2017年11月30日

[東京新聞] 北ミサイル発射 これ以上緊張高めるな (2017年11月30日)

北朝鮮が強行した再度のミサイル発射は無謀な挑発であり、これ以上朝鮮半島の緊張を高める事態は避けるべきだ。国際社会は結束して外交解決を図らなければならない。

新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」は、午前三時すぎ、通常より高い角度の「ロフテッド軌道」で発射された。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

北朝鮮は、九月からの約二カ月半、挑発行為を控えていた。国際社会からの経済制裁の影響が大きいため、自制しているという見方もあった。

そんな中、米国は今月、九年ぶりに北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、経済制裁を一段と強めた。

今回の発射は、これに反発したものとみられる。圧力には屈せず、兵器開発を続けるという姿勢を明確にしたともいえる。

看過できないのは、「火星15」について、北朝鮮が発射後の「重大報道」で、「米本土全域を攻撃できる」「超大型の重量級核弾頭を搭載可能」と主張したことだ。

これが事実とすると、新型ミサイルの飛距離は一万三千キロに達する。核弾頭の大気圏への再突入技術を獲得さえすれば、米国への核攻撃も可能になる。

日米韓をはじめとする国際社会は、結束して北朝鮮の挑発行動を止めなければならない。

安倍首相も今回の発射を受けて、「核・ミサイルや日本人拉致問題を巡る政策の転換に向け、最大限の圧力を加える」と述べた。

しかし、このまま対立が長引き、緊張が高まれば、兵器開発を止めるため、米国が北朝鮮を軍事攻撃するしか手がなくなる。

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が、「米国が先制攻撃を念頭に置く状況になることを防ぐべきだ」と懸念を表明したのも当然だろう。

万が一、何らかの軍事衝突が起きた場合、韓国や日本などの関係国には、計り知れない被害が出かねない。そういった事態は、何としても避けなくてはならない。

ミサイル発射後の報道によれば、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「核武力の完成という歴史的偉業が実現した」と宣言した。

これを読む限り、今回のミサイル発射を一つの区切りとすることも考えられる。ただ、新たな核、ミサイル実験を強行してくる可能性も捨てきれない。

北朝鮮の出方を見極めながら、外交的な解決を中心に据えた慎重な対応が求められる。
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[産経新聞] 【主張】ICBM発射 北は自滅への道急ぐのか 「核完成」阻止へ手立て尽くせ (2017年11月30日)

北朝鮮に核・弾道ミサイル戦力を放棄する考えなどない。それが改めて明確になった。

北朝鮮が日本海に向けて発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、約千キロ飛行して青森県西方約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。

日本は、同盟国である米国や国際社会とともに、北朝鮮の核戦力完成を全力で阻止すべきだ。

必要な手立てはすべて講じなければならない。連携、結束という言葉にとどまらず、日本自らのさらなる具体的行動が求められる。残された時間は多くはない。

≪圧力なき対話は無力だ≫

国連安全保障理事会の決議に違反し、平和を乱す暴挙を、世界が非難している。厳しい制裁措置を受けながらも、北朝鮮は自滅への道から引き返してはいない。核を放棄する対話のテーブルにつかせるための努力は、なお必要だ。

ICBMは、通常よりも高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」をとり、到達高度は過去最高の約4500キロだった。通常軌道であれば、1万3千キロ以上飛ぶとみられる。北朝鮮は声明で「米本土全域を攻撃できる」ほか、「超大型の重量級核弾頭」を搭載できると主張した。

「国家核戦力の完成」を宣言したが、これは額面通りに受け取れない。ICBMで米本土を射程に収めることと、核攻撃できることとは次元が異なるからだ。

ICBMの核弾頭が大気圏再突入時の7千度の高熱に耐え、もくろみ通りに爆発させるには技術的に高いハードルがある。北朝鮮はすでに7月の発射で成功したというが、日米両政府は懐疑的だ。今回の発射も分析が必要だ。

それでも、北朝鮮が着々と開発を進めてきたことは明白だ。放置すれば対米核攻撃能力を完成させるだろう。米国が日韓両国にさしかける「核の傘」は、破れ傘になってしまう。

北朝鮮の弾道ミサイル発射は2カ月半ぶりとなる。その間、トランプ米大統領のアジア歴訪や米空母3隻の日本海集結、中国共産党大会の開催があった。

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北朝鮮が軟化してきたという希望的観測も一部にあったが、完全な誤りだった。河野太郎外相が、「抑制していたのではなく、着々と次の行動の準備をしていた」と述べたのは正しい。

こうした相手には、経済、軍事の両面から、最大限の圧力をかけ続けるしかない。

日米などが圧力強化を図ることで、北朝鮮が暴発するとの批判があるが、極めておかしなもので、独裁者を喜ばせかねない。情緒的な判断は禁物である。

強い制裁なしに核武装を止めることはできない。安倍晋三首相が国会で、「われわれが『暴発するかもしれない』とたじろげば、まさに彼ら(北朝鮮)の思うつぼになる」と語ったのは妥当だ。

≪船舶検査の態勢をとれ≫

ICBM発射は、国連の制裁や米国によるテロ支援国家再指定に真っ向から挑戦するものともいえる。日本も安保理決議に基づく制裁の完全履行を各国に求めてきたが、それだけでは不十分である。新たな暴挙には新たなペナルティーが科されるべきだ。日本は、石油の全面禁輸を含む制裁強化を呼びかけたらどうか。

ティラーソン米国務長官は声明で、「北朝鮮に物資を運搬する海上交通を禁止」する追加制裁を呼びかけた。経済制裁の一環としての海上封鎖である。

その際、北朝鮮の隣国である日本は大きな役割を期待されよう。ところが、現行の船舶検査活動法に欠陥がある。海上自衛隊や海上保安庁は不審船の船長が拒否すれば、乗船して調査することはできない。安保理が海上封鎖を決めたとしても、日本は国連加盟国としての責任を十分に果たせない。

政府と与野党は、今の国会で諸外国並みの海上封鎖に当たれるよう法改正に取り組むべきだ。国民を北朝鮮の核の脅威から守るため、迅速な行動が必要である。

ティラーソン氏は、現在は休戦中となっている朝鮮戦争の国連軍参加国に、日本など関係国を加えた国際会議をカナダと共催することも明らかにした。北朝鮮を牽制(けんせい)するねらいがある。

