒感が根強い。

海外で安全規制などが強化されている影響も大きい。

日立は英国で原発事業を計画しているが、建設費が大幅に跳ね上がり、費用負担を巡る英国政府などとの協議が続いている。東芝は米国での失敗を受けて、海外の原発事業から撤退した。

期待のかかる原発輸出の行方が不透明になる中で、提携交渉が円滑に進むのか予断を許さない。

政府の役割も重要だ。国のエネルギー基本計画は、原発を重要な基幹電源と位置付けるが、新増設の方向性は明記していない。

国内原発の運転期間は最長60年だ。新設や更新をしなければ原発は減り続ける。将来性がなければ原子力を担う後進は育たず、技術継承は困難になる。政府は安全性の確保を前提に、新増設を進める方針を明確にするべきだ。

4社提携の成否は今後の原子力政策にも影響しよう。政府は原発事業が立ちゆくよう、中長期的なビジョンを示す必要がある。
posted by (-@∀@) at 11:24| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 防災の日 大都市水害への備えも (2018年08月30日)

標高の低い大都市圏での巨大台風などによる大規模洪水に備えて、あらかじめどんな対策を講じておくべきか。近年持ちあがっている大きな課題だ。あさっての「防災の日」を機に、検討のスピードをあげたい。

海抜ゼロメートル地帯の人口は東京湾176万人、伊勢湾90万人、大阪湾138万人にのぼる。

政府の中央防災会議は3月にまとめた報告書で、「自市町村内に避難する一般的な避難と同じ考え方が通用しない状況」があり得るとし、広域避難計画の策定を自治体に促した。

大河川の決壊や高潮が予測される場合、都府県や市区町村の境界を越えて100万人規模の事前避難が必要となる。

荒川が氾濫(はんらん)すると広い範囲で浸水の可能性がある東京では、先日、江東、江戸川など東部5区が広域避難計画を発表した。巨大台風の襲来で人口の9割以上の250万人が被害を受けるとし、氾濫の恐れがある72時間前に5区で検討を開始し、24時間前の段階で広域避難勧告を発令することなどを決めた。

足並みをそろえて対策を打ち出したのは前進だ。その上で、さらに考えるべき問題は多い。

現段階では行政が避難場所を指定することはせず、親類や知人宅、ホテルなどへの避難をすすめている。だが、すべて住民任せでは途方に暮れる人も多いだろう。中央防災会議は、離れた自治体同士が協定を結び、受け入れ態勢を準備しておく案も示している。国や都が先頭に立って議論を進めてほしい。

駅や橋に避難者が殺到してパニックになったり、移動途中に氾濫に巻き込まれたりする恐れもある。取り残された人をすみやかに助け出すことも求められよう。鉄道各社や警察、消防など関係機関が協議を重ね、役割分担を詰めていきたい。

東海では名古屋市や愛知県などでつくる協議会が伊勢湾台風以上の被害を想定。大阪では府や市などによる検討会が、「スーパー台風」を念頭に広域浸水への対策を協議している。だが避難計画の策定には至っていない。地域の特性に応じて、検討を急がなければならない。

住民も意識を高める必要がある。洪水になれば水道や電気、ガスは止まる。水が引くまでに2週間以上かかるとの見立てもあり、上層階に逃げれば安心というわけにはいかない。

西日本豪雨などを受け、住民と情報を共有することの重要性を再認識した自治体も多い。危機感をもってともに事にのぞむために、まず水害の怖さを認識し合うことが不可欠だ。
posted by (-@∀@) at 11:23| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 介護セクハラ 深刻な現実、対策急げ (2018年08月30日)

介護現場で働く人が、サービスを利用する人やその家族から、セクハラやパワハラを受けている。指摘されていながら、あまり表面化しなかったこの実態を、国が初めて調査する。

被害の防止策や被害に遭った場合の対応を、来年3月までにマニュアルにまとめるという。介護保険の運営主体である市町村と連携しながら、各現場での環境改善を急ぎたい。

国に先立ち、労働組合の日本介護クラフトユニオンが状況を調べた。回答した約2400人のうち74%がなんらかのハラスメントを受け、うち94%がパワハラを、40%はセクハラを経験していた。

66ページにわたる「ハラスメントの具体的内容」は、読み進めるのもつらい事例が並ぶ。

「利用者の息子に寝室に連れ込まれ、触られた」「調理中に後ろから抱きつかれた」「ヘルパーのくせにと物でたたかれ、体を触られた」

上司や同僚に相談しても、状況は変わらないとする人が目立っている。「介護職は我慢が当然」「ハラスメントも業務のうち」という意見もあった。

介護の現場は自宅や施設の個室など、外の目が入りにくい場所が多い。ベッドからの起き上がりや入浴、排泄(はいせつ)、着替えの手伝いなど、体が触れるサービスもある。こうした環境や当事者が言い出しにくい状況のなか、できる対策には何があるのか。

厚生労働省が定める訪問介護などの運営基準では、事業者は「正当な理由」がないとサービスの提供を断れない。ハラスメントも正当な理由の一つにするべきだと、ユニオンは国に求めている。傾聴に値する。利用者と1対1とならないために、できるだけ複数で介護にあたることができるよう、人材や予算の確保も急ぐ必要がある。

利用者の行動に、認知症などが影響を及ぼしている場合もあるかもしれない。事業者は利用者や家族に、「ハラスメントをしない」というルールを守るよう、うまく伝えていきたい。

介護ロボットや監視カメラといった機器の活用も、問題の解決に役立つだろう。介護職の地位が低いと見られないように、賃金水準を引き上げていくことも検討課題だ。

もちろん、介護に携わる人たちは、我慢しなくていい。どう対応していくべきか、あきらめずに周囲に相談してほしい。

日本は遠からず、3人に1人が65歳以上の社会になる。介護職の労働環境が変わらなければ、介護サービスの提供が持続可能ではなくなってしまう。
posted by (-@∀@) at 11:23| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする