2018年05月31日

[産経新聞] 【主張】日大フェニックス 学生に部の再生を委ねよ (2018年05月31日)

日本大アメリカンフットボール部「フェニックス」は甲子園ボウル21回の優勝を誇る名門中の名門である。斬新なフォーメーションの導入などで競技を牽引(けんいん)してきた。

だがチームは、一度死んだのである。大学に自浄能力が見られない以上、学生が自らの手で立て直すべきだ。

関東学生連盟は29日、「悪質タックル」問題で、日大の内田正人前監督と井上奨前コーチを除名処分とした。悪質な反則を犯した宮川泰介選手と部については今年度シーズンの出場資格停止としたが、再発防止策の策定やチームの組織改革などを条件に処分解除の可能性も残した。

当事者を含む日大のコーチ、選手、対戦相手の関西学院大関係者ら約20人から聞き取り調査を行った学連は、「反則の指示はしていない」とする内田氏の主張を全否定し、指導者失格と断じた。

さらに衝撃的だったのは「白い物も内田氏が黒といえば黒」「どんな理不尽でも『はい』と答えるのが内田フェニックスの掟(おきて)だった」といった関係者の証言である。異常な上意下達による支配構造が生んだ「事件」であったことは疑いようもない。

同じ日、大塚吉兵衛学長は日大公式サイトで、企業などの採用担当者に「従前と変わらぬご高配」を要望し、学生に向けては「臆することなく引き続き就職活動に励んでください」と呼びかけた。

続きを読む

大塚氏は先の会見で、内田氏の指示などについて「第三者委員会に任せている」と繰り返したが、当の委員会は設置すらされていない。第三者委員会が時間稼ぎのための口実なら、部の復活も大学の信用回復も遠のくばかりである。企業や学生に呼びかける前にやるべきことがあるだろう。

現役部員も同じ日、声明を発表した。「監督、コーチの指示に盲目的に従ってきた」ふがいなさを反省し、「部全体が生まれ変わる必要があること」の自覚を訴えている。彼らに部の再生を委ねるべきである。

大学は、彼らの邪魔をしてはならない。具体的には、部と学内に絶大な権限を持つ内田氏の影響力を排することである。

声明は、「アメフットが好きではなくなった」と退部を決意している宮川選手の復帰も願っている。その説得の大きな責任は、現役部員全員が負う。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] イラン核合意 米とたもと分かつ欧州 (2018年05月31日)

米国のイラン核合意からの離脱に対し、欧州は合意を守り抜く決意を表明し米国とたもとを分かった。欧州企業への制裁も懸念される。価値観がずれてしまった同盟国と、どう関係を築き直すのか。

米トランプ政権は、オバマ前政権時代の国際合意を覆し続けてきた。ただ、地球温暖化防止のための枠組み「パリ協定」からの離脱は、カリフォルニアなど米国の多くの自治体が協定履行を支持し、実害はさほど多くはない。

これに対し、イラン核合意からの離脱は、欧州と距離的に近い中東の安全保障に直結する。米国はイランと対立するイスラエル、サウジアラビアに肩入れし、中東の力関係を不安定化させている。

離脱で米国は対イラン制裁を再発動する。イランと取引がある第三国の企業も制裁対象としているため欧州の企業をも直撃し、米欧関係に決定的な影響を及ぼす。

米英仏独ロ中がイランと三年前に結んだ核合意では、弾道ミサイル開発規制が含まれていないなどの不備も指摘され、離脱決定を支持する意見もある。

しかし、イランとの交渉に関わったドイツのフィッシャー元外相はシュピーゲル誌とのインタビューで「最大の脅威になりかねない核開発問題に集中した。イランを平和的な方法で取り込むことが目的だった」と説明している。核兵器開発疑惑のあったイランとの緊張を緩和し、国際社会との対話の席に着かせた点で、大きな意義のあった合意と評価すべきだろう。

欧州連合(EU)は今月の首脳会議で、米国抜きの合意堅持を確認した。EUのトゥスク大統領はトランプ米政権を「気まぐれ」と批判し、米国頼みという「幻想」は捨てるべきだと、強い言葉で米離れを宣言した。

マクロン仏大統領、メルケル独首相は今月、相次いでロシアのプーチン大統領と会談、メルケル氏はさらに中国の李克強首相とも会談し、核合意支持で一致した。しかし、覇権主義的な中ロへの接近には懸念も残る。

EUは欧州企業が米国の制裁対象になった場合の保護策や、イランでの事業への融資などを検討するが、実効性は不透明だ。この危機に結束を取り戻し、さらなる知恵を生み出してほしい。

北朝鮮問題も米国に振り回されている。トランプ氏に対する日本の楽観主義は、突出しているとの指摘もある。欧州の悪戦苦闘は対岸の火事ではない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】党首討論 「国の基本」を問わぬとは (2018年05月31日)

国会の党首討論が1年半ぶりに開かれた。予想はついたが「国家基本政策委員会合同審査会」という正式名にふさわしい内容とは程遠い。

その必要性やあり方を問い直す時期である。

野党第一党である立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は、森友・加計両学園に関わる問題で、安倍晋三首相と応酬を繰り広げた。予算委員会でさんざん取り上げた案件だ。

衆参両院は同基本委のルールとして「国家の基本政策に関する事項」を扱うことを定めている。党首らが国の重要課題に対する政策や見解を掲げ、国民の前で政権担当能力を競い合う場にする。それが本来の目的だった。

枝野氏の持ち時間は19分、志位氏は6分だった。「モリ・カケ問題」を取り上げるなとは言わないが、国民のために、限られた時間を国家の基本問題に費やす発想はないのだろうか。

北朝鮮に核兵器・弾道ミサイルをどう廃棄させるか。拉致被害者をどう取り戻すか。日本にとって死活的な課題に動きが出ようとしている。30年間で軍事費を51倍にした中国は、尖閣諸島の奪取をうかがい、南シナ海では軍事拠点化を進めている。

これらと同様に国難といえる少子高齢化に備え、国や社会をどう造り替えるか。2040年度には190兆円にも達する社会保障給付費増にどう対応していくか。

続きを読む

党首討論とうたいながら骨太の議論がなければ、政党への信頼や国会の権威を損なうばかりだ。

国民民主党の玉木雄一郎共同代表は「モリ・カケ問題」には触れず、トランプ米政権が自動車の輸入制限策を検討している問題や北方領土交渉を取り上げた。政策論争を意識したのだろう。

だが、玉木氏の持ち時間も15分では、議論は深まらない。北朝鮮の拉致、核・ミサイル問題について「日本の自立的外交」を唱えたが、具体的な説明はなかった。首相の見解も求めなかったため、生煮えに終わった。

月1回など定期開催にすれば、複数回にわたり野党各党が持ち時間を調整し、「1対1」の討論時間を増やせるだろう。

だが、1年半も開かれないこと自体、与野党の取り組みに誠実さが欠けている証拠だ。党首が「国家の基本」を語る気構えを持たなければ、はじまらない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 党首討論 政策論争深める工夫を (2018年05月31日)

一年五カ月ぶりの党首討論。首相と野党党首が丁々発止と議論するために設けられたが、せっかくの機会を生かし切れているとは言い難い。討論の意義を再確認し、運営方法を見直す必要がある。

前回の党首討論は二〇一六年十二月。昨年は一度も開かれていない。なぜこれほど長い間、開かれなかったのか。一四年五月には当時の与野党七党が「月一回開催」を確認したにもかかわらず、である。公党間の約束を放置した与野党双方に猛省を促したい。

その上で、今回の党首討論が、この制度の導入時に想定していた「政策本位」にふさわしい議論の場となっていたであろうか。答えは、残念ながら「否」である。

冒頭、初めて討論に立った枝野幸男立憲民主党代表は森友・加計両学園の問題に絞って追及した。

両学園をめぐる問題は、公平・公正であるべき行政判断が、安倍晋三首相の間接的または直接的な影響力でゆがめられたのか否か、という極めて重要な問題だ。野党が追及するのは当然ではある。

両学園の問題がいまだ真相解明に至っていないのは、政権側の不誠実な態度にある。とはいえ追及の場は予算委員会などほかにもある。あえて党首討論でも取り上げるべきだったのか、疑問は残る。

枝野氏は安倍首相の退陣や衆院解散・総選挙を求めている。ならば政権交代が実現した場合、どんな政策を進める考えなのか。政権追及にとどまらず、党首討論の場でこそ具体策を聞きたかった。

枝野氏と同じく初めて討論に立った国民民主党の玉木雄一郎共同代表は、枝野氏とは対照的に、日米の通商問題や、日ロ間の領土交渉、米朝首脳会談など経済、外交問題に絞って討論を展開した。

とはいえ、玉木氏の持ち時間は四十五分中の十五分、最も多い枝野氏でさえ十九分だ。これでは政策論争が深まるわけはない。

英国の制度を参考に導入された党首討論は小渕内閣当時の〇〇年二月、正式に始まった。当初は衆院への小選挙区制導入に伴って政権交代可能な二大政党の党首同士が政策論争することを想定し、野党の離合集散による多党化は念頭になかったのだろう。

野党勢力の再結集が当面難しいなら、持ち時間を譲り合うなど政策論争を深める工夫をすべきだ。開催回数を増やす必要もある。

官僚を排した政治家同士の政策論争を通じて、国民に政策の選択肢を示す。党首討論が果たすべき役割をあらためて確認したい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 1年半ぶりの党首討論 本質そらしは首相の方だ (2018年05月31日)

これでは党首討論は不要だという声が強まるばかりではないか。それが心配になる。

安倍晋三首相と立憲民主党の枝野幸男代表らとの党首討論がきのう、行われた。開催は実に約1年半ぶりだ。だが、相変わらず首相は聞かれたことにまともに答えず、時間を空費する場面が目立った。

森友・加計問題に対する国民の疑念が晴れないのはなぜか。首相はなお、分からないのかもしれない。

首相の姿勢を端的に表していたのが、枝野氏に対して語った「同じことを聞かれれば、同じことを答える(しかない)」との答弁だ。

枝野氏の質問は新たに明らかになった財務省と森友学園との交渉記録に基づき、首相の妻昭恵氏の関わりをただしたものだ。ところが首相は従来の説明を繰り返し、「私や妻の問題に持っていこうとするから本質からそれていく」とまで語った。

加計問題では、愛媛県の文書に記された首相と学園理事長の面会について学園が「担当者が、実際にはなかった面会を引き合いに出した」とコメントした点も取り上げられた。

これが事実なら学園は首相の名前を利用したことになる。しかし首相はこの日も「民間団体に政府としてコメントしない」と評価を避けた。

財務省の文書改ざんなど一連の重大問題は、すべて首相を守るためではなかったか。共産党の志位和夫委員長が指摘したように、多くの国民がそれが本質と見ているはずだ。

にもかかわらず首相は文書改ざんは「最終的には私の責任」と言う一方で、文書保存のシステムに問題があったと強調した。問題をすり替えているのはやはり首相である。

首相が言うように党首討論は「国家の基本政策」を議論する場だ。国民民主党の玉木雄一郎共同代表もそれを意識したのだろう。日米関係を中心にただした。

ただし、玉木氏が米国の自動車関税引き上げ問題で「トランプ大統領から事前に連絡はあったか」と聞くと、首相は鉄鋼・アルミニウムの輸入制限話を延々とした末に、肝心の答えは「詳細は話せない」だった。いかに時間がもったいないことか。

党首討論の時間はわずか計45分間。時間の大幅延長が必要だが、まず改めるべきは首相の姿勢である。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 幼児教育・保育の無償化 質量とも受け皿の拡充を (2018年05月31日)

幼児教育・保育の無償化について、厚生労働省の検討会が認可外の保育施設へも補助の対象を広げる案を固めた。幼い子どものいる家庭には朗報だが、課題も多い。

無償化は、昨年の総選挙で安倍晋三首相が唐突に公約に掲げ、消費税増税時に借金の穴埋めに充てるはずの財源を回すことにしたものだ。

当初は認可保育所や幼稚園、認定こども園だけ無償とする方針だったが、認可外施設の利用者の反対が強く、その後も検討が続けられた。制度設計が不十分なまま見切り発車したことが混乱を生んだと言える。

認可施設を希望しても入れず、やむを得ず認可外施設を利用している人は多い。病児保育や小規模保育施設を利用している人も増えている。子どもの特性や親の事情に合わせた多様な保育サービスの広がりを考えれば、認可外も無償化の対象とするのは当然である。

ただ、親の所得に応じた負担軽減は現在も実施されている。保育サービスの利用者全員を無償にするのは、経済的に余裕のある人を優遇することに他ならない。

保育所・保育士の不足も深刻だ。政府は待機児童の解消に努めてきたが、それによって潜在的なニーズを掘り起こす結果をもたらした。無償化で新たな利用者が増え、さらに受け皿不足を招く可能性もある。

内閣府の調査では2017年に保育施設などで起きた全治30日以上の子どもの事故は880件で、前年比1・5倍にも上った。無償化より保育施設の安全や質の改善を求める人は多い。政策の優先順位は間違っていないだろうか。

それでも安倍政権が幼児教育無償化を重視するのは、将来を担う世代の教育を充実させ、誰もがチャンスを得られる「1億総活躍社会」を実現しようと考えているからだ。

幼児教育を十分に受けた子どもは将来、大学進学率や所得が高くなるという海外の研究結果もある。

しかし、その前提として乳幼児期に親や周囲の人から愛情を受け、子どもの中に「愛着形成」を図ることが必要だ。子どもの自我が育つための土台を固めなければ、幼児教育は根付かないだろう。無償化とともに、子育て世帯の貧困や孤立の改善にも取り組まなければならない。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 日大前監督除名 理不尽な指導の代償は大きい (2018年05月31日)

監督の指示によって、危険なタックルは行われた。そう認定した以上、厳罰しか選択肢はなかったと言えよう。

関東学生アメリカンフットボール連盟が、日本大アメフト部の内田正人前監督と井上奨前コーチを除名処分とすることを決めた。事実上の永久追放という最も重い処分である。

無防備な関西学院大選手への反則タックルは、監督とコーチの指示だった、と結論付けた。タックルに及んだ日大選手が記者会見で証言した内容に沿っている。

関東学連は、選手を精神的に追い詰めた内田前監督らを「指導者失格」と断じた。認定事実を見る限り、除名処分は致し方ない。

注目すべきは、映像の検証結果だ。関東学連の規律委員会は、問題のタックルが行われた時の状況を分析した。内田前監督は「見ていなかった」と主張しているが、タックルした選手の方を見ていたことが確認できたという。

危険なタックルを目にしながら、監督やコーチは選手を注意することなく、プレーを続けさせた。反則行為を黙認していたと十分に推認できる。関東学連も前監督の供述を「虚偽」と批判した。

内田前監督は、特定の選手を酷評して追い込み、成長を促す手法を用いていたとされる。

強豪であり続けるためには、ある程度の厳しい指導は必要だろう。しかし、常軌を逸した反則行為にまで選手を走らせる振る舞いは、パワーハラスメントそのものだ。選手の立場を尊重することが、指導の原点である。

危険なタックルをした選手は、今年度のシーズン終了まで、公式試合への出場資格停止処分となった。同情すべき面はあるにせよ、関学大の選手を反則行為で負傷させた責任は免れない。

日大アメフト部は、チームとしても同様の出場停止処分となった。救いは、選手たちが再生に向けて動き出していることだ。

選手一同の声明文は、監督やコーチの指示に「盲目的に従ってきた」と記している。その上で、「深い反省のもと、一丸となってチーム改革を実行していく」と決意を表明している。

新しい指導者とともに、名門の再建を目指してもらいたい。

日大は「スポーツ日大」を合言葉に、ブランドイメージの向上に取り組んできた。その戦略上、今回の問題は深刻な痛手だろう。

大学の運営で、ガバナンス(統治能力)の確立がいかに大切か。そのことを再認識させられる。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 麻生財務相 もはや辞めるしかない (2018年05月31日)

麻生財務相はただちに辞任すべきである。公文書の重み、財務省が犯した罪の深さを理解できない大臣に、問題を解決できるはずがない。

森友学園問題をめぐる決裁文書の改ざんを、財務省は「書き換え」と表現している。それを国会で指摘され、麻生氏は「バツをマルにしたとか、白を黒にしたとかいうような、いわゆる改ざんとか、そういった悪質なものではない」と答えた。

野党から批判され一転、「白を白に変えたって駄目な時は駄目」と謝罪したが、本音が漏れたとみるのが自然だろう。

麻生氏をかばい続ける安倍首相の責任は重大だ。「麻生財務相の指揮の下、全容解明し、再発防止に全力を挙げてもらう」というが、一連の問題はすべて麻生氏の指揮下の組織で起きたのである。

麻生氏の続投にこだわるのは、問題の是正よりも政権の維持を優先させたい思惑にしか見えない。

国民と国会に対する財務省の背信行為はすでに明らかだ。

昨年2月以降、当時の佐川理財局長は森友への便宜を否定し、土地取引の交渉記録は「残っていない」と繰り返した。だが実際には文書は存在し、改ざんされ、廃棄されていた。

この間、交渉記録の有無が問われ続けたのに、麻生氏が徹底調査を指示することはなかった。同省が調査を始めたのは、今年3月に改ざんが発覚し、野党の圧力に押されたからだ。

今に至るも麻生氏はじめ財務省は、問題に自発的に対処しようとしない。この組織は根腐れを起こしているのではないか。

財務省の再建には、事実と原因、責任の所在を徹底究明し、厳格な再発防止策をつくることが必須だ。そのうえで適正な処分と人事の一新を断行し、出直すしかあるまい。

ところが麻生氏は今月、改ざん問題について「どの組織だってありうる。個人の問題」とも発言した。省内の調査が途上の段階だというのに、予断をもって問題を矮小(わいしょう)化する。これでまともな解明と対策づくりを指揮できるわけがない。

虚偽としか言いようのない国会答弁を続けた佐川氏を国税庁長官に昇格させ、「適材適所」とも強弁した。前事務次官のセクハラ問題でも、常識はずれの人権感覚を露呈した。

これほど前代未聞の不祥事を重ねた責任を直視せず、開き直る麻生氏を、いつまで副総理兼財務相にとどめるのか。安倍政権には、もはや普通の政治モラルを問うこともできないのか。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 党首討論 安倍論法もうんざりだ (2018年05月31日)

質問に正面から答えず、一方的に自説を述べる。論点をすり替え、時間を空費させる――。1年半ぶりにようやく開かれた党首討論は、そんな「安倍論法」のおかげで、議論の体を成さない空しい45分となった。

野党党首の多くが取り上げたのは、やはり森友・加計問題だった。首相は骨太な政策論議を期待すると語ったが、政治や行政に対する信頼を揺るがす問題は避けて通れない。

立憲民主党の枝野代表は、首相の妻・昭恵氏付の職員が、森友学園の求める優遇措置を財務省に問い合わせたことを「いいことだと思うか」とただした。

首相は、それは「問題の本質」ではないと反論。従来の説明を延々と繰り返した最後に「私の個人の事務所に(問い合わせを)回してもらった方が良かった」と答えた。

加計学園が理事長と首相の面会を捏造(ねつぞう)していたと発表した問題では「訴訟になれば時間がかかる。私の感情のために総理の時間を費やすべきではない」と述べた。枝野氏は首相が問題視していないことに疑問を呈しただけで、学園を訴えるべきだと迫ったわけではない。明らかに論点をずらしている。

共産党の志位委員長は、公文書の改ざん、隠蔽(いんぺい)、廃棄、虚偽答弁が安倍政権下で相次いでいることの原因を繰り返し首相に問うた。しかし、首相はそれに答えず、「うみを出し切り、組織を立て直したい」と今後の対策に話をすり替えた。

質問に誠実に向き合わない首相の姿勢に問題があることは間違いないが、与野党党首の真剣勝負の舞台が形骸化するのを見過ごすわけにはいかない。

英国議会の例を参考に、00年に正式に導入された党首討論は、二大政党を想定した仕組みといえる。限られた時間を、多くの野党党首が分け合うのはそもそも無理がある。今回、枝野氏の持ち時間は19分、志位氏はわずか6分だった。突っ込んだ議論にはおのずと限界がある。

一昨年末以来、一度も開かれていなかったこと自体にも問題がある。「月1回開催」という4年前の与野党の申し合わせはどうなったのか。

トップ同士が幅広い視野で基本政策を論じ合う党首討論は、各党の考え方の違いを分かりやすく国民に伝える貴重な場だ。与野党は開催の定例化や時間の延長など、改善策を真剣に検討する必要がある。

まずは今国会の会期内にもう一度、党首討論を開くことを提案する。今度はまっとうな論争を国民にみせるべきだ。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 党首討論 政策を競う場として活用せよ (2018年05月31日)

与野党の党首が、大所高所から政策や政治のあり方を議論する場になっているだろうか。

党首討論が国会で開かれた。2016年12月以来、約1年半ぶりだ。安倍首相と野党4党首が論議を交わした。

立憲民主党の枝野代表は、学校法人「森友学園」の国有地売却と、「加計学園」の獣医学部新設問題を取り上げた。

森友問題では、安倍昭恵・首相夫人の関与を追及し、国会招致を求めた。加計問題では、首相の友人である加計孝太郎理事長への便宜供与の疑惑を指摘した。

いずれも何度も国会で取り上げられた論点である。

首相は「同じことを聞かれれば同じことを答える」と応じ、自らと夫人の関わりを否定した。

党首討論がこれまでの委員会審議の繰り返しでは意味がない。両氏のやり取りは物足りなかったと言わざるを得ない。

国民民主党の玉木共同代表は、米政権が検討する輸入車への新たな関税措置を問題視し、「言うべきことは言い、やるべきことをやらないと、自由で開かれた貿易体制が壊れる」と指摘した。

首相は「同盟国の日本に課すのは理解し難い」と語った。国益を確保する観点から「戦略を持って対応している」とも強調した。

日露の北方領土交渉に関して玉木氏は、4島返還時には米軍を島に駐留させないと、トランプ米大統領から確約をとるよう求めた。首相は、交渉の詳細は明らかにできないと答えた。

停滞気味の領土問題を打開する展望や決意を首相が示さなかったのは残念である。

発足から間もない党の代表として、玉木氏が意欲的に論戦を挑んだのは評価できる。

党首討論の時間は首相の答弁も含めて45分間だ。会派の人数に応じて時間が割り振られる。共産党の志位委員長は6分間、日本維新の会の片山共同代表は5分間で、議論は深まらなかった。討論時間の拡大も一考に値しよう。

与野党は14年5月、党首討論を毎月開催することで合意した。

野党は、長時間の予算委員会の方が首相を追及しやすいため、党首討論に消極的だ。

首相を委員会審議で長時間拘束し、国政の運営に支障が出る事態は避けねばなるまい。

党首討論のモデルとなった英国議会は、2大政党制を前提として定期的に開催している。日本の与野党の現状も踏まえ、そのあり方を検討したらどうか。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月30日

[東京新聞] 日大選手声明 再生しプレーを見せよ (2018年05月30日)

日大アメリカンフットボール部の選手たちが声明を発表した。監督・コーチからの指示として相手選手を負傷させたチームメートを守り、自分たちの手でチームを再生させる決意を支えたい。

日大アメフット部選手一同で出した声明文からは、このような事態になってしまった答えを全員で悩み、話し合った苦悩が浮かび上がってくる。

相手選手がパスを投げ終えて約二秒もたって背後からタックルすることは、普通なら絶対にあり得ない。そのことは同じ選手としてよく分かる。

声明ではそのようなプレーをするほどに追い込まれていたチームメートを、手助けできなかった自分たちを責めている。その反省から、大人たちに振り回されてきたチームを自らの手で改革していきたいとする思いに、胸を熱くする人は多いだろう。

異例の声明を出したのは、加害者となってしまった選手を守りたいという思いも強くあったはずだ。たとえ指示があったとしても、その選手は相手をけがさせるほどの悪質なプレーをしたことを悔やみ、公の場で経緯を説明して謝罪した。

深く頭を下げるチームメートを、選手たちは自分自身と重ね合わせたに違いない。

理不尽な指示、指導にも「昨季はこのやり方で甲子園ボウル(全日本大学選手権決勝)に勝ったから仕方ない」と従ってきたことが、今回の問題につながった責任も感じた。

自ら声を上げることが仲間を守り、存続の危機とさえいわれる部を生まれ変わらせることができると決意し、声明文を出した。その前向きな勇気と決意には拍手を送りたい。

ただ旧態依然とした体制を改革したとしても、今後はいばらの道が待つ。監督への厳しい処分は当然としても、一度失った信頼を取り戻すことがどれほど難しいか−。まだ大学生でありながら、そのことを身をもって知るであろう残酷な未来を、お互いに支え合いながら乗り切ってほしいと心から願う。

日本のスポーツ界は今回の問題をあしき事例として指導者もチームも意識、組織改革を積極的に推し進めていくことが求められる。

二年後の東京五輪・パラリンピックでスポーツ本来の素晴らしさをアピールするためにも、再生を見せてほしい。日本中が、応援するだろう。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】高齢者の事故 免許年齢に上限の導入を (2018年05月30日)

神奈川県茅ケ崎市で28日、90歳の女性が運転する乗用車が交差点で歩行者4人をはね、死傷させた。高齢者の運転による深刻な事故が後を絶たない。被害者にとってはもちろん、加害者にとっても悲劇である。

運転免許返納の仕組みを、真剣に検討しなくてはならない。

自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で逮捕された女性は「赤信号と分かっていたが、歩行者がいないと思い、行けると思った」などと話しているという。

女性は3月に免許更新するため、昨年12月に認知機能検査を受けたが、問題なかったという。

平成29年に施行された改正道路交通法で、75歳以上の運転手は3年ごとの免許更新時の認知機能検査で認知症の恐れがあると判断された場合、医師の診断が義務化された。認知症と診断されれば運転免許取り消しの処分になる。

今年1月には、前橋市で85歳の高齢男性が運転する乗用車が登校中の女子高校生2人をはねた。皮肉なことに、この男性も前年の認知機能検査で認知症ではないとされていた。

認知症は、高齢運転者の事故の主たる要因ではあるが、全てではない。高齢に伴う運転技能の低下では、動体視力や反射神経の衰えなども事故に直結する。認知機能検査だけでは事故を防げない。

続きを読む

警察庁や各自治体は高齢者に運転免許の自主返納を呼びかけ、返納者にタクシーの割引制度や路線バスの乗車券を配布するなどの特典を付与している。

警察庁によると、29年の75歳以上の返納者数は25万3937人を数え、10年の返納制度導入以降で最多だったという。

だが自主返納には限界がある。家族の説得に応じない頑固な高齢者も多い。地域によっては、生活手段として免許を手放し難い事情もあろう。

それでも、社会の安全を守るため、高齢運転者自身を事故から守るためにも、一定の年齢で一律に運転免許の返納、取り消しを求められる措置を導入すべきである。免許取得年齢に下限がある以上、上限があってもいいはずだ。

公共交通網の整備や自動運転技術の開発も急ぎたいが、これを待つ間にも事故は起きる。

社会の高齢化は今後も進む。運転免許の強制返納の検討は、喫緊の課題である。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】消費税と景気対策 「耐えうる経済」を万全に (2018年05月30日)

2019年10月の消費税増税に備え、安倍晋三首相が19、20年度の当初予算を大型にする意向を示した。6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に、景気対策の必要性を明記する。

税率10%への引き上げは2度延期された。円滑な実施は、高齢社会や人口減少時代に対応するうえで欠かせない。

そのために、景気への配慮や財政健全化に政府が万全の対策を講じるのは当然だが、その前にはっきりさせておくべき点がある。

首相が約束した「増税に耐えうる経済」がどこまで実現できたのかだ。そこを曖昧にしたまま、てこ入れの内容や規模を定めることはできまい。

1度目の延期は8%増税後の消費低迷を理由とし、2度目は海外経済の懸念だった。現状についてどう認識しているのか。企業収益が過去最高となるなど景気は回復傾向にあるが消費に勢いはなく、経済の好循環が果たせたとは言い切れない。

消費低迷の長期化を、4年前の増税のせいだけにすることもできまい。社会保障などの将来展望を開けないことも大きい。そこをどう改革するかは、消費税対策で忘れてはならない視点である。

