2018年03月31日

[東京新聞] 野球・新ルール ファンの視線を大切に (2018年03月31日)

開幕したプロ野球は今季から「申告敬遠」など新ルールが導入され、野球がどのように変わるか注目される。これらの制度は米国追従だけではなく、ファン視線で導入を決めていきたい。

プロ野球で新たに導入された「申告敬遠」。故意四球はこれまで投手が最低でも4球投げなければ成立しなかったが、今季からは守備側の監督が球審に申告した時点で打者は一塁に出塁できる。各球団の監督はオープン戦から新たなルールを使い、なじんでから開幕戦に臨んだ。

しかし、申告敬遠がファンの希望によるものかといえば疑問は残る。導入したのは試合時間の短縮が主な目的だが、過去には敬遠球を殊勲の安打にしたり、逆に投手が敬遠球を暴投して痛恨の決勝点を与えてしまったりと、球史に残る事例がある。

これらのドラマが今後なくなっても申告敬遠は導入すべきだったのか。そのための検討をどこまで突き詰めて行ったのか、ファンにはほとんど明らかにされていないのではないか。

近年はプロ野球のルール変更が米国から一年遅れになることが多い。申告敬遠も米大リーグでは昨年に導入された。ただ、昨年は米メディアが「申告敬遠が導入されたとしても短縮される時間は1試合あたり14秒にすぎない」と開幕前に試算。実際、打撃戦が多かった昨季の大リーグは9イニングの平均試合時間が前年より約4分延びて3時間5分だった。

申告敬遠のほか、監督が映像による検証を要求できる「リクエスト」も、今季から導入された。審判が判定で責められるのを防ぎ、選手も判定に疑念を抱きながらプレーすることが減って試合に集中できるのは良いことだ。

しかし、この制度に対しても「審判のジャッジもゲームの一部なのではないか」という声が上がるなど、すべてのファンが納得しているわけではない。

国際試合が増え、ルールを国際基準ともいえる米国に合わせる必要性は分かる。しかしプロ野球は各球団の努力で観客動員が年々増え、昨季は史上最多の動員数を記録した。今季も前売り券の売れ行きが好調な球団は多く、ファンあってのプロ野球であることを忘れてはならない。

野球界は今後も人工知能(AI)の導入などで、制度は変化していくと推測される。その時も常にファンの理解を求める姿勢は貫いてほしい。
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[産経新聞] 【主張】角界の不祥事 組織運営のあり方変えよ (2018年03月31日)

日本相撲協会は続投が決まった八角理事長(元横綱北勝海)の下で新体制を発足させた。

昨秋の元横綱日馬富士による十両貴ノ岩への傷害事件以降も、力士の暴力は後を絶たず、協会は統治能力を欠いたままである。この現状は看過できない。

暴力根絶への取り組みは言うまでもなく、外部理事を軸とした組織運営への転換を進めることが、新体制の責務だ。

協会と対立し、弟子の貴公俊(たかよしとし)による暴行で監督責任を問われた貴乃花親方(元横綱)は、先の理事会で最下位の「年寄」に降格された。一時は理事として「改革の旗手」と期待されたが、めぼしい改革案もないままの協会批判は角界の混乱を深めただけだった。処分は当然である。

貴乃花親方に対しては、親方業務を取り上げる「契約解除」を求める声もあった。協会が現役時代の多大な功績や人気を勘案し、降格で済ませたことを貴乃花親方は自覚してほしい。

春場所は15日間とも満員札止めとなり、懸賞は地方場所最多の1825本を数えた。テレビ桟敷で夕方の中継に固唾をのむお年寄りも多い。大相撲は今のところ、ファンの度量に何とか支えられている。不祥事の連鎖は、それをあざ笑うものだ。

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貴公俊の暴力も、峰崎部屋で露見した力士による弟弟子への暴力も、元日馬富士の事件後に起こった点で深刻である。

暴力は角界の体質として染みついている。40余りの部屋に力士養成を委託する制度は、暴力の温床と指摘されて久しいが、協会が外部有識者による再発防止検討委員会を置き、対策に重い腰を上げたのは2月になってからだ。

理事13人のうち力士出身者が10人を占める理事会の構成は、組織運営が社会通念とかけ離れ、機動力を欠く最たる要因である。

八角理事長には、改革への果断を求めたい。平成26年に公益財団法人へと移行する過程で、協会は旧弊の一掃を誓った。年寄名跡の協会による一括管理など、その当時に打ち出した改革案の多くは一向に進展を見せていない。

協会は公益財団法人として税制面で優遇を受けているが、今の組織に「公益」を名乗る資格があるとは言い難い。組織運営の改革を抜きに信頼回復を語るのは、国民をばかにしている。
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[東京新聞] 麻生財務相発言 このレベルの大臣では (2018年03月31日)

麻生太郎財務相が「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた問題は、これまで多々ある暴言の域を超えている。改ざん事件の責任をとり身を引いたらどうか。

国のトップ官庁で公文書改ざんという前代未聞の不正を許した大臣としての責任をみじんも感じていないかのような傲慢(ごうまん)さである。

事実誤認に基づく氏の発言は毎度のことだが、当事者意識を全く忘れ、報道機関をおとしめるような暴言は看過できない。

麻生氏は二十九日の参院財政金融委員会で、学校法人「森友学園」をめぐる新聞の報道姿勢に不満をまくしたてた。

米国を除く十一カ国による環太平洋連携協定(TPP11)が八日に署名されたことについてのやりとりの中で、麻生氏は「日本の指導力で、間違いなく、締結された」と強調。「茂木大臣がゼロ泊四日でペルーを往復しておりましたけど、日本の新聞には一行も載っていなかった」と発言した。

続けて「みんな森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた。

しかし、茂木敏充経済再生担当相が出席した署名式の開催地は、ペルーでなくチリである。署名式の記事は、本紙を含め大手各紙が九日付夕刊や翌十日付朝刊で詳しく報じている。

三十日の同委員会で批判が相次ぐと、麻生氏は「森友に関し、公文書を書き換える話は誠にゆゆしきことで遺憾の極み。軽んじているつもりは全くない」「森友と比較したのがけしからんという点については謝罪させていただきたい」と釈明に追われた。

だが、釈明すれば済む問題ではない。公文書を改ざんし、国会で虚偽答弁を繰り返したことはTPP11と同じく重大事である。

「新聞が一行も報じていない」といった虚偽(ポスト真実)を平気で多用したり、TPP11に比べ大したニュースでもない森友問題を報じ続ける新聞の方がおかしいといった印象操作を繰り返す。

「ナチスの手法に学べばいい」と発言したこともあるように、国民は簡単にだますことができる、政治家は国民をだましてもいいと考えているのではないか。国民の納める税金を差配する要職を任せるには、とても値しない。

「平成の政治史に残る事件」(自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長)である。地位に恋々とせず、国民のために潔く、速やかに辞任したらどうなのか。
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[産経新聞] 【主張】拉致問題 全面解決への機を逃すな (2018年03月31日)

北朝鮮を取り巻く国際情勢がめまぐるしく動いている。これは、拉致問題を全面解決する好機となり得る。機を逃してはならない。全面解決とはむろん、拉致被害者全員の帰国である。

南北首脳会談の4月27日開催が決まり、米朝首脳会談も5月までに行われる見通しだ。

それに先立ち、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は初の外遊先に中国を選び、習近平国家主席と会談した。北朝鮮の活発な外交姿勢は、核・ミサイル開発に対する国際社会の制裁強化が生み出した結果といえる。

安倍晋三政権は北朝鮮の孤立化を図りつつ、拉致問題の解決を最優先、最重要課題と位置づけてきた。かけ声だけでなく、結果を求めるときである。

拉致被害者の家族会が安倍首相と面会し、トランプ大統領との会談で「全被害者の一括帰国を求めなければならないと説得してほしい」と要請した。

横田めぐみさんの母、早紀江さんは「被害者を救う最後のチャンス。日本国として一日も早く拉致問題を解決する姿を世界に示していただきたい」と求めた。

安倍首相は「拉致問題が置いていかれることがあってはならない」と強調したという。

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首相はこれまで「拉致問題の解決なしに、北朝鮮は未来を描けない」と繰り返し述べてきた。同じせりふを、トランプ氏の口から金正恩委員長に突きつけるよう、要請してほしい。

トランプ氏は拉致問題を国連総会で取り上げ、北朝鮮を厳しく非難するなど日本への理解を示してきた。来日時には家族と会い、被害者救出への尽力を約束した。

3人の米国人も、北朝鮮で不当に拘束されている。米朝会談に臨むトランプ氏には、自国民の解放と日本の拉致問題の解決を同時に迫ってもらいたい。

米朝会談の中で、拉致問題の解決につながる兆候をみてとることができれば、日本政府も迅速に動くべきである。大きな成果を得て決着を図るには、日朝首脳会談も選択肢に入るだろう。

その際に肝要なのは、「再調査の約束」などの時間稼ぎは一切、許さないことだ。拉致問題に段階的解決はあり得ない。あくまで被害者全員の即時帰国を求めるべきだ。果たされない限り、制裁を緩めてはならない。
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[毎日新聞] 退位と即位に伴う儀式 伝統にも時代にも配慮を (2018年03月31日)

憲政史上初の退位及び即位の儀式について憲法と整合性を持たせたうえで時代に合ったものにできるか。

政府は天皇陛下の退位に伴う一連の儀式の基本方針をまとめた。退位の儀式のほか、新天皇の即位礼などを国事行為として行う。

明治期以前、天皇の退位があった当時は天皇が譲位の意思を示す「宣命(せんみょう)」が不可欠だった。だがこれを踏襲すれば、陛下が自らの意思で退位したように受け取られる懸念があるため、首相が退位に触れた後、陛下がお言葉を述べられる形にした。象徴天皇制に配慮した点は妥当だ。

皇位の証しの剣と璽(じ)(勾玉(まがたま))を引き継ぐ「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」についても天皇の意思による継承と受け取られないよう、5月1日午前0時の新天皇の即位から数時間を空ける。

保守派から退位と即位の一連の儀式として位置づけるよう求める声があるが、憲法の趣旨から、時間を空けるのは当然だ。

一方、政府は前例を踏襲し、剣璽等承継の儀への女性皇族の参列を認めないことを決めた。皇位が移ることを象徴する場面に、継承権のない女性皇族が出るべきではないとの理由とみられる。同時に安倍政権としては、女性の参列容認が女性・女系天皇論を勢いづかせることを避けたのだろう。

新天皇が初めて神々に新穀を供えて五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「大嘗祭(だいじょうさい)」については、平成のはじまりの際と同様に公費を支出する方針だ。

大嘗祭への公費支出や知事らの出席をめぐっては裁判が相次ぎ、最高裁が合憲とした。しかし大阪高裁は1995年に「違憲の疑義は一概には否定できない」とし、判断の基準にはあいまいさも残った。政府には国民への丁寧な説明が求められる。

前回は外国の賓客や国会議員らを招き、国事行為として祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」が7回に分けて行われた。多額の国費をかけた豪勢な祝宴は今の時代に似つかわしくない。新天皇、新皇后の重い負担になったことも考えれば、できるだけ簡素にする必要がある。

天皇制は時代状況に柔軟に対応して今日まで続いてきた。儀式への国民の理解を得るために、伝統を重んじながらも時代に合ったものにするのが望ましい。
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[毎日新聞] 外交官大量追放の応酬 不信の根はロシアにある (2018年03月31日)

冷戦時代にもなかった、過去最大規模の外交官追放の応酬である。

米国がロシア外交官60人の追放を決め、対抗措置としてロシアも同数の米外交官を追放すると発表した。他にも欧州を中心に20カ国以上が露外交官の追放を決めており、計150人を超える。ロシアは米以外にも相応の対抗措置を予告している。

報復の連鎖にどこかで歯止めをかけなければならない。

きっかけは、英国でロシア軍情報部門の元幹部と娘が意識不明の重体で発見された事件だ。英政府は、猛毒の神経剤を使ったロシアによる犯行の可能性が高いとして、報復で露外交官23人を追放した。

さらに他国にも同調を呼びかけ、米国のほかフランス、ドイツなど大半の欧州連合(EU)加盟国、カナダ、豪州などがこれに応じた。

いずれも追放対象は外交官を装った露情報部門の要員だとしている。トランプ米大統領はメイ英首相との電話協議で、露スパイ網の壊滅を目指すことを確認したという。

英国のEU離脱やトランプ米政権が仕掛けた通商戦などで、米英欧の関係がぎくしゃくしていただけに、対露で結束を示した意味は大きい。

事件への関与を否定するロシアは米英が主導する根拠のない反露キャンペーンだと主張している。

しかし、各国が英国に同調したのは、英政府が信頼できる情報を提供したからこそだとされる。またフランスやドイツは、ロシアがサイバー攻撃や偽情報の拡散によって選挙に介入し、国内の対立を画策していると非難してきた。

こうしたいら立ちが蓄積し、今回の米欧の連帯行動につながったことをロシアはきちんと受け止める必要がある。自己正当化に固執してむやみに対立をあおるべきではない。

日本政府は「事実関係の解明が優先だ」として当面は米欧の対露非難には同調しない方針だ。北東アジアの不安定な安全保障環境や、ロシアとの北方領土問題を考えれば、対露関係を慎重に進めざるをえないということだろう。

だが米欧とロシアの対立が続けば日本も立場を明確にするよう迫られる。5月に訪露する安倍晋三首相はプーチン大統領に日本の懸念をしっかりと伝えるべきだ。
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[朝日新聞] 福島の避難者 息長く支援の手を (2018年03月31日)

避難生活を余儀なくされる人がいる限り、福島第一原発事故の被害は終わらない。政府と関係する自治体は目をそらさず、支援の手を差し伸べ続ける責任がある。

事故から7年余り。避難指示の解除が進み、福島県の内外で暮らす避難者は減っている。県や復興庁が公表する最新の人数は約5万人で、ピーク時の3割の水準だ。復興は着実に進んでいると行政は強調する。

だが、この統計には注意が必要だ。数え方にばらつきがあるほか、見かけ上、減っているだけという面があるからだ。

たとえば福島県などは、仮設住宅の無償提供を打ち切るのにあわせて、避難者として扱うのをやめている。昨年春には、避難指示区域外からの「自主避難者」の多くを除外した。今後も、避難解除から一定期間がたった地域の人を順次除いていく見通しだ。

こうした措置に、支援団体や専門家の間では「問題を見えにくくし、避難者の切り捨てにつながりかねない」と懸念する声が出ている。

行政に「地元に戻っても大丈夫です」と言われても、すぐに動ける人は少ない。避難先で職に就いた、子どもが学校に通っているといった事情のほか、戻る先の生活環境や放射能への不安も根強い。

そもそも多くの人が、収入の減少や健康の悪化、仕事の確保、周囲の無理解など、さまざまな悩みを抱え、中には貧困や孤立に苦しむ人もいる。

政府は近く、被災者の生活実態を調べ、対応策を見直すという。調査では自主避難者も幅広く対象とし、支援団体からも聞き取りをするなどして、全体像と課題の把握に努めるべきだ。

生きていくうえで「住」の確保は基本だが、避難先の自治体の対応はまちまちだ。実情に応じた支援に向けて、政府が前面に出るべきではないか。

内にこもりがちな避難者を直接支えるNPOへのサポートにも心を配りたい。

「かながわ避難者と共にあゆむ会」は、互いのつながりや健康を保つための交流活動を企画し、困りごと相談にあたる。助成金が頼みの綱だ。山内淳(じゅん)事務局長は「いつまで続けられるか不安を持つNPOは少なくない。行政は10年ぐらいの長さで後押ししてほしい」と話す。

ふるさとを奪われた人々が平穏な日常を取り戻すには、多くの時間がかかる。関係省庁、避難元と避難先の自治体、官民の支援組織が連携を強め、息長く寄り添っていかねばならない。
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[朝日新聞] 放送法見直し 性急、乱暴、思惑ぶくみ (2018年03月31日)

フェイク(虚偽)ニュースの拡大と、それへの対応が大きな社会問題になっているときに、性急で乱暴に過ぎる。

政府内で検討されている「放送事業の大胆な見直し」のことだ。放送番組について▽政治的に公平である▽報道は事実をまげない▽多角的に論点を明らかにする――などと定める放送法4条の撤廃が浮上している。

新しいコンテンツ産業の参入を促して、経済を活性化させる規制改革の取り組みの一環だという。一面的な発想に驚く。

不偏不党な番組づくりを通して健全な民主主義を築くという、これまで放送に期待されてきた使命をどう考えるか。ネットの発達に伴い、放送と通信の境が見えにくくなっているからこそ、社会でどんな規範を新たにうち立てるべきか。

そうした根源的な議論こそ、求められているのではないか。

放送法は戦前の報道統制の反省の上に成立した。ただし電波は有限なこと、映像や音は活字以上に訴える力が強いことなどから、4条が設けられた。

表現の自由を保障する憲法に反するとの意見もあったが、放送界では事業者が自律的に守るべき倫理規定として定着する。実効あるものにするため、03年にはNHKと民放連により、第三者機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)もつくられた。

裏づけ取材などをしないまま沖縄の反基地運動を侮蔑・中傷したMXテレビの番組「ニュース女子」が、BPOから放送倫理違反や人権侵害を指摘されたのは記憶に新しい。4条がなくなれば、こうした仕組みも事実上機能しなくなるだろう。

テレビ離れが言われているとはいえ、影響力は依然大きい。それが、ネット上の情報と同様「何でもあり」の世界になりかねない危険性をはらむ。放送法を所管する野田聖子総務相が、国会答弁などで疑義を表明しているのはもっともである。

こうした構想がなぜ唐突に浮上したのか、政権の真意を疑わざるを得ない。

安倍内閣は従来の自民党政権にもまして、4条を口実に放送に介入し圧力をかけてきた。だがその強権姿勢は厳しい批判を浴びた。一方で首相は、バラエティー番組や政治的公平性を求められないネットテレビには進んで出演し、自らを宣伝する。4条撤廃の衣の下からは、メディアを都合良く使える道具にしたいという思惑がのぞく。

放送と通信の今後のあり方を検討するのは大切だ。だがそのことと、今回の危うい議論とは切り離して考えねばならない。
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[読売新聞] 両陛下沖縄訪問 平和への思いを引き継ぎたい (2018年03月31日)

退位を前にして、いま一度訪れたい、という強い願いを果たされた。

天皇、皇后両陛下が沖縄県を訪問された。両陛下にとっては通算11回目だ。天皇陛下の在位中は、これが最後になるとみられる。

陛下は到着早々、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑で沖縄戦の犠牲者を慰霊された。墓苑の関係者には「たくさんの戦没者を守っていただいて」と謝意を伝えられた。

沖縄では、先の大戦中に、住民が約9万4000人も犠牲になったとされる。

陛下は皇太子時代、「日本人の忘れてはならない四つの日」として、終戦記念日、広島、長崎の原爆投下の日に加えて、6月23日の沖縄慰霊の日を挙げられた。

昭和天皇も晩年、沖縄訪問を切望されたが、病により実現しなかった。その遺志を継いだ面もあろう。苦難の道を歩んだ沖縄の人々に徹底して寄り添い、平和を祈念する。陛下の行動からは、そのような信念が伝わってくる。

1975年の初の沖縄訪問時には、「ひめゆりの塔」で火炎瓶を投げつけられる事件に遭遇した。それでも、陛下の沖縄に対するお気持ちは変わらなかった。

93年に、天皇として初めて訪問し、戦後50年だった95年には「平和の礎」に足を運ばれた。2014年には、学童疎開船「対馬丸」の犠牲者に供花された。

退位後は、静かな日々を送られる見通しだ。一つの区切りとなる今回のご訪問は、陛下の心に深く刻まれたのではないか。

戦後の象徴天皇として、平和への思いを常に示されてきた陛下の姿勢は、皇太子さまにも引き継がれることだろう。

政府は代替わりに向けた準備を着々と進めている。式典準備委員会は、一連の儀式の進め方について、基本方針を決定した。

国内外に新天皇が即位を宣言する「即位礼正殿の儀」は、来年10月22日に行われる。新天皇が国家の安寧を祈る「大嘗祭(だいじょうさい)」は、11月14?15日となる予定だ。

一連の儀式は、基本的に平成の代替わりを踏襲する。宗教的な性格を有するとされる「大嘗祭」は、今回も国事行為ではなく、皇室行事として執り行われる。概(おおむ)ね妥当な内容だと言えよう。

今秋には、政府の式典委員会が新たに設置され、具体的な準備に着手する。前回は計3000人が招かれた「饗(きょう)宴(えん)の儀」の規模をどこまで縮小するか、といった問題が残る。国民に広く受け入れられる式典にしてもらいたい。
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[読売新聞] 公示地価上昇 デフレ心理を払拭する弾みに (2018年03月31日)

地価の回復が大都市から地方に一段と広がってきた。全国的な資産価値の安定を、企業や消費者に染み付いたデフレ心理の払(ふっ)拭(しょく)につなげたい。

国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、住宅地の全国平均が、集計に表れない前年のかすかな伸びを経て10年ぶりに明確な上昇を示した。全用途と商業地の上昇は3年連続となり、上げ幅もそれぞれ拡大した。

訪日客の増加で大都市に限らず店舗・ホテルの建設需要が増している。2020年東京五輪を見据えた都市部の再開発も盛んだ。

こうした実需に基づく地価上昇は、景気の見通しを明るくし、新たな投資や消費を呼び込む好循環を促す効果が期待できる。

特に東京、大阪、名古屋の3大都市圏以外にも、地価の持ち直しが波及してきたのは心強い。

鳥取県日吉津村の住宅地は、上昇率が前年の1・3%から2・2%に拡大した。子育て世帯へのきめ細かな支援で人口が増え、住宅の新築が相次いでいる。

地方圏の商業・工業地は、実に26年ぶりの上昇となった。再開発で店舗の出店が目立つ山形市や、ホテルや飲食店が訪日外国人で賑(にぎ)わう高松市が上昇に転じた。

全国の自治体や経済界には、地域の特性を生かした賑わいを取り戻す知恵を競ってもらいたい。

商業地と住宅地で上昇率トップの北海道・ニセコ地区は、海外資本による開発ラッシュが続く。

スキー場に先進的な安全ルールを設けるなど、外国人誘致の工夫が奏功した。参考になろう。

東京都心などでの局地的な地価高騰には、引き続き警戒が要る。全国で最も地価が高い「山野楽器銀座本店」では、上昇率が鈍化したとはいえ、バブル経済期の最高値を上回る1平方メートルあたり5500万円に達した。

日銀の超金融緩和による低利融資が不動産投資の背中を押している。米国の利上げ進行で日米金利差が拡大し、円の調達コストが相対的にみて低い日本に注目する外国人投資家も少なくない。

政府・日銀は投機的な取引への目配りを怠ってはなるまい。

地方では逆に、地価に下げ止まりの兆しが見えない地域が多いのも事実だ。地方圏の全調査地点のうち52%は下落が続いている。岩手、奈良、富山県は住宅地の平均下落率が拡大した。

長期的には、公共施設を市街地中心部に集約するコンパクトシティー構想など、人口減に対応した地域作りが課題となろう。
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2018年03月30日

