2018年02月28日

[東京新聞] 中国主席の任期 なぜ歴史に学ばぬのか (2018年02月28日)

中国で国家主席の任期制限が撤廃される。「一強」の習近平主席の長期政権が現実味を帯びる。任期制は個人独裁を防ぐ政治の知恵であったはずである。なぜ歴史に学ばず、強権を求めるのか。

中国共産党が二期十年としてきた正副国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正案を公表した。三月の全国人民代表大会(国会)で可決されるのは確実で、習主席の三期目に道を開くための憲法改正であるのは疑いない。

人民日報傘下の環球時報は「国家主席の終身制復活を意味しない」と予防線を張った。だが、任期制限撤廃は制度的な権力継承を妨げ、独裁的な権力集中を招く。

中国では最高指導部である七人の党政治局常務委員の合議で重要政策を決める集団指導体制がとられている。強大な権力が毛沢東に集中し一億人余が被害にあったといわれる文化大革命の反省から、〓小平が国家主席の任期制と集団指導体制を確立した。

習氏の前任である胡錦濤氏、その前任の江沢民氏も党総書記と国家主席を兼任した。党規約に総書記任期の上限はないが、両氏とも国家主席の任期を守り、約十年で後任にポストを譲った。

憲法改正で習氏が長期の最高権力掌握を正当化すれば、政治の知恵であった集団指導体制を形骸化させるだけでなく、個人独裁という悪夢すら現実味を帯びる。

任期撤廃について地方幹部などから「党と国家の指導体制を完全なものにする」と歓迎する声が出ているという。最高指導部で別格の「核心」に位置づけられ、「習近平思想」が党規約に盛り込まれた絶対権力者への追従が目立つ政治状況は危険である。

習氏は重要会議などで「党の全面的指導」を掲げ、「西側の民主主義」を導入しないことを強調する。民主主義に伴う非能率や政治の機能不全を排し、強いリーダーによる中国流の統治を目指しているのだろう。

習氏が目標に掲げる世界最高水準の国力を持つ「社会主義現代化強国」の実現には、自身への権力集中が必要との自負があるように映る。だが、独裁的な政治や言論統制に社会は悲鳴を上げている。

経済発展を背景に、中国の人たちの考え方は多様化し、共産党礼賛の意見ばかりではない。

「中華民族復興の夢」のため、独裁的な権力で国を「習カラー」一色に染めるような統治は、歴史に学ぶ政治手法とはいえない。

※ 〓は、登におおざと。
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[産経新聞] 【主張】慰安婦問題 合意破りは外交の破壊だ (2018年02月28日)

韓国の康京和外相と鄭鉉栢女性家族相が相次いで、国連機関に慰安婦問題を持ち出した。明らかな日韓合意破りであり、許されない。

個々の閣僚の発言として見過ごすことはできない。慰安婦問題で日本を攻撃し、国内の支持を取り付けようとする文在寅政権の意図がくっきりとみえてくる。

北朝鮮の核・ミサイル問題に、日韓が連携して対処しなければならないときに、両国関係にヒビを入れてどうするのか。

今は日本も強く反発しにくいと踏んで、非難を強めているようにも映る。そのようなあざとい手法を、一国の指導者がとっているとは信じがたい。

韓国の康外相は26日、国連人権理事会で、日韓合意は慰安婦問題の解決にとって不十分だとの認識を示した。鄭女性家族相は22日、国連女子差別撤廃委員会で、「性奴隷」の表現を用いた。

菅義偉官房長官や河野太郎外相が「受け入れられない」と抗議したのは当然である。

2015年12月の日韓合意で、両国政府は「国連など国際社会」において慰安婦問題について「互いに非難・批判することは控える」ことを約束した。問題の「最終的かつ不可逆的な解決」も確認した。康、鄭両氏の発言は、合意を無視するに等しい。

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合意が解決に不十分と言い張るのは、問題の単なる蒸し返しにすぎない。

日本政府が資金を拠出し、両国政府が協力して慰安婦の「心の傷を癒やす措置」をとるというのが日韓合意の主眼であるはずだ。

鄭氏は「性奴隷」という、歴史をゆがめた表現を用いて謝ろうともしない。担当する任務は「反日活動」なのかと疑いたくなる。

極めて深刻なのは、国と国との約束事である日韓合意を履行しない姿勢を、韓国が国連機関の場でとって恥じない点だ。

各国が条約などの国家間の約束事を順守する。それは健全な国際秩序を作る上で不可欠の前提である。政権が代わっても、責任をもって守らなくてはならない。

それを顧みない文政権は、国際社会の普遍的な原則を踏みにじっている。国際ルールを守らない国として、韓国への世界の目は厳しさを増していくだろう。

日本が文政権に翻意を促すのは、韓国のためでもある。
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[東京新聞] フリーランス 活躍には守る手だても (2018年02月28日)

個人で仕事を受注する「フリーランス」の人たちを保護すべきだ−。そんな考え方を盛り込んだ報告書を公正取引委員会の有識者会議がまとめた。働き方の多様化で考えるべき時期にきている。

フリーランスは、会社員や団体職員などの雇用者と異なる。特定の企業に属さず仕事を発注者から受注する個人事業主である。

IT技術者や編集者、デザイナー、美容師、大工など幅広い。会社員などの副業を含む人口は二〇一六年に千六十四万人、前年比で17%増えたとの推計もある。

増加の理由は、インターネットの普及だ。場所や時間に関係なく仕事ができる。働き方の多様化で一つの企業に勤めるより、技能を磨きながら複数の発注者と契約をして働く方が収入を得やすいとの考え方も広がっているようだ。

個人の専門性を生かせる働き方だが、仕事の発注者に対し立場が弱い。契約書が存在せず、不当な契約を強いられるケースも少なくない。会社員らは労働法制で守られているが、フリーランスは規制の対象外でこれまで働く環境に注意が払われてこなかった。

報告書は、個人として働く者の増加に社会全体が対応しきれていないと指摘、不当な契約を公正な人材獲得競争をゆがめる行為とし独占禁止法の適用を打ち出し、企業に対応を促している。

具体的には、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」に抵触する恐れがあるケースとして、報酬の支払い遅れや一方的な減額、著しく低い報酬での取引を求めたりすることなどを挙げた。

スポーツ界ではチーム同士が選手の引き抜きをしないことを申し合わせたり、芸能界では所属事務所が契約改定協議に応じないことも違反になり得るとした。

発注する企業にとっても、人材活用の公正な競争の促進が進めば経済成長にもつながるはずだ。適正な契約を広げてほしい。

働く環境の整備は、独禁法による規制だけでは不十分だろう。

ある市民団体の調査ではフリーランスで働く女性の約六割が、出産後二カ月以内に復職していた。会社員のように育児休業給付金がなく働かなければ生活できないからだ。こうした労働法制でも手だてがないか検討が要る。

自宅で仕事ができることから会社員より保育所入所選考で不利になる問題もある。政府は差をつけないよう自治体に要請したが、こうしたきめ細かい環境整備にも知恵を絞るべきだ。
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[産経新聞] 【主張】「3・11」を前に 避難行動の実践と継承を (2018年02月28日)

東日本大震災から、7年になる。

鎮魂の日である3月11日を迎える前に、津波の恐ろしさと避難の大切さを再確認したい。

大震災の1年前、2010(平成22)年2月27日に発生したチリ地震を思い起こそう。

142人の死者を出した1960(昭和35)年のチリ地震津波のような大災害には至らなかったが、それがかえって大震災で1万8千人を超える命が津波に奪い去られる悲劇につながったのではないか。

南米チリ沖を震源とするマグニチュード(M)8・8の地震で、日本列島にも大津波が襲来する可能性があるとして、気象庁は28日午前、青森、岩手、宮城県に大津波警報、列島の太平洋岸全域に警報を出した。しかし、自治体の避難指示や勧告に従った住民は、対象者の3・8%だった。

実際に到達した津波は最大でも1・5メートル程度で、漁業施設の被害はあったが死者はでなかった。気象庁は翌日の記者会見で、津波の予測が過大であったとして、警報・注意報の解除が遅れたことを謝罪した。

津波の規模がどうであれ、住民は避難すべきだった。予測精度の向上に取り組む必要はあるにしても、謝罪すべきではなかった。

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津波から命を守る手段は避難しかない。予測の精度や災害時の情報の混乱に左右されることなく、「とにかく逃げる」という意識を持ち続けることが大切だ。

ただ、避難の大切さを頭で理解していても、実践するのは容易ではない。一昨年11月の福島県沖地震では福島、宮城県に津波警報が発令されたが、全住民がすぐに避難を始めたわけではなく、「状況をみてから」などと避難を見合わせる人もいた。

避難行動を実践、継承するために、津波警報や注意報が出たら全員が避難することを地域や自治体の取り決めとし、避難の必要がなければ後で「臨時避難訓練」と位置づけてはどうだろう。

「無駄」「大げさ」といった負のイメージを持たず、自らの意思で避難することが大事だ。高齢者や障害者の把握など、地域防災の課題を確認する機会にもなる。

大震災では、昭和のチリ地震津波の記憶から高台への避難を急ぎ、命が助かった人もいる。「迷わず逃げる」意識と行動を、次世代に引き継ぎたい。
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[毎日新聞] 政府の気候変動適応法案 自治体の計画がカギ握る (2018年02月28日)

豪雨災害の頻発や農作物の品質低下など地球温暖化の影響と見られる被害が日本でも顕在化している。

こうした被害への対応を強化する「気候変動適応法案」を政府が国会に提出した。国の責任を明確に位置付けた上で、自治体に対策を促す内容となっている。

パリ協定の下で世界の温室効果ガスの排出削減が進んだとしても、温暖化はすぐには止まらない。法案を今国会で成立させ、具体的な適応策を実施する必要がある。

法案は国に、治水や高温に強い農作物の開発など、温暖化の被害を抑える「気候変動適応計画」の策定を義務付けた。環境相がおおむね5年ごとに温暖化の影響を評価し、その結果を踏まえて計画を見直す。

自治体に対しては、地域での適応計画の策定に努めるよう求めた。努力義務とはいえ、法案に自治体の責務が明記された意義は大きい。

温暖化の影響は地域によって異なる。自然環境や産業構造、人口構成など地域の状況により、対策の重点をどこに置くかも変わる。自治体が先頭に立たないと、取り組みを効果的に進めることはできない。

ただ、自治体独自の施策作りには限界がある。このため法案では、温暖化の影響に関する情報を収集、分析し自治体や企業に提供する拠点を国立環境研究所に置くことにした。

他の研究機関と自治体との協力関係の構築や、隣接する自治体が共通する課題に連携して対処する体制整備が進めば、より効果は上がる。

適応策の実施には、予算の裏付けが欠かせない。自治体に対する政府の配慮が求められるが、予算には限りがある。例えば治水対策で、堤防の建設などインフラ整備ばかりに頼ることは現実的でない。

だからこそ、環境相が実施する温暖化の影響評価が重要となる。科学的な根拠を提示し、予算の配分に優先順位をつけていく必要がある。

影響は農業や経済、環境など分野横断的なので、一概に優先順位をつけられないこともあるだろう。

例えば、気象災害の影響を受けやすい地域はどこなのかを評価する。それを踏まえてどのように国土利用や地域づくりを進めるのか。そうした根本的な議論を積み重ねていく契機にしたい。
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[毎日新聞] 裁量労働制が問うもの 実態に応じた区分が必要 (2018年02月28日)

裁量労働制が今国会の焦点となっている。問題の本質はどこにあるのだろうか。

国会論議では厚生労働省の調査結果で不自然なデータが存在していることに多くの時間が費やされている。厚労省のずさんなデータ処理は年金記録でも露呈しており、その無責任さには改めてあきれる。

ただ、裁量労働制には私たちの働き方や暮らし方をめぐる重要な問題が内包されている。その議論を丁寧に深めていかねばならない。

裁量労働とは、実際の労働時間に関係なく、労働者と使用者が定めた「みなし時間」だけ働いたことにして賃金を支払う制度だ。デザイナーやメディア関係などの「専門業務型」、企業活動の企画・立案や調査を行う「企画業務型」がある。

今回の政府案では情報システム関連企業で法人顧客向けの企画立案、工作機械メーカーで品質管理の立案などをする人が「企画業務型」の対象に追加される。

ITやロボットによる省力化で単純労働が減り、ホワイトカラーの中でも専門業務や企画業務が増している。働いた時間で賃金を決めるのが合わない仕事は今後も増える。

自分の好きな時間と場所で自分のやりやすいように働くことを求める人も増えている。家族の介護や育児をしながら働いている人、病気や障害があっても働く意欲のある人には、多様な働き方が認められる裁量労働はメリットがある。

ただ、注意しないといけないのは、企業が残業代を削るために、本来適用対象ではない社員にまで裁量労働の枠を広げてしまうことだ。

実際、ゲーム開発やデザイン関係の業界で、裁量労働制を適用された若い社員が残業代なしの長時間労働を強いられる例が相次いでいる。

裁量労働制は、働く側に必要な知識や経験があり、残業代なしでも十分な賃金が保証されなければならない。現在は賃金やキャリア、勤続年数に関する規定がないが、勤務実態に応じた厳密な区分が必要だ。

労組と経営側で構成される労使委員会が具体的な対象者や「みなし労働時間」について決めることになっている。健康確保策も同委員会に委ねられるが、どこまでチェック機能が働くかは疑問だ。
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[朝日新聞] ロヒンギャ 難民帰還に日本が力を (2018年02月28日)

東南アジアの安定と繁栄は日本外交の要の一つだ。いま、それを揺るがす人道危機が迫っている。ミャンマーから隣国バングラデシュに逃れた、70万人ものロヒンギャ難民の行方だ。

にわか作りの難民キャンプに安全に飲める水はわずかしかない。子どもを中心に感染症や栄養不足が広がる。しかも3月末ごろには雨期に入る。サイクロンが襲う季節も近づく。命の危険がいっそう深まっている。

ロヒンギャは、仏教徒が大半のミャンマー西部に暮らすイスラム教徒の少数派だ。その苦境が長引けば、仏教徒とイスラム教徒が混在する東南アジアの社会に深刻な溝を生みかねない。

ミャンマーとバングラデシュ両政府は、1月下旬から難民帰還を始めることで合意した。いまだに実現していないのは、難民の多くが身の安全が守られないと感じているからだ。

ミャンマー政府には、その不安を取り除く重責がある。そのためには、拒み続けている国連関与を認めることが必要だ。

日本は資金援助を約束したが、もう一歩踏み込みたい。国際社会の先頭に立ち、ミャンマー政府が態度を変えるよう説得すべきである。

ロヒンギャはミャンマーで不法移民とみなされ、国籍や移動の自由などが認められてこなかった。治安部隊と武装勢力が昨年8月に衝突したのをきっかけに多くが国境を越えたのは、長年の迫害があったからだ。

「民族浄化」と批判する国連にミャンマー政府は態度を硬化させ、調査団の受け入れを拒んだ。難民の帰還についても国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が関わることを認めていない。ロヒンギャが帰還に二の足を踏むのも当然であろう。

ミャンマー政府は、まずは国連と協力し、帰還後の難民の安全を第三者が保証する枠組みづくりを急ぐべきだ。その先に、ロヒンギャの基本的人権を認める根本的な解決を探る必要があることは言うまでもない。

日本は、ミャンマーが軍事政権の時代に、孤立させずに民主化を促す「建設的関与」政策を続けた。制裁などの圧力を強める欧米とは一線を画してきた。河野太郎外相が1月に外国の閣僚として初めてロヒンギャが追われた村を訪問できたのも、こうした経緯があったからだ。

だが建設的関与には、現状を追認する言い訳との批判もつきまとう。人権状況の改善や民主化につなげられてこそ意味を持つ。日本には独自のミャンマー外交を行う資格と責務があることを忘れてはならない。
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[朝日新聞] カジノ法案 依存症対策が先決だ (2018年02月28日)

これではギャンブル依存症の根本的な防止につながるとは到底思えない。

政府はカジノの具体的な制度を定める統合型リゾート(IR)実施法案の作成を進めている。先頃、方針が与党に示されたが、依存症への対策が不十分で、強い懸念を抱く。

案によると、日本人や日本在住の外国人の入場を「連続する7日間に3回」かつ「(同)28日間で10回」までに制限、入場料は2千円とするという。

週に3回なら十分に頻繁といえる。2千円が利用抑止につながるのかも疑問だ。

入場制限は、すでにカジノがあるシンガポールや韓国でもそれぞれ月に「8回」「15回」としている。10回とはいかにも間をとったようだ。「世界最高水準の規制」(安倍首相)との方針はどこへいったのか。

自民党の推進派議員からは「厳しすぎる」との声が聞かれるが、理解に苦しむ。狙いは海外からの観光客でも、日本の住民はいつでも行ける。入り浸らないようどう対策をとるかは重要な問題だと認識すべきだ。

内閣府の外局としておかれる「カジノ管理委員会」の機能にも、懸念がぬぐえない。

委員会はカジノの適正な運用を管理し、業者と反社会的勢力とのつながりの有無などを調べる。違反があれば改善命令も出す。新組織にこれだけの業務を担えるのか。省庁を新設するほどのことなのに、警察や他省の協力、メンバー構成など、詰めるべき点はあまりに多い。

IRに関しては25年の万博誘致をめざす大阪府・市が、人工島を候補地にあげ、日本維新の会代表の松井一郎知事が積極姿勢を示す。長崎県や和歌山県なども誘致に意欲をみせる。