横田基地(東京都)には朝鮮国連軍の後方司令部がある。日本は参加各国と地位協定を結び、基地使用などを認めている。その意味でも国際協調に努めたい。
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[東京新聞] 性犯罪の新判断 「社会の変化」と最高裁 (2017年11月30日)

強制わいせつの事件をめぐり、約半世紀ぶりに最高裁が判例を変更した。「性的意図」がなくとも犯罪は成立すると断じた。性犯罪に厳しい社会の流れ、被害者に目を向けた新判断を評価する。

「知人から金を借りる条件として、女児のわいせつ画像を要求された」と被告が述べた事件だった。女児の体を触り、携帯電話で撮影したが、「性的意図はない」と否認したことが問題になった。

基になった最高裁判例は一九七〇年にある。主文は破棄差し戻しだが、こんな一文がある。

<性欲を刺激興奮させ、または満足させる等の性的意図がなくても強制わいせつ罪が成立するとした第一審判決および原判決は刑法の解釈適用を誤った>

普通の犯罪ならば、「行為」と「故意」によって成立する。だが、強制わいせつには「行為」と「故意」だけでなく、「性的意図」を必要とした。性的意図とは性欲を満たそうとする、いわば心の中の「主観」である。

だが、約半世紀前のこの判決には反対意見もあった。入江俊郎判事である。終戦直後の法制局長官で、日本国憲法の立案責任者だった人物だ。

<相手方(被害者)の性的自由を侵害したと認められる客観的事実があれば、当然に本条の罪は成立すると解すべく、行為者(犯人)に多数意見のいうような性的意図がないというだけの理由で犯罪の成立を否定しなければならない解釈上の根拠は見いだしえない>

今回の判例変更も、これとほぼ同じ論法である。付け加えるならば、「社会の変化」論であろう。

つまり二〇〇四年に強制わいせつなどの法定刑を引き上げた。今年七月にはさらに性犯罪の厳罰化が施行されている。百十年ぶりの性犯罪に関する刑法の大幅改正だった。強姦(ごうかん)罪の名称を「強制性交等罪」と変えたり、被害者の告訴を必要とする「親告罪」の規定を削除する内容だった。

今回の判決は、これらの法改正は「被害の実態に対する社会の受け止め方の変化を反映したものだ」と述べる。つまり「社会の変化」論である。そのうえで強制わいせつの解釈も「被害者の受けた被害の内容、程度にこそ目を向けるべきだ」とした。同意する。

セクハラはもちろん許されなくなったし、ネットの発達で児童ポルノなども拡散し、保護がいっそう必要になっている。国民の処罰感情も高い。判例が社会の変化に対応するのは当然といえる。
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[毎日新聞] 北朝鮮「核戦力完成」と主張 状況の悪化を食い止めよ (2017年11月30日)

北朝鮮をめぐる危機が新たな段階に入ったと考えるべきだろう。

北朝鮮がきのう2カ月半ぶりに弾道ミサイルを発射し、青森県沖約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)に落下させた。

通常より高い角度に打ち上げるロフテッド軌道だった。山なりに飛ばして飛距離を抑える方法だ。最高高度は初めて4000キロを超えた。飛距離は1000キロに近く、50分以上も飛行した。

北朝鮮は、米全土に届く新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」だと発表した。

通常軌道で発射された場合の射程は1万3000キロに達すると推定される。首都ワシントンやニューヨークなども射程に収めたことになる。

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は発射に立ち会い、「核戦力完成の歴史的大業が実現された」と語った。正確に何を意味するのか不明ではあるものの、核兵器で米国を攻撃できる能力を保有したという宣言であれば危機のレベルは格段に高まったことになる。

北朝鮮は、米国に対する抑止力を確保しようと核・ミサイル開発を急いできた。後ろ盾である中国の反対すら無視する裏には、体制生き残りのためには核保有しかないという切迫した思いがあろう。

北朝鮮は核保有国という対等の立場で米国と交渉することを望んでいる。金委員長の言葉はそうした交渉を仕掛けるための布石に見える。

米国の一部には、北朝鮮の核保有を容認せざるをえないという主張がある。米本土を狙うICBMの配備を阻止するか、互いにけん制しあい使用させない核抑止の論理で対応すればよいという考えだ。

だが、そうした状況は日本として受け入れがたい。日本と韓国は核の脅威にさらされ続けることになりかねないからだ。米国が自国への核攻撃を覚悟してまで日韓を守ってくれるだろうかという疑念が生じれば、同盟関係が揺らぐ恐れもある。

日本にできることは限られているが、手をこまねいているわけにはいかない。米韓と連携して中国、ロシアに働きかけ、北朝鮮に核放棄を迫る包囲網を強めていく必要がある。さらなる状況悪化を食い止める外交努力を尽くさねばならない。
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[毎日新聞] 横綱・日馬富士が引退 これで落着にはできない (2017年11月30日)

大相撲の横綱・日馬富士関が現役引退した。貴ノ岩関への暴行で「横綱の名に傷をつけた」と決断した。

横綱審議委員会は「厳しい処分が必要」との見解を示しており、日本相撲協会でも解雇が想定される状況になっていた。全力士に範を示すべき横綱の暴行であり、引退は当然の流れだろう。

ただ、きのうの引退届提出にはそれぞれの思惑が透けて見える。

協会にとっては、現役横綱の解雇となれば、前代未聞で大相撲史に大きな汚点を残す。番付編成会議に引退届を出せば不祥事を起こした横綱の名を次の初場所の番付表に出さずに済む。横綱にとっても、解雇では支払われない退職金も引退なら受け取れる。

しかし、引退だけでこの問題を決着させてはならない。

日馬富士関は引退の記者会見で「礼儀がなっていないことを教えるのは先輩の義務」と弁解した。暴力に至ったのもやむなし、とも受け取れる言葉だ。

暴力の背景を徹底検証して芽を潰していくには、いまだできていない貴ノ岩関の聴取が不可欠だ。

協会が暴行を知ったのは発生から1週間後だ。さらに報道されるまで何の措置も取らず、日馬富士関は九州場所の土俵に上がっている。「力士のいざこざは部屋同士で」と考えるなら暴力に対する認識が甘い。

貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方は協会に非協力的だ。警察に捜査は委ねても、公益財団法人たる協会の理事、巡業部長として身を置く組織に協力しない姿勢は理解されない。

若くして入門した部屋で厳しい上下関係の中で鍛えられ、力士が人としても成長する様こそ相撲道だ。しかし、その狭い社会が暴力の温床となる構図は容易に変えられない。

横綱・朝青龍が知人に暴行し、現役引退してから7年以上がたつ。協会は研修を行い、暴力の根絶を目指してきた。横綱でも暴力を振るえば相撲界に残れない現実を、今回こそ協会全体で教訓とすべきだ。

八角理事長は「暴力問題の再発防止について」と題した講話で「何回も何回も繰り返して指導していくことが大事」と語った。しかし、同じことが何度も繰り返されればファンの心は離れていくだけだ。
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[読売新聞] 北ICBM発射 米との緊張高める危険な挑発 (2017年11月30日)

◆国際圧力強化で対話に引き出せ◆

国際社会の包囲網にもかかわらず、「核ミサイル」を喧伝(けんでん)し、独裁体制の生き残りを図る。そんな思惑が、一段と明白になったと言えよう。

北朝鮮の危険かつ身勝手な振る舞いを改めさせるには、関係国が緊密に連携し、圧力を強化しなければならない。

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。

通常より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で高度は4000キロを大幅に超え、過去最高だった。53分間で約1000キロ飛行し、青森県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

◆脅威の冷静な分析を◆

ICBMの発射は、7月の2回に続いて3回目だ。今回のミサイルを通常の角度で発射した場合の射程は、1万3000キロ以上と推定する専門家もいる。首都ワシントンなど、米本土の主要都市まで届く計算になる。

安倍首相は「国際社会の平和的解決への意思を踏みにじり、暴挙を行ったことは断じて容認できない」と記者団に述べた。

政府が直ちに、北朝鮮に厳重抗議したのは当然である。

北朝鮮は、米本土全域を攻撃でき、大型核弾頭の搭載が可能なICBM「火星15」の試験発射に成功した、と発表した。朝鮮労働党の金正恩委員長は、「ついに核戦力完成の歴史的大業が実現した」と言い放った。

自国の戦力を誇張するのは、北朝鮮の常套(じょうとう)手段であることに留意せねばなるまい。高度を稼ぐため、弾頭を実戦用よりも軽くした可能性がある。大気圏再突入技術の獲得も確認されていない。能力に関する冷静な分析が必要だ。

最近2か月半、北朝鮮の軍事的挑発はなかった。米国の出方を見極めていたのではないか。

トランプ米大統領は今月のアジア歴訪を通じて、経済、軍事両面で、北朝鮮への圧力を高める姿勢をアピールした。核・ミサイル開発の放棄が対話の前提になることを明確にし、テロ支援国家の再指定にも踏み切った。

北朝鮮は、今回の発射で、米国の圧力には屈しない意思を示したつもりなのだろう。危機を作り出し、米国に譲歩を迫る駆け引きに再び走ったと言える。米朝間の緊張が高まるのは必至だ。

◆制裁の効果を高めたい◆

トランプ氏は、「北朝鮮に対するアプローチに変更はない」として、既定の圧力路線を着実に進める意向を示した。制裁の効果への一定の手応えがあるのだろう。河野外相も、「経済制裁が効いているとの情報がある」と語った。

北朝鮮漁船が相次いで、日本の沿岸に漂着している。質の悪い燃料と老朽化した船体を使った無理な操業が原因との見方が強い。

北朝鮮から板門店の南北軍事境界線を越えて亡命した兵士は、肺結核などにかかっていた。劣悪な待遇がうかがえる。

安倍首相はトランプ氏との電話会談で、対北朝鮮圧力を最大限に強める方針を確認した。国連安全保障理事会は、緊急会合を開き、対応を協議する。制裁決議の厳格な履行で、中国、ロシアの協力を取り付けることが大切だ。

首相が参院予算委員会で「アプローチの仕方に温度差はあるが、今後も中露の動向をしっかりと分析し、働きかけるべき時には働きかけを行っていきたい」と強調したのはうなずける。

中国外務省も、発射に重大な懸念を表明した。北朝鮮への石油製品の輸出制限拡大など、追加制裁をためらってはならない。

◆迎撃能力強化も必要だ◆

日本は、不測の事態に備えて、迎撃能力を拡充すべきだ。

来年度の予算編成では、陸上配備型イージスシステムの関連経費や、新型ミサイルの取得費などの適切な計上が欠かせない。

気がかりなのは、自衛隊、米軍、韓国軍が揃(そろ)って参加する演習や訓練が行われていないことだ。

今月中旬に「ロナルド・レーガン」など米空母3隻が日本海に入った際も、演習は日米、米韓での実施にとどまった。

韓国側に、自衛隊との連携への反発があるためだとされる。中国が日米韓3か国の安保協力の緊密化を警戒し、韓国に慎重な対応を迫っているという事情もある。

韓国は、ICBM発射直後に、対処能力を示すため、日本海でミサイル訓練を実施した。

北朝鮮に融和的な文在寅大統領も、事態の深刻化を受けて、軍事面での対抗措置に出ざるを得なかったのだろう。日米韓の安保面での連携強化を躊躇(ちゅうちょ)している場合ではないはずだ。
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[朝日新聞] 対北朝鮮政策 制裁と外交で活路を (2017年11月30日)

北朝鮮がきのう、弾道ミサイルを発射した。大量破壊兵器の開発をめぐる行動としては、2カ月半の「沈黙」を破った。

核・ミサイル凍結のかすかな期待を裏切る蛮行である。日米韓が、国連安保理の緊急会合を求めたのは当然だ。

国際社会は、暴挙を許さない決意を崩してはならない。国連の全加盟国が、いっそう結束を強めて対処すべきである。

ミサイルは、過去最も高い約4500キロまで上昇したとされる。専門家によると、首都ワシントンを含む米国の東海岸にまで飛ぶ可能性がある。

もし米全土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)ができたとすれば、軍事レベルは極めて危うい段階に入る。だが、大気圏に再突入する技術を得たかどうかなど、不明な点が多い。

今回の発射が何より鮮明にしたのは、北朝鮮は当面、米全土を攻撃できる軍事力の追求をやめないという意思である。その意思を変えさせる方策を探しだす難題が続いている。

この2カ月半の休止が何だったのか、読み方は難しい。

米国は空母3隻を派遣するなど圧力を強めてきた。北朝鮮は、失敗を避けようと時間をかけて発射の準備を進めてきたという見方はできる。

一方でこの間は、トランプ米大統領のアジア歴訪に伴う各国の会談に加え、中国特使による平壌訪問もあった。さまざまな動きを注視し、今後のふるまいを練ったのも確かだろう。

すでに科された国連制裁は、これから本格的な効きめを表し、年末から北朝鮮経済は深刻な打撃を受けるとみられる。

その厳しさに備えようということか、ここ最近、最高指導者の金正恩(キムジョンウン)氏は国内の経済分野での現地指導や視察を重ねた。

きのう北朝鮮メディアは「国家核戦力完成」「ミサイル強国の偉業」と宣伝したが、その割にはあえて飛距離を抑える発射方法を選んだ。米国との軍事衝突は避けつつ、国内に実績をアピールしたい金正恩政権の思惑がうかがえる。

そうした北朝鮮側の事情をにらみながら、あらゆるルートを駆使して外交の工夫を凝らすのが日米韓各政府の務めだ。

かつて北朝鮮核危機に取り組んだペリー元米国防長官は、現況下で実行可能な軍事オプションはないとし、「対話しなければ、よい結果はそもそも得られない」と本紙に語った。

国連制裁の履行を着実に進めつつ、中国、ロシアと調整しながら平壌との対話を探る。そのための外交力が問われている。
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[朝日新聞] 製造業の不正 品質管理を立て直せ (2017年11月30日)

安全上の問題はないか、まずは徹底した確認が必要だ。不正が起きた原因も究明し、抜本的な対策を急がねばならない。

製品の品質や仕様が契約内容と異なるのに、書類のデータを書き換え、約束通りであるかのように装って出荷する。そんな不正が、神戸製鋼所に続き、三菱マテリアルと東レの子会社でも発覚した。

三菱の3子会社はゴム、銅、アルミの各製品で寸法を書き換えるなどして、航空機や自動車などの部品として出していた。東レの子会社は08?16年に、タイヤの強度を保つ補強材などの強度データを書き換えていた。驚くことに、品質保証室長が2代続けて関与していたという。

目につくのは、情報の開示に後ろ向きな姿勢だ。

三菱電線工業は2月にデータ改ざんを把握したが、不正製品の出荷を止めて親会社の三菱マテリアルに報告したのは10月下旬。発表はさらに1カ月後だった。三菱アルミニウムは「安全性が確認され、解決済み」として、対象品目など詳しいことは明らかにしていない。

東レは子会社での改ざんを16年7月につかみ、再発防止策を講じたが、未公表だった。今月初めにインターネットで不正に関する書き込みがあったため、公表することにしたという。

神戸製鋼も含めて共通するのは、直接の取引先であるメーカーしか見ていないことだ。製品の最終的な利用者や消費者に説明し、責任を果たそうという意識がうかがえない。

東レの不正は、現在は相談役で経団連会長の榊原定征氏が社長や会長の在任中に起きていた。榊原氏はきのう、謝罪して「発覚した時点で公表するのが原則だ」と述べた。東レが率先して改めるべきだろう。

素材メーカーには、製品の品質や仕様が契約と多少違っても、取引先の了承を得て出荷する「トクサイ(特別採用)」という慣行がある。それが不正の一因になったようだ。

納期は厳しく、了承を求めていては手間がかかる。誤差程度ならデータを変えても問題はない。そう考えたのかもしれないが、目をつぶり続ければ、いずれ重大な事故を招きかねない。

契約で決めた品質が十分に高水準だから、という認識が背景にあるともされる。そもそも契約内容が過剰だというなら契約を改めるべきで、データを改ざんしてよい理由にはならない。

利益を優先し、品質管理の基本がおろそかになっていないか。すべての企業が体制を点検しなければならない。
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2017年11月29日

[東京新聞] 大飯原発 安全は約束できるのか (2017年11月29日)

福井県の西川一誠知事は、国の積極関与を世耕弘成経済産業相と約束し、大飯原発の再稼働に同意した。国策をより強く表に出すということは、国として、その安全にも責任を持つということだ。

大飯3、4号機も、疑問の多い原発だ。

三年前、福井地裁が運転差し止めの判決を下し、リスクの大きさを指摘した。控訴審は今月二十日に結審したばかりである。

控訴審で証言に立った元原子力規制委員長代理で地震学者の島崎邦彦さんは、地質調査が不十分であるために、地震の規模が過小評価されていると指摘した。

政府主導で策定された事故時の広域避難計画には、多くの住民が不安と不信を訴える。

三十キロ圏に一部がかかる滋賀県は、再稼働を認めていない。

それでも、原子力規制委員会は、3・11後の新規制基準に「適合」と判断した。そして最後の関門である西川知事は、前日に県庁を訪れた世耕経産相に再稼働への同意を求められると、あっさりそれを受け入れた。“忖度(そんたく)”が働いたようにも映る。

世耕氏は、福井県側が同意の条件として求めた使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外立地について「国も積極的に関与する」と約束し、福島原発事故の後始末もままならぬまま、国策として再稼働を進める姿勢をあらわにした。

中間貯蔵施設とは、最終処分が可能になるまで、核のごみを保管しておく場所である。

電力会社でつくる原子力発電環境整備機構が二〇〇二年から、最終処分場を受け入れてくれる自治体の公募を続けている。だがいまだ、正式な立候補者は現れない。

中間貯蔵だとしても、さほど違いはないはずだ。最終処分地が決まらなければ、そのままにされる恐れもある。

多くの原発を受け入れてきた福井県さえ、いやだというものは、他県も当然いやなのだ。

再稼働が進めばその分、核のごみも出る。国民の過半が再稼働には反対だ。原発の推進と核のごみの処分に対する国民理解は両立しない。ならば国の積極関与とは、強制立地も視野に入れてということか、という疑念もわく。

そもそも国として、原発の安全をどこまで保証できるのか。

国が関与を強めれば、これまで以上に国費を費やすことにもなるだろう。立地地域の同意を得ただけで、決めてしまっていいことなのか。
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[産経新聞] 【主張】東京パラ1000日前 競技として理解深めたい (2017年11月29日)

障害者スポーツの祭典である2020年東京パラリンピックの開幕まで、29日であと1000日となった。

22競技537種目が行われ、最大で約4400人の選手が参加する。ホスト国としてパラ競技への理解を一層深め、本番を迎えたい。

種目数は五輪の339を大きく上回る。障害の程度によって種目が細分化されているためだ。ゴールボールやボッチャなど、障害者のリハビリのために考案された独特の競技もある。

器具や介助者の補助を得て行われるためか、東京大会の招致決定以前は勝者より敗れた著名選手の持つ物語が、メディアに報じられることも多かった。「パラ選手=乗り越える」という構図は、パラ競技を観戦する上で大事な要素だが、競技を楽しむ上では心理的な壁になる恐れもある。

走り高跳び男子でパラ5大会連続入賞の実績を持つ鈴木徹(SMBC日興証券)は「乗り越えて頑張った、というストーリーが注目される段階はもう過ぎている」と話す。

トップ選手の競技力は向上し、記録向上のためにどう戦い、社会の中でパラ競技をスポーツとしてどう根付かせるかという新たな段階を迎えている。

リオ大会の陸上女子400メートル銅メダリスト、辻沙絵(日体大大学院)は「パラスポーツは人と道具が融合する場。もっと楽しく、熱くなれる」と語る。

リオ大会では200以上の世界記録が生まれ、パラアスリートの持つ可能性が注目を集めた。義足による陸上短距離の記録が、健常者の記録を上回る日が来る可能性も指摘される。器具をどう使いこなすかという側面が、もっと評価されてもいい。

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「6本目の指」と呼ばれる筋電義手の開発なども進んでいる。パラ競技の発展は、障害者の生活利便性を向上させ、社会参加を進める上でも大きな役割を担っていることを忘れてはならない。

1964年東京大会は、五輪と同一都市で開催された初めてのケースだった。公式資料の中で「パラリンピック」の名称が使われたのも、64年東京大会からだ。

2度目のパラ大会を開催するのも、2020年の東京が初めてになる。これらの歴史に誇りを持ち、胸を張りたい。歴史を学ぶこともわれわれの課題だ。
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[産経新聞] 【主張】大飯原発再稼働 地域と日本に意義がある (2017年11月29日)

3号機は来年1月中旬に、4号機は3月中旬に発電を再開できる見通しとなった。

関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に、同県の西川一誠知事が同意を示したことによる展望だ。2基の復活によって、新規制基準下での再稼働は4原子力発電所・7基となる。

エネルギー資源を欠くわが国にとって原子力発電は、不可欠の技術である。福島事故の教訓を反映し、原発の安全性は格段に強化されている。安定電源復活の着実な足取りとして歓迎したい。

西川氏は「再稼働は地域に役立ち、日本にとっても意義がある」と述べた。原発立地県の知事としての至言である。

原子力規制委員会の安全審査で合格レベルに達した柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に難色を示し続けている新潟県の米山隆一知事には、ぜひとも参考にしてほしいものである。

合わせて236万キロワットに達する大飯3、4号の再稼働によって、関電の収支は、1カ月で約90億円の改善が見込まれる。先行した高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働で、8月に電気料金を安くしているが、今回はそれに続く値下げとなりそうだ。

電気代の高さに苦しんできた近畿圏の製造業の競争力と経営の回復につながろう。一般家庭の家計にとっても朗報である。

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原子力発電の特徴は、二酸化炭素の排出を伴わないことにある。世界の国々が地球温暖化防止を目指す「パリ協定」で、日本が誓った削減率達成のためにも原発再稼働の着実な進捗(しんちょく)が望まれる。

今回の再稼働に対し、隣接する滋賀県は、立地自治体並みの安全協定を求め、「容認できる環境にない」と難色を示しているが、そもそも安全協定は、電力会社との紳士協定的な取り決めだ。

それに基づく地元同意には、法的根拠がないことを忘れてはなるまい。もちろん、原発を擁する電力会社と地元とのコミュニケーションは非常に重要である。

だが、地理的範囲を拡大させた地元同意が脱原発に援用されるような事態を招来するなら、本来の安全確保から遠ざかる。

エネルギー安全保障の観点からも、政府による原子力利活用の明確な意思表明が必要だ。エネルギー基本計画を見直している今こそ、その時期ではないか。
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[東京新聞] 核軍縮賢人会議 期待に応える提言を (2017年11月29日)

核軍縮に関する外務省主催の「賢人会議」が広島市で開かれた。核保有国側に立つ日本に、内外の視線は厳しい。核の保有・非保有国間に生まれた対立解消のため、前進する提案に期待する。

今回の賢人会議は、米国、ロシアといった核保有国と、エジプトなど非核保有国から有識者を招き、被爆者や核廃絶運動に取り組む非政府組織(NGO)からも意見を聞くという幅の広さが特色だ。

今後の会合で提言をまとめ、来年四月の核拡散防止条約(NPT)関連会合への提出を目指す。

今年国連で、核兵器の製造や保有を幅広く禁止する「核兵器禁止条約」が採択された。すでに五十カ国以上の国が署名を終え、発効に向けた手続きが進んでいる。

これに対して核保有国は段階的な核軍縮を訴え、条約に反対している。米国の「核の傘」の下にあるアジアや欧州の国々も同調し、条約に賛成する非保有国との間で対立が深まっている。

こんな状況の中で、唯一の戦争被爆国である日本が、打開策を探るための会議を開いたことは意義があり、評価したい。

ただし、日本政府の矛盾した姿勢には、厳しい意見が多い。双方の溝を埋め、「橋渡し役」になるとしているが、実際は、核保有国のサイドに立ち、非核保有国の多くが賛同する核兵器禁止条約を無視しているからだ。

たとえば、国連の委員会で米英仏の賛成を得て採択された日本提出の核兵器廃絶決議には、世界的関心を集める核兵器禁止条約に関する言及が全くなかった。

さらに河野太郎外相は自分のブログで、北朝鮮に核兵器使用を思いとどまらせるには、米国の核抑止力が欠かせないと表明。この条約に日本が参加すれば、「日本国民の生命や財産が危険にさらされても構わないと言っているのと同じ」とまで言い切った。

ここまで否定的な考えを示している日本が、どうして「橋渡し役」になれるのだろうか。

二日間の会議期間中、NGOや被爆者からは「核保有国に対して、核軍縮に向けた行動を強く促す提言が必要だ」「いかなる国であれ、核兵器禁止条約の署名、批准への妨害をしないよう賢人会議として求めてほしい」などという期待が相次いで寄せられた。

両論併記ではなく、前に進む提言を求めたい。動きだした潮流を止めてはならない。
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[毎日新聞] 森友問題の政府側答弁 ほころびが明白になった (2017年11月29日)

幕引きどころか、さらに疑惑は深まったと言える。学校法人「森友学園」への国有地売却問題だ。

きのうの衆院予算委員会では、土地売却が値引きされた根拠となった地中のごみについて、近畿財務局と森友学園側が口裏合わせをしていたと疑わせる音声データの存在も指摘された。これらに対する財務省の答弁は著しく説得力を欠いていた。

森友問題は、会計検査院が「値引きの根拠が不十分」と厳しく指摘したことで新たな局面を迎えている。

そんな中、政府がやっと認めたのが、売買契約前の昨年5月、近畿財務局が売却価格に関し、「ゼロに近い形まで努力する」などと学園に伝えたとされる音声データの存在だ。

このデータには価格の下限をめぐるやり取りも記録されている。共産党が指摘した「口裏合わせ」の音声データも財務省は存在を認めた。

これまで佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)は「財務局側から価格を提示したことはない」と国会で繰り返してきた。この答弁と矛盾しているのは明らかだ。

ところが財務省は「金額に関する一切のやり取りがなかったかのように受け取られたのは申し訳ない」と陳謝しながらも、このやり取りは財務省の考え方を伝えただけで価格交渉ではないと否定。「金額は触れたが価格は言っていない」と全く理解できない答弁まで飛び出した。

一方、安倍晋三首相は「売却手続きも価格も適切だった」とこれまで答弁してきたことに対し、「財務省を信頼している」と述べるだけで、「私が調べたわけではない」とも語った。これも無責任な姿勢だ。政府はまず従来の答弁を撤回し、不適切だったと認めるべきだろう。

首相らは会計検査院の指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後、直すべき点は直すと言う。しかし、「森友」の件ではどこが問題なのかは具体的にしない。これでは解明も改善も進まない。

財務省は契約価格を非公開にしたり、売却を前提に定期借地権契約を結んだりした例は、過去数年で今回だけだとも認めた。

問題の本質は、なぜこうした特例が重ねられたのかだ。佐川氏や、問題となった小学校の名誉校長に一時就任していた首相の妻昭恵氏らの国会招致はますます不可欠になった。
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[毎日新聞] 経団連会長会社でも不正 企業不信招く深刻な事態 (2017年11月29日)

またも日本のものづくりをめぐる不正が発覚した。

しかも、経団連の榊原定征(さだゆき)会長の出身企業グループで起きた。東レの子会社で自動車用タイヤの補強材などを手がける東レハイブリッドコードが、製品の品質データを偽って出荷していたのだ。

改ざんは2008年4月から約8年にわたり、2人の品質保証室長が主導していた。昨夏に内部で問題化した後、体制を改めたが、不正の事実は公表しなかった。

経団連の榊原会長は、問題発覚に先立つ27日の記者会見で、三菱マテリアルの子会社による製品データの改ざんを受け「極めて残念に思う。日本の製造業に対する信頼に影響をおよぼしかねない深刻な事態だ」と語った。また、各企業が危機意識を持って自社の管理体制を改めて点検し、信頼を確保する努力がいるという考えも示している。

経営のあり方を問い直せと産業界に説く財界トップの足元で、不正が長く続いていたことは、まさに深刻な事態である。

しかも、東レの日覚(にっかく)昭広社長は今回の発表がなぜこの時期になったのか問われて、耳を疑いたくなる説明をしている。

「ネットの掲示板で書き込みがあり、何件か問い合わせがあった。うわさとして流れるより内容を公表すべきだと考えた」と述べたうえで、「(検査データの不正があった)神戸製鋼所の問題がなければ発表は考えていなかった」と話した。

榊原会長は、三菱マテリアル子会社が不正を把握しながら半年以上も出荷を続けた点について、記者会見でこう語っている。「本来あるべき姿としては発覚した時点で速やかに公表するのが原則で、どんな事情があったのか」と。

日覚社長の言葉には自ら襟を正す姿勢が見られないうえ、榊原会長の問いかけにも耳を貸していない。

安全性を揺るがすものではないと考え、相手企業に納得してもらえれば内々に済ませてもいいという思いが読み取れる。その先にいる消費者や経営の透明性を重視する投資家は見えていないのか。

不正を絶ち、信頼を取り戻すには、日本企業の多くが陥りがちな内向きの発想との決別も不可欠だろう。
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[朝日新聞] 竹下氏の発言 同性愛への差別を憂う (2017年11月29日)

人権感覚が疑われる残念な発言だ。自民党の竹下亘総務会長である。国賓を招く宮中晩餐(ばんさん)会について、「(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は反対だ」と語った。

婚姻や伴侶を選ぶ性的指向によって賓客への接遇を左右させることは不適切である。性的少数者への差別にもつながる無神経な言動というべきだ。

これを機に、外務省と宮内庁による賓客への接遇の一端が明らかになった。デンマークの前駐日大使の同性パートナーは、宮中行事などへの参加を認められていなかったという。外交儀礼上も礼を失する対応だ。

河野外相はきのうの国会で、今後の改善を表明した。天皇誕生日のレセプションなど外務省主催の行事では、どのパートナーも等しく接遇するという。

ただ、晩餐会など宮中行事については対応を明示していない。すべての行事で対等な処遇を確約すべきである。

人生でどんなパートナーを選び、どんな家族を築くかは一人ひとりが決めることだ。多様な生き方を認めあうのは人権尊重の原則の一つであり、日本も寛容な社会づくりに努めたい。

同性婚や同性パートナーの法的な権利を認める国は増え続けている。主要7カ国(G7)で制度がないのは日本だけだ。

ルクセンブルクでは一昨年、ベッテル首相が同性婚をした。欧州での国際会議で首相の男性パートナーは、配偶者向けの文化行事などに参加した。

保守的と思われがちなローマ・カトリック教会でも法王が3月、ベッテル氏とパートナーをバチカンに招いた。法王自ら、同性愛の容認をアピールしたと受けとめられている。

自民党は、先の衆院選公約では「性的指向・性自認に関する広く正しい理解」をめざす議員立法を掲げた。だが、竹下氏の発言を聞く限り、「正しい理解」には疑問符がつく。

そもそも自民党では、個人の権利よりも、一定の家族観を重んじる考え方が強い。

12年の自民党改憲草案は「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される」としている。こうした自民党的な発想では、同性カップルの権利擁護は相いれないのだろう。

一方、国内では自治体の取り組みが先行している。東京都渋谷区と世田谷区は一昨年、同性パートナーの公認制度を導入、多くの申請が続いている。

政府も、医療、住宅、相続など多くの場面で不利益を被っている同性カップルの現状に目を向け、改善に取り組むべきだ。
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[読売新聞] 三菱マテ系不正 経営陣の品質軽視が目に余る (2017年11月29日)

「日本製」の信用を揺るがす不正の連鎖は、どこまで続くのか。

非鉄金属大手の三菱マテリアルの子会社と、繊維大手の東レの子会社による製品データ改ざんが相次いで発覚した。素材関連では神戸製鋼所に続く不祥事だ。

何よりも製品の安全性確認と原因究明を急がねばならない。

三菱マテリアルの3子会社は、ゴム、銅、アルミの各製品でそれぞれ不正を行っていた。

問題の製品は、航空機や自動車、原子力発電所などの部品として幅広く使われている。出荷先は270社を超える可能性がある。

いずれも現場で、納入先と契約した品質基準を満たさない測定値を書き換えて出荷していた。

中でも三菱電線工業は、今年2月の社内調査で不正を把握したにもかかわらず、9か月にわたって問題の製品を販売し続けた。

村田博昭社長は記者会見で「不具合があるかもしれないと認識しながら、出荷し続けた」と説明している。品質保持への責任感の欠如は目を覆うばかりだ。

3社の不正が組織ぐるみで行われたのかなど、詳細は現時点でほとんど判明していない。

三菱電線と三菱伸銅は、外部の弁護士らによる調査委員会が原因解明に当たるが、十分か。親会社の三菱マテリアルと三菱アルミニウムは調査委を設置しない。

品質保証は顧客との信頼関係の基盤である。親会社も含めて調査対象とし、再発防止策を講じる必要があるのではないか。

東レの子会社は、タイヤなどに使われる製品で2008?16年に改ざんを繰り返していた。子会社社長は「規格値からのデータの外れは僅差であり、安全性に問題はない」と主張している。

改ざん度合いの大小は本筋ではなかろう。不正を許す企業風土そのものが問われている。

特に、製品安全に責任を負う品質保証室長が2代連続で関与していた事実は看過できない。

発覚前の27日に、東レ出身の榊原定征経団連会長は、データ改ざん問題が「日本企業の信頼に影響を及ぼしかねない深刻な事態だ」と批判していた。日本を代表する企業として、信頼回復の取り組みで模範を示すほかはあるまい。

一連の不正は、品質管理を現場に丸投げしてきた経営陣の無責任体質が生んだと言える。

日本のモノ作りは高いモラルの「現場力」を強みとしてきた。産業界全体で企業統治のあり方を点検し直すことが重要だ。
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[読売新聞] 慰安婦記念日 「反日」迎合を強める韓国政治 (2017年11月29日)

韓国の独善的な動きによって、歴史問題を巡る日本との溝が一段と深まった。これでは、「未来志向」の日韓関係の構築は遠のくばかりだ。

韓国国会で、8月14日を「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」と定める改正法が可決された。賛成205、反対ゼロ、棄権8で、与野党ともに支持した。近く公布され、その半年後に施行される。

改正法は、記念日制定の目的を「慰安婦問題を国内外に知らせる」ことだと明記した。政府と地方自治体に対し、行事を催し、広報する努力を求めている。

政府が元慰安婦に関する政策を立案する場合には、本人の意見を聴取する条項も盛り込まれた。

元慰安婦の金学順さんが、1991年に初めて名乗り出て、取材に応じたのが8月14日だ。記念日の法制化により、毎年この日が来るたびに、慰安婦問題が公に蒸し返されることになる。

植民地支配から解放された翌15日の「光復節」と合わせ、韓国人の反日感情が引き継がれていくのではないか。日本人の韓国観が厳しさを増すのは避けられまい。

看過できないのは、文在寅政権が、慰安婦問題に焦点を当てる施策を推進していることだ。

7月に策定した国政5か年計画で、記念日の制定や「歴史館」の建設を打ち出した。国立墓地に追悼碑を建てる方針も発表した。

ソウル高裁は、慰安婦に関する学術書の著者、朴裕河教授に対し、名誉毀損(きそん)で有罪判決を言い渡した。トランプ米大統領の歓迎夕食会には、元慰安婦が招かれた。

政府・国会・司法が揃(そろ)って、韓国の市民団体が煽(あお)る反日運動に迎合する。極めて深刻な事態だ。

日韓両政府は、2015年の合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。双方が歩み寄った貴重な成果であり、再交渉の余地はない。

合意には、当時の朴槿恵政権が元慰安婦から聞いた要望も反映されている。元慰安婦の7割は、合意に基づき、韓国政府が設立した財団から現金支給を受けた。文政権はこうした事実こそ、国民に広く知らせるべきではないのか。

菅官房長官が記念日について、「日韓合意の趣旨に反する」と、遺憾の意を表明したのは当然である。首脳会談などの機会に、合意の着実な履行を促すべきだ。

訪韓中だった公明党の山口代表は、日韓関係全体に悪影響が及ぶことへの懸念を示した。日韓議連を通じた議員交流の強化など、多角的な努力も必要だろう。
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[朝日新聞] 森友・加計 解明は首相にかかる (2017年11月29日)

衆院の予算委員会はきのう、野党各党が質問に立った。

改めて浮かび上がったのは、森友学園への国有地売却があまりにも不自然だったことだ。

立憲民主党の川内博史氏は財務省幹部にただした。

近年の同種契約のなかで、売却額を非公表にした例は。分割払いや、売却を前提にした定期借地契約を認めた例は……。

「本件のみでございます」と4回続いた答弁が、異例の扱いぶりを雄弁に物語っている。

だが結局のところ、募ったのはもどかしさと疑問ばかりだ。

なぜ、そんな特別扱いをしたのか。学園の籠池泰典前理事長らと交流があった安倍首相の妻昭恵氏への忖度(そんたく)は、あったのか否か。肝心な点の解明が依然として進まなかったからだ。

理由ははっきりしている。

問題に直接かかわった当事者が口を閉ざしているからだ。

森友問題では、昭恵氏や近畿財務局幹部、通常国会で答弁に立ってきた佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)。

加計問題では、学園の加計孝太郎理事長や、特区の構想を進め、官邸も訪れたとされる地元愛媛県や今治市の職員らだ。

野党が何度国会招致を求めても、与党が立ちはだかる。昭恵氏については首相が「私がすべて知る立場だ」とかわした。

衆院選で大勝した自民党には「この問題をいつまで審議するのか」との声もある。だが問題を長引かせているのはむしろ、真相究明に終始一貫後ろ向きな政府や首相の姿勢である。

森友問題では、約4カ月前から報じられていた学園側と財務局側の会談の音声データの内容を、一昨日の予算委でようやく認めた。加計問題でも、文部科学省の内部文書を1カ月近くも怪文書扱いした。

「安倍1強」のもと、首相官邸の不興を買いかねない場面は避けたい。そんな与党や官僚の忖度の結果、ずるずると解明の機会を失うなかで、新たな疑問が膨らんでいく。

この悪循環を断ち切れるのは首相自身である。

首相はこの日、「交渉した当事者や責任者から説明するのは当然のことだ」と述べた。

ならば、首相自身が財務省など関係省庁に改めて徹底調査を指示するべきだ。「国会が決めること」と身をかわさずに、関係者の国会招致を与党に求めることも欠かせない。

ふたつの問題を引きずれば引きずるほど、首相と行政機構への国民の不信は増す。「一点の曇りもない」という首相なら、何をためらう必要があろう。
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2017年11月28日

[東京新聞] 悪質クレーム 人の不寛容が気になる (2017年11月28日)

店舗などの接客現場で、客から従業員が受ける悪質なクレームやセクハラは深刻さを増している。立場の弱い者へのストレスのはけ口にも見える。人への不寛容が社会の中に広がっていないか。

・商品の返品時に「おまえはバカか」などと暴言

・総菜の価格確認に行こうとしたら「待たせるな」と三時間、従業員を拘束

・不良商品の返金の際、土下座で謝罪を要求

耳を疑うような客の迷惑行為を労働組合「UAゼンセン」が報告している。百貨店やスーパーマーケットなどで働く組合員を対象に実施したアンケートにでてくる実例だ。

74%が被害に遭ったことがあると回答している。複数回答による被害内容で多かったのは暴言だ。それ以外にも説教、脅迫、長時間拘束、セクハラ、金品の要求、土下座の強要まであった。

約五万人が回答し、うち三百五十九人は迷惑行為で精神疾患にかかったという。商品や対応に問題がなくてもクレームをつけたり、少しのミスに過剰な謝罪を求めることが現場を疲弊させている。

UAゼンセンがその対応策をまとめたガイドラインでは、クレームの特徴に高学歴、高所得だったり、社会への不満を持つ人が多いのではないかと分析している。

鉄道会社の駅員への暴力行為も以前から問題になっている。国土交通省によると二〇一五年度の発生件数は八百七十三件で、一二年度から件数はほぼ横ばい状態だ。加害者の約六割が飲酒していた。

もちろん商品やサービスに不備や要望があれば、それを客が企業に伝えることは当然である。企業も、クレームは商品・サービスを向上させるための有益な情報であるとの認識は前提だ。

ただ、こうした迷惑な行為に共通するのは、自分より立場の弱い人たちに不満の矛先を向けていることだ。日常のストレスを発散しているのだろうか。格差拡大などの社会問題が背景にあるようにも見える。

現場の従業員が安心して働けない深刻な事態ならば、既に企業に対応を義務付けているセクハラ対策のように働く人を守る手だてを取ることも必要だろう。

東日本大震災などの災害時に、深刻な被害に遭いながら助け合う被災者たちの姿は海外からも称賛された。

弱い者いじめにも見える行為の広がりは、社会からこの力を削(そ)ぐことになりはしないか。
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[東京新聞] 増える与党質問 「事前審査」廃止しては (2017年11月28日)

与党議員が政府擁護の質問を繰り返せば、国会審議の形骸化に拍車がかかるだけだ。与党が質問時間を増やしたいのなら、法案提出前に与党の了承を得る「事前審査制度」の廃止が先決ではないか。

衆院予算委員会できのう安倍晋三首相と全閣僚が出席して基本的質疑が行われた。きょうまで二日間の日程で、参院でも二十九日から二日間行われる。これまでと違うのは、与党議員の質問時間が増えたことである。

衆院予算委の審議時間は二日間で計十四時間。持ち時間の割り振りは与党五時間、野党九時間で比率はおおむね三・五対六・五だ。今年一月召集の通常国会では与党二、野党八の割合で配分されており、与党側が質問時間を一・七五倍に増やしたことになる。

与党側の理屈はこうだ。自民党は衆院選で勝利したが、議席数の多さに比べて国会での質問時間が限られており、有権者から国会で仕事をしていないと指摘される。議席数に応じて質問時間の配分を行うのは当然だ−。

若手議員の要請を受けた首相(自民党総裁)は、質問時間を野党側に多く割り振る慣例を見直す党の方針に同調していた。

しかし、野党は政権監視の役割を担うからこそ国会で質問時間がより多く配分されていることを忘れてはなるまい。少数意見に耳を傾けることは民主主義の要諦だ。

加えて、自民党政権下では、政府が法案や予算案を国会提出する前に、与党の了承を得る「事前審査制度」がある。法的な根拠はないが、長年の慣例であり、自民党の権力の源泉にもなってきた。

政府提出法案はすでに与党内で議論を経ており、与党議員が国会で質問を重ねる必要性は薄いとされてきたことも、与党の質問時間が少ない背景にあったはずだ。

与党側は質問時間を増やす理由に衆院選での勝利を挙げるが「森友」「加計」両学園の問題をめぐる野党の厳しい追及を避ける「疑惑封じ」の意図があるなら、動機が不純と言わざるを得ない。

事前審査制度は、国会審議が形骸化する元凶とも言われてきた。与党が国会での質問時間を増やしたいなら事前審査制度を廃止し、与党も野党同様、国会の場で法案審査をしたらどうか。

有権者に仕事ぶりをアピールしたいのなら、原則非公開の自民党の部会や政務調査会、総務会などを全面公開する方法もある。その場で問われるのはもちろん、質問する議員の力量である。
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