[東京新聞] エジプト大統領 抑圧で追い詰めるな (2018年03月30日)

エジプト大統領選ではシシ大統領再選が確実視される。自由への抑圧は「アラブの春」前より悪化したかのようだ。民意をないがしろにした政治は、若者らを追い詰め社会の分断を深めるだろう。

選挙らしからぬ選挙だった。出馬表明した候補者や支持者らは次々拘束され、サダト元大統領のおいは出馬を断念した。シシ氏と小政党党首との争いとなったが、無論相手にならない。

七年前、中東諸国に広がった民主化運動「アラブの春」の際、エジプトでは百万人規模のデモを繰り広げ、三十年続いたムバラク政権を崩壊させ、初の自由選挙でモルシ氏を大統領に選んだ。しかし、シシ氏率いる軍のクーデターがモルシ政権を倒し、前回大統領選でシシ氏は圧勝した。

シシ政権で目立つのが軍への依存。県知事の半数以上が軍出身。食料や工業製品、石油の販売など経済分野でも軍を活用する。

一方で、デモや政治活動への規制を強める。目の敵にされているのが穏健派イスラム組織「ムスリム同胞団」。福祉活動に力を入れて支持を広げ「アラブの春」の原動力ともなった。シシ氏は「アラブの春」での軍と同胞団との同床異夢を解消し、弾圧を進めている。確かに、同胞団が主導したモルシ政権下でのイスラム化政策には行き過ぎとの批判もあった。

エジプトでは、イスラム主義派と世俗派との対立が解けないまま、軍が権威と決定権を持つに至った。今回のような軍を背景にした強権政治は、テロ対策に一時は必要だっただろうが、長期化すれば必ず社会の安定を損なう。

本紙カイロ支局の奥田哲平記者は、一九八一年のサダト元大統領暗殺を引き合いに出して「正しい理由」に基づく暴力を容認する同胞団メンバーの声を伝えている。

「アラブの春」の結末はシリアやリビアの内戦となり、エジプトでは社会を逼塞(ひっそく)させ、今や見る影もない。しかし、人々の心にいったん根付いた自由への思いを、消し去ることなどできない。若者らを抑え続ければ、過激派へと走らせかねない。

シシ氏は新首都構想などの大規模事業で、政変や治安悪化により打撃を受けた経済の再建を図る。開かれた自由な社会は、海外から観光客や投資を呼び込むことにもつながる。

中東全体の安定のためにも、「アラブの盟主」だったエジプトが落ち着きと外交力を取り戻すことは欠かせない。
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[産経新聞] 【主張】欧米の対露制裁 日本は「見ぬふり」なのか (2018年03月30日)

英国における元ロシア情報機関員らに対する神経剤襲撃事件は、深刻な国際法違反である。

条約で禁じられた化学兵器を製造し、外国で使用することにより、亡命者とその家族を暗殺しようとした。事件の解明と責任の追及は、国際社会にとり欠かせない。

だからこそ、欧米諸国や北大西洋条約機構(NATO)のおよそ30カ国・機関が、ロシアを非難し、外交官150人以上の追放を決めたのである。

ところが、この対露制裁の環(わ)に日本は加わっていない。見て見ぬふりをするような態度は不適切であり、国益を損なう。

メイ英首相は各国・機関の協力について「ロシアが国際法を無視し続けることができない最大級のメッセージを連帯して送る」ものだとして歓迎した。

メイ氏は20日、安倍晋三首相と電話で協議した際に、英国の立場への支持を要請した。だが、日本は十分に応えていない。

自由と民主主義や人権、主権の尊重といった基本的な価値観を、日本は欧米と共有すると繰り返しながら、問題が起きると行動に移さない。そう受け止められた国がどこまで信用されるか。

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北朝鮮による日本人拉致問題の解決について、政府は諸外国の支持を求める際、それが国家犯罪で人権と主権の侵害だと訴えてきた。神経剤襲撃事件を軽視する姿勢は、日本の覚悟にみずから疑問符をつけるようなものだ。

米国のトランプ政権は、諜報活動への従事を理由に60人の露外交官の追放を決めた。トランプ氏は英独仏の首脳と個別に電話で協議し、露外交官追放を含め連携を確認した。マティス国防長官はロシアによる化学兵器使用について「明白だ」と断言した。

日本は「事実関係の解明が先決」との見解を示すにとどまっている。ロシアによる重大な国際法違反が問題視されているのに、目をつぶる。これでは価値観外交が泣くだろう。そうした姿勢に基づく対露外交なら、練り直しが必要である。

河野太郎外相は21日のラブロフ露外相との会談で、ロシアによる新型核兵器の開発や北方領土での軍事力増強に懸念を伝え、激しく応酬したという。それは妥当だが、会談後直ちに公表していない。相手の顔色を気にする外交は足元をみられる。
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[東京新聞] 無期雇用転換 雇い止めの横行を防げ (2018年03月30日)

有期の労働契約で働く人が無期雇用に転換できる「無期転換ルール」が四月から本格的に始まる。解雇への不安を解消する制度だが、無期になる直前に雇い止めをされるケースが横行している。

無期転換ルールが、雇用の安定を損なうのなら制度の見直しを検討すべきだ。

非正規で働く有期雇用の人は、リーマン・ショックで雇い止めが問題となった。そこで雇用を継続させるためにこのルールが導入された。同じ職場で通算五年を超えて働くと、本人が求めれば無期雇用に転換できる。

四月で導入から五年となり転換を迎える人がでてくる。有期で働く人は全国に約千二百万人、うち四百万人以上が無期転換できる可能性があるといわれる。

無期転換を進める企業もあり一定の効果はあるようだが、ここに来て雇い止めをして無期転換を逃れているとみられるケースが目立つ。一般企業に限らず大学や研究機関、病院などの労働者が声を上げ始めた。