続きを読む

骨太方針の骨子は、増税前の駆け込み需要とその反動減の「平準化」を明示した。一斉値上げを避けるため、柔軟な価格転嫁を促したり、住宅・自動車購入時の減税を拡充したりすることを想定している。景気を腰折れさせない効果的な手立てが必要である。

対策は補正予算で講じることが多いが、当初予算ほど厳しく査定されず、歳出の抜け穴となりがちだ。真に必要な事業を当初予算で手当てするのは理にかなう。

対策が必要なのは19年度後半からだ。前半はむしろ駆け込み需要が多い。単純に年度全体の予算を増やさず、前半と後半でめりはりを利かせる工夫がほしい。

大型予算は本当に19、20年度の臨時措置で済むのか。いったん歳出を拡大すると、これを抑制するのは容易ではない。

今年の骨太方針は新たな財政健全化計画を柱とする。歳出の多くを占める社会保障費の伸びを抑える数字上の「目安」はなくす。その分、実効性の高い歳出改革への道筋を描けるかが問われる。消費税対策の名の下で財政規律を緩めることは許されない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 医師の偏在対策 都道府県は腰を据えよ (2018年05月30日)

地方は医師不足が深刻だ。都市部などに医師が集まる偏在が問題となっている。その対策を盛り込んだ医療法などの改正案が国会で審議されている。対策を担う主役となる都道府県の責任は重い。

医療は生活に不可欠だ。医師はそれを支える重要な存在であり、医師がいなくて必要な医療が受けられなければ地域は成り立たなくなる。地方ではその問題に直面している。

医師は約三十二万人いる。大学医学部定員枠を広げてきたことで増えてきた。これからの人口減社会を考えると医師数を増やすことには限界がある。

問題は、専門的な医療に携われる都市部に集中していることだ。地方間にも偏在はある。都道府県別の人口十万人当たりの医師数は最多の徳島県や京都府と最少の埼玉県では二倍の開きがある。同じ県内でも地域で違う。診療科も産科、外科が少ないなど偏りがある。

実は医師の四割が地方で働く意思がある。二十代では六割になる。大学医学部の入学者で地元出身者は卒業後もその地域への定着率は高い。一方で、労働環境やキャリア形成への不安が定着を阻んでいる。こうした不安を取り除き、地方勤務に魅力を感じられたら地域で働く医師を増やせる。

厚生労働省の解消策は、国がデータを基に偏在の「見える化」をする。都道府県がそれを活用し「医師確保計画」を作る。それに基づき地域の大学医学部に対し、地元出身者の入学枠や、地域で一定期間働くことを条件に入学できる「地域枠」の設定を要請できる。卒業後の研修先を決める権限も国から都道府県に移す。

偏在解消の役割を都道府県に託すことで対策を進めることを狙う。地方が権限を持ち主体的に取り組むことは当然である。

自治体の力量が問われるが、人材育成など課題が残る。医療関係者との協議での調整力を持ち、県域を超えた連携などを実現する人材が不可欠になる。都道府県はその責任の重さを自覚してほしい。人材確保に国も支援すべきだ。

医師が働きやすい環境整備も求められる。働き過ぎ防止のための交代派遣や周囲の医師の相談支援、出産・育児などへ配慮した勤務形態の実現などにも取り組む。こうした支援も都道府県の役割は大きい。個々の医師のニーズに応える目配りが必要だ。

医療関係者も地域医療に責任を持っている。その魅力を若い医師に伝える努力をしてほしい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 消費増税時に景気対策 将来世代に痛みを強いる (2018年05月30日)

何のために国民に新たな負担を求めるのか。その原点をないがしろにするものだ。

安倍晋三首相は、2019年10月に予定する消費税率10%への引き上げに合わせて、大型の景気対策を実施する方針を表明した。増税による経済の悪化を防ぐ狙いという。

規模は2兆?3兆円程度を検討しているが、与党には上積みを求める声がある。増税による税収5兆円強を巡り、政府は教育無償化にも充てると決めている。対策を行うと増税分すべてを使い果たしかねない。それだけ財政健全化も遠のく。

これでは本末転倒だ。

増税の出発点は、膨張する社会保障費と巨額の借金という財政の危機的状況に向き合い、将来へのつけ回しをやめるということである。

社会保障の安定財源を確保するには国民が広く負担を分かち合う必要がある。これが消費増税を決めた12年の自民、民主(当時)、公明3党による合意の理念だったはずだ。

しかも政府が検討している対策はばらまきになりかねない内容だ。

首相は19年度から2年連続で当初予算に対策を盛り込むよう指示した。景気てこ入れと称し効果のはっきりしない事業が次々と紛れ込み、財政規律が一段と緩む恐れがある。

自動車や住宅を買う際の減税を拡充する案も出ているが、需要の先食いに過ぎない。目先の消費の悪化は防いでも、結局は将来的な落ち込みを招いてしまう。

そもそも社会保障の財源確保と財政健全化は、超党派で取り組むべき国家的課題である。それなのに消費税の扱いを選挙に利用し、健全化を遅らせてきたのは首相である。

14年に消費税率を8%に上げはしたが、10%は2回も延期した。いずれも国政選挙直前の判断だ。景気が良い時期に財政健全化を進めるべきだったのに目先の選挙を優先した。

さらに昨年は、借金返済に充てると決まっていた増税の使途を教育無償化に変えると表明し、これを争点に持ち出して衆院を解散した。

今回も、来年の統一地方選や参院選を控え、与党内の歳出拡大を求める声に応じた面があるようだ。選挙目当てに政権の都合のいいように税収を使うのなら、将来世代への裏切りにほかならない。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 日大アメフット部処分 異常な支配構造への断罪 (2018年05月30日)

日本大アメリカンフットボール部選手の悪質なタックルをめぐる問題で、関東学生連盟が関係者の処分を決めた。日大の内田正人前監督と井上奨(つとむ)元コーチは除名とした。