だが、米国など海外業者の進出でかえって日本人の資産が流出しかねないとの指摘もある。カジノがなくても海外からの訪日客は昨年、2800万人を上回り、旅行で使ったお金も4兆円を超えた。いま求められる活性化策が何なのか。各自治体は住民の意見を聴く機会を設け、一度立ち止まるべきだ。

与党はIR実施法案とは別に、借金や家庭崩壊につながるギャンブルへの依存を広く予防し、回復を促すための依存症対策基本法案を国会に提出。野党も似た趣旨の法案を出している。こちらをじっくり審議することが先決ではないか。

すでに日本にはパチンコなどのギャンブル依存症が疑われる人が、推計で70万人(厚生労働省)いる。現実を踏まえて考えることが大切だ。
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[読売新聞] 「北」の対話攻勢 非核化の意思をまず見極めよ (2018年02月28日)

北朝鮮の融和攻勢に惑わされず、国際社会が制裁圧力を堅持し、核・ミサイル開発の放棄に向けた交渉の開始につなげることが大切である。

平昌五輪で訪韓した北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党副委員長が、韓国の文在寅大統領と会談し、「米国との対話を行う十分な用意がある」と表明した。文氏も米朝接触への期待を示した。

北朝鮮は韓国に加え、米国の取り込みを図り、対話局面の演出に力を入れる。緊張を和らげ、米国から攻撃される可能性の低減と制裁緩和を目指しているのは間違いない。核ミサイルの完成に向けた時間稼ぎの思惑も垣間見える。

トランプ米大統領が「我々も対話を望んでいるが、適切な環境下においてのみだ」と述べ、クギを刺したのは当然だ。過去20年以上の米朝協議で、北朝鮮が核放棄に合意しても、ことごとく破ってきた経緯を忘れてはならない。

北朝鮮が非核化の明確な意思を見せることが、本格協議の前提条件となろう。米国は、予備的な接触を行う場合、非核化の達成まで軍事面を含めた最大限の圧力を維持する方針を伝えるべきだ。

核実験やミサイル発射の凍結を北朝鮮が打ち出し、見返りを求める可能性もある。「凍結」では、軍事的脅威はそのまま残る。揺さぶりへの警戒が欠かせない。

看過できないのは、北朝鮮が制裁網をかいくぐり、石油精製品などの密輸を続けていることだ。海上で積み荷を移し替える「瀬取り」が確認されている。

トランプ政権は、海上密輸に関与した海運、貿易会社などに、米ドル建ての国際取引を停止するなどの新たな独自制裁を科した。北朝鮮や中国、シンガポールなどの貨物船28隻も対象となった。

密輸物資が北朝鮮軍に流用されているのは確実だ。制裁による貿易制限で追い詰められていることの表れだと言えよう。

海上自衛隊は、密輸の監視活動を実施中だ。米政府は沿岸警備隊の巡視船の派遣を含め、長期的な監視強化策を検討している。

「瀬取り」の撲滅に向けて、日米両国と韓国、オーストラリアなどが連携を深め、国際的な取り締まり体制を構築したい。

米国の独自制裁について、中国が「一方的だ」と反発しているのは筋違いだ。北朝鮮経済の生命線を握る中国こそ、圧力を強化し、政策転換を迫らねばならない。

ロシアに対しても、国際包囲網に協力するよう、日米などは働きかけを強める必要がある。
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[読売新聞] 障害者の雇用 職場定着の支援を強化したい (2018年02月28日)

障害があっても、意欲と能力に応じて働き、社会の支え手になる。そのための環境作りを加速させる契機としたい。

企業などに一定割合の障害者雇用を義務付ける法定雇用率が、4月に引き上げられる。民間企業では、今の2・0%から2・2%になる。2020年度末までには2・3%に上がる。

法定雇用率は、働く意思のある身体・知的障害者の人数に基づいて設定されてきた。改正障害者雇用促進法で精神障害者も含めて算定することになり、今回、その分が上乗せされる。

従業員50人以上としている対象企業も、段階的に拡大される。

就労を希望する障害者は増えている。社会参加や自立を促す観点から、活躍の場を広げることが重要である。労働力人口が減る中、働き手を増やす必要性も高まっている。法定雇用率の引き上げは、時宜に適(かな)った措置だといえる。

企業で働く障害者は、17年6月時点で49万6000人となり、過去最多を更新した。14年連続の増加は官民の努力の成果だろう。

一方で、法定雇用率を達成していない企業が5割に上る。障害者を一人も雇っていない企業も3割を占めている。中小企業で受け入れの遅れが目立つ。

中小企業には、障害者に割り振る仕事や適切な配慮についてのノウハウが乏しく、雇い入れに及び腰になるケースも目立つ。

障害者の能力を引き出して、戦力として活用し、業績を伸ばす企業は少なくない。政府は、先進事例の情報発信に努めるべきだ。ハローワークなどによるサポートの強化も不可欠である。

職場体験やトライアル雇用の拡充は、企業側の不安解消だけでなく、本人の適性と職場のミスマッチ防止の上でも有効だろう。

障害者にいかに長く働き続けてもらうかも課題だ。就職1年後の定着率は、比較的安定している身体・知的障害者でも6?7割、精神障害者は5割にとどまる。

労働、福祉、医療、教育などの関係機関が連携し、就労と生活を一体的に支える体制を整備することが大切である。

特に精神障害者については、症状が一定でない場合が多いため、よりきめ細かな対応が必要だ。

障害者の定着やキャリア形成に実績を上げている企業への助成金の拡充も、検討に値しよう。

多様な人材の活用は、政府の成長戦略の柱だ。障害者の雇用拡大はその一翼を成す。企業には、一層の取り組みが求められる。
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2018年02月27日

[東京新聞] ESG投資 利益至上主義に別れを (2018年02月27日)

投資家にとって金もうけが目的の時代は終わるのか。環境や社会問題などに貢献する企業への投資を増やし、逆の企業からは投資を撤回するESG投資が海外で定着している。日本も追いつきたい。