数年働いて契約が切れた後、六カ月以上を経て再雇用されると以前に働いた期間は「通算五年」にカウントされずリセットされる「クーリング期間」がある。

この期間は、企業が繰り返し利用して有期で雇い続けることで、無期転換を阻む「抜け穴」になっていると指摘されている。

厚生労働省が昨年末に公表した大手自動車メーカー十社の調査によると、七社が契約期間の上限を五年未満としてクーリング期間を設けていた。

こうした懸念はルールが導入された二〇一三年当時からあった。企業のモラルに頼るだけでは不十分である。政府は「抜け穴」をふさぐ手だてを考えるべきだ。

無期転換されても正社員になるわけではない。賃金や職務、福利厚生などの条件は非正規雇用のままである。ここにも課題がある。

十四年勤めた製薬会社に雇い止めされた女性は、必要な資格取得を申し出たが「『パートに研修は考えていない』と言われた。必要なくなれば切り捨てられる存在」と訴えた。正社員と同じ業務を担っていた自負があっただけに落胆は大きかっただろう。

企業はもともと「雇用の調整弁」として有期雇用の人を抱えてきた。だが、企業経営はそこで働く人の安定した生活があってのものだ。人材を育て待遇改善や正社員化にも努める発想に改める必要がある。
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[産経新聞] 【主張】公示地価 実需伴う回復欠かせない (2018年03月30日)

地価の緩やかな回復が鮮明になってきた。国土交通省が公表した今年1月1日時点の公示地価は、全国平均の住宅地が10年ぶりに上昇し、地方圏の商業地も26年ぶりのプラスに転じた。

低金利を背景に都市部の住宅需要が堅調だったのに加え、訪日客の増加などで商業地でもホテルや商業施設の建設が活発化したのが大きな要因だ。2020年の東京五輪を控え、再開発事業が大都市で相次いでいることも地価の回復を後押しした。

投機マネーによる思惑先行の地価の急激な値上がりは、その後の反動などで経済活動への悪影響も大きくなる。今回の回復は実需に支えられたものといえ、デフレ脱却の追い風ともなろう。

地価の健全な回復をさらに促していくためにも、人口減少が続く地方圏を含め、今後の社会構造の変化を見据えた「まちづくり」が求められる。

全国平均の住宅地・商業地とも前年より上昇した。とくに商業地は全国だけでなく、東京・大阪・名古屋の三大都市圏や札幌・仙台・広島・福岡の地方中核4市で上昇幅が拡大した。こうした動きが地方圏における商業地のプラス転換へと波及したようだ。

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ただ、局地的なバブルには警戒が欠かせない。全国の上昇率トップは、住宅・商業地とも北海道倶知安町だった。スノーリゾートの集積地として知られ、訪日客の人気も高いが、前年より3割以上も値上がりした。地方4市の商業地でも8%近く上昇した。

地価の高騰は実需も冷やしかねない。東京圏ではマンション価格が高止まり傾向にあり、成約件数は伸び悩んでいる。投機的な土地取引に対する監視が重要だ。

都市部や駅周辺の再開発事業が進めば、地域の利便性が向上して土地の収益性が高まる。実際のニーズに基づいて地価が回復すれば、企業心理の改善なども期待できよう。そうした地域では、土地の有効活用を促す規制緩和なども必要である。

地方圏の住宅地では、マイナス幅は縮小したが、地価の下落は止まっていない。

地方圏を中心に増加が続く空き家や空き地は、周辺環境の悪化にもつながる。地方都市の中心部に都市機能を集約し、住民を呼び寄せる取り組みを、かけ声倒れに終わらせてはならない。
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[毎日新聞] 放送の「政治的公平」撤廃案 透けて見える政権の思惑 (2018年03月30日)

産業政策に名を借りた新たなメディアコントロールではないか。放送に関与し、都合のよい番組を流したい政権の思惑が透けて見える。

政府が検討している放送制度改革案が判明した。通信との垣根をなくし、新規参入を促すのが狙いだ。

その具体的手段として挙げられているのが放送法4条の撤廃である。放送事業者が番組を作る際の原則で「政治的公平」などを明示する。

4条の扱いは、放送と政権の関係が問われるたびに注目されてきた。

放送局が目指す倫理規範とみるのが通説だが、国は行政処分ができる法規範との解釈を取っている。

安倍政権下の2014年衆院選では、自民党が民放とNHKに選挙報道の公平中立・公正を求めた。直前の番組では、首相が自分に批判的な声を集めた街頭インタビューに反発する場面があった。16年には、当時の高市早苗総務相が4条違反で電波停止を命じる可能性に言及した。

このように4条は政治介入を許す口実に使われる側面がある。今回はその4条撤廃を唐突に持ち出した。

4条を撤廃しインターネット事業者などが参入しやすくなると、極端な表現をする番組やフェイク(偽)ニュースが横行する恐れがある。

放送を所管する野田聖子総務相は衆院総務委員会で、4条がなくなれば事実に基づかない報道が増加する可能性があるなどと懸念を示した。

放送法の目的は本来、放送による表現の自由を、社会的影響力に対処しつつ保障することにある。

1条は「放送が健全な民主主義の発達に資するようにする」とし、3条は「番組は法律に定める権限がなければ干渉・規律されない」とうたう。これらを前提にした4条だけを切り離して論じるのは不適当だ。

放送の自主自律を堅持し、問題があるなら、NHKと民放が設立した放送倫理・番組向上機構(BPO)などが解決すべきである。

改革案は政府の規制改革推進会議が集約する。会議の委員には、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の番組「ニュース女子」の進行役を務めた東京新聞論説委員も名を連ねる。この番組の沖縄報道は放送倫理違反に問われた。

政府のご都合主義で放送制度改革を進めることがあってはならない。
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[毎日新聞] 平成の政治史に残る事件 進次郎氏の認識は正しい (2018年03月30日)

2018年度予算が成立し、通常国会は後半戦に入った。

政府・与党は6月の会期末までに「働き方改革」関連法案や、カジノの設置を可能にするための法案などの成立を図る構えだ。

森友学園に関する文書改ざん問題は、真相がまったく解明されていない。なのに、政権側は佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問で政治的なヤマは越えたと強引に解釈している。

改ざんを指示した人物や実行者の特定は、財務省の調査や大阪地検特捜部の捜査に委ねるつもりらしい。

自民党は何か考え違いをしているのではないか。今回の改ざんは国会こそが当事者であり、与野党の政争レベルをはるかに上回るからだ。

同じ自民党でも小泉進次郎筆頭副幹事長はこんな認識を示している。

「平成の政治史に残る大きな事件と向き合っている」。25日の自民党大会後、記者団に語った。私たちもまったく同感だ。

かつて自民党政権を揺るがしてきたのは巨額の金銭スキャンダルだった。首相の犯罪が問われたロッキード事件はその代表例だ。

平成の政治はこうした金権政治の後始末で始まる。竹下内閣を直撃したリクルート事件で国民の政治批判は頂点に達し、衆院に小選挙区制が導入され、政党助成制度が生まれた。橋本内閣以降は省庁の再編と首相官邸機能の強化が進められた。

確かに大規模な贈収賄は影をひそめたように見える。官邸の調整力も増した。しかし、今の安倍晋三政権で目につくのは、「政治主導」を飛び越えた首相権力の肥大化だ。

今回の改ざんは、国会を欺くのをいとわないほどに官僚の感覚がまひしていることを示した。裏返せば役所を組織的にまひさせるほど絶大な力が働いたということだろう。

ここに平成の政治史における本件の特異性がある。政治改革に伴う極端な負の産物というほかない。

すべての与野党議員に問いたい。

国会議員は国民の代表者であり、国会こそが行政権力を生み出すすべての源だ。その国会に行政府が虚偽の文書を提出し、報道がなければ闇に葬られていた事態の処理を、国会がやらずして誰がやるのかと。

被害を受けたのは、この国の民主的な政治システムである。
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[読売新聞] セ・パ開幕 野球の魅力を球場で味わおう (2018年03月30日)

プロ野球シーズンの到来である。セ・パ両リーグが30日開幕する。

白熱したペナントレースを期待したい。

プロ野球は、娯楽が多様化した現在でも、高い人気を保っている。多くの根強いファンに支えられているからだ。

昨季、セ・リーグの入場者数は初めて1400万人を突破した。パ・リーグは、前年よりわずかに減ったとはいえ、1100万人を超えている。両リーグの複数の球団が、実数発表となった2005年以降で最多を記録した。

球場に女性ファンが目立つようになって久しい。各球団の趣向を凝らしたファンサービスは、着実に効果を上げている。

球場も変貌(へんぼう)を遂げている。多彩な食事やショッピングなども楽しめる「ボールパーク化」が進む。ファン層を拡大するための有効な手法だと言えるだろう。

経済界出身の斉藤惇氏が昨年11月、プロ野球の新たなコミッショナーに就任した。斉藤氏は「プロ野球界をさらに活力あるものにしたい」と語っている。培ってきた経営手腕を球界全体の底上げのために発揮してもらいたい。

無論、何よりも大切なのは、手に汗握る面白い試合を見せることだ。選手には、ファンをうならせる高い技量が求められる。

日本ハムで活躍した二刀流の大谷翔平選手が大リーグに移籍した。日本球界全体にとって、大谷選手が抜けた穴は大きい。

一方で、清宮幸太郎選手ら、次代を担う逸材が多数プロ入りしたのは明るい材料である。

上原浩治投手が大リーグから10年ぶりに巨人に復帰した。松坂大輔投手は、復活を期してソフトバンクから中日に移籍した。

ベテランのいぶし銀の技と若い力のぶつかり合いが楽しみだ。

ルールの変更も、今季の注目点だ。打者を敬遠する際、監督が審判員にその意思を伝えれば、投手が4球投げなくても、一塁に歩かせることができる。

試合時間の短縮が目的だが、効果は極めて限定的だろう。敬遠球を打ってサヨナラ勝ち、といったシーンは見られなくなる。

「リクエスト制度」も導入される。審判員の判定に異議がある場合、監督がリプレー検証を要求できるようになった。微妙な判定が正しいかどうか、明確にすることは必要だが、検証により、試合の流れが寸断される弊害がある。

ファンの反応や試合進行への影響を見極めて、より良いルールに改めていくべきだ。
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[朝日新聞] 財政再建論議 まずは「森友」の解明だ (2018年03月30日)

新年度予算の成立を受け、政府はきのう、首相が議長を務める経済財政諮問会議で、新たな財政再建目標とそれを達成する具体策に向けた議論を始めた。

来年秋に予定する10%への消費増税を前提に、高齢化で膨らみ続ける社会保障費をどの程度抑制するかなどが焦点になる。

しかし肝心の財務省、そして安倍政権は、森友学園への国有地の大幅値引き売却とそれを巡る決裁文書の改ざんについて納得のいく説明をしておらず、国民の信頼を失ったままだ。

こんな状態で、国民に痛みを求める財政再建を進められるのか。まずは疑惑を解明し、きちんと説明するのが先だ。

国の借金が1千兆円を超え、日銀による国債の大量購入で財政規律のゆるみが指摘されるだけに、財政再建自体は待ったなしの課題である。

借金に頼らず政策経費をまかなえるかを示す基礎的財政収支について、政権は20年度に黒字化するとしていた。しかし首相は昨年、衆院解散の表明にあわせて、消費税収の使途を教育無償化にも広げる政策変更とともに目標の達成を断念した。

内閣府が1月に示した最新の試算では、経済が高めの成長を続けた場合でも、基礎的収支が黒字になるのは27年度だ。

今後の議論では、黒字化の時期をどれほど前倒しするか、それに伴いどんな歳出抑制策をとるかが問われる。ただでさえ国民の反発が予想されるのに、森友問題でその視線は厳しさを増している。疑惑の解明が議論の前提になるのは当然だろう。

ところが国会での証人喚問で、財務省の佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長は核心部分について証言拒否を繰り返した。省内を調査中の財務省も、大阪地検の捜査の行方を見守る姿勢だ。

安倍首相は全容解明の必要性を強調しながら、リーダーシップを発揮しているとはいえない。麻生財務相は、森友問題が連日大きく報道される一方、環太平洋経済連携協定(TPP11)の記事が少ないとして「(それが)日本の新聞のレベル」と国会答弁で揶揄(やゆ)した。

事態の深刻さに向き合わない不誠実な姿勢である。問われているのは、国民を代表する国会を行政が欺いたという重大な問題だ。与党も野党もなく、森友問題を調べる態勢を国会に整える。その場を通じて財務省をはじめ政府が説明責任を果たす。国民の信頼を取り戻すには、そうした取り組みが不可欠だ。

もう一度言う。信頼を失った政権が財政再建を論じても、国民の理解は得られない。
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[朝日新聞] 天皇と沖縄 「心痛む」歴史への思い (2018年03月30日)

天皇、皇后両陛下が11回目となる沖縄への旅を終えた。来年春の退位が決まり、これが最後の訪問といわれている。

お二人はかねて沖縄に深く思いを寄せてきた。原爆忌、終戦の日とともに、沖縄戦で組織的戦闘が終わったとされる6月23日を特別な日と位置づけていることは、よく知られた話だ。

73年前の今ごろ、沖縄本島の海は米艦船で埋まった。3カ月に及んだ激戦での死者20万人。その半数以上を県民が占める。

両陛下は、国内はもとより、サイパン、パラオなど海外の戦跡にも足を運んできた。そして今回も、まず訪れたのは糸満市の平和祈念公園だった。

戦争で犠牲となった命を忘れない。あの惨禍を再び起こしてはならない――。その思いと行動は、多くの国民に共感をもって受け入れられてきた。

もちろん、憲法が定める国事行為以外に、天皇の活動が広がることには十分な注意を払わねばならない。だが陛下の「慰霊の旅」は、憲法がうたう平和主義の理念に重なる。戦後日本がくり返してきた不戦の誓いを、あらためて胸に刻みたい。

今回は初めて、日本最西端の与那国島の地も踏んだ。

思い出すのはおととし夏のメッセージだ。即位以来、「国民統合の象徴」としてのあり方を模索してきたと明かし、その役割を果たすために遠隔地や島々への旅を大切にしてきたと語った。沖縄への思いのもとにあるのは、戦争だけではないことをうかがわせるものだった。

ところが近年、「統合」ではなく、逆に分断を広げる中傷や偏見が沖縄に投げつけられている。ネットの世界は言うに及ばず、テレビ番組の出演者や、公を担う政治家が平然と口にする。憂うべき光景である。

沖縄はかつて琉球王国として独自の王を頂いていた。明治の琉球処分や戦争、米軍統治を経て、いまも基地が集中する。

陛下は03年の会見で、沖縄の歴史をひもとくのは「心の痛むこと」だと吐露し、「それであればこそ沖縄への理解を深め、沖縄の人々の気持ちが理解できるようにならなければならないと努めてきた」と述べた。

「日本にとって我々は何なのか」。沖縄が本土に何度も発してきた問いだ。それに対する答えが、こうした発言であり、重ねた訪問といえる。

以前は強い反発を示していた「天皇」という存在を、沖縄は自然体で迎え入れるようになった。翻ってそれは、本来、問いに向き合うべき政治の貧しさ、社会のゆがみを映し出す。
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[読売新聞] 公文書管理 信頼回復へルールを徹底せよ (2018年03月30日)

政策決定の過程を記録に残し、検証に堪えるようにする。それには、明確なルールを守る意識を行政組織の隅々に行き渡らせねばならない。

学校法人「森友学園」への国有地売却問題では、財務省は政策判断の根拠などを記した決裁文書について、大量の記述を削除していた。だれがなぜ、こうした改ざんに手を染めたのか。経緯と動機の解明は続ける必要がある。

同時に、文書の管理体制にメスを入れることが大切だ。

安倍内閣では、行政文書に関する不祥事が相次いでいる。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題では、稲田朋美・元防衛相が辞任に追い込まれた。

安倍首相は「公文書管理のあり方について政府を挙げて見直す」との決意を示している。失われた信頼を取り戻さなければ、政策遂行は、おぼつかない。首相は、指導力を発揮すべきだ。

有識者による内閣府の公文書管理委員会は昨年末、新たな公文書管理の指針を了承した。

政策決定過程の検証に必要な文書は、原則「1年以上」保存する基準を示した。「1年未満」で廃棄できる文書の範囲も絞り込んだ。重要な内部の打ち合わせや、民間などとの折衝記録は文書として作成することも定めた。

各省庁はこの指針に沿った新たな文書管理規則をそれぞれ設け、4月から運用する方針だ。着実な履行が求められる。

森友学園を巡って、財務省は当初、交渉記録は保存期間1年未満の文書として廃棄した、と説明していた。こうした言い逃れを防ぐ効果も期待できよう。

重要なのは、公務員一人ひとりが重責を自覚し、適正かつ効率的に業務を推進することだ。その過程を文書化して、国民への説明責任を果たすことは、健全な民主主義に欠かせない。

決裁文書の扱いに関し、首相は電子決裁の推進を各閣僚に指示した。行政のペーパーレス化を促進するとともに、書き換えの履歴が残ることで、不正防止にもつながる。積極的に普及させたい。

自民党からは、公文書管理法に改ざんを罰する規定を設けるべきだとの意見が出ている。

刑法には既に、公用文書の改ざんに適用される罪が設けられている。いたずらに罰則を加え、公文書作成の手順などを煩雑にすれば、記録を残さない風潮を助長しかねない、との指摘もある。

まずは、新ルールの定着を優先してはどうか。
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