除名は懲罰規定で最も重く、大学アメフット界からの永久追放にあたる。学生に限らず、スポーツ界での除名処分は極めて異例だ。

学連は、井上氏の「つぶせ」という言葉には「けがをさせろという意図が込められていた」と認定した。内田氏の発言については、映像などから「およそすべてに信用性がない」と指摘した。

一方、タックルなどの反則を重ねた日大の宮川泰介選手の証言には合理性があると認めた。

処分は、指導者として不適格だと結論づけただけではない。内田氏による日大アメフット部の異常な支配構造も浮き上がらせた。

反則行為の映像がネットなどで流れると、宮川選手は指導者の指示を記者会見で認めた。日大はそれを受ける形で内田氏らが否定した。

言い分は食い違うが、両者に共通するのは、選手を強圧的かつ心理的に追い込んでいく指導方法だ。

宮川選手は、日ごろから内田氏に意見を言える関係ではなかったと明かしている。

日大アメフット部の選手たちは父母会を通じて声明文を発表した。その中でも、監督やコーチに頼りきりになり、言われるがままに指示に従ったと記されている。

監督は選手の起用法だけでなく、卒業後の進路にも大きな影響力を持つ。そのような権力者に選手が刃向かうことは許されず、服従を強いられる。指導とは呼べないような非常識な接触が日常化していた。

学連によれば、コーチも内田氏を恐れて、指導方針を曲げて追従した。気に障ることがあれば辞めさせられたという。

内田氏は、現在は職務停止中とはいえ、大学では人事担当の常務理事である。大学経営の中枢にいる人物となれば、コーチでも逆らうことは難しいという現実があった。

こうして内田氏を頂点とするピラミッド型のゆがんだ支配構造が構築されていった。学連の処分は、この構造こそが問題を引き起こした本質だと断罪したに等しい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 防衛大綱提言 「予算倍増」の危うい道 (2018年05月30日)

未曽有の財政難をよそに防衛費を聖域化し、専守防衛の原則から逸脱する軍拡路線であり、到底認められない。

自民党が、年末に政府が策定する新しい防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画への提言をまとめた。

日本を取り巻く現在の安全保障環境を「戦後最大の危機的情勢」と位置づけ、防衛費の拡大を抑えてきた対GDP(国内総生産)比1%の突破を求めた。2%を目標とする北大西洋条約機構(NATO)の例を「参考」としている。

5兆円台に膨らんだ防衛費を10兆円規模に倍増させようというのか。財源の議論もないまま大風呂敷を広げるのは、無責任の極みだ。

もとより安倍政権の防衛費優遇は際立っている。4年連続で過去最大を更新し、昨年3月には安倍首相が「GDPの1%以内に防衛費を抑える考え方はない」と国会で明言した。

あえて「2%」と明記したのは、首相の路線を後押しし、加速させる狙いだろうが、とても現実的とは思えない。

敵基地攻撃能力の整備や、海上自衛隊の護衛艦「いずも」を念頭においた空母化の提言は、いずれも専守防衛の範囲を超える。陸海空に加え、宇宙、サイバーの領域も活用した「多次元横断(クロスドメイン)防衛構想」も打ち出した。

安倍政権は、安全保障関連法で集団的自衛権の行使に道を開くなど、歴代内閣が踏襲してきた防衛政策を転換してきた。トランプ大統領が米国製兵器の購入を迫るなか、防衛費を大幅に増やせば、平和国家のさらなる変質は避けられない。

安全保障は軍事だけでなく、緊張緩和をはかる外交とあわせて築かれるものだ。

たしかに、中国海軍の強引な海洋進出に自衛隊が対処する必要はあろう。ただ、力に力で対抗するだけでは、かえって地域の緊張を高める恐れがある。

北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威を過剰にあおり、防衛力整備の追い風にしようとする姿勢も目にあまる。朝鮮半島の平和と安定に向け、関係国の外交努力が続くなか、ことさら軍備増強を打ち出す自民党の姿は、時代の流れに逆行している。

国力の限界を踏まえ、軍事と外交を両輪とした戦略を構想することこそ、将来に責任をもつ政治家の役割だ。

限りある予算の中で、政策の優先順位を誤ることなく、幅広い国民の理解を得る。提言からは、そんな視野の広さも丁寧な政治の営みもうかがえない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 演習招待を撤回 米国が対中圧力を強化した (2018年05月30日)

中国に対し、南シナ海の軍事拠点化の停止を求めるメッセージを発したと言えよう。

トランプ米政権が、今夏行われる環太平洋合同演習(リムパック)への中国の招待を取り消した。

中国が南シナ海で緊張を高め、地域を不安定化させていることを理由に挙げ、人工島の軍用施設の撤去を求めた。

米海軍は、ミサイル駆逐艦などを人工島の周辺で航行させ、中国を牽制(けんせい)する「航行の自由作戦」も行った。力による現状変更を容認しない姿勢を、具体的な行動で示し続ける必要がある。

リムパックは2年に1度、米海軍がハワイ沖で主催する世界最大規模の多国間海上演習だ。2016年には、日本、英国、豪州を含む26か国が参加した。

中国海軍は14年に初めて招待され、前回も加わった。当時のオバマ米政権には、演習を通じて中国に国際ルールの順守や透明性の向上を促す狙いがあった。

こうした目的が達成されたとは言い難い。中国は演習中、情報収集艦を周辺海域に派遣して参加国の軍事情報を集める一方、自国の軍艦については限定的にしか公開に応じなかった。

中国の王毅国務委員兼外相は、今回の招待取り消しを「非建設的な動きだ」と非難した。「中国は必要な防衛施設を自国の島に築いている」とも述べた。身勝手な主張だと言わざるを得ない。