ESG投資は、二〇〇六年に国連の呼び掛けにより、環境、社会問題、企業統治の三分野(英語の頭文字をとってESG)に配慮する責任投資原則が宣言されて始まった。大きな転機となったのは〇八年のリーマン・ショックである。

目先の利益ばかりを追求する金融機関が破綻し、強欲主義の醜さがあらわになった。業績など財務指標にとらわれるよりも「企業統治や社会貢献といった基準で投資を判断した方が結果的に企業の持続的な成長も見込める」との考え方が投資家に広がったのである。

環境では地球温暖化や水資源保護、社会問題では地域社会への貢献や原料調達先の労働環境、女性活躍、企業統治では法令順守や情報公開、労働分配率向上などが基準となる。こうした風潮は確実に浸透し、欧州ではESG投資が資産運用全体の半分、米国でも二割を超えている。

日本では拡大傾向にあるものの、一六年時点でわずか3・4%(約五十一兆円)にとどまっている。確かに環境や社会貢献への取り組みは数字には表しにくい。企業の成長にどの程度メリットがあるかや、社会的意義がまだまだ認識されていないのが現状だろう。

だが、世界最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が昨年から一兆円程度をESG投資に振り向け始め、今後も拡大させる方向だ。

企業側も、積極的に取り組みをアピールするべきである。北欧の企業は生産設備すべてを再生可能エネルギーに改めたり、途上国への支援などを強調している。

言い換えれば、環境に負荷をかけたり社会問題に後ろ向きな企業は市場から信認を得られず、株価への影響が避けられない時代に入ったのである。実際、ノルウェーの政府年金基金は、石炭火力発電所の発電比率が高い日本の電力会社数社から投資資金を引き揚げた。いわば市場からの「ノー」が宣告されるのである。

世界的には、たばこ会社や武器輸出企業、核開発企業なども投資撤回の対象に挙げられている。

企業が目先の利益確保に走らず、ESG投資の意義が社会全体に広まっていけば、社会に、人間によい時代が必ず訪れるはずだ。
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[東京新聞] 北朝鮮高官発言 非核化へ対話始めよ (2018年02月27日)

平昌冬季五輪の閉会式に参加した北朝鮮の高官が、米国との対話にも「十分な用意がある」と意欲を表明した。米国もこの発言に注目している。非核化実現に向けた協議の糸口につないでほしい。

この発言をしたのは、金英哲(キムヨンチョル)・朝鮮労働党副委員長。文在寅(ムンジェイン)・韓国大統領との会談の中で、南北と米朝関係が「ともに発展しなければならない」とも語ったという。

英哲氏は、対韓国関係を統括する「党統一戦線部長」を兼務する。正恩氏の軍事面の家庭教師だったとされる「身内」の一人だ。

北朝鮮は平昌五輪の開会式にも、最高指導者、金正恩(キムジョンウン)党委員長の実の妹で、正恩氏の側近でもある与正(ヨジョン)氏を韓国に送った。与正氏は、文大統領に、平壌訪問と南北首脳会談の早期実現を求めた。

相次ぐ高官派遣について韓国では、米韓同盟を揺さぶり、韓国内で対立を生み出す狙い、などと分析されている。

ただ、単なる揺さぶりとすれば、正恩氏の「身内」まで送る必要はない。実務者レベルで交渉を長引かせる方が、効果は上がる。

あえてこの二人を派遣したのは、北朝鮮側の「本気度」をアピールしたかったとみていい。

米国は二十三日、経済制裁を逃れるため、海上で石油などの積み荷を移し替える「瀬取り」に関与した船舶や海運業者を対象とする「過去最大」(トランプ米大統領)の制裁を発表した。

英哲氏の積極発言は、今回の制裁発表の後に行われていることにも、意味があるだろう。

この発言に、米ホワイトハウスも「非核化に向けた最初の一歩になるか見守る」と反応した。対話の前提は、あくまで非核化だ。

今のところ、北朝鮮は核・ミサイル開発を放棄しない立場で、米朝対話の進展は見通せない。

しかし、平昌冬季パラリンピック終了後の四月には、延期されていた米韓合同軍事演習が再開される。朝鮮半島に、再び対立と緊張が戻る恐れがある。

北朝鮮の対話姿勢を前向きに受け止め、南北、米朝間の接触を増やし、非核化に向けた動きに広げていく努力が必要だ。

日本政府は「対話のための対話は意味がない」(安倍晋三首相)としているが、圧力は外交と組み合わせてこそ効果を発揮する。

成果を生むためには、何が現実的な策なのかを考えつつ、朝鮮半島を囲む多チャンネルを利用した外交を前進させるべきだ。
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[産経新聞] 【主張】米朝対話の「用意」 非核化なしには始まらぬ (2018年02月27日)

非核化なくして米朝交渉はない。北朝鮮の高官が何を言おうと、その原則は変わらない点を、再度確認しておきたい。

平昌五輪の閉会式に出席した北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長が、韓国の文在寅大統領との会談で、米国と対話を行う「十分な用意がある」と表明した。

何をもって「用意」と言うのだろうか。現行の核不拡散体制を逸脱し、挑発を繰り返す姿勢を変えないまま、真の対話を求めるのは荒唐無稽ともいえる。

必要なのは、核・ミサイル問題の解決に向かう態度を具体的な行動で示すことだ。それ以外に対話の環境を整えるものはない。

金英哲氏の発言は、文大統領が北朝鮮に米朝対話を促したのに答えたものだ。これに対し、米ホワイトハウスは「交渉結果は非核化でなくてはならない」との声明で応じた。

北朝鮮は平昌五輪参加と絡め、合同チーム結成や応援団の派遣で南北融和ムードを演出した。うわべだけの「ほほ笑み」外交に惑わされている国は少ない。北朝鮮の挑発姿勢が変わるとは考えていないからだ。

国連安全保障理事会の相次ぐ制裁決議は、北朝鮮の貿易を大きく制限している。融和攻勢の背景には、制裁による経済的苦境が存在するとも考えられる。

だからこそ、日米韓が中心となって「最大限の圧力」を貫くことの意義がある。真意を見せない北朝鮮の発言に振り回されることなく、制裁の厳格履行で包囲網を強めるべきだ。

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その意味でも、米政権が先ごろ、国連制裁決議違反の海上密輸の阻止に焦点を当てた「過去最大規模」とする追加制裁に踏み切ったのは妥当である。

今後、米国が北朝鮮の出方を探るために接触する場面も出てくるだろう。文大統領は既に、南北融和に積極的な姿勢だ。

警戒すべきは、こうした北朝鮮との接触が、安全保障上の脅威を取り除く効果を直ちにもたらすものではないことである。接触を重ね、あたかも話し合いが進んでいるように北朝鮮が喧伝(けんでん)したときには、要注意である。

文大統領は、南北関係と米朝関係は「ともに発展しなければならない」と考えている。いずれの前提にも非核化がなければならない点を、明確にしてほしい。
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[産経新聞] 【主張】習氏の任期延長 歯止めなき独裁が心配だ (2018年02月27日)

中国の習近平政権が、国家主席の任期を2期10年とする憲法の規定を取り払う案を示した。3月の全国人民代表大会での採択が確実視される。

権限の強化では飽きたらず、任期制限まで取り払う。ただでさえ共産党の一党独裁下にある中国で、トップに一段と権力が集中し、歯止めがかからなくなりかねない。

独裁政権の長期化による、国内外への悪影響を懸念する。

14年ぶりとなる改憲案では、既に「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を、国家の指導理念として憲法前文に明記する方針が示されている。

これに加え、政権を続ける時間的な制約までなくすものだ。

昨年10月の第19回党大会で、習氏は社会主義現代化を掲げて「2035年」という長期の日程を提示した。党政治局常務委員の人事では、後継者となるべき50歳代の起用が見送られた。

いずれも習氏自身の長期政権に向けた布石だったと受け取れる。権力を強化し、その長期化を図る姿は露骨にもみえる。

国家主席の職務が任期付きで憲法に明記されているのは、毛沢東時代を総括した結果だ。個人独裁の横行を抑え、集団指導体制を確立する。その一翼を担ったルールである。

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習氏が政権の長期化をめざす背景には、高度成長期を終えた中国経済を党の指導で立て直す意識もあるようだ。だが、実際に進めてきたのは外資を含む企業活動への露骨な政治介入である。

市場原理とはほど遠い経済運営を強めるなら、世界経済の発展を阻害しよう。

海外を見渡すと、カンボジアなど中国と関係の緊密な国で、独裁政権の長期化が広がる傾向がみられる。中国的な独裁政治の拡散は、毛沢東時代の「革命の輸出」の再来とならないだろうか。

日中間では、平和友好条約締結40年を迎えて首脳往来の実現に向けて交流が進む。権力を掌握した習氏が、強硬な外交姿勢を修正するとの見方もあるが、楽観的にすぎるのではないか。

民主主義や法の支配といった普遍的な価値観を共有しようとしないのが、中国である。

独裁政権が長期化すれば、その傾向に一段と拍車がかかりかねない。そのことを銘記したうえで向き合わねばならない。
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[毎日新聞] 北朝鮮が「米朝対話の用意」 振り回されぬ冷静さ必要 (2018年02月27日)

対話攻勢によって主導権を握り、有利な立場で局面転換を図ろうとする北朝鮮の思惑がうかがえる。

平昌(ピョンチャン)冬季五輪の閉会式出席のため訪韓した金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党統一戦線部長が韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と会談した。韓国側によると、北朝鮮側は「米朝対話を行う十分な用意がある」と述べた。

金氏は対南政策の責任者だが、米韓両国の制裁対象でもある。2010年の哨戒艦沈没事件を主導したとされる人物だ。金氏をあえて派遣したのは、韓国内保守派の反発を見込んだ揺さぶりの可能性がある。

一方で代表団には外務省北米局の副局長が入っていた。実際には接触しなかったというが、閉会式に出席したトランプ米大統領の娘であるイバンカ大統領補佐官を意識したのではないか。

トランプ政権が慎重な姿勢を見せているのは理解できる。北朝鮮は開会式の際に、いったん合意したペンス米副大統領との会談を直前に取り消している。真意を見極める必要があろう。

明確なのは、北朝鮮が年初から対話攻勢に戦術を切り替えてきたことだ。平昌五輪という舞台を活用して韓国への働きかけを強め、もともと南北関係改善に意欲的だった文政権を取り込もうとしている。

文氏が米国と対話するよう求めても反発せず、むしろ前向きの姿勢を示すのも計算ずくに見える。文氏を現時点で米国側に追いやるのは得策でないからだ。

戦術転換の背景にあるのは、国際的孤立が強まっていることへの焦りだと考えられる。

米国は北朝鮮への洋上密輸に関与した第三国企業などを対象にした追加制裁を発表した。トランプ氏はこれで効果がなければ「非常に手荒な対応」になると警告している。

米国は同時に、核廃棄を求める国際社会の強い意思を伝え、北朝鮮側の考えを聞くための対話には応じる構えを示す。

ただし、非核化を目的にしないのであれば交渉に意味はない。強く圧力をかけ続けるのは、北朝鮮にこの点を理解させるためである。

北朝鮮の戦術を冷静に見極め、核放棄へ導かねばならない。日米韓の連携がますます重要になる。
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[毎日新聞] 中国主席の「任期撤廃」 歯止めなき強権を憂える (2018年02月27日)

中国の憲法改正案に「2期10年」という国家主席任期の上限撤廃が盛り込まれた。3月5日からの全国人民代表大会(全人代=国会)で改正案が成立し、習近平(しゅうきんぺい)国家主席の3期目に道を開くことは確実だ。

1982年に全面改正された現憲法は毛沢東(もうたくとう)主席に権力が集中し、文化大革命などの混乱が起きた反省から任期の制限規定を盛り込んだ。その撤廃が過度な権力集中に結びつくことを憂慮せざるをえない。

「連続任期は2期を超えてはならない」という中国語ではわずか10字の削除だ。しかし、規定は「指導者の終身制を復活させない」というトウ小平(とうしょうへい)氏ら文革で迫害された当時のリーダーの意思を反映していた。

江沢民(こうたくみん)、胡錦濤(こきんとう)という過去2代の国家主席は2期10年で退き、制度的な権力継承の枠組みができたはずだった。しかし、任期制限がなくなれば、再び「人治」の時代へと逆戻りしかねない。

海外の中国人活動家らは辛亥(しんがい)革命後、皇帝の座を狙った袁世凱(えんせいがい)の「復辟(ふくへき)」に例えて、新たな帝政と批判している。中国国内にもトウ小平の遺志に反すると懸念する声がある。

情報革命とグローバル化で冷戦終結以来の激動期といわれる。プーチン露大統領やトルコのエルドアン大統領ら長期政権で難局乗り切りを目指す指導者も現れている。習氏もそれに倣いたいのかもしれない。

昨年の第19回共産党大会では後継候補が最高指導部の政治局常務委員会に入らなかった。長期政権が視野にあったのではないか。2022年の第20回党大会で3選すれば、28年まで国家主席を務めることになる。

憲法には「習思想」が明記される。集団指導体制が党是とはいえ、習氏は毛時代の個人崇拝を思わせる権力を握りつつある。終身制復活の可能性も否定できない。

「絶対的権力は絶対に腐敗する」

これは歴史が示す真理だ。憲法改正では国家や政府の監督機関として国家監察委員会の新設が盛り込まれる。しかし、最高権力者の権力までは制御できまい。

内政だけでなく、外交にも強権体質のひずみが表れれば、日米や周辺諸国との摩擦も増す。国民の意思が反映されない体制だからこそ、歯止めのない権力は一層、危険だ。
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[読売新聞] 所有者不明土地 公益目的の利用を促進したい (2018年02月27日)

持ち主の分からない土地の増加は、限られた国土の有効活用を妨げる。公益目的の利用を促すよう、実効性ある仕組みが求められる。

政府は、所有者不明の空き地を対象に、公益性の高い事業に10年間の利用権を与える法案を今国会に提出する。来年夏の施行を目指している。

新制度は、市町村や企業による公園や駐車場、農産物直売所などへの活用を想定している。所有者が名乗り出れば、求めに応じて期間後に原状回復して明け渡す。

全国の所有者不明の土地は、九州より広い410万ヘクタールに上るとの推計がある。眠れる土地を着実に生かしていきたい。

事業の可否を判断する裁定は都道府県が行う。公益性の確認などにあたり、地域のニーズを生かす柔軟な対応が大切となろう。

事業の対象は原則、建物のない土地に限る方向だ。これでは制度の使い勝手を損ねかねない。

空き家については、景観を著しく悪化させているような場合、所有者不明でも市町村が強制撤去できる仕組みがある。

政府は、今回の土地利用と、空き家撤去について都道府県に共通の申請窓口を設ける方針だ。両制度を効果的に組み合わせたい。

所有者不明の土地を増やさない方策も重要である。

問題の根幹には、相続時に登記簿の名義を書き換えない遺族が多い現実がある。世代が移ると相続人がねずみ算式に増え、所有者の確定が一層困難になる。

東日本大震災の復興事業では、被災集落の移転候補地で地主を特定できず、計画変更を余儀なくされる例が相次いだ。

一般的に、相続登記が進まないのは、遺産分与の調整がつかなかったり、登記費用や固定資産税の負担を避ける意識が強かったりするケースが指摘される。

住民票などの届け出を受けた市町村が、登記の書き換えも促す取り組みがある。参考となろう。

登記の義務化の是非も論点になる。登記にかかる費用負担のあり方などの課題はあるものの、積極的に検討すべきではないか。

都市部の人が、地方の相続地を放置する例が目立つ。所有者が自治体などに土地を寄付しやすくする仕組みも将来テーマとなる。

政府は今回の法案と合わせて、中長期的な所有者不明土地対策の方向性を、今夏の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に盛り込む意向だ。多角的な検討を進めてもらいたい。
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[読売新聞] カジノ実施法案 成長戦略として健全なのか (2018年02月27日)

ギャンブルの副作用やリスクを直視することなく、経済効果を当て込んだカジノ開設には危うさが拭えない。

政府は、カジノの具体的な制度を定める統合型リゾート(IR)実施法案の作成を進めている。今国会で成立させ、2020年代の開業を目指す。

与党に示した原案では、日本人と国内に居住する外国人の入場を「7日間で3回まで」かつ「28日間で10回まで」に制限する。2000円の入場料も徴収する。

カジノは、豪華な部屋で、高額な賭け金が動くゲームが、夜を徹して繰り返される。競馬やパチンコなどより、のめり込みやすい。この程度の規制では、依存症を根本的に防ぐことは難しい。

カジノの合法化は、政府の取り組みを自民党や日本維新の会などが後押ししてきた。観光需要を掘り起こし、地域振興の起爆剤とする思惑がある。

維新のおひざ元である大阪府と市は、25年の国際博覧会(万博)の誘致とあわせて、IRの実現を目指している。

だが、カジノを中核に据えたリゾート施設は、相応のリスクも伴うのではないか。

そもそも、ギャンブルに入れ込んだ顧客の散財に期待するような成長戦略は健全と言えない。

持続的な観光振興のためには、街並みや食、伝統芸能など、地域の魅力を生かした、地に足のついた取り組みが求められる。

政府の原案では、開業を申請する事業者や機器製造業者については、財務状況に加え、役員らの訴訟履歴、交友関係をチェックする「背面調査」を実施するという。調査費用は、業者負担とする。

厳しい参入規制を設け、反社会的勢力を排除するのが狙いだ。

調査は内閣府の外局として設置するカジノ管理委員会が担う。

前例のない業務だ。業者から広範な情報を提供させ、分析し、適格性を判断しなければならない。専門性の高い多数の調査員も必要になる。調査の実効性を確保できるのか、大いに疑問である。

入場客を限定し、業者への管理を強めれば、今度はカジノの運営が成り立たなくなるというジレンマがある。政府の検討は隘路(あいろ)に陥っているのではないか。

既存のギャンブルによる依存症が疑われる成人は、全国で約320万人に上ると推計されるという。看過できない実態である。

政府は、依存症を未然に防ぐ対策と、患者への医療支援などを総合的に進めるべきだ。
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[朝日新聞] 平昌→東京 五輪への思いをつなぐ (2018年02月27日)

平昌冬季五輪が閉幕した。

確実にレベルアップした日本選手団をはじめ、過去最多の92カ国・地域から参加したアスリートたちが、スポーツの魅力と人間の可能性を示してくれた。

2年後の東京夏季五輪に向けて、教訓や参考にすべきことが多い大会でもあった。

ひとつが根深いドーピング問題だ。組織ぐるみの違反が指摘されたロシアの選手たちは、個人の資格で参加した。ところがその中から、またも禁止薬物の陽性反応が出て、メダルを剥奪(はくだつ)されるなどした。

それだけではない。日本選手の1人も陽性と判断された。本人は使用を否定していて詳細は不明だが、大会前に発覚したカヌー選手による薬物混入事件とあわせ、日本のクリーンイメージは大きく傷ついた。再発防止に全力でとり組む必要がある。

試合時間の設定も論議を呼んだ。フィギュアなどの人気種目は、午前中から始まった。逆にジャンプは終了が深夜0時を過ぎたこともあった。欧米の放送時間にあわせたためだ。

膨大な放映権料を払うテレビ局への配慮が、選手の体調管理や観客の利便よりも優先され、後味の悪さを残した。

東京は酷暑の季節の開催になる。限界はあるが、できるかぎりの工夫を凝らし「選手第一」の姿勢を貫くべきだ。

輸送対策も後手に回った印象は否めず、渋滞など多くのトラブルを引き起こした。築地市場の移転問題が尾を引く東京にとって他人事ではない。五輪で近年相次ぐ「観客席の大量空席」の光景もくり返された。入場券の不当な転売防止とあわせ、対策を練らねばならない。

北朝鮮問題が深刻さを増すなか開かれた今回の大会は、関係国の思惑がからみ、あちこちに「政治」が影を落とした。アイスホッケーの南北合同チームが急きょ結成されたことで混乱もあった。だが総じて韓国の人々は平静に五輪を楽しみ、競技会場ではどの国・地域の選手にも温かな拍手が送られた。

中でもスピードスケートの小平奈緒、李相花(イサンファ)両選手がみせた国境を超えた友情は、多くの共感と感動を呼び、スポーツがもつ力を強く印象づけた。ぜひ東京に引き継ぎたい財産だ。

五輪は平昌から東京、そして22年北京冬季と東アジアでの開催が続く。難しい課題を抱える地域だからこそ、ふつうの人が互いの国を訪ね、同じ会場で声援を送り合う機会は貴重だ。

選手や指導者だけではない。市民も「主役」になれる大会をめざして、準備を進めたい。
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[朝日新聞] 中国改憲案 習氏の危うい強権志向 (2018年02月27日)

独裁政治は、暴走を始めればブレーキが利かない。中国では建国の英雄・毛沢東時代に「大躍進」「文化大革命」の悲劇が起き、甚大な犠牲をだした。

その教訓から、80年代以降の中国は様々に模索してきた。1人に突出した権限を与えない。そのための集団指導体制が過ちの再来を防ぐ工夫だった。

ところが習近平(シーチンピン)国家主席は、それを壊そうとしている。かねて進めてきた権力集中をさらに加速させ、今度は憲法の改正案を出す。3月の全国人民代表大会で決まる。

これまで正副国家主席の任期は連続で2期10年まで、とされていたが、この改正で撤廃される。習氏の長期政権に道が開かれ、個人の独裁色をいっそう深める懸念が強まっている。

毛沢東と肩を並べるような権威が生まれ、国内の政治や言論が多様さを失っていく。そんな大国の先行きは危うい。中国のみならず、周辺国や世界にとっても大きな懸念である。

これまでの集団指導体制と併せ、指導者は後継の候補を早く決めるのが慣例だった。だが、習体制下では今も後継が誰かは見えないままだ。

習氏はすでに現指導部内で別格の「核心」に位置づけられ、共産党規約に名前を冠した「思想」が明記された。習氏に近い多くの部下が中央・地方の主要ポストに就いている。

これでは政権内で異論は封じられていくだろう。だが習氏は逆に、党内の多元化が、6年前の薄熙来事件のように分裂と腐敗の危機を招きかねないとし、集権化を進めているようだ。

抑圧は市民社会に及び、多くの学者、弁護士、市民活動家が沈黙を強いられている。人権軽視は前政権の比ではない。

欧米の国々では残念ながら、政治の機能不全などの問題が指摘されて久しい。民主的に選ばれた指導者が混乱を招いているという現実は、今の米国が顕著な例だ。そのため中国メディアでは、中国式の統治を自賛する見方があふれている。

だが個々の指導者の資質に問題はあっても、自由と民主主義の価値が揺らいでいるわけではない。中国は、そもそも一党独裁だ。そのうえさらに指導者個人が長い強権体制を続ければ、政策の硬直化や腐敗のおそれが強まるのは明らかだ。

個人独裁への傾斜は、長期的な平和と繁栄をもたらさない。中国の指導層は謙抑的な統治を心がけ、市民一人ひとりの発言と投票の権利を広げ、ゆっくりと合意形成を図る。そんな政治こそ、めざすべきである。
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