中国はスプラトリー(南沙)諸島に対艦ミサイルや地対空ミサイル、電波妨害装置を配備した。パラセル(西沙)諸島のウッディ島では、主力戦略爆撃機による初の離着陸訓練が行われたことも明らかになった。

習近平国家主席は「軍事化しない」と表明している。中国の領有権主張は仲裁裁判所判決で全面否定された。にもかかわらず、南シナ海での覇権的な動きが止まらないのは看過できない。

トランプ政権が前政権の対中融和姿勢を見直したのは当然だ。新たな国家安全保障戦略では、中国をロシアと共に、米国に挑む「現状変更勢力」と位置付け、競争に打ち勝つと宣言している。

アジア太平洋地域で、米中両国は軍事的な影響力を競い合う。緊張が過度に高まれば、日本をはじめ世界の安定に悪影響が及ぶのは避けられまい。

米中は不測の衝突を回避しながら、軍高官や艦船の相互訪問などを通じて、信頼醸成を地道に図っていくべきだ。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 財政再建計画 とても歯止めにならぬ (2018年05月30日)

政府の新しい財政再建計画が固まった。

借金に頼らず毎年度の政策経費をまかなえるかを示す基礎的財政収支(PB)黒字化の時期は、従来の20年度から25年度に先送りする。一方で、国内総生産(GDP)と比べる三つの指標で、21年度の時点で再建の進み具合を検証するという。

ところが、肝心の新たな指標が甘く、緩みがちな歳出への歯止めになりそうもない。実効性のある歳出抑制の仕組みが不可欠だ。来年度の予算編成に向け、議論をやり直すべきだ。

20年度のPB黒字化は、早くから達成が絶望視されていた。そんななか、安倍首相は昨秋の衆院解散の際、消費税収の使途を教育無償化にも広げる政策変更とともに目標の断念を表明し、新たな計画を作るとした。

新しい三つの指標では、21年度時点のGDP比で(1)基礎的収支の赤字を1・5%程度(2)国と地方の債務残高を180%台前半(3)借金の利払い費も考慮した財政収支の赤字を3%以下、にするという。

このうち、国と地方の債務残高と財政収支赤字の比率は、1月に内閣府が示した中長期の試算で、経済成長が低めに推移した場合でも21年度に達成できる見通しになっている。基礎的収支の赤字の削減が進まなくても「財政再建が進んでいる」と見せるために、指標に採用するのではないのか。

安倍首相が秋の自民党総裁選で3選されても、任期は21年秋までだ。財政再建の目標時期そのものは25年度へ先送りし、21年度までは甘めの指標で財政運営の自由度を得る。そんな意図が透けて見える。

政府が6月に決める予定の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)には、この財政再建計画とともに、来秋の消費増税に備えた経済対策を19、20年度の当初予算に盛り込むことも明記されそうだ。経済の変動をならすために政策で柔軟に対応することは必要だろう。しかし、有効な歯止めを欠いたまま歳出増加の議論が先行するのは、いかにも危うい。

新たな三つの指標は、一昨日の経済財政諮問会議で民間議員が提案した。その後、わずかな議論だけで骨太の方針に盛り込まれる方向だ。

再建計画は前提の経済成長率が高過ぎるなど、これまで指摘されてきた問題点はそのままだ。現実的な見通しのもと、足元の景気に目配りしつつ、どうやって財政を再建軌道に乗せるか。その道は容易ではないからこそ、徹底的な議論が必要だ。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 微細プラごみ 海洋汚染の深刻化が心配だ (2018年05月30日)

海の生態系にとって、深刻な脅威である。

マイクロプラスチックによる海洋汚染が拡大している。魚介類への悪影響が懸念される。

大きさが5ミリ以下の微細なプラスチックだ。レジ袋やペットボトル、発泡スチロールなどが、太陽の紫外線や塩分で劣化し、波や砂の作用で細かく砕かれてできる。歯磨き粉や洗顔料に使われてきたマイクロビーズもその一種だ。

日本周辺海域では、北太平洋全体の約16倍、世界の海の27倍もの密度でマイクロプラスチックが見つかった。北極の氷にも、多くのプラ粒子が確認されている。

小魚や貝の体内にも入ってしまうだけに、大きなプラスチックごみよりも影響が広がりやすい。

東京農工大の調査によると、東京湾で採取したカタクチイワシの8割から、マイクロプラスチックが検出された。別の調査では、大阪湾内などの魚からも、高い割合で見つかっている。

体内に取り込まれたマイクロプラスチックは、生物の成長や生息を妨げる恐れがある。ポリ塩化ビフェニール(PCB)など、海水中の有害物質が吸着する性質があることも指摘されている。

有害物質が蓄積された魚を人間が食べると、どのような影響が生じるのか。現時点では、不明な部分が多い。状況がより悪化する前に、メカニズムを解明したい。

海に薄く広がるマイクロプラスチックの回収は難しい。海に流れ込むプラスチックごみの量を減らすことが、対策の基本である。

政府は海洋基本計画で、マイクロプラスチック対策を課題の一つに挙げている。プラごみの大幅削減を目指す「プラスチック資源循環戦略」の策定にも乗り出す。

化粧品業界は現在、マイクロビーズの使用を自主規制している。官民を挙げて、プラスチックの再使用やリサイクルをさらに促進したい。監視や啓発を強化し、不法投棄を防止することも大切だ。

国際的には、途上国の環境改善が欠かせない。世界全体で年800万トンのプラごみが海に流出している。多くが中国やインドネシアなどアジア圏からだという。ごみに覆い尽くされた川もある。

急速な人口増加と経済発展に、ごみ処理のシステムが追い付かない現状を改善せねばならない。

合成樹脂であるプラスチックは、自然界で分解されにくい。日本はプラごみの回収やリサイクルなどで高い技術力を有する。途上国の循環産業の成長を支援することは、重要な国際貢献である